肌のターンオーバーを促進し、肌荒れを改善する効果がある成分レチノール。近年市場ではレチノール配合の化粧水が多く出回っています。そこで本記事ではおすすめのレチノール配合化粧水を解説。国内の人気商品だけではなく、日本ではまだあまり知られていない海外ブランドも紹介します。
レチノールは、ビタミンAの一種で活性型のビタミン誘導体です。ビタミンA自体は熱や光、酸素にとても弱い成分なので、他の成分と合わせて安定させたビタミンA誘導体として多く使われます。ビタミンAとその誘導体の総称は「レチノイド」といいます。水には溶けず、油剤やアルコールに溶ける油性成分なので、主に美容液やクリームなどに配合されることが多いです。
ビタミンAは元々人の体内にレチノールとして存在しています。抗酸化ビタミンとして、肌のターンオーバーに働きかけたり、目の粘膜を丈夫にし、視力を調節する働きがあります。しかし、体内のレチノールは紫外線を浴びると破壊され減少してしまうので、スキンケアで外から補給することが必要です。
レチノールは、肌のターンオーバーを促進し、肌荒れを改善する効果がある成分です。肌を健康に保ち、肌の保湿効果を高めます。また、レチノールは、資生堂の研究によりシワ改善の効果があることが判明し、2017年に医薬部外品のシワ改善有効成分として承認されました。レチノールが表皮のヒアルロン酸の生成を促し、さらに真皮のコラーゲンやエラスチンの生成を促すことでシワの改善が期待できます。シワ改善の有効成分として認められているのは、資生堂の「純粋レチノール」だけです。
<ビタミンA誘導体について>
ビタミンA誘導体には、①レチニルエステル(主にパルミチン酸レチノール)・②レチノール・③レチナール・④レチノイン酸(トレチノイン)の4つの形態があります。最終的にレチノイン酸に変化することで、ビタミンAとして作用します。
①レチニルエステル(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなど)
ビタミンAの中で最もマイルドに作用する。レチノイン酸に変換されるまで回数がかかる分、効果もマイルド。
②レチノール
化粧品成分で最も広く使用されている成分だが、化粧品によって濃度に大きな開きがある。
③レチナール
1回でレチノイン酸に変換されるため、最も効果が高いが、国内ではほとんど使用されていない。
④レチノイン酸(トレチノイン)
その活性はビタミンAの約50〜100倍であるといわれている。医薬品の成分で、通常0.05〜0.2%が処方される。高濃度であるほど高刺激な成分。化粧品への配合は禁止されている。
次に、レチノールと相性のよい成分をご紹介します。下記の成分が配合されたスキンケアアイテムを取り入れることで、よりレチノールの効果を期待することが可能です。
スクワランは、炭化水素系の油性成分です。水分の蒸散を防ぐことに優れています。上述の通り、レチノールは安定性を保つのが難しい成分です。スクワランなどの油脂と組み合わせてクリーム剤として使用すると、安定性も高まり、シワ改善にも効果的です。
ヒアルロン酸は、代表的な保湿成分の一つで、1gあたりで保持できる水分量は、なんと最大6リットルにもおよびます。ヒアルロン酸には被膜効果があるため、レチノールに合わせることで、ハリ感を強化しエイジングケアの効果を高めることが可能です。
ヒアルロン酸配合の化粧水はこちらの記事でご紹介していますので、参考にしてください。
上記で解説したように、レチノールは肌荒れ改善効果とシワ改善が期待できる成分です。ここでは、肌荒れ改善とシワ改善でそれぞれレチノールの類似成分をご紹介します。
ターンオーバーを促すことで肌荒れの改善が期待できる成分には、セラミドやビタミンC誘導体、ナイアシンアミドなどがあります。医薬部外品のシワ改善有効成分として承認されている成分は、レチノール以外だとナイアシンアミドとニールワンがあります。敏感肌の方には、刺激性が比較的低いナイアシンアミドもしくはニールワンがおすすめです。
ニールワンは、4つのアミノ酸誘導体で構成された成分です。化粧品メーカーのポーラが開発し、2016年に日本で初めて医薬部外品の抗シワ有効成分として承認された成分です。ポーラの化粧品だけしか使用することができない成分です。ちなみに、ニールワンの正式名称は「三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム」と大変長いです。
ナイアシンアミドは、水溶性であるビタミンB3の一種です。医薬部外品のシワ改善有効成分、美白有効成分、肌荒れ有効成分として認められた大変優秀な成分です。その他、ターンオーバーを促進してセラミドの生成を促し、肌のバリア機能を高める作用もあります。
ナイアシンアミド配合の化粧品はこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
レチノール自体が刺激性のある成分ですので、敏感肌の人の使用には注意が必要です。特に、レチノール配合の化粧品を初めて使う場合などは、強いレチノイド反応(詳細は後述しています)が出る可能性がありますので、パッチテストなどを実施して、自分の肌に合っているかどうかを確認しましょう。
上述の通り、レチノール高配合の化粧品は、肌の刺激性が高いです。そのため、レチノール配合の化粧水を初めて使用する方や、肌が敏感な方などは高濃度の化粧水は避ける方が良いでしょう。
また、レチノールよりも比較的刺激がマイルドといわれるパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどが配合された化粧水を選ぶのもおすすめです。
レチノールは、光刺激性があるため、夜に使うことをおすすめします。日中に使用する場合は、必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。
ちなみに、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどは「守りのビタミンA」といい、肌に塗ることで紫外線を浴びた時にSPF効果の代わりをしてくれますので、これらのビタミンAは朝に使用する方が良いです。
レチノール配合の化粧水を使用すると、肌の乾燥や皮剥け、赤み、かゆみなどの肌トラブルを経験することがあります。これは「レチノイド反応(A反応)」と呼ばれる症状で、アレルギー反応とは異なるものです。
肌質によってはレチノイド反応(A反応)が出ない方もいますが、使用開始から1〜2週間でA反応は出やすいです。しかし、肌が慣れてくる1ヶ月以内には改善することがほとんどです。
結婚式や大切な仕事などのイベント直前の使用は避けるとよいです。レチノイド反応(A反応)が出るかどうか不安な方は、低濃度のレチノール配合の化粧品を選んだり、効果がマイルドなパルミチン酸レチノールなどを選ぶなど工夫をしてみましょう。また、使用量を減らすことでも、レチノイド反応(A反応)を軽減することが可能です。
シワ改善の有効成分と認められていますが、変化を実感するには継続利用が必要です。少なくとも1本を使い切るまでは毎日使用し、肌がどう改善するかを観察しましょう。
また、深いシワの場合、医薬部外品や化粧品のみでシワを完全に消すことは難しいです。なかなか改善されない場合は、美容皮膚科などでの施術が必要になります。
冒頭でお伝えした通り、レチノールは油溶性なので、美容液や乳液、クリームなどに含まれていることが多いです。最近は化粧品メーカーの技術が上がってきたので、化粧水にも配合することが可能となりましたが、化粧水以外のアイテムでもレチノールを取り入れるのもおすすめです。
次に、レチノール配合の化粧水に限らず、あらゆる化粧水を選ぶ上で大切なことを解説します。
保湿は、肌質に関係なく全ての方に必要なことです。保湿をすることで、様々な肌トラブルを防ぐことができます。特に乾燥肌の方は、保湿成分が配合された高保湿化粧水がおすすめです。
保湿成分には、セラミド類やヒアルロン酸、コラーゲン、レチノール、ナイアシンアミド、アミノ酸、グリセリン、スクワラン、ワセリンなどがあります。
また、ブランド独自の保湿成分などもありますので、どの成分にどんな働きがあるのかを確認してみましょう。
高保湿成分配合の化粧水はこちらの記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。
肌が敏感になっている場合、化粧品に配合されている成分で刺激を感じることがあります。そのため、肌に負担の少ない低刺激成分の化粧水を選ぶことをおすすめします。
例えば、敏感肌向けのスキンケアブランドは、低刺激成分で作られていることが多いため、化粧水選びに迷った際はおすすめです。ただし、低刺激性の商品でも、使用されている成分によっては肌トラブルに繋がる可能性もあります。
下記は、有名な敏感肌向けのブランドの一例です。
ラロッシュポゼ(フランス)
ビオデルマ(フランス)
アベンヌ(フランス)
ディセンシア(日本)
アクセーヌ(日本)
dプログラム(日本)
アルージェ(日本)
キュレル(日本)
ミノン(日本)
NOV(日本)
また、一般の化粧品ブランドの中に、敏感肌向けのスキンケアラインが用意されていることがあります。例えば、SHISEIDOの「ジェントルフォース」やIPSAの「センシティブ」などのシリーズは、敏感肌の方向けに低刺激な成分で作られています。
敏感肌向けの化粧水はこちらの記事で紹介しておりますので、参考にしてください。
化粧水は毎日使用するものなので、使い心地の良い化粧水を選ぶことが大切です。例えば、香りやテクスチャー、ボトルの形状(ミスト式、ポンプ式など)、使用時間帯(朝用・夜用)などです。
特に香りやテクスチャーは人によって好みが大きく分かれます。化粧水は、大きく分けると、とろみのあるしっとりタイプの化粧水と、水のように軽いさっぱりタイプがあります。例えば、朝はさっぱりタイプでメイクに響かないようにスキンケアを行い、夜はしっとりタイプで保湿をしっかり行うなどの使い分けもよいでしょう。
化粧品の香りが苦手な方は、「無香料」「微賦香(香りが穏やか)」と書かれた化粧水がよいです。ただし、「無香料」の化粧水でも、原料の香りがするものもありますので、不安な方はテスターやサンプルで香りを確認してから購入しましょう。
使いやすさを重視したい場合は、ポンプ式やスプレー式の化粧水がおすすめです。特にスプレー式(ミスト状の化粧水)は、メイクの上から使用できるものが多いため、外出先の肌の水分補給としても使いやすいです。
ドクターケイは、「肌は心を映す鏡」という信念のもと、肌悩みを解決して健やかに過ごして欲しいという思いから誕生しました。ビタミンC研究の第一人者で美容皮膚科医である亀山孝一郎の30年に及ぶ臨床研究から生まれた、高機能、高濃度、高感度という3つのコンセプトを掲げるスキンケアブランドです。
この商品は、毛穴はもちろん、シミや肌荒れに総合的にアプローチする美容成分がたっぷり配合された医薬部外品の化粧水です。ドクターケイオリジナル処方「カクテルビタミン」などの働きにより、毛穴やシミの目立たない、透明感のある肌へと導きます。この化粧水には、10種類ものビタミンケア成分が配合されています。ビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸 2-グルコシド、テトラへキシルデカン酸アスコルビル)とナイアシンアミドが中心となり、ビタミンA(パルミチン酸レチノール)やB群(B2、B5、B12)、ビタミンEなどの成分が相乗効果を発揮しあらゆる肌悩みにアプローチします。美白有効成分の「L-アスコルビン酸 2-グルコシド(ビタミンC誘導体)」を高濃度配合、肌荒れ・ニキビを防ぐ有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」も配合されています。さらに、毛穴にアプローチする作用がある8種類の植物エキス(アーティチョークエキス、ビルベリー葉エキス、カモミラエキス-1など)で、毛穴の目立たない肌に導きます。
パラベンフリー、アルコールフリー、鉱物油フリー、合成着色料フリー、合成香料フリーです。
化粧水で水分を補給した後は、同ブランドの美容液や乳液、クリームでスキンケアルーティンを完成させましょう。
アスタリフトは、富士フイルムが展開するスキンケアブランドです。写真フィルム分野で培った独自のナノテクノロジーで極小化した成分を安定的かつ高濃度で高濃度配合することに成功しました。ナノ化された成分は、肌の角層の深くまで浸透します。
この商品は、ハリ・うるおいケアシリーズの「アスタリフトシリーズ」の化粧水です。肌になじみやすい独自の「モイストアップテクスチャー」で、角層をうるおいで満たすことが期待できるます。保湿成分としてCLリフレッシャーを配合しています。CLリフレッシャーは、独自技術でナノ化したビタミンA(パルミチン酸レチノール)やナノアスタキサンチン(ヘマトコッカスプルビアリス油)、コラーゲンペプチド(加水分解コラーゲンを配合したアスタリフトの独自複合成分です。さらに、3種のコラーゲンやヒアルロン酸を配合し、弾むようなうるおいのある肌へ導きます。
化粧水の後は、同シリーズの美容液や乳液、クリームでスキンケアルーティンを完成させましょう。
REVITAL(リバイタル)は、資生堂の「光ダメージ」に向き合うためのスキンケアブランドです。紫外線のダメージによる乾燥やハリ不足、シミなどのエイジングサインにアプローチできるスキンケア商品を取り扱っています。
この商品はレチノールカプセル入りで、肌に弾むようなハリとしなやかさを与える薬用化粧水です。有効成分のレチノールアセテート(酢酸レチノール)を極小カプセルに包んで配合しているので、角質層のすみずみまで浸透させることができます。また、角質層の内側からふっくらとしたハリ感を与える、肌保護複合成分の「コラーゲンブリーダー(サッカロミセス培養溶解質液、海洋性コラーゲン、ヒドロキシプロリン、グリセリン)」が配合されています。バイタルアップ処方で、肌になじませた瞬間から、なめらかさと吸いつくような手触りを実感することができます。
アレルギーテスト済み*です。
*全ての方にアレルギーが起きないというわけではありません。
同ブランドのスキンケアアイテムには、洗顔料や美容液、乳液、フェイシャルマスクなどがあります。
muqna(ムクナ)は、東急ハンズのプライベートブランドです。肌に必要な保湿成分をたっぷり配合した製品を提供しています。
この商品は、肌にハリとツヤを与える「エイジングケア*シリーズ」の化粧水です。しっとりとした使用感で角層のすみずみまでうるおいを浸透させることが期待できます。ビタミンA(パルミチン酸レチノール)をはじめとする、ビタミンC(リン酸アスコルビルMg)とビタミンE(トコフェリルリン酸Na)の3種類のビタミンを配合しています。さらに保湿成分のセラミドEOPとセラミドNP、セラミドAP、ヒアルロン酸Naを配合しているので、肌に必要なうるおいをプラスし、肌本来の美しさを取り戻すサポートをします。
*年齢に応じたケア
パラベンフリー、合成香料フリー、アルコールフリー、合成着色料フリー、鉱物油フリーです。
同シリーズには、洗顔や美容液、乳液、クリーム、フェイスシートマスクなどがあります。
エンビロンは、紫外線ケア先進国である、南アフリカ共和国で1987年に生まれました。健康的で美しい肌にはビタミンAが溢れているという事実に着目し、ビタミンAを中心としたビタミンケアによって肌が本来持つ働きを高め、さらに専門の研修を受けたセラピストによるカウンセリングによって、ひとりひとりの肌にあったスキンケアを提供しているブランドです。
この商品は、エンビロンを初めて使う方向けのシリーズ「モイスチュアーシリーズ」の化粧水です。マイルドな角質ケア作用を持つ乳酸や、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、α−アルブチン、ビタミンB5などの美容成分が配合されています。潤いを与え透明感のある肌へと導きながら、次に使うスキンケアアイテムの成分が入りやすい肌へと整えます。
化粧水にはビタミンAは配合されていませんが、同シリーズの保湿ジェルと保湿クリームにはビタミンAを配合しています。(保湿ジェルにはパルミチン酸レチノールが配合されており、ビタミンA濃度が2段階設けてあり、保湿クリームにはパルミチン酸レチノールとプロピオン酸レチノールが配合され、ビタミンA濃度が4段階設けてあります。肌の状態に合わせてステップアップが可能です。
ほとんどの化粧水が、洗顔後に使用するように設計されています。洗顔後の肌は乾燥しやすいので、洗顔後すぐに使用しましょう。
化粧水の使用方法として、コットンの使用を推奨しているブランドがあります。手で直接つけるのとどう違うのか疑問に感じてる人は多いのではないでしょうか。
手とコットンにはどちらにもメリット・デメリットがあります。肌負担を考慮すると、基本的には手で化粧水をつけるのを推奨します。しかしムラができやすかったり、目元や鼻などの細かい箇所につけづらいというデメリットがあります。
反対に、コットンを使用する方が細かい部分まで均等につけることができますが、摩擦により肌負担が大きくなるというデメリットがあります。
いずれの方法でも注意すべきことは、摩擦やパッティング(肌を叩くこと)を避けることです。赤みや色素沈着、ハリやシミなどの肌トラブルを招く恐れがあるため、肌全体に優しくなじませるのがポイントです。化粧水を「叩き入れる」のではなく「肌の上にのせる」イメージで浸透させましょう。
コットンを使用する際は、肌負担が少ないコットン(オーガニックなど)を選び、コットン全体がひたひたになるくらい化粧水をたっぷり使用し(その分コストがかかります)、過度の摩擦を避けましょう。
保湿が重要だからといって、化粧水を規定量以上に使用していませんか?化粧水はたくさん塗る方が肌に良いというわけではありません。角質に浸透できる水分量は決まっているので、肌に塗った分全てが浸透するというわけではないからです。一時的に肌に浸透したりプルプルになっている感覚があるかもしれませんが、すぐに蒸発するため、あまり意味がありません。
反対に、使用量よりも少ない量を使用すると、十分に保湿されない可能性があります。そのため、ブランドが定めた使用量はしっかりと守りましょう。
使用量は「100円玉大」など硬貨の大きさで明記されていることが多いです。「適量」と書かれている場合は、100〜500円玉くらいの量を使用するのがよいです。
スキンケアとは、端的にいってしまえば「肌を保湿すること」です。肌の保湿は「水分を補充し、油分でカバーする」のが基本です。油分は肌の上に油膜を張り、水分が逃げるのを防ぎます。
化粧水は肌に水分を補充するものなので、化粧水だけではスキンケアは不十分ということになります。化粧水の後は、油分を多く含む乳液やクリームなど必ず使用しましょう。
スキンケアのアイテム同士の相性やなじみが良いのは同じブランドでスキンケアアイテムを揃える「ライン使い」です。
各スキンケアブランドは、基本的にライン使いすることを全体に化粧品を開発していますので、相性や効果を考慮すると、ライン使いをすることで効率的に肌のケアが可能です。
とはいえ、別のブランドのアイテムを組み合わせて使用する方が、肌の調子が良いと感じる人もいると思います。ライン使いだけがスキンケアの正解ではないので、自分の肌の状態に合わせて最適なアイテムを選ぶようにしましょう。
テレビCMや広告などで「肌の奥まで浸透!」などの文言を見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか?しかし、実際には化粧品は皮膚の一番外側の部分である「角層」までしか浸透しません。人間の皮膚には、外部からの侵入物を体内に取り込まないシステムが備わっているためです。バリア機能を持つ角質をしっかりと保湿し、いい状態に保つことが極めて重要です。
基本的なステップは、化粧水→乳液の順番です。水分を補給したあとに油分で膜を張って水分を閉じ込めます。商品の中には「先行乳液」といって、化粧水の前に使用するものもあります。例えば、スキンケアブランドのアルビオンはスキンケアの最初のステップに乳液を使用します。化粧水の使用方法については、ブランドの公式サイトなどで確認を行いましょう。
日本には四季があり、それぞれも季節によって気候が大きく変わります。気候により肌の状態は左右されやすいため、できれば季節ごとに化粧水を使い分けるのがよいでしょう。
例えば、乾燥しやすい秋冬には保湿効果が高い化粧水を、皮脂分泌が多くなりやすい春夏には皮脂分泌を抑える作用もある化粧水を使用するなど、肌の状態に合わせて異なるスキンケアを取り入れてみましょう。
ただし、一度開封した化粧水はできるだけ早く使い切る方がよいので、次のシーズンに持ち越さないよう、使い切れる容量を購入するようにしましょう。
年齢によって肌の状態は変わるので、使用する化粧水も変える必要があります。例えば、皮脂の分泌量は20〜30代をピークにどんどん減ってきます。
20代で使用していた化粧水では保湿が物足りなく感じるなど肌の変化を感じたら、化粧水を含むスキンケアを見直すべきタイミングといえます。
基本的には、朝晩で使い分ける必要はありません(朝・夜専用のものでない限り)。しかし、朝のメイクの前に油分が多い化粧水を使用すると、メイクのりが悪くなってしまいます。そのため、朝は油分の少ないもの、夜は油分が多いものなど、朝晩でスキンケアアイテムを使い分けるのもありです。
スキンケアのアイテム同士の相性やなじみが良いのは同じブランドでスキンケアアイテムを揃える「ライン使い」です。
各スキンケアブランドは、基本的にライン使いすることを全体に化粧品を開発していますので、相性や効果を考慮すると、ライン使いをすることで効率的に肌のケアが可能です。
とはいえ、別のブランドのアイテムを組み合わせて使用する方が、肌の調子が良いと感じる人もいると思います。ライン使いだけがスキンケアの正解ではないので、自分の肌の状態に合わせて最適なアイテムを選ぶようにしましょう。
拭き取り化粧水とは、洗顔の代わりに、コットンに化粧水を付けて汚れを取り除いたり、古い角質を落とすものです。もともとはフランス発祥のスキンケアアイテムといわれています。フランスの水道水は硬水で、硬水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルにより肌が乾燥したり肌荒れの原因となるため、フランスなどのヨーロッパでは、クレンジングや洗顔などはコットンや布で拭き取るのが主流です。
日本の水質は軟水なので、わざわざ拭き取り化粧水を使う必要はありません。ただし、拭き取り化粧水で古い角質を落とし化粧水の浸透が高くなる効果があるので、スキンケアに取り入れるのはありです。使用時はコットンによる摩擦には十分注意しましょう。
かずのすけ, 白野実(2019)『美肌成分事典』主婦の友インフォス
上原恵理(2021)『医者が教える 人生が変わる美容大事典』KADOKAWA
永松麻美(2021)『正しい知識がわかる 美肌事典』高橋書店
すみしょう(2021)『最短で美肌になるために知っておきたい スキンケア大全』KADOKAWA
久光一誠(2021)『効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典』池田書店
川島眞, 川田暁, 神田吉弘, 世喜利彦, 能﨑章輔(2018)『美容の科学』じほう
宇山侊男, 岡部美代治, 久光一誠(2020)『化粧品成分ガイド 第7版』フレグランスジャーナル
小林智子(2022)『すっぴん肌が好きになる 肌トラブル大全』WAVE出版
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