1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. 麹水は危険?デメリットは?ダイエットに効果的な飲み方は?

麹水は危険?デメリットは?ダイエットに効果的な飲み方は?

公開日

更新日

麹水は危険?デメリットは?ダイエットに効果的な飲み方は?

麹を水につけて麹の成分を抽出した水を麹水といいます。麹水は健康目的で摂取する人が多いですが、中には麹水が危険という意見もあるようです。本記事では麹水の危険性や作り方、効果的な飲み方などをご紹介します。

麹水について

まず初めに麹水(こうじすい)について紹介します。

米麹を水につけて成分を抽出した水

麹水とは、米麹を水につけて一晩置くことで麹から成分を抽出した水のことをいいます。

米麹とは、蒸したお米にこうじ菌を種付けたあと発酵させることで麹菌を繁殖させたものです。醤油や味噌といった発酵食品の原料として使われていることでも知られています。

近年では、塩麹や甘酒といった米麹を使用した調味料や飲み物が注目されていますが、麹水もその一つです。

麹水の成分

麹水コップ1杯(200g程度)に含まれている成分は下記の通りです。

三大栄養素

  • タンパク質…1.94g

  • 脂質…0.56g

  • 炭水化物…19.72g

ビタミン

  • ビタミンE…0.06mg

  • ビタミンB1…0.04mg

  • ビタミンB2…0.04mg

  • ナイアシン…0.5mg

  • ビタミンB6…0.04mg

  • 葉酸…23.64μg

  • パントテン酸…0.14mg

  • ビオチン…1.4μg

ミネラル

  • ナトリウム…1mg

  • カリウム…20.32mg

  • カルシウム…1.66mg

  • マグネシウム…5.32mg

  • リン…27.64mg

  • 鉄分…0.1mg

  • 亜鉛…0.3mg

  • 銅…0.06mg

  • マンガン…0.24mg

  • セレン…0.66μg

  • モリブデン…15.98μg

その他

  • 食物繊維

  • 消化酵素

  • オリゴ糖

  • GABA

  • ポリフェノール

麹水のカロリー

麹水の原料は上述したように米麹とお水で、カロリーはコップ1杯分あたり(200g程度)86kcalです。

同じく米麹を使用した飲み物である甘酒のカロリーはコップ1杯で100kcalを超えるので、比較的低カロリーの飲み物であることがわかります。

ダイエット中でカロリーを抑えたい方にもおすすめです。

麹水の効果・効能

麹水の原料である米麹

麹水には様々な効果・効能が期待できます。

腸内環境を整える

麹水に含まれるオリゴ糖には、腸内環境を整える効果があるといわれています。

オリゴ糖を摂取すると腸内の善玉菌の餌となり、腸内で活発に活動し繁殖します。善玉菌は腸内環境が整える働きをしてくれるので、便秘の改善や予防の効果が期待できます。

参考文献:こうじ水で病気が治る!肌ツルツル!

花粉症・アトピーの症状改善

腸内環境を整える働きのあるオリゴ糖は、腸内で分解されると短鎖脂肪酸に変わる性質があります。

短鎖脂肪酸には、花粉症やアトピーなどの原因となる過剰な免疫反応を抑えてくれる効果があるといわれているため、花粉症やアトピーの改善が期待できるといわれています。

疲労回復・美容効果

麹水にはビタミンB1やB2といったビタミンB郡が含まれています。

ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能の維持、皮膚や粘膜の健康維持など、様々な生体機能に重要な役割を果たしています。

特にビタミンB1は糖質の代謝に関与し、エネルギーを生産する際に必要不可欠な栄養素です。そのため、麹水を摂取することで疲労回復を促してくれます。

また、爪や皮膚といった細胞の再生を促す働きがあるといわれているため、美肌効果も期待できます。

血圧・血糖値の上昇を防ぐ

麹水には、ビタミンB郡に加えてカリウムやマグネシウムといったミネラル類も含まれています。

ビタミンB6やマグネシウムなどのミネラル類は、血圧の上昇を抑える働きがあるといわれており、カリウムと亜鉛は糖代謝をサポートする働きがあるため、血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。

出典:e‐ヘルスネット(厚生労働省)

麹水は危険?デメリットは?

様々な効果・効能が期待できる麹水ですが、デメリットもあり、一部では「危険」と言われることもあります。続いて、危険と言われる理由やデメリットを紹介します。

本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

アレルギー症状が出ることがある

上述したように麹水の原料となっている米麹は、蒸したお米に麹菌をつけて発酵させたものです。実は麹菌はカビの一種でもあります。

カビの一種といっても食品加工に使われる「真菌」と呼ばれる良いカビなので、基本的には口に入れても問題ありません。

しかし、カビアレルギーをお持ちの方や免疫力が著しく低下している方などが摂取した場合にはアレルギー症状が出てしまう可能性は0ではありません。心配な方は少量ずつ摂取し様子を見ることをおすすめします。

出典:麹菌や微生物の話(東京農工大学)

オリゴ糖が全ての人の腸内環境にとっていいとは限らない

麹水にはオリゴ糖が含まれていて腸内環境を整える効果が期待できると紹介しましたが、全ての人に当てはまるわけではありません。

実は、オリゴ糖は唾液や胃液では分解されずそのまま大腸に届きます。そのため、人によっては膨満感や下痢、腹痛を引き起こす可能性があります。

したがって、オリゴ糖を摂取する際には、個々人の体調や健康状態を考慮し、適切な量を摂取することが重要です。

近年はオリゴ糖や乳酸菌を摂ることで腸内環境を整える「腸活」が注目されていますが、乳酸菌においても乳糖不耐症の人が摂取すると腹痛を起こすことがあります。腸活は自分にあった方法で行うことが重要です。

「間違った腸活」についてブログを執筆されている医師の方もいらっしゃいますので、ぜひ参考にしてみてください。

腐敗に注意

原料となる米麹はある程度日持ちしますが、米麹を麹水にすると非常に腐敗しやすいです。これは、塩分を含んでいる醤油や味噌とは異なり、雑菌が増殖しやすいためです。

作った当日に飲み切るのが望ましく、残った場合は冷蔵保存し早めに飲み切りましょう。

明らかに強い酸味を感じる場合や酸っぱい臭いがする場合は、腐敗している可能性が高いので破棄しましょう。

人によっては飲みにくい

麹水のデメリットとしては、まず「まずい」と感じる人が多いことです。

麹水には上述したようにオリゴ糖が含まれているため、ほんのりとした甘みがあります。しかし、米麹を発酵させることで甘さを増している甘酒と比較すると、似て非なる味わいです。

そのため、甘さ控えめですっきりとして飲みやすいと感じる人がいる一方で、美味しくないと感じる方も多いです。

麹水の作り方

米

麹水の作り方を紹介します。

材料

麹水(1人分)の材料は、下記の通りです。

  • 米麹…100g

  • 水…500ml

米麹は、イオンやイトーヨーカドーといった大手スーパーで購入することができます。また、Amazonや楽天といったネット通販でも購入できるので、近くに米麹が販売されている店舗がない場合はネット通販を利用するのがおすすめです。

お水は浄水かミネラルウォーターを使うのが良いでしょう。

家族で飲む場合は倍量で作っても◎上述したように麹水は傷みやすいので、すぐに飲み切れる量を作るのがベストです。

作り方

麹水の作り方は下記の通りです。

  1. 米麹をお茶パックに入れる
  2. お茶パックに入れた米麹を容器に入れる
  3. 容器に水を入れる
  4. 冷蔵庫に入れて一晩置く

麹水は、水に入れて1晩置くだけで簡単に作ることができます。注意すべき点は、常温ではなく冷蔵庫に入れることです。常温だと傷んでしまうので、必ず冷蔵庫に入れましょう。

麹水の効果的な飲み方

体に優しい、またはダイエットによい飲み方を最後に紹介します。

空腹時に飲む

麹水は空腹時に摂取すると効果が高まるため、空腹時に飲むのがおすすめです。

特に朝食前に飲むのが望ましいです。起床後は就寝中に体内から水分が失われている状態なので、麹水の栄養を効率的に摂取できるだけではなく水分補給にもなります。昼食など食前でも良いでしょう。

量を調節する

いくら体に良い栄養が含まれているとはいっても、飲み過ぎはNGです。

基本的には、1日500ml〜1000mlを複数回に分けてこまめに飲むのが良いとされています。

ダイエット中の方は特に、消化酵素の働きをより有効にするため朝・昼・晩と飲むのが良いでしょう。

加熱せずに飲む

冬などの寒い季節は、冷たい麹水は飲みづらいと感じる方も多いでしょう。しかし、麹水は温めてしまうと麹菌が持つ栄養素が壊れてしまいます。

そのため、できるだけそのまま飲むのが望ましいです。どうしても飲みにくい場合は少量のお湯を加えて飲むことをおすすめします。

ゆっくりと飲む

麹水を飲む際は、急いで一気に飲むのではなく、ゆっくりと飲むことを心がけましょう。ゆっくりと飲むことで、消化器官に負担をかけず、麹水の成分が効果的に吸収されます。

効果を実感するためには、定期的に継続して摂取することが重要です。毎日一定量を摂取することで、体内にビタミンや酵素などが溜まり効果が現れやすくなりますので、継続できるように習慣化しましょう。