本記事では豚タンが体に悪いと言われている理由を紹介します。
まずはじめに、豚タンについて紹介します。
豚タンは、豚の舌です。
タンといえば、牛タンを思い浮かべる方も多いかと思いますが、豚の舌も牛の舌と同様に食べることができます。
牛タンと比較すると小ぶりで、1頭からとれるのは200gほどと希少部位ともいえますが、比較的手の届きやすい価格で販売されているのも人気の理由の一つです。
気になる豚タンの食感と味を紹介します。
豚タンは牛タンと同様にしっかりとした歯ごたえがあるのが特徴で、コリコリとした程よい食感を楽しめます。
牛タンと比較して脂質量が少なくさっぱりとしているため、油っぽいお肉が苦手な方でも食べやすいとおっしゃる方が多いです。
牛タンは豚タンよりも多くとれますが、実は硬い部分が多いため柔らかく食べられるのがごく一部。豚タンは全体的に柔らかいのでほぼ全てを食べることができます。
豚タン(100g)あたりに含まれている栄養素やカロリーを紹介します。
エネルギー…205kcal
タンパク質…15.9g
脂質…16.3g
炭水化物…0.1g
ナトリウム…80mg
カリウム…220mg
カルシウム…8mg
マグネシウム…15mg
リン…160mg
鉄…2.3mg
亜鉛…2mg
銅…0.2mg
ビタミンA…7μg
ビタミンD…2μg
ビタミンE…0.3mg
ビタミンB2…0.43mg
ナイアシン…4.5mg
ビタミンB6…0.21mg
葉酸…4μg
パントテン酸…1.49mg
ビタミンC…3mg
豚タンが体に悪いと言われる理由を紹介します。
本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
豚タンが体に悪いと言われる理由は、脂質量の多さにあります。上述したように、豚タンには100gあたり16.3gの脂質が含まれています。
牛タンの脂質量は100gあたり31.8gなので、牛タンと比較すると脂質量は抑えることができますが、脂質量が少ないとはいえないので、食べ過ぎてしまうと様々なデメリットがあります。
まず、脂質量の多い豚タンは過剰に摂取すると肥満の原因となります。
人間はエネルギー源として脂肪を優先的に蓄えようとする性質があるため、脂質を摂取すると体内に蓄積されやすいのです。
また、脂質量が多いぶんカロリーも100gあたり205kcalと高めです。牛タン100gあたりのカロリーは350kcalなので、カロリーに関しても牛タンよりは低いといえますが、豚タンが低カロリーの食材というわけではありません。
摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合、肥満の原因となるので、ダイエット中の方は注意しましょう。
脂質が高いものを沢山食べてしまうと、コレステロール値が上がってしまうデメリットもあります。
特に豚タンなどの肉類や魚類に多く含まれている飽和酸は血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、動脈に蓄積されてしまいやすいです。
そのため、過剰に摂取すると動脈硬化や動脈壁の炎症が引き起こされる可能性が高まってしまいます。
過剰摂取しないように注意しましょう。
豚タンのように脂質量の多い食べ物は、消化に時間がかかります。そのため、過剰摂取することで人によっては消化器官に負担がかかってしまいます。
胃の消化酵素である胃液が適切に働かなくなり、十分に分解されず胃痛や腹痛の症状が出てしまう場合もあります。
豚タンに限らず、生肉には食中毒のリスクがあります。特に豚タンには、食中毒の原因となる豚レンサ球菌の中でも毒性を示すタイプの生きた菌が検出されており、しっかりと加熱して食べる必要があります。
実際に飲食店で豚タンを食べた際に食中毒の症状が出たケースもあり、これも豚タンは体に悪いといわれる理由の一つであると考えられます。
豚タンを食べる際は、しっかりと加熱してから食べることが大切です。
出典:豚肉・豚レバー・豚タンなどの生食について(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター)
店舗によっては海外産の豚タンを販売していることも多いです。国内産の豚タンよりも安価で購入できるのが嬉しい点ですが、海外産であることに懸念する方も多いです。
食品の安全性は食品衛生法によって輸入食品でも国産品でもまったく同じ基準(残留農薬、食品 添加物、微生物など)が適用されています。そのため、輸入食品においても安心して食べることができます。
心配な方は国産の豚タンを購入するのが良いでしょう。
出典:輸入食品は安全なの? -消費者として知っておきたいこと-(厚生労働省)
タンや豚肉に限ったことではありませんが、成長促進ホルモン剤や抗生物質を使用して育てられていることがあり、健康に悪影響を及ぼすのではないかと懸念されています。
成長ホルモン剤は、鶏や牛の成長を促進させるために使われるもので、日本では使用が認められていません。しかし、アメリカやカナダ、オーストラリアといった様々な国では適正に使用されていれば人体に影響ないとされています。
心配な方は、成長促進ホルモン剤と抗生物質を使用せず、放牧させて育てる「グラスフェッド」の豚タンを選ぶのがおすすめです。
出典:肥育ホルモンについて(農林水産省)
上述したように、豚タンは牛タンと比較すると値段が安いです。そのため、「質が悪いからではないか」「体に悪いからではないか」などと考える方もいらっしゃいます。
豚タンの値段が安い理由の一つは、豚肉自体の需要が高いことにあります。全体的に豚肉の生産量が多いため、豚タンも手頃な価格で市場に出回ることが多いです。
また、豚タンは加工も比較的簡単です。牛タンのように硬い部分を取り除くなどのプロセスがなく加工にコストがかからないのも、安く販売できる理由の一つになっています。
食べすぎてしまうと肥満などのデメリットがある豚タンですが、食べることで得られる効果・効能もあります。
豚タンに豊富に含まれているたんぱく質は、三大栄養素の一つであり、すべての動物や植物が生きていく上で必要なエネルギー源です。その他の三大栄養素には炭水化物・脂質があります。
たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、そしてホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分として重要な栄養素です。
また、たんぱく質は基礎代謝を高めるため、適量を守ればダイエット中にもぴったりの食材です。
出典:e‐ヘルスネット(厚生労働省)
豚タンにはビタミンB12も豊富に含まれています。
ビタミンB12は、赤血球の形成に必要なヘム合成に不可欠です。赤血球は酸素を体中に運び、体組織に酸素を供給する役割を果たしています。
ビタミンB12を摂取することは、貧血予防に繋がります。
同じく豚タンに豊富に含まれているナイアシンは、皮膚の健康維持に重要な役割を果たします。
特に、肌の新陳代謝を促進し、皮膚の再生をサポートするといわれています。また、ナイアシンは抗酸化作用を持ち、活性酸素による細胞ダメージを軽減することができます。これにより、肌の老化を遅らせ、シワやたるみの改善の効果が期待できます。
豚タンは脂質量が多いので、過剰摂取を防ぐ食べ方のポイントを紹介します。
脂質の過剰摂取を防ぐことはダイエットにも繋がるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
豚タンの1日の摂取量は、1食分100g程度に押さえておくのが望ましいでしょう。
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準によると、脂質の理想的な摂取量は総エネルギーの20~25%で、成人の場合1日40~60g程度が目安としています。
100gあたりの脂質は16.3gですが、脂質はそれ以外の食べ物からも摂取しているので、1食分に押さえておくのが理想的です。
出典:日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
豚タンを食べるときは、野菜と一緒に食べるのがおすすめです。
キャベツや人参など歯ごたえを楽しめる野菜をサラダにして一緒に食べると、満腹感を得やすくなるので、食べ過ぎ防止に繋がります。
また、人参やピーマンなどに含まれてるビタミンAなどのビタミンAなどの脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取することで吸収率があるので、脂質を多く含む豚タンと食べるメリットがあります。
豚タンは脂質が高くカロリーが高い食材ですので、タレよりも塩でさっぱりといただくのがおすすめです。
タレには砂糖なども含まれているため、カロリーだけではなく糖質量も増やしてしまうことになります。
塩で食べれば、カロリーを上げてしまったり、糖質量が多くなってしまうことを防ぐことができます。
豚タンを食べるときは、黒烏龍茶を飲むのがおすすめです。
黒烏龍茶には「ウーロン茶重合ポリフェノール」と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれており、脂肪の吸収を抑制し中性脂肪の排出を促進する効果があるといわれています。
そのため、豚タンと一緒に黒烏龍茶を飲むことで、脂質が過剰に蓄積されてしまうことを防ぐ効果が期待できます。
出典:「黒烏龍茶」に係る食品健康影響評価に関する審議結果(食品安全委員会)
豚タンを食べるときは、沢山噛むことも大切です。
たくさん噛むことで満腹中枢が刺激され、満腹感を得ることができるので、過剰摂取防止に繋がります。
豚タンを食べる場合は、食べる時間帯にも注意しましょう。
豚タンのように高脂質の食事は消化に時間がかかるため、夜遅くや寝る直前に摂取すると、消化が遅れて睡眠中にエネルギーが消費されず、体内に脂肪が蓄積されやすくなります。
特に就寝前に高脂質の食事を摂ると、代謝が低下してしまうため、体重の増加や肥満のリスクが高まる可能性があります。
夕食に豚タンをいただく場合は、最低でも就寝3時間前までにしましょう。
豚タンの下ごしらえの方法を紹介します。
豚タンは、まずキッチンペーパーなどで水分を拭き取ります。
豚タンから出ている水分は「ドリップ」とよばれるものです。ドリップは、お肉の内部から出てくる液体のことで、たんぱく質やビタミン類、旨味成分などが含まれています。
そのまま調理をしても問題ありませんが、ドリップがついていると臭みや雑味の原因となるため、拭き取って調理をしましょう。
豚タンの根元付近についている筋を取り除いておくと、加熱した際に縮んだり反り返ったりするのを防げます。また、噛み切りやすくなるので口当たりも良くなります。
ただし、豚タンの筋はそこまで固くないので、取らずに焼いても問題ありません。
豚タンに竹串などで数か所穴をあけて、血抜きをします。血抜きをしておくことで、臭みがとれて食べやすくなります。
水を張ったボウルなどに豚タンを入れて、30分〜1時間程度で水を張り替えるという作業を3〜4回繰り返すことでも血抜きできます。
続いて、豚タンの焼き方を紹介します。
豚タンをフライパンで焼くときは、少量の油をひいたフライパンの上に豚タンを並べて両面を焼いていきます。
上述したように、豚タンは脂質量が多いので少量の油でしっかり焼くことができます。
厚めにカットした場合など火の通りが不安な場合は、蓋をして蒸し焼きにするのがおすすめです。
焼き網を使って焼く場合は、網の上に置き、日が通ったらさっとひっくり返して両面焼きます。
焼き網で焼くと、余分な油分や水分を落とすことができます。少しでも脂質を抑えたい方は、焼き網で焼くのがおすすめです。
最後に、豚タンの美味しい食べ方を紹介します。
紹介したように、豚タンを焼くのは一般的な方法です。薄くスライスしてから焼くと、外側がカリッと焼けて香ばしく、中は柔らかくジューシーになります。
焼く前に、塩や胡椒、ニンニク、生姜などの調味料で下味をつけると風味が増します。
豚タンを薄切りにしてしゃぶしゃぶにするのも人気の方法です。
熱いお湯やだしの中で豚タンをさっと茹で、ポン酢やごまだれなどのつけダレと一緒に食べます。柔らかくてぷりぷりした食感が楽しめます。
豚タンを煮込むと、とろけるような柔らかさが特徴です。
しょうゆやみりん、酒などの調味料と一緒に煮ると、深い味わいが生まれます。野菜と一緒に煮込むと、さらに栄養豊かな一品になります。
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