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鷹の爪の代用品13選。一味・七味・ラー油は?量は?

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鷹の爪の代用品13選。一味・七味・ラー油は?量は?

文字通り鷹の爪に形状が似た赤唐辛子。鷹の爪は赤唐辛子の品種の一種です。料理に使いたい時に鷹の爪がない場合、代わりにどのような調味料が使えるのかをご紹介します。

鷹の爪とは

鷹の爪(唐辛子)

「鷹の爪(たかのつめ)」は、日本でよく知られるトウガラシの一種です。その名の通り、長さ3〜4.5cmと他の唐辛子よりも小さくて、先が尖った形状が鷹の爪に似ています。

一般的な唐辛子よりも小ぶりで、辛さは約3倍あります。辛味の主な部分は種子ではなく、胎座(たいざ)と呼ばれるヘタ付近の部分です。

日本国内ではほとんどが外国産ですが、「堺鷹の爪」が日本の伝統的な純種として残っています。

鷹の爪は一般的に乾燥した状態で販売されており、種とワタを取り除いてそのまま(カットせず)辛味や風味づけに料理に使われることが多いです。辛味をしっかりつける場合は輪切りやみじん切りにして使用します。また、お米の虫除けとして(辛味成分に防虫効果がある)米びつに入れて使うこともできます。

参考サイト:「鷹の爪」文化を伝承しつづける 辻田浩之さん(堺市)

鷹の爪の代用品

鷹の爪の代用品の輪切り唐辛子

鷹の爪が自宅にない場合に代用品として使用可能な食材をご紹介します。

輪切り唐辛子

輪切り唐辛子とは、唐辛子を輪切りにした状態で販売されている香辛料です。原料には様々な品種が使われますが、中には鷹の爪が使用されることもあり、また形状的にも鷹の爪の代用品としておすすめです。

輪切り唐辛子を鷹の爪の代用品として使用する場合は、鷹の爪とほぼ同量の輪切り唐辛子を使用します。

一味唐辛子

一味唐辛子とは、一種類の乾燥した唐辛子の実を粉末状にした香辛料です。原料に鷹の爪が使用されることもあるため、鷹の爪に最も辛味や風味が近しい代用品になります。鷹の爪以外には三鷹や本鷹、カイエンペッパー、八房などの品種が使用されます。

一味唐辛子は細かい粉末状になっているため、辛味が料理全体に広がりやすくなります。したがってかけすぎると辛さが強くなってしまいますので、少しづつ加えながら味を確認しましょう。

七味唐辛子

一味唐辛子に他の薬味や香辛料を調合したものが七味唐辛子です。一般的には、山椒や胡麻、麻の実、けしの実、青のり、生姜などが用いられますが、メーカーによって使用される原料は異なり味わいも異なってきます。

唐辛子以外の薬味や香辛料を使用しているため、一味唐辛子よりは辛さがマイルドになります。しかし七味唐辛子も一味唐辛子と同様に粉末状になっており辛味を感じやすいので、鷹の爪の代用品として使用する場合は少しずつ加え味を調整しましょう。

粉唐辛子

主に韓国料理に用いられる粉唐辛子は、辛味が少なく甘みや旨味などの風味が特徴的な品種が原料として使われます。

鷹の爪よりも辛味は控えめですが、代用品として使用することは可能です。辛味に合わせて甘みや旨味も加わるため、より深い味わいを楽しむことができますが、真っ赤な見た目になってしまうため入れすぎには注意が必要です。

青唐辛子

赤唐辛子になる前に、未熟な状態で収獲される唐辛子を青唐辛子といいます。青唐辛子は柚子胡椒の原料としても使われます。品種によって辛さは異なり、同じ青唐辛子でも辛さが控えめなものもあれば、刺激的な辛さを持つものもあります。

青唐辛子はスーパーなどで売っていることが少ないですが、もし自宅にある場合は鷹の爪の代用品として使用するのもOKです。品種によって辛さが異なるため、少しずつ加えて辛さを確認しながら料理をしましょう。

青唐辛子の辛み成分(カプサイシン)によって手がヒリヒリしますので、触った後はしっかりと水洗いし、目や顔などを触らないようにしましょう。

唐辛子ペースト

生の唐辛子を一定期間塩漬けにしたあと、塩気を取り除いてペースト状にしオイルと合わせたものが唐辛子ペーストです。上記でご紹介した他の香辛料と違って、唐辛子ペーストは生の唐辛子を使用しているため、よりフレッシュな辛さを楽しむことができます。

唐辛子ペーストは鷹の爪よりも辛味が強いことが多いので、少量加える程度にしましょう。

市販されている唐辛子ペーストの中にはにんにくやオレンジなど唐辛子以外の原料が使われていることもあるため、鷹の爪の代用品として使用する前に確認することを推奨します。

豆板醤

鷹の爪の代用品として豆板醤もおすすめです。豆板醤は、中国の四川料理によく使われる辛味調味料で、唐辛子や発酵豆豉、香辛料などをブレンドしたものです。その辛味だけでなく、豊かな香りと深い味わいも楽しむことができます。

また、豆板醤には塩気も含まれているため、料理に加える際には、少量から加えて味を確認しながら調整すると良いでしょう。

XO醤

XO醤は香港発祥の高級調味料で、干しエビ、干し貝柱、チョウザメの子などの高級食材をベースに、醤油や酒、香辛料などを組み合わせて作られる濃厚なソースです。独特の風味と深い旨みがあり、料理に奥深い味わいを与えます。一般的には、炒め物や麺類、蒸し料理などに使われ、中華料理や広東料理の名品として知られています。

上品な辛味と深い味わいが特徴的なXO醤も、鷹の爪の代用品として使用することができます。少量ずつ加え味を整えましょう。ただしXO醤には鷹の爪のようなピリッとした辛さはありませんので、辛さをプラスしたい場合は他の調味料の使用をおすすめします。

ハラペーニョ

ハラペーニョは、中南米原産の唐辛子の一種で、メキシコ料理などでよく使用されます。一般的には青色から赤色に熟したものがあり、生のまま使用するほか、加熱して調理したり、ピクルスやソースに加工されたりします。

辛味はありますが、鷹の爪に比べてややマイルドで、爽やかな風味を持っています。したがって、鷹の爪のような辛味を出したい場合は少し多めに加える必要があります。しかし、それでも辛いので、辛い味付けが苦手な方は注意が必要です。

ハバネロ

ハバネロは、メキシコ原産の非常に辛い唐辛子で、一般的には赤色やオレンジ色をしています。辛味は非常に強く、鷹の爪のなんと10倍もの辛さを誇ります。そのため、鷹の爪の代用として使用する場合は少量のみで十分です。

調理時には手や皮膚に触れると強い刺激を感じることがあり、手がヒリヒリすることもありますので、注意が必要です。加熱調理する際も、その辛さに注意して取り扱うことが重要です。

シラチャーソース

シラチャーソースは、タイ料理に用いられる辛味調味料で、唐辛子をベースにしたソースです。辛味だけでなく、旨味やコク、酸味も加わり、幅広く料理に活用できる万能調味料として知られています。そのため、肉料理や魚料理、野菜料理など、さまざまな料理に使われます。

シラチャーソースにもさまざまな種類があり、辛さや風味が異なるので、使用する際には辛さを確認しながら適量を加えることが大切です。

カイエンペッパー(チリペッパー)

カイエンペッパーは、唐辛子の一種であり、チリペッパーやレッドペッパーとも呼ばれます。鷹の爪とほぼ同じ辛味を持っていますが、種類によってはより強い辛味を持つものもあります。そのため、使用する際には辛さを確認しながら、適量を加えることが重要です。

カイエンペッパーは料理に辛みを加えるだけでなく、風味や深みも与えるため、料理の味を引き立てる役割を果たします。ただし、辛味が強すぎる場合は調整が必要なので、入れすぎには注意が必要です。

チリパウダー

チリパウダーは、チリペッパーと同じく唐辛子を粉砕して作られる調味料ですが、チリパウダーには唐辛子以外ににんにくやオレガノ、パプリカなど他の香辛料やハーブが合わさっています。一般的には、西洋版の七味唐辛子のような存在とされており、チリペッパーよりも辛さがマイルドです。

チリパウダーは風味が豊かで味わいが良くなる特徴がありますが、一方で辛味は強い傾向がありますので、使用する際には入れすぎには十分注意が必要です。調味料として料理に加える際には、辛さだけでなく風味も考慮し、適量を加えることが大切です。

鷹の爪の代用に向かない調味料

鷹の爪の代用品としては不向きのししとう

辛みがある調味料ですが、鷹の爪の代用としては不向きの調味料をご紹介します。代用品として向いていない理由も解説します。

糸唐辛子

辛味の少ない赤唐辛子を細い糸状に切った状態のものを糸唐辛子といいます。中華料理や韓国料理の彩りとして加えられることが多いです。

鷹の爪の代用品として糸唐辛子を使用することは可能ですが、糸唐辛子は鷹の爪と比べて辛味がかなり弱いため、鷹の爪と同じような辛味を再現することは難しいといえます。

柚子胡椒

青唐辛子と柚子の皮、食塩で作られる柚子胡椒もピリッとした辛さがありますが、鷹の爪の代用品としては不向きといえます。

柚子胡椒は青唐辛子の辛さに柚子の爽やかな香りが加わった調味料で、料理に爽やかな風味を与えます。一方、鷹の爪は辛味が強く、香りの要素はあまりありません。柚子胡椒は特に魚料理や刺身によく合いますが、鷹の爪は中華料理や肉料理など幅広い料理に使われます。料理のテーマや味わいによって使い分けることが重要です。

コチュジャン

コチュジャンは韓国の代表的な調味料で、唐辛子の粉末に砂糖、塩、麹などを混ぜて発酵させたものです。

鷹の爪は辛味だけがありますが、コチュジャンは甘みが強く、また発酵によって豊かな風味があります。そのため、コチュジャンを鷹の爪の代用品として使用すると料理の味わいが大きく変わってしまう可能性があります。そのため、鷹の爪のピリッとした辛さを求める場合には、コチュジャンは適していないと言えます。

ラー油

ラー油は、中国や台湾などで広く使われる調味料で、唐辛子を油で炒めて作られます。辛味がありますが、油なので多量に加えると料理に油っぽさが出てしまい、美味しくなくなることがあります。また、和食には馴染みにくい風味であるため、鷹の爪の代用品としては不向きといえます。

タバスコ

タバスコは、唐辛子を原料として作られる辛味調味料で、辛さと酸味が特徴です。一方、鷹の爪は辛味が主体であり、酸味はほとんどありません。タバスコには酢が加わっており、その酸味が非常に強いため、料理に加えると酸っぱくなってしまい、鷹の爪の代用としては適していません。

ねりからし

ねりからしは、マスタードシードをすり潰して作られる調味料で、辛味とともに苦みも感じられます。鷹の爪と比べると辛味はマイルドであり、また苦味が特徴です。この苦みや辛さの度合いは鷹の爪とは異なります。そのため、料理にねりからしを使用すると、鷹の爪の代用としては適していない場合があります。

ししとう

ししとうは、「ししとうがらし」の略称であり、鷹の爪とは異なる品種の唐辛子です。一般的には、鷹の爪よりも辛味がかなりマイルドで、中には全く辛味のないものも存在します。

ただし、代用品として鷹の爪の代わりに使用できるかどうかは、料理の味わいや辛さを考慮する必要があります。辛味を求める場合や特定の料理に合わせる場合は、他の調味料を検討する方が良いかもしれません。

わさび

辛い調味料といえばわさびを思い浮かべる方は多いと思います。確かにわさびにもピリッとした辛さはありますが、鷹の爪の辛さとは辛さの種類が異なるため、代用品としてはあまりおすすめしません。

わさびは鼻をツーンと抜ける辛さがありますが、加熱することで辛さがマイルドになります。したがってわさびのツーンとした辛さが苦手な方でも使いやすいとはいえますが、それでも鷹の爪のようなピリッとした辛さを出すことは難しいです。

山椒

山椒(さんしょう)は、山椒の葉や果実を乾燥させたものが使用されます。その特徴は、独特の辛みと爽やかな香りにあります。山椒の風味はピリッとした辛さと柑橘系の香りが特徴であり、料理にアクセントを加えるのに適しています。日本では主に和食や鍋料理、漬物などに使用され、中国料理では麻婆豆腐や火鍋などの料理によく使われます。また、山椒は漢方薬や香辛料としても利用されています。

「ピリッとした辛さ」という表現は鷹の爪と同じですが、山椒と鷹の爪では風味が異なるため、鷹の爪の代用品としては不向きといえます。

料理別の鷹の爪代用品

鷹の爪を使ってつくるペペロンチーノ

上記でご紹介した、鷹の爪の代用品となる調味料を使ったおすすめのレシピをご紹介します。

ペペロンチーノ

輪切り唐辛子とにんにくで辛味や風味付けをするペペロンチーノはシンプルでありながら風味豊かな料理で、イタリアを代表する人気のパスタの一つです。

ベーコンやシーフード(エビやイカなど)、アンチョビなどの具材を組み合わせて、自分好みのペペロンチーノを楽しむことができます。

ボンゴレ

ボンゴレは、アサリを使ったイタリア料理(パスタ)です。

通常、鷹の爪が風味づけに使われますが、他の調味料でも美味しく作ることができます。一味唐辛子や七味唐辛子が代用品としておすすめされますが、焦げやすい点や取り出しにくい点には注意が必要です。また、ハーブミックスを使って風味付けするのも変わり種としておすすめです。

アヒージョ

にんにくの風味が美味しいアヒージョに、唐辛子を加えてピリッとした味わいに仕上げるのも美味しいですよ。

アヒージョの具材におすすめな食材にはエビやタコなどのシーフードやベーコン、マッシュルーム、じゃがいもなどがあります。具材にししとうを用いるのも◎。

なすの揚げ浸し

なすの揚げ浸しには鷹の爪を使用することが多いですが、代わりに輪切り唐辛子や七味唐辛子を使っても美味しく作ることができます。

なすだけでなく、ししとうがらしの揚げ浸しも美味しいですよ。

きんぴら

鷹の爪でピリッとした辛味をつけることが多いきんぴらですが、鷹の爪以外でも美味しく作れます。

輪切り唐辛子を使えば彩りもよくなりますし、一味唐辛子や七味唐辛子でも美味しく作ることができます。

漬物

玉ねぎの漬物などには鷹の爪を使うことがありますが、他の香辛料でも代用可能です。一味唐辛子や七味唐辛子などがよく使われますが、鷹の爪と異なり取り出せないので、全体的に辛くなりやすい点には注意が必要です。