レモン果汁100%で作られているポッカレモンですが、中には体に悪いというイメージを持っている人がいるようです。本記事ではポッカレモンが体に悪い、安全じゃないと思われている理由について詳しく解説していきます。
ポッカレモンは、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社が提供するレモン果汁の製品ラインです。その正式名称は「ポッカレモン100」であり、世界各国から厳選されたレモン果汁を100%使用しています。レモンを切ったり絞ったりする手間を省き、手軽に使えるのが魅力です。
この商品は主に3つの種類があります。まず、容量が異なるタイプがあり、70ml、120ml、300ml、450mlのサイズが用意されています。また、有機栽培されたレモンを使用したタイプ(ポッカレモン 有機レモン シチリア産ストレート果汁100%)もあります。さらに、使いやすいように味の調整が施された商品(ポッカレモン卓上レモン)も展開されています。
ポッカレモンは多岐にわたる用途で利用できます。お菓子作りから料理、さらにはドリンクに至るまで、幅広いシーンで活躍します。レモンの爽やかな酸味や風味が料理や飲み物にアクセントを加え、味わいを引き立てます。そのため、家庭での調理や食事の際に重宝されています。
出典:ポッカレモン100(ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)
ここではレモンに含まれる主な栄養素・成分について解説します。
ビタミンCは、たんぱく質からコラーゲンを作り出すのに欠かせない栄養素です。コラーゲンは、体内の細胞同士を結びつける組織で、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫に保ちます。このコラーゲンによって、肌にハリやツヤが与えられ、シミのもとであるメラニン色素の生成も抑えられます。そのため、美肌づくりには欠かせない栄養素と言えます。
また、ビタミンCは免疫力を高める作用もあります。白血球を活性化させ、体の抵抗力を向上させる効果があります。さらに、ビタミンCは抗酸化作用が高く、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にも効果的です。ストレスに対する抵抗力も高め、副腎に働きかけてストレスホルモンの分泌を促すことでストレスを軽減します。
レモンの酸味はクエン酸によるものです。クエン酸は水回りのお掃除で大活躍する成分ですが、食材の酸味の成分でもあります。
クエン酸は食べた物を体内でエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。そのため疲労回復に効果的と言われています。また、カルシウムや鉄、マグネシウムなどの吸収しにくい栄養素を吸収しやすくする働きもあります。この効果を「キレート効果」と呼びます。
他にも筋肉痛を防止したり、痛風や肝臓病の改善効果があります。
カリウムは健康維持に欠かせない重要なミネラルの一種です。98%が細胞内液に存在し、心臓や筋肉の機能調節や酵素反応の調節に関与します。また、カリウムはナトリウムの再吸収を抑制し排泄を促進するため、血圧を正常に保つ効果も期待できます。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
リンの約80%はカルシウムやマグネシウムと結合して歯や骨の構成成分となっています。体内でビタミンB1やB2と結合して補酵素になり、糖質の代謝促進をします。さらに、エネルギー代謝にも関わり、エネルギー発生やエネルギーの貯蓄に関わっています。さらに筋肉や神経などの機能を正常に保つ効果もあります。
リンとカルシウムは血液中で一定のバランスを保っているため、この2つの成分のバランスがとても大切です。カルシウムとリンの割合は1:1で摂取するのが理想的な比率とされていますが、加工食品や清涼飲料水をよく飲食する人はリンを多く摂取しがちですので、カルシウムもバランスよく摂取することが大切です。
ポッカレモンが体に悪いと言われる理由をご紹介します。
本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
ビタミンCやクエン酸などの栄養素は体に良いものですが、過剰摂取はNGです。人間はビタミンCを体内で合成できないため、食事から摂取する必要がありますが、一定量を超えると体内で利用されずに排出されます。
厚生労働省が推奨するビタミンCの1日の摂取目安量は100mgです。ポッカレモン大さじ1杯(15ml)あたりのビタミンCは4mgなので、375ml摂取すると100mgに達します。しかし、一日にその量を摂取することは現実的ではありません。
ビタミンCは他の食材にも含まれており、摂りすぎないように注意が必要です。体内に蓄積されないため、摂取量に対する心配は少ないですが、サプリメントなどでの過剰摂取は注意が必要です。過剰摂取は下痢や便秘、腹痛を引き起こす可能性があり、肝臓機能に障害がある場合は尿路結石のリスクが高まります。ビタミンCは摂取後2〜3時間で排泄されるため、毎食補うようにすることをおすすめします。
出典:
・厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
・栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
ポッカレモン100の原材料は、レモンと香料です。香料は食品添加物の一種で、その名の通り香り付けのために使用されます。ポッカレモン100に香料が含まれていることから、「体に悪い」というイメージを持つ人もいます。
ポッカレモン100では、還元濃縮のレモン果汁が使用されています。還元濃縮とは、水分を減らして濃縮液を作る方法です。収獲されたレモンを搾汁し、果汁に含まれる水分を飛ばして濃縮し日本へ運ばれた後に、水で還元し元の100%の状態に戻されます。この製法では、レモン本来の風味が失われるため、風味を補うために香料が使用されているのです。
ただし、具体的にどのような香料がどれくらい使用されているかは明記されておらず(明記の義務がないため)、把握することはできません。しかし、厚生労働省の基準値に準拠した香料が使用されているため、そこまで心配する必要はないといえます。添加物の使用が気になる方は、添加物不使用のポッカレモン「有機レモン シチリア産ストレート果汁100%」をおすすめします。こちらについては後ほど詳しくご紹介します。
レモンの残留農薬への懸念から、ポッカレモンが体に悪いと感じる人もいます。
ポッカレモン100に使われるレモンは、収獲後しっかりと洗浄した上で搾汁しています。さらに、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社では、ポジティブリスト制度に対応した取り組みを強化しています。ポジティブリストとは、食品や農産物に関する規制で、使用が許可された成分のリストを示しています。同社はこの基準値を守るため、残留農薬などの検査を行ったり、原料品質規格書で安全性を確認したりしています。
つまり、ポッカレモンは安全性を確保するための取り組みを行っており、安心して飲用できる製品と言えます。
ポッカレモン100には、還元濃縮されたレモン果汁が使われていますが、還元濃縮には否定的なイメージを持つ人もいます。
上述しましたが、還元濃縮とは、果物や野菜の果汁から水分を除いて濃縮し、後で再度水を加える方法です。このプロセスでは、本来のフレッシュな味や風味が失われる可能性があります。また、失われた風味を補うために香料などが添加されることもあります。加工過程で栄養成分が一部失われることもあるため、還元濃縮が体に悪いという見方もあります。
以上の理由から、ポッカレモン100は体に悪いと感じる人もいるのです。
ポッカレモンが体に悪いと言われる理由の一つに、カビの発生が挙げられます。
ポッカレモンには保存料が使われていないため、カビの発生や発酵が起きやすいのです。実際、SNS上でも開封したポッカレモンにカビが生えたり、発酵して沈殿物が見られる投稿が複数あります。
ざわ....
— ☻Micro☻ ⁷★★★★★ (@micro912) October 29, 2012
昨日も今日も普通に食しました。ポッカレモン.........
今気付いたけどめっちゃカビはえてる( ̄◇ ̄;)
でよくよく見たら残りの液体の中にもカビらしきものがいっぱい浮いてる( ̄◇ ̄;)
こわすぎる.. pic.twitter.com/t0GX5ZF8
公式サイトでも紹介されている通り、開封後は必ず冷蔵保存が必要です。空気に触れることでカビや発酵が生じるため、フタをしっかり閉じることも重要です。また、フタに液体が溜まっている場合は、キッチンペーパーなどでキレイに拭き取ることが長持ちのコツです。
開封後は、賞味期限にかかわらずなるべく早めに消費するのがおすすめです。使用量が少ない場合は、小容量のポッカレモン100(70mlや120mlなど)の購入を推奨します。
出典:ポッカレモン100・保存方法について(ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)
ポッカレモンが体に悪い、完全じゃないと言われるきっかけとなった2つ不正表示事件の詳細をご紹介します。
1967年に発生した最初の不正表示事件は、「ポッカレモン事件」として知られています。
当時、ポッカレモンはレモン果汁を使用していないにもかかわらず、「飲むレモン」などとまるで本物のレモン果汁を使用しているかのような不正表示を行っていたことが明らかになり、公正取引委員会から排除命令が出されました。
しかしこれはポッカレモンに限ったことではありません。当時市販されていた50点の原料分析が行われた結果、ほとんどがクエン酸を主体にした合成レモン果汁であることが判明し、その中の一つがポッカレモンだったのです。
このポッカレモン事件以降、不正表示の報道が相次ぎ、社会問題化しました。例えば、マーガリンを使用したバターや醸造酢と表示した合成酢、着色した宝石など、さまざまな不正表示問題が露呈されました。
出典:不正表示事件とJARO設立(JARO)
2008年に発生した2度目の不正表示事件では、ポッカレモンの防カビ剤表示が話題となりました。商品には防カビ剤を使用していないと表示されていましたが、実際にはイマザリルという防カビ剤が含まれていたことが判明し、排除命令が下されました。
この事件を受けて、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社では、ポジティブリスト制度の取り組みを強化し、消費者に安心してもらえるように安全性の確保に注力しています。
出典:ポッカレモンに再び排除命令
食品添加物や残留農薬が心配な方には、有機レモンで作られた「ポッカレモン 有機レモン シチリア産ストレート果汁100%」がおすすめです。
シチリアで有機栽培(農薬や化学肥料等の化学物質に頼らない栽培方法)されたレモンは、収穫後24時間以内に手摘みされ、搾汁されます。この有機JAS認証を受けたストレート果汁は、安全性と安心感を追求するために、収穫から搾汁まで厳格な管理が行われています。
こちらの商品では還元濃縮ではなくストレートの果汁が使われているのも嬉しいポイントです。容量は120mlのみの販売で、価格は通常のポッカレモンよりもやや高めです。
出典:ポッカレモン 有機レモン(ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)
カビや発酵が心配な方は、自宅で生のレモン汁を絞って使うのが◎。一番フレッシュな状態をより安全に楽しむことができるのでおすすめですよ。
中でもおすすめなのが、有機栽培で無農薬のレモンを使うことです。実は必ずしも有機栽培=農薬不使用というわけではありません。有機栽培でも有機JASで認められた農薬であれば使用可能となっています。したがって「無農薬」と表示されたレモンを購入するのがポイントとなります。
無農薬であれば皮も安心して食べることができます。絞った後のレモンの皮を細かく切って何度か煮こぼし、砂糖で煮詰めれば簡単に自家製レモンシロップが作れます。炭酸水で割るとレモネードになりますし、そのままヨーグルトなどにのせて食べても美味しいですよ。
最後に、ポッカレモンの正しい保存方法をご紹介します。正しく保存することでより長く美味しく楽しむことができます。
ポッカレモンは開封する前であれば常温保存で問題ありません。直射日光や高温な場所での常温保存は避けましょう。
レモンの性質上、未開封時でも茶色く変色する場合がありますが、品質には問題ありません。
一度開封した後は必ず冷蔵庫で保存するようにしましょう。上述しましたが、ポッカレモンでは保存料を使用していないためカビが発生しやすいです。
開封後は表示されている賞味期限にかかわらず、1〜2週間以内を目安に使い切ることをおすすめします。カビが生えやすいだけでなく、風味や香りが抜けて美味しく食べることが難しくなります。容量が小さいものを購入するなど、商品を無駄にしないように心がけましょう。
レモン果汁をたっぷり使うおすすめのレシピをご紹介します。ポッカレモンの使い道に迷った方はぜひお試しください。
レモン果汁をたっぷり使ったサーモンマリネのレシピをご紹介します。前菜やお酒のおつまみとしてもお楽しみください。
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