本記事ではアイスクリームが体に悪いと言われる理由を紹介します。
まずはじめに、アイスクリームについて紹介します。
アイスクリームとは、牛乳や乳製品などを凍らせて作る冷菓の一種です。
冷菓には様々な種類がありますが、総称として「アイスクリーム」と呼ばれることも多くあります。
アイスクリームの原形は、冬に採取した雪や氷を保管していた貯蔵庫の雪や氷に蜜や果汁や果肉などを混ぜて作った冷たい飲み物だといわれています。これがシャーベットの元となり、イタリアで広く広まった後、フランスなどでも食べられるようになるなど次第に乳成分を原料に作るアイスクリームなどに発展していきました。
日本では冷菓について食品衛生法に基づく厚生労働省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)で、乳固形分などの分量によって下記の通り細かく分類されています。
アイスクリーム...乳固形分15%以上含み、うち乳脂肪分が8.0%以上のもの。
アイスミルク...乳固形分10.0%以上含み、うち乳脂肪分が3.0%以上のもの。
ラクトアイス...乳固形分3.0%以上含むもの。
氷菓...乳固形分3.0%未満のもの。
アイスクリームは乳固形分と乳脂肪分を最も多く含み、なめらかでミルクの深いコクを感じられます。
アイスミルクは、乳固形分と乳脂肪分がアイスクリームよりも少なくなり、さっぱりとした口当たりと味わいが特徴です。ジェラートなどがアイスミルクに該当します。
ラクトアイスは、乳脂肪分の成分規格がなく、変わりに植物性油脂を使用していることが多いです。口当たりはなめらかですが、ミルクのコクはなく比較的スッキリしています。
氷菓は、入成分を含まないのが特徴です。シャーベットやかき氷が氷菓にあたり、さっぱりとしています。
本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
アイスクリームが体に悪いとされる理由はいくつかありますが、その一つは体を冷やすことです。
アイスクリームを摂取すると、口内や喉を通過する際に体温を下げる効果があります。これにより、体内の温度調節機能が働き、体温が一時的に下がります。
夏の気温が高い季節などは体温を下げるのに非常に役立ちますが、過剰摂取は体を過度に冷やし、免疫機能の低下や感染症のリスクを増加させる可能性があります。
また、「お腹を壊す」ともよくいわれます。これは、冷たい食べ物を過剰に摂取することで、消化器系に負担がかかり、消化不良や胃腸のトラブルを引き起こすことがあるためです。
一般的なアイスクリームには、砂糖や乳脂肪が多く含まれており、これがカロリーを高くする原因となります。過剰なカロリー摂取は肥満やメタボリックシンドロームなどの健康問題を引き起こす可能性があります
また、一般的なアイスクリームの糖質量は平均20〜30gです。基本的に1食あたりの糖質量は20g以下に抑えるのが良いとされているので、アイスクリームをデザートに食べるだけでオーバーしてしまいます。過剰な糖質摂取は血糖値の急激な上昇を引き起こし、インスリンの過剰分泌や糖尿病のリスクを高めるといわれています。
一般的に食べられることが多い果物(100gあたり)の糖質量は下記の通りです。
いちご…6.1g
もも…8.9g
グレープフルーツ…9g
すいか…9.2g
メロン…9.8g
キウイ…11g
りんご…13.1g
バナナ…21.4
アイスクリームは果物と比較しても糖質量が多い事がわかります。さらに、果物に含まれている糖質は果糖(フルクトース)で、血糖値が上がりにくいといわれています。
乳糖不耐症の場合、腹痛や嘔吐などの症状が出てしまうことがあるので注意が必要です。
乳糖不耐症は、消化器官である小腸に存在する乳糖を分解する酵素である乳糖分解酵素の不足または欠如によって引き起こされる消化器系の障害です。
この状態では、乳糖がうまく分解されず、小腸で吸収されずに大腸に到達します。大腸に到達した乳糖は、腸内細菌によって発酵され、ガスや膨満感、下痢などの症状を引き起こします。
日本人の10%〜20%が乳糖不耐症であるといわれており、意外と多いです。
出典:牛乳を飲めない人のためにー乳糖不耐症について(独立行政法人農畜産業振興機構)
牛乳ではなく豆乳で作られたアイスクリームなら、乳糖不耐症でも安心なのではと考える方も多いかと思います。
確かに豆乳にカゼインは含まれませんが、豆乳アレルギーの方は注意が必要です。アレルギーには遅延型もあるため、医師と相談し判断するようにしましょう。
また、豆乳の他にもアーモンドミルク、ココナッツミルクなどの代替え乳製品もあります。コンビニやスーパーに売ってるものは添加物が多く含まれるものもあるので、アレルギーを持っている方や健康を気にされる方は、原材料や添加物をよく確認することが大切です。
ヴィーガンなら乳製品が含まれている懸念は払拭されます。
また、砂糖も白砂糖ではなく、てんさい糖やメープルシロップ、アガベシロップなどの自然由来の甘味料を使用しています。
白砂糖は、製造過程でろ過をし不純物を取り除く際に動物性の活性炭が使われることがあります。そのため、動物性のものを避けているヴィーガンでは白砂糖は使われません。
人工甘味料を使わないので、添加物が心配な方も安心して食べることができます。
市販のアイスクリームには食品添加物が含まれていることが多いため、食品添加物を口に入れることに対して懸念される方も多いです。
アイスクリームに使われていることが多い添加物は下記の通りです。
乳化剤
増粘安定剤
甘味料
加工でんぷん
アイスクリームには、口当たりを滑らかにするための乳化剤や増粘安定剤、甘みを出すための甘味料、アイスクリームを溶けにくくするなどの効果がある加工でんぷんなどが使われていることが多くあります。
食品添加物は、国によって安全性を確保されたもののみが使用を許可されています。
そのため、口にしても問題はありませんが、できるだけケミカルなものは口に入れたくないという方もいらっしゃいます。食品添加物については、使用料が多い順に記載することが義務となっているので、気になる方はチェックしてから購入するのが安心です。
出典:食品添加物(厚生労働省)
市販のアイスクリームの中にはトランス脂肪酸を多く含むものもあります。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種です。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減少させる働きがあるため、大量に摂取することにより動脈硬化などによる心臓病のリスクを高めるといわれており、WHOのトランス脂肪酸の一日の上限値は約2g未満としています。
相当な量に思えますが、私達が普段口にしている食べ物にはトランス脂肪酸が含まれているものも多く、知らず知らずのうちに摂取していることもありますので、過剰摂取しないよう注意しましょう。
出典:農林水産省トランス脂肪酸に関する情報
植物と聞くとどことなく安心する気持ちを持ちますが、実はトランス脂肪酸も植物油脂の一種です。
オリーブオイル、米油などと具体的に表記されていない場合は、どんな植物油脂が使われているかわからないので、不安な方は購入しないようにしましょう。
続いて、体に悪いと言われているアイスランキングを紹介します。
体に悪いと言われるアイスランキング1位はラクトアイスです。
ラクトアイスは、乳固形分3.0%以上含むものです。乳脂肪分の定義がなく植物性油脂を使われていることが多いため、トランス脂肪酸が多く含まれているといわれています。
上述したようにトランス脂肪酸の過剰摂取は避けるべきなので、アイスを食べるならラクトアイスは避けるという方は多いです。
アイスクリームは基本的に乳脂肪が多く含まれているのでカロリーが高いですが、カロリーを抑えていることを謳った商品も販売されています。
カロリーが抑えられている方が体に良いと思ってしまいがちですが、カロリーを抑えている商品はアイスクリームに限らず人口甘味料が使われていることが多いです。
人工甘味料は砂糖よりも少ない量でも強い甘みを感じさせ、さらにカロリーが低いのが特徴です。
上述したように、人工甘味料などの食品添加物は国で定められたもののみ使用が認められているので、口にすることができますが、人工甘味料を使って甘さを出しているものよりも素材そのものの甘さで甘みをプラスしているもののほうが安心して口にすることができますよね。
カロリーを抑えているアイスクリームのみならず、人工甘味料を使っている商品は多くあります。
人工甘味料を使うことで原材料費を抑えることができるため、価格は安くなります。そのため、ついつい手を伸ばしてしまいたくなってしまいます。
しかし、人工甘味料は砂糖よりも強い甘みを感じさせ、甘みに対する感覚が鈍くなってしまうことが懸念されており、実際に人工甘味料の過剰摂取により、より糖分を多く摂取することに繋がってしまうといわれています。
出典:人工甘味料と糖代謝(独立行政法人農畜産業振興機構)
続いて、アイスクリームを選ぶときのポイントを紹介します。
まず、アイスクリームを選ぶ際のポイントはいくつかありますが、氷菓(かき氷やシャーベットなど)を選ぶのがおすすめという考え方があります。
氷菓は、アイスクリームに比べてカロリーが低めであることや、フルーツなどの天然の甘さを楽しめることが魅力です。また、氷菓には乳製品を使用していない場合もあり、乳糖不耐症や乳アレルギーの人にも適しています。
アイスクリームを購入するときは、成分表示をしっかりチェックすることが大切です。
天然の原材料を使っているものや、添加物が少ないものを選ぶことで、体にやさしいアイスクリームを選ぶことができます。
有機栽培された食材を使用しているかどうかも確認すると良いでしょう。
フルーツやナッツが入ったアイスクリームは、栄養価が豊富ですし、食べごたえがあるため満足感が得られます。
さらに果物の入ったアイスクリームは、甘さを自然な形で提供してくれるため人工甘味料が少ない傾向にあります。
これらのポイントを考慮しながら、健康的で満足感のあるアイスクリームを選びましょう。
アイスクリームは自宅でも作ることができます。
自宅で作ることで、自分自身で原材料を選ぶことができますし、無添加なので安心して食べられます。
コンビニやスーパーで購入できるおすすめのアイスクリームを紹介します。
ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)は、アメリカで誕生したアイスクリームを販売する大手ブランドです。
ハーゲンダッツのアイスは、原材料が非常にシンプルで体に悪いといわれている添加物は使われていません。
フレーバーによっては添加物に指定されているものを使用していることもありますが、バニラ香料など天然物となっています。
あずきバーは、株式会社井村屋が製造・販売している人気商品です。
ぜんざいをそのまま凍らせたようなアイスキャンディーで、小豆本来の味わいを楽しむことがあります。
あずきバーの原料もとてもシンプルで、北海道産の小豆と水あめ、食塩、砂糖のみで、人工甘味料や添加物が含まれていません。
MOW(モウ)3three(スリー)は、森永乳業が製造・販売している商品です。
その名の通り、国産の乳製品と砂糖、卵黄の3つを原料に作られており、乳化剤、安定剤、香料、着色料を使っていない完全無添加です。
「国産」「無添加」を選びたいという多くの消費者の願いを叶えるべく誕生した製品で、安心して口にすることができます。
インターネット通販で購入できる、安心して食べられるアイスクリームを紹介します。
「阿蘇天然アイス」は、季節ごとにその時にしか味わえない果物や野菜の味を楽しめるアイスクリームです。
牛乳や卵不使用、添加物フリーです。そのため、アレルギーをお持ちの方や添加物を避けたい方にぴったりです。
さらに100gあたり100kcal以下とカロリーも低めなのでダイエット中の方からも人気があります。
K and Son's Ice オーガニック 豆乳 アイスクリームは、牛乳・卵不使用で、植物性100%のオーガニック豆乳を使って作られたアイスクリームです。
JAS認定の自社工場にて手作りで作られており、有機豆乳や有機ココナッツを使用し、添加物不使用です。
アレルギーが気になる方やベジ思考の方から人気です。
「KUBOTAの白くまくん黒糖アイス」は、久保田食品が製造・販売している製品です。
原材料は砂糖(国内製造)、黒糖、乳製品、卵の4つで、添加物不使用。原材料の味わいをしっかりと楽しうことができます。
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