本記事では、冷凍フルーツが体に悪いと言われる理由を紹介します。
市販の冷凍フルーツが体に悪いと言われる理由は下記の通りです。
本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
冷凍フルーツが体に悪いといわれる理由の一つは糖質量の多さです。
糖質量はフルーツによっても異なりますが、フルーツの糖質はフルクトース(果糖)でできています。
フルクトースは血糖値を揚げないため、太りにくいと言われていますが、過剰摂取はやはり健康リスクが高まります。
果物に含まれているフルクトースは、ブドウ糖(グルコース)とは異なり、肝臓のみの代謝経路を通ります。
果糖は血中で分解されないため、血糖値が上がりにくく低GIとなるのですが、一方で過剰摂取してしまうと肝臓で中世脂肪が合成されて、肥満の原因となるほか、肝臓に大きな負担をかけてしまうといわれています。
出典:フルクトース毒性(J‐stage)
フルクトースは、肝臓で代謝される際に、乳酸や尿酸が大量に産生されることがわかっています。
乳酸の過剰な生成は、乳酸アシドーシスと呼ばれる状態を引き起こす可能性があり、尿酸の増加は痛風や尿路結石のリスクを高める可能性があります。
出典:血清尿酸値に影響をあたえる食習慣(J‐stage)
フルクトースは、グルコースよりも強い糖化作用を持っています。
糖化とは、タンパク質や脂質と結合して組織を損傷する反応のことです。
過剰なフルクトース摂取は、この糖化反応を促進し、動脈硬化や糖尿病合併症などのリスクを高める可能性があるほか、肌のシミやシワ、たるみの原因となります。
フルクトースは、上述したように体内で中性脂肪として貯蔵されることが知られています。
そのため、過剰摂取は肥満の原因となります。海外でも、フルクトースの過剰摂取は肥満、脂肪肝、糖尿病の原因となるとして問題視されています。
冷凍フルーツは、そのまま食べることも多いので、残留農薬が気になるという方も多いです。
日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。
また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。
さらに、使用量などは栽培する作物や気候条件によっても異なりますが、国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては農薬は安全とされています。
しかし、それでも不安だという方は一定数おり、フルーツのように生で食べる事が多い食品は残留農薬の有無を気にする方が多いです。気になる方は、有機栽培の冷凍フルーツを選ぶのがおすすめです。
出典:農薬はなぜ必要か(消費者庁)
食品を購入する際に、添加物の有無を気にされる方も多いですが、冷凍フルーツの場合は保存料や食品添加物を使用していることはほんどありません。
冷凍フルーツなどの冷凍食品は冷凍することにより食品の劣化を防ぐことができるので、保存料を使用する必要がありません。加工食品においては食品添加物が使用されていることがありますが、冷凍フルーツの場合はフルーツを洗って急速冷凍しているだけなので、食品添加物不使用となっています。
保存料や食品添加物においては、使用量が多い順に記載することが義務付けられているので、心配な方は原材料をチェックしてから購入しましょう。
出典:食品添加物の表示について(厚生労働省)
フルーツアレルギーをお持ちの場合、アレルギー症状が出てしまうことがあるので注意が必要です。
フルーツアレルギーでなくても、花粉症の方がフルーツを食べてアレルギー反応がでてしまうこともあります。これは、花粉のアレルゲンと似た成分が果物に含まれているためです。
フルーツジュースなど加熱加工されている場合は問題がなくても、冷凍フルーツのように生のフルーツを食べることで症状が出てしまうことがあるので、注意が必要です。
出典:花粉症患者に見られる食物アレルギー(J‐stage)
冷凍フルーツは、そのまま食べることが多いため、消化器系に負担がかかり、人によっては消化不良や胃腸のトラブルを引き起こす場合があります。
また、フルーツには食物繊維が含まれているため、過剰に摂取すると体質によってはお腹がゆるくなってしまいます。
アメリカなどの国産以外の製品に対して味や残留農薬、添加物といった点を懸念される方も多くいらっしゃいます。
しかし、食品の安全性は食品衛生法によって輸入食品でも国産品でもまったく同じ基準(残留農薬、食品 添加物、微生物など)が適用されています。そのため、輸入食品においても安心して食べることができます。
出典:輸入食品は安全なの? -消費者として知っておきたいこと-(厚生労働省)
冷凍フルーツは過剰摂取してしまうとデメリットが目立ちますが、適量であればメリットももちろんあります。
冷凍フルーツは、果物を洗って冷凍しているだけなので、比較的カロリーが低いのが特徴です。
冷凍フルーツ100gあたりのカロリーは下記の通りです。
ぶどう…102kcal
ブルーベリー…81kcal
アップルマンゴー…72kcal
みかん…63kcal
パイナップル…58kcal
グレープフルーツ…55kcal
いちご…49kcal
メロン…48kcal
冷たいデザートといえばアイスクリームですが、アイスクリーム100gあたりカロリーはだいたい207kcal程なので、カロリー制限中の間食などにぴったりです。
ただし、フルーツによってはカロリーが高いものもあるので注意が必要です。
冷凍フルーツの糖質は上述したように果糖(フルクトース)です。
フルクトースは砂糖などと比較して血糖値が上がりにくいのが特徴です。そのため、砂糖などの糖分と比較してインスリンの過剰分泌や糖尿病のリスクを高める心配がありません。
また、血糖値の急上昇がおこらない分、急降下も起きないため腹持ちも良いのもメリットの一つです。
ただし、食べすぎてしまうと体に負担をかけてしまうので注意が必要です。
フルーツには、食物繊維が豊富に含まれています。
過剰摂取するとお腹を壊してしまいますが、食物繊維は腸内の動きを促進し、便通を改善する助けとなります。
具体的には、腸内で水分を吸収して便を柔らかくし、排便を促進します。また、食物繊維が腸内の有益な細菌のエサとなり、腸内環境を整えることで、消化器官の健康をサポートしてくれます。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
冷凍フルーツの賞味期限はメーカーによっても異なりますが1ヶ月〜12ヶ月、商品によっては1年以上持つものもあります。
基本的に食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
価格が安定していて、いつでも購入しやすいのも冷凍フルーツのメリットの一つです。
果物は、季節によって生産量や品質が変化します。生産がピークの旬の時期には供給が豊富で価格が安くなりますが、季節外れの果物は生産が少なくなり、希少価値が高まります。例えば、夏にはスイカやメロンが豊富で安価ですが、冬になると価格が上がります。
天候の影響も大きく受けることもあります。天候が悪い場合、農作物の生育に悪影響が出てしまうため生産量が減少し、価格が上昇しまうのです。
フルーツを食べるときのポイントを紹介します。
厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準」では、フルーツの1日の摂取量の目安は100g〜200gとしています。
そのため、冷凍フルーツの場合も100g〜200gに留めるのが望ましいといえます。
また、カロリーにおいては間食の場合200kcalに抑えるのが良いとされています。フルーツによってカロリーは異なるので、しっかりチェックして200kcalを越えないようにしましょう。
出典:日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
冷凍フルーツは、スムージーにしたりヨーグルトやワッフルのトッピングにしたりすることも多いですが、砂糖やはちみつといった甘味料を足してしまうと、カロリーが高くなり糖質量も多くなってしまいます。
ダイエット中の方は特に注意しましょう。
冷凍フルーツを食べるときは、できるだけ就寝前を避け15時〜18時の間食にするのがおすすめです。
冷凍フルーツは体内で消化されるのに時間がかかる場合があります。特に寝る前に食べると、消化が遅れて胃に負担をかけてしまい、消化不良や胃もたれを引き起こす可能性があります。
冷凍フルーツを食べるときは、しっかりよく噛んで食べましょう。
しっかりよく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され満腹感を得ることができます。より少ない量で満腹感を得られれば食べ過ぎ防止になり、体を冷やしてしまってお腹を壊してしまうのを防ぐことができます。
冷凍食品はレンジなどで解凍してから食べることが多いですが、冷凍フルーツの場合はそのまま食べるか自然解凍がおすすめです。
レンジで急激に加熱してしまうと、冷凍したときに凍った果物の水分と一緒に果物に含まれている水溶性の栄養素も出てきてしまいます。
急激に栄養価を下げてしまうことになりますし、水っぽくなって美味しくなくなってしまうこともあるので、レンジを使って解凍しないようにしましょう。
冷凍フルーツの中でも栄養価が高いと言われているフルーツを紹介します。
ブルーベリーには、アントシアニンと呼ばれるポリフェノールが豊富に含まれています。
アントシアニンは、強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去して細胞を保護する役割があるといわれており、特に、目の健康に良いとされています。
また、ブルーベリーにはビタミンCや食物繊維も多く含まれており、免疫力を高める効果や消化を促進する効果が期待できます。
マンゴーには、ビタミンCやビタミンAが豊富に含まれています。
ビタミンCは、免疫力を高めるだけでなく、コラーゲンの生成を促進し、肌や骨の健康をサポートします。
ビタミンAは、細胞の成長に必要な栄養素です。さらに、マンゴーにはβ-カロテンやカロテノイドが含まれており、体内でビタミンAに変換されることで、抗酸化作用を持ちます。これにより、細胞のダメージや老化を防ぎます。
ぶどうには、レスベラトロールというポリフェノールが豊富に含まれています。
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用があり、心臓血管疾患の予防効果があるといわれています。
また、ぶどうにはビタミンCやカリウムも豊富に含まれています。カリウムは、血圧を下げる効果があり、高血圧を予防するのに役立ちます。
冷凍フルーツをそのまま器に盛り付けてデザートとして食べることができます。
シャリシャリとした食感とフルーツの優しい甘みを楽しめます。
冷凍フルーツをミキサーやジューサーでブレンドしてスムージーにするのは簡単でおいしい方法です。
ヨーグルトや牛乳、豆乳などと一緒にブレンドすると、滑らかでクリーミーなスムージーになります。お好みでハチミツやシナモンなどを加えても良いでしょう。
冷凍フルーツを解凍して、他の新鮮なフルーツと一緒に盛り付けてフルーツサラダにするのもおすすめです。
ヨーグルトや蜂蜜、ナッツをかけても美味しいですね。
アイスクリームやヨーグルト、シリアル、オートミールなどのトッピングとして利用するのも良いです。
凍ったままの冷凍フルーツをそのままトッピングすることで、爽やかな食感と甘さを楽しむことができます。
マフィンやパンケーキ、シナモンロールなどの焼き菓子に冷凍フルーツを混ぜ込んでも美味しいです。
解凍せずにそのまま生地に混ぜ込んで焼くと、焼き上がりにフルーツのジューシーさが加わります。
近年はセブイレブンやローソンといったコンビニや、業務スーパーなどでも冷凍フルーツを購入することができます。
セブンイレブンでは、
アップルマンゴー
ゴールデンパイナップル
スタールビーグレープフルーツ
みかん
くちどけりんご
ぶどう
ブルーベリー
白ぶどう
などの冷凍フルーツを販売しています。
値段は170円〜267円で、種類が多いのが嬉しい点です。セブンイレブンでは、HACCP(ハサップ)に基づいた安全基準を守り製造・販売を行っています。
出典:HACCP(厚生労働省)
ローソンでは、
皮ごと食べられる種なしぶどう
ブルーベリー
Appleマンドー
ゴールデンパイナップル
ミックスベリー
いちご
などの冷凍フルーツを販売しています。
値段は279円〜289円です。
ローソンの冷凍フルーツは「株式会社」との共同開発商品です。チャック付きのパッケージなので保存しやすいという特徴があります。
また、ナチュラルローソンでは国産の果物を使用した完全無添加の冷凍フルーツも販売しています。
ファミリーマートでは、
白桃
完熟マンゴー
ベリーミックス
ブルーベリー
いちご
などの冷凍フルーツが販売されています。
値段は220円〜278円です。
ファミリーマートの冷凍フルーツは、大手フルーツメーカー「Dole(ドール)」のフルーツを使用しており、ジューシーな味わいを楽しむことができます。
業務スーパーで販売されている冷凍フルーツは下記の通りです。
黄桃ダイスカット
シルサック
ロンガン
レッドドラゴンフルーツ
ジャックフルーツ
マンゴー
ストロベリーダイス
ブルーベリー
ライチ
スイートチェリー
ラズベリー
チェリー入りミックスベリー
輸入食品を多く取り扱っている業務スーパーでは、ライチやレッドドラゴンフルーツといった珍しい冷凍フルーツも販売されています。
コンビニで販売されている冷凍フルーツよりも値段は高くなりますが、大容量なのでコスパ◎
最後に、安心して食べられる冷凍フルーツを紹介します。
国産 鹿児島県産 冷凍ブルーベリーは、ブルーベリー農園「ぶるべりちゃんの畑」で育てられた無農薬ブルーベリーを冷凍しています。
農薬を使用せずに栽培されているので、残留農薬が気になる方も安心して食べることができます。
有機 JAS オーガニック フルーツ 冷凍 ミックスベリー 3種は、有機JASオーガニック認証を受けているミックスベリーを冷凍した商品です。
科学的に合成された農薬や費用を使っていないほか、保存料甘味料といった食品添加物も不使用で、フルーツそのものの味わいをしっかりと楽しむことができます。
山下屋荘介 冷凍みかんは、愛媛県で栽培された温州みかんを冷凍した完全無添加です。
半解凍で、アイスのように食べることができです。小さなお子様でも安心して食べることができ、老若男女問わず人気があります。
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