本記事ではヤクルトは賞味期限切れでも飲めるのかどうか解説します。
まずはじめに、ヤクルトについて紹介します。
「ヤクルト」は、株式会社ヤクルトが製造・販売を行っている乳酸菌です。
京都帝国大学医学部で微生物を研究していた医学博士代田稔氏が、「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(L. カゼイ YIT 9029)」と呼ばれる乳酸菌の一種の強化・培養に成功し、飲料として製造、成功し誕生したのが「ヤクルト」です。
「ヤクルト」という製品名は、エスペラントで「ヨーグルト」を意味する「Jahurto(ヤフルト)」を元に作られた造語です。
1972年には1日1,600万本を売り上げるなど、販売当初から販売量を増やし続け、現在でも老若男女問わず愛飲者が多い人気商品です。
日本ではヤクルトの他にも「ピルクル」といった様々な乳酸菌飲料が販売されています。見た目も味も似ていることから、何が違うのか疑問に思う方も多いでしょう。
ヤクルトの最大の特徴は、乳酸菌ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(L. カゼイ YIT 9029)が、行きたまま腸内に到達することです。シロタ株によって腸内環境を改善する効果が期待できるといわれています。
ちなみにピルクルに入っているのは、NY1301株と呼ばれる乳酸菌です。
また、ヤクルトはヤクルトレディと呼ばれる販売員が、自宅や企業といった顧客へ商品を届けています。スーパーやコンビニなどでも取り扱いがありますが、実はヤクルトディから購入できる商品と、スーパーやコンビニで購入できる商品は異なります。
お店で販売しているのは主に「Newヤクルト」「Newヤクルトカロリーハーフ」「ヤクルトファイブ」です。宅配販売限定で購入できるのが、「ヤクルト400」「ヤクルト400LT」「ヤクルト400W」です。商品の違いは、シロタ株の菌数です。宅配のみで販売されているヤクルトには、スーパーやコンビニで販売されているヤクルトと比較して1.2倍〜3倍のシロタ株が入っています。
賞味期限について解説します。
食品には「消費期限」と「賞味期限」のどちらかが記載されており、違いは下記の通りです。
消費期限は、定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日です。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもので、急速に品質が劣化しやすい食品に表示されます。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではありません。
賞味期限は、定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日です。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることがあります。比較的品質が劣化しにくい食品に表示され、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要があります。
出典:食品の期限表示について(農林水産省・厚生労働省)
食品の多くは、賞味期限や消費期限が表示されていますが、表示義務がない食材もあります。例えば、なすやきゅうり、りんごといった生鮮食品や、アイスクリームなどです。
基本的に長期保存しても品質の変化が急激に起こりにくい食品においては、賞味期限や消費期限の表示を省くことができます。ただし、劣化がおこらないわけではないので、正しく保存することと、腐敗していないかしっかりとチェックしてから食べることが大切です。
食品に記載されているのは、消費期限と賞味期限の2種類あることはおわかりいただけたかと思います。ヤクルトに記載されているのはどちらなのでしょうか。
ヤクルトに記載されているのは賞味期限です。
ヤクルトの賞味期限は種類によっても異なりますが、製造日から16〜21日に設定されています。これは、安全に飲める期間であることに加えて、生きたまま乳酸菌が届く期間です。賞味期限内であれば、生きたまま乳酸菌を腸まで届けることができます。
ヤクルトには様々な種類があり、種類によって賞味期限が異なります。
現在販売されている主なヤクルトの賞味期限は、下記の通りです。
Newヤクルト…製造日+16日
Newヤクルトカロリーハーフ…製造日+17日
ヤクルトファイブ…製造日+18日
ヤクルト400…製造日+21日
ヤクルト400LT…製造日+21日
ヤクルト400W…製造日+21日
ヤクルト1000…製造日+21日
ヤクルトに記載されているのは、未開封の状態で冷蔵(10℃以下)で保存した場合の賞味期限です。購入をしたら、必ず冷蔵保存しましょう。
ヤクルトの賞味期限は、パッケージと容器に記載してあります。
容器にしっかり記載があるので、パッケージを剥がしてバラバラにして保存することができます。
賞味期限切れのヤクルトは飲むことができるのでしょうか。解説します。
上述したようにヤクルトに記載されているのは賞味期限ですので、賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることがあり、必ずしも飲めなくなってしまうわけではありません。
記載されているのは正しく保存できている場合の賞味期限ですので、正しく保存してあれば、腐敗のサインが見られないかチェックしてみましょう。
飲めない状態のヤクルトの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
ヤクルトは賞味期限を過ぎても、正しく保存できていれば飲めることがほとんどです。
しかし、上述したようにヤクルトの賞味期限は生きたまま乳酸菌が腸に届けることができる期間でもあります。そのため、賞味期限を過ぎてしまうと、乳酸菌は死滅していってしまいます。また、ヤクルトに限らず乳酸菌飲料は時間が経つと沈殿物が現れてしまうこともあります。
そのため、ヤクルトを購入したら賞味期限内に飲むのが望ましいといえます。
ヤクルトは賞味期限切れ1日〜5日程度であれば、購入時と何ら変わりなく飲めることが多いです。しかし、賞味期限から1週間〜1ヶ月と時間が経ってしまったヤクルトは注意が必要です。
見ためや味としては、賞味期限から1週間〜1ヶ月経ってしまっていても購入時と変わらないことが多いようです。しかし、安全に飲める保証はありません。自己責任で判断してください。
腐敗したヤクルトの特徴は下記の通りです。下記のような特徴がある場合は飲まずに破棄しましょう。
ヤクルトに限らず、食品は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。
鼻をつくようなツンとするすっぱい臭いがしたり、味がする場合は破棄しましょう。
乳酸菌飲料なので時間が経つと沈殿物ができてしまうことがありますが、ふってもなくならない場合は腐敗している可能性が高いです。
腐敗していない場合、沈殿しているのは乳成分(無脂乳固形分)ですので、ふると気にならない程度になくなります。
ヤクルトに限らず腐敗してしまった食品には、細菌が繁殖している可能性があります。そのため、腐敗しているヤクルトを飲んでしまった場合、細菌の種類によっても異なりますが、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出ることがあります。
症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめた方が良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
症状が出た場合は、速やかに病院を受診しましょう。少しでも怪しいなと感じる場合は、飲まずにに処分する方が良いです。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
ヤクルトの正しい保存方法を紹介します。
ヤクルトが推奨しているのは、10℃以下の冷蔵保存です。
ヤクルトは10℃以下で冷蔵保存しておくことで、乳酸菌シロタ株を死滅させることなくキープし、健康効果が期待できるとされています。
購入したらすぐに冷蔵庫へ入れるようにしましょう。
食材の多くは冷凍することでより長く保存することができますよね。ヤクルトの場合も冷凍保存した方が長持ちするのではと考える方が多いかと思いますが、ヤクルトの冷凍保存は推奨できません。
ヤクルトの容器はプラスチックであるため、冷凍することでヤクルトの体積が増えてしまい容器が破裂してしまうことがあります。また、蓋もアルミなので中身が膨らむことで破けて漏れてしまうこともあります。
冷凍保存したい場合は、別の容器に移し替えて果物などと一緒に混ぜ合わせ冷凍すると、シャーベットとして美味しく食べることができるのでおすすめです。
ヤクルトは常温保存することはできません。
上述したようにヤクルトは10℃以下での保存が推奨されています。常温保存してしまうと、発酵が進んでしまい乳酸菌の量が減ってしまいます。
高い気温での保存は、細菌が繁殖してしまい食中毒の原因になるので、必ず冷蔵保存するようにしましょう。
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