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煮干しは体に悪い?デメリットは?酸化が危険?口コミも紹介

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煮干しは体に悪い?デメリットは?酸化が危険?口コミも紹介

本記事では、煮干しが体に悪いと言われている理由を紹介します。

煮干しについて

まずはじめに、煮干し(にぼし)について紹介します。

煮干しは魚介類を煮て干したもの

煮干しは、その名の通り魚介類を煮て乾燥させた水産加工品です。

日本農林規格(JAS)では「煮干魚類」と呼ばれ、主にまいわしやかたくちいわし、うるめいわし、いかなご、アジなどを煮熟し乾燥させた、水分18%以下のものと定義されています。

魚類の他にも、サクラエビやホタルイカ、貝柱、ナマコ、アワビなどの煮干し品もありますが、日本で「煮干し」といえば、主にかたくちいわしを原料に作られたものを指します。

煮干しの種類

一口に「煮干し」といっても様々な種類があり、主に大きさによって下記の3つに分類されます。

  • にぼし

  • かえり

  • ちりめん

にぼしは、大きさ約4cm〜13cmのかたくちいわしの煮干で、だし用や加工食品の原料に使われることが多いです。
西日本では「いりこ」と呼ばれることが多く、その他にも地域によって「へしこ」「たれ」「たつこ」など様々な呼び方があります。

かえりは、大きさ約2.5cm〜4cmのかたくちいわしの煮干で、そのまま食べたり佃煮にして食べられることが多いです。

ちりめんは、大きさ約2.5cm以下の小さなかたくしいわしの煮干しで、味付けちりめんや佃煮にして食べられることが多いです。

そのほかにも、まいわしを煮干しにした「ひらご煮干し」やうるめいわしを煮干しにした「うるめ煮干し」など様々な種類があります。

青口と白口の違いは?

かたくちいわしを原料に作られる煮干しには、青口と白口の2種類あります。

青口と白口の違いは、かたくちいわしの背の色です。背の色が青色だと青口、白色だと白口となります。

主に流れが穏やかな瀬戸内海などで捕れたかたくちいわしは白口、それ以外で捕れたかたくちいわしは青口です。なぜ捕れる場所によって背の色が変わるのかは、学術的にはっきり解明されていません。

青口はコク深い味わいの出汁がとれ、白口はふんわりとした柔らかい味わいの出汁がとれるため、料理によって使い分ける方もいます。

煮干しの栄養素・カロリー

煮干し(100gあたり)に含まれている栄養素・カロリーを紹介します。

  • エネルギー…298kcal

  • タンパク質…64.5g

  • 脂質…6.2g

  • 炭水化物…0.3g

  • 食物繊維…0g

  • ナトリウム…1700mg

  • カリウム…1200mg

  • カルシウム…2200mg

  • マグネシウム…230mg

  • リン…1500mg

  • 鉄…18.0g

  • 亜鉛…7.2g

  • 銅…0.39mg

  • ビタミンD…18.0μg

  • ビタミンE…0.2mg

  • ビタミンB1…0.10mg

  • ビタミンB2…0.10mg

  • ナイアシン…17.0mg

  • ビタミンB6…0.28mg

  • ビタミンB12…41.0μg

  • 葉酸…74μg

  • パントテン酸…1.81mg

  • 食塩相当量…4.3g

出典:日本食品標準成分表八訂(文部科学省)

煮干しが体に悪いと言われる理由

煮干し

続いて、煮干しが体に悪いと言われる理由を紹介します。

本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

添加物の懸念

現在市販されている煮干しの多くは、酸化防止剤(添加物)が使われていることが多いです。

煮干しは、原料となるかたくちいわしなどを煮て干す際に、空気中の酸素に触れて酸化してしまうのを防ぐ必要があります。酸化してしまうと臭いがきつくなり、味や風味も落ちてしまうためです。

食品添加物は、国によって安全性を確保されたもののみ使用を許可しています。そのため、口にしても問題ないとされていますが、できるだけケミカルなものは口に入れたくないという方もいらっしゃいます。

食品添加物については、使用量が多い順に記載することが義務となっているので、気になる方はチェックしてから購入するのが安心です。

出典:食品添加物(厚生労働省)

無添加だと酸化が進んでる?

酸化防止剤を使用していない無添加の煮干しは、酸化が進んでいて、むしろ不健康なのではないかと考える方も多いでしょう。

無添加の煮干しの場合は、酸化防止剤を使用する代わりに窒素ガス充填包装によって酸化を防止するなど様々な工夫をしています。

しかし、製造から時間が経っていたり一度開封したものは、どうしても酸化が進みやすいです。酸化してしまうと臭いがきつくなり、味や風味を残ってしまうのでできるだけ早く使い切りましょう。

出典:煮干し脂質の正常とその酸化がだし汁の風味に及ぼす影響(J‐stage)

プリン体が多い

煮干しや干し椎茸などの乾物には、プリン体が多く含まれていることで知られており、煮干しの場合は100gあたり746mgのプリン体が含まれています。

プリン体とは、生物の細胞内で代謝される際に生じる有機化合物の一種です。主に核酸やアミノ酸の分解によって生じ、特にアデニンとグアニンが主なプリン体です。

プリン体は、体内で尿酸に変換されます。尿酸は通常、腎臓を通じて体外に排泄されますが、過剰摂取してしまうと尿酸が過剰に生成され結晶化し、関節や組織に堆積し、痛風や尿路結石などの疾患を引き起こすことがあります。

そのため、過剰摂取しないよう注意することが大切です。

出典:e‐ヘルスネット(厚生労働省)

塩分量が多い

煮干しを煮るときには、基本的に塩水が使われます。そのため、上述したように100gあたり4.3gと塩分含有量が多いのも特徴です。(商品によっても異なります)

塩分の取りすぎは、血圧を上昇させる傾向がある他、塩分には体内の水分を保持する力を高めてしまうため浮腫みの原因にもなります。

厚生労働省の日本人の食事摂取基準では、1日の塩分摂取量の基準は成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満としています。煮干し以外でも塩分を摂取しているので、過剰摂取しないよう注意する必要があります。

カロリーが高い

煮干しのカロリーは、100gあたり298kcalです。298kcalというと、ソーセージを5本食べたときのカロリーと同等です。

カルシウムなどの栄養成分が多く含まれるので、その分カロリーも高くなるのです。

出汁をとるのに使う場合などはそれほど沢山の量を使うわけではないので神経質になる必要はありませんが、佃煮にする場合などは調味料のカロリーもプラスされるので、ダイエット中の方は注意です。

糖質は?

煮干しの糖質量(食物繊維から炭水化物を引いた値)は、0.3gです。

食品表示法では、糖質量0.5g以下の場合「糖質0g」と表記して良いことになっているため、糖質量0gと表記されていることもあります。

糖質量は多いほうではないので、糖質制限をしている方にもぴったりな食材です。しかし、やはりプリン体や塩分を多く含みカロリーも高いので食べ過ぎないように注意するべきです。

苦味がある

煮干は、個体によっては強い苦みを感じることがあります。苦みの原因は、原料となる魚のはらわたにあります。

上述したように煮干しには様々な大きさの魚が使われており、大きければ大きいほどはらわたも大きくなるので苦みが出ます。

はらわた自体は食べても問題がないので、苦いからといって体に悪いというわけではありません。

しかし、出汁を取る場合などは苦みが風味を損ねる原因となるため、はらわたをとってから使うことを推奨します。

外国産の魚が使用されている

煮干しに限らず、国産以外の食材を使うことに抵抗がある方は多いです。

しかし、食品の安全性は食品衛生法によって輸入食品でも国産品でもまったく同じ基準(残留農薬、食品 添加物、微生物など)が適用されています。そのため、輸入食品においても安心して食べることができます。

煮干しにおいては、輸入する際に内蔵をとらなければならないなど規定が多いため、現在販売されている煮干しは日本産のものがほとんどです。

出典:輸入食品は安全なの? -消費者として知っておきたいこと-(厚生労働省)

煮干しの効果・効能

煮干しを摂取するとことによる効果・効能もあります。

体を作る

煮干しに豊富に含まれているたんぱく質は、三大栄養素の一つであり、すべての動物や植物が生きていく上で必要なエネルギー源です。その他の三大栄養素には炭水化物・脂質があります。

たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、そしてホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分として重要な栄養素です。

貧血予防

煮干しには鉄が含まれており、貧血予防の効果が期待できます。

鉄は、赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。

特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。他にも鉄が欠乏して貧血になると、酸素が不足し細胞の働きが落ちるのでエネルギーの産生が悪くなるので、エネルギーの産生には鉄が大きく関わっています。

骨の健康を保つ

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。

骨も新陳代謝を繰り返しており、古い骨を壊しては新しい骨を作り、なんと1年間で20〜30%が新しい骨に生まれ変わっています。この骨の代謝にカルシウムは深く関わり骨の健康を保っています。

そのためカルシウムが不足すると、骨が弱くなり、やがて骨粗鬆症を招きます。ビタミンKがカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取することで骨粗しょう症の予防も期待できます。

脳の発育と機能改善

煮干しには、DHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。

DHAは不飽和脂肪酸の一つで、脳の主要な成分の一つであり、特に胎児や乳幼児期の脳の発育に重要です。さらに、成人でも認知機能や記憶力の改善に寄与するとされています。

また、血管の健康を維持するのに役立ちます。定期的な摂取は、心臓病や高血圧などの心血管疾患のリスクを低減する助けになるとされています。

出典:e‐ヘルスネット(厚生労働省)

煮干しを食べるときのポイント

続いて、煮干しを食べるときのポイントを紹介します。

1日の摂取量

煮干しの1日の摂取量は塩分量などを元に計算すると、だいたい30g程といわれています。尿酸値などが気になる方は、半分の15g程度に抑えておくと安心です。

上述したように過剰摂取はプリン体の過剰摂取や塩分過多に繋がるので守るようにしましょう。

出典:日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

カリウムと一緒に摂取する

煮干しは塩分量が多いので、カリウムを豊富に含む食材と一緒に摂取するのがおすすめです。

カリウムは塩分の過剰摂取による浮腫を抑制し、体内の水分バランスを調整するのに役立ちます。

カリウムを多く含む食材には、ほうれん草やじゃがいもなどのいも類、わかめやひじきなどの海藻類などがあります。

そのまま食べられる?

煮干しは、だしを取るときに使われることが多いですが、そのまま食べることもできます。

そのままおやつとして食べたり、細かくしてふりかけにして食べることできます。そのまま食べたほうが、タンパク質やミネラル類などは効率よく体に吸収されます。

しかし、やはり食べすぎには注意しましょう。また、小さなお子様がそのまま食べる場合は、固く喉につまらせてしまう可能性などもあるため、必ずそばで大人が見ているようにしてください。

毎日食べても大丈夫?

にぼしは毎日食べても大丈夫です。

ただし、毎日煮干しだけを食べてしまうとプリン体や塩分の過剰摂取に繋がるほか、栄養が偏ってしまいます。

過度な摂取を避け、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。

煮干しの保存方法

煮干しに限らず、食材の味や風味、栄養素を守り最後まで美味しく食べるには正しく保存しておくことが大切です。煮干しの保存方法を紹介します。

常温保存

煮干しは、未開封の場合であれば常温で4ヶ月〜6ヶ月ほど保存可能です。

常温保存する場合は、直射日光の当たらない高温多湿の場所を避けて保存しましょう。

ちなみに賞味期限が切れてしまっても、1ヶ月程であれば問題なく食べられることが多いです。賞味期限が切れてしまった場合は、腐敗のサインが見られないかチェックをして判断してください。

冷蔵保存

開封後は冷蔵保存で1ヶ月程保存可能です。

煮干しは空気中の酸素に触れると酸化してしまいやすいので、しっかりと密閉できる保存袋や容器に入れて冷蔵庫に入れましょう。

酸化してくると黄色っぽく変色してきたり、臭いがきつくなります。できるだけ賞味期限内に食べきるようにしましょう。

冷凍保存

煮干しは冷凍保存で1ヶ月ほど保存可能です。

冷凍保存する場合も密閉できる容器に入れて、冷凍庫に入れます。

出汁を取るときに使う場合は、そのまま調理に使って大丈夫です。冷凍をすると酸化も起こりにくいので、すぐに使い切れない場合は冷凍保存がおすすめです。

ただし、冷凍しても完全に酸化を防げたり腐敗しないというわけではないので、1ヶ月を目安に早めに使い切りましょう。

煮干しを美味しく食べる方法

煮干しのだし汁

お出汁

煮干しを使ってお出汁を取るのが一般的な方法です。

煮干しを熱湯に入れてしっかりと煮出し、うま味を引き出します。このお出汁をベースにして、お吸い物や味噌汁などの料理を作ることができます。

おつまみ

煮干しを香ばしく焼いて、軽く塩を振っておつまみにするのもおすすめです。焼いた煮干しはパリッとした食感と濃厚なうま味が楽しめます。

炒め物や煮込み料理

煮干しを炒めて香りを引き出し、野菜や肉と一緒に炒め物や煮込み料理に加えると、深い味わいが広がります。

特に、豆腐やほうれん草などと相性が良いです。

粉末にして利用する

煮干しをミキサーやフードプロセッサーで細かく砕いて粉末状にし、料理に加えるのも良い方法です。

粉末にすることで、うま味をより均一に広げることができます。

ふりかけにしてご飯と一緒に食べても◎

おすすめの煮干しを紹介

添加物が気になる方におすすめの無添加の煮干しや塩分が気になる方におすすめの塩分不使用の煮干しなどを紹介します。

塩無添加健康にぼし

塩無添加健康にぼしは、株式会社サカモトが製造・販売している煮干しです。

塩無添加健康にぼしは、食塩や添加物を使用せずに製造されていて、塩分が気になる方もそのまま食べることもできます。

ちなみに、株式会社サカモトでは、ペット用の塩無添加にぼしの製造・販売も行っています。

瀬戸内産無添加煮干

瀬戸内産無添加煮干は、ヤマキ株式会社が製造・販売している煮干しです。

瀬戸内産無添加煮干は、瀬戸内海で生産されたかたくちいわしを原料に作られており、酸化防止剤不使用です。

身が柔らかく、上質な出汁がとれるほか、そのまま食べることもできます。

真水炊き製法 塩無添加 いりこ

真水炊き製法 塩無添加 いりこは、株式会社フジイチが製造・販売している煮干しです。

真水炊き製法 塩無添加 いりこは、塩水を使用していない真水で煮て作られており、添加物も使用していません。

だしはもちろんのころ、おやつやおつまみとしても人気です。