おにぎりは常温保存できるのか、常温保存した場合どれぐらいもつのか気になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、おにぎりの常温保存について解説します。
おにぎりは常温保存できるのでしょうか。手作りのおにぎりの場合から紹介します。
手作りのおにぎりは、半日程度であれば常温で保存可能です。
手作りの場合は、保存料などを使用していないぶん日持ちしません。特に不衛生な状態で作っていたり保存してしまうと、より早く傷んでしまうので注意が必要です。
おにぎりを長持ちさせるポイントは後述しますので、そちらを参考にしてください。
おにぎりに限らず、食材を保存する場合、季節によっても保存期間が変わってきます。
おにぎりの場合は、25℃以上になる夏などの温かい季節は特に傷みやすいため、2時間〜3時間以内で食べきるのが望ましいとされています。常温で持ち運ぶ際は保冷剤を入れるなどの工夫が大切です。
反対に、冬などの涼しい季節は1日ほどもつことがあります。
おにぎりには、梅干しや昆布など様々な具材を入れますが、具材によっても異なります。
いくらや生たらこといった火が通っていない食材を使ったおにぎりを常温で保存する場合は、傷みやすいです。特に夏などの暑い季節は持ち運ぶのには向いていません。できるだけ早く食べきるようにしましょう。
また、ツナマヨなどのマヨネーズを使った具材においても、半日以内に食べきるのが望ましいです。油分を多く含むおにぎりは、油の酸化により傷みやすく、風味も落ちやすいです。
反対に、定番の梅干しや昆布といった塩分量の高い具材は半日〜1日程度保存可能です。
続いて、コンビニおにぎりの常温保存について紹介します。
コンビニのおにぎりなどの食品には「消費期限」と「賞味期限」のどちらかが記載されており、違いは下記の通りです。
消費期限は、定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日です。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもので、急速に品質が劣化しやすい食品に表示されます。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではありません。
賞味期限は、定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日です。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることがあります。比較的品質が劣化しにくい食品に表示され、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要があります。
出典:食品の期限表示について(農林水産省・厚生労働省)
コンビニで販売されているおにぎりは、6時間〜1日に設定されていることが多く、コンビニによっても異なります。
コンビニ別のおにぎりの消費期限は下記の通りです。
セブンイレブン…6時間〜12時間
ファミリーマート…12時間〜1日半
ローソン…7時間〜1日
コンビニのおにぎりの場合は、製造してから出荷をし店頭に並ぶまでに時間がかかっているため、消費期限は短めに設定されています。
記載されている消費期限よりも長持ちすることはありますが、安全に美味しく食べるためにも消費期限内に食べきるようにしましょう。
また、コンビニのおにぎりにおいても季節や具材によって、より傷みやすくなる場合があります。場合によっては記載させている消費期限よりも早く食べきる必要があるので、注意してください。
食べられないおにぎりの特徴を紹介します。
下記のような特徴があるおにぎりは、食べないようにしましょう。
おにぎりに白いふわふわとしたほこりのようなものがついていたり、黒や緑色に変色している箇所がある場合はカビが生えている状態です。カビは、かび毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出てしまう可能性があるので、注意しましょう。
カビが生えていなくても、全体的に黒っぽくなっているなど変色している場合は、腐敗している可能性が高いです。食べないようにしてください。
酸っぱい臭いや味、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗しています。
食品は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。
鼻をつくようなツンとするすっぱい臭いや味がしたり、生ゴミのような臭いがする場合は破棄しましょう。
おにぎりを触ったときに、ぬるぬるしていたり糸を引いている場合も腐敗しています。
ぬるぬるしていたり、糸を引いてしまうのは細菌が繁殖してしまっているためです。そのまま食べてしまうと食中毒の原因になるので注意しましょう。
腐ったおにぎりを食べてしまうとどうなるのかや食べてしまった場合の対処法を紹介します。
おにぎりに限らず腐敗してしまった食材には、細菌が繁殖している可能性があります。
そのため、腐敗しているおにぎりを食べてしまった場合、細菌の種類によっても異なりますが、嘔吐や下痢、腹痛など食中毒の症状が出ることがあります。
特に暑い季節に持ち運ぶ場合は、たった数時間で細菌が爆発的に増殖してしまうことがあるので、食べる前は異常が見られないかしっかりチェックすることが大切です。
腐敗しても加熱すれば食べられるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、腐敗してしまった食材は加熱をしても安全に食べられるということはありません。
腐敗した食材には雑菌が増殖している可能性が高いです。すべての雑菌が食中毒の原因となるわけではありませんが、加熱をしても死滅しない場合もあります。
食べてしまうと下痢や嘔吐などの症状が出る可能性がありますし、味や食感も悪くなっていて美味しく食べられないので破棄しましょう。
腐敗したおにぎりを食べてしまっても、必ず食中毒の症状が出るとは限りません。様子を見て症状が出なければ問題はないでしょう。
万が一症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめた方が良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
症状が出た場合は、速やかに病院を受診しましょう。少しでも怪しいなと感じる場合は、食べずに処分した方が安全です。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
おにぎりを保存するときのポイントを紹介します。
おにぎりを握るときは、素手で握らないようにしましょう。
素手でおにぎりを握ってしまうと、手についた細菌がおにぎりについてしまい食中毒の原因になります。実は、人の手には黄色ブドウ球菌が存在しています。
この黄色ブドウ球菌は食中毒の原因となるので、おにぎりを握るときはビニール手袋をするかラップを使って握るのが望ましいです。
上述したように、おにぎりの具材によっても保存できる期間は変わってきます。
長時間持ち運ぶ場合などは、やはりイクラや生たらこなどの生物は避けて保存が効く梅干しや昆布にするのが良いでしょう。
水分量が多い食材も傷みやすいので、水分量が少なく塩分濃度が高めの食材を選ぶのがポイントです。
おにぎりを握ったら、冷まし、再びラップに包んで保存しましょう。
食中毒の原因となる細菌は30℃〜40℃で活発になりやすいです。また、温かいうちに包んでしまうと水滴がついてしまい、細菌が繁殖する原因にもなります。
しっかりと冷ましてからラップで包むことが大切です。
おにぎりといえば、のりを巻いて食べることが多いですよね。コンビニで販売されているおにぎりにも大抵はのりが巻かれています。
自宅で作ったおにぎりにのりを巻きたい場合は、別にしておき食べる直前に食べましょう。のりを巻いた状態で常温保存してしまうと、のりにご飯から出た水分がついてしまい、傷みやすくなってしまいます。
おにぎりは冷蔵保存することもできます。冷蔵の場合の保存期間の目安は2日です。
冷蔵保存する場合は、ラップなどに包みしっかり密閉した状態で野菜室に入れるのがおすすめです。
コンビニなどでもおにぎりは冷蔵保存されていることが多いですが、実は設定温度は15℃程となっています。これは、温度が低すぎるとお米の水分が奪われて乾燥してしまうためです。
家庭にある冷蔵室では温度が低すぎてしまうので、設定温度が冷蔵室よりも高い野菜室に入れるのがベストです。
長期保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍保存であれば、1ヶ月程保存可能です。
冷凍保存する場合は、おにぎりをラップなどに包み、密閉できる保存袋や容器に入れて冷凍庫へ入れます。
おにぎりを冷凍するときは、焼き鮭や梅干し、塩昆布、おかか、そぼろといった水分量が少なく味が濃いものを選ぶのがおすすめです。
これは、解凍したときにどうしても水分が出てきてしまい、ベチャッとしてしまったり、味が薄くなってしまうためです。水分量が少なく味が濃いものを選んだ方が解凍後も美味しく食べることができます。
近年では、常温保存で長期間保存できるおにぎりも販売されています。
「石井食品」と「佰食屋(ひゃくしょくや)」のコラボレーションによって誕生した「イシイの栢おにぎり」という製品で、なんと常温で100日間保存することができます。
電子レンジで温めて食べることもできますが、そのまま食べることもできます。また、栄養にもこだわっており、おにぎり1個(110g)あたり10g以上のタンパク質が含まれています。そのため、非常食としてもぴったりだと注目を集めています。
さらにマルハニチロ株式会社からは、常温保存可能な魚肉ソーセージ型のおにぎりが販売されています。こちらは、常温で5ヶ月保存可能となっています。
魚肉ソーセージ型になっているため手を汚さずに食べられるのも嬉しいポイントで、こちらも非常食にぴったりです。
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