ピーマンの肉詰めは仕上げに蓋をして蒸し焼きにする作り方が多いですが、蓋なしで作ることはできるのでしょうか。この記事では、蓋を使う理由や、蓋がない場合の代用方法などについて解説します。
蓋を使う理由や、蓋なしで作った場合の特徴を解説します。
ピーマンの肉詰めは、お肉側とピーマン側のそれぞれに中火で焼き目を付けたら蓋をして弱火で蒸し焼きにすることが多いです。蒸し焼きにすることで包み込むように熱を通すことができるので焼きムラが少なくなり、時短調理にもなるので、焼きすぎによる身縮みを防ぐことが出来ます。
蓋なしで焼くこともできますが、フライパンに接している面からしか火が通らないため、焼くのに時間がかかります。また、焼き具合に差が生じやすいです。
また、蓋を使って蒸し焼きにすることで水分を逃さず調理できるので、ふっくらと仕上がりやすくなります。美味しく仕上げたい方は蓋を使うのがおすすめです。
フタをして蒸し焼きにする際は少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることで旨味が加わり、更にふっくらと仕上げることができます。
キッチンにある調理器具や消耗品などで代用可能です。
フライパンに近いサイズの鍋の蓋を使うこともできます。しっかり蓋をする必要があるわけでもないので、ある程度サイズが近いものであれば使用可能です。
ただし、フライパンよりも小さいものは食材に乗っかって潰してしまったり、食材がフライパンに押し付けられて焦げたりしてしまうので、なるべくフライパンより大きいサイズの蓋を使いましょう。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。蓋と違って隙間が生まれてしまうため、蓋を使うよりも蒸気を閉じ込める効果が弱いので、火を通す時間を少し長めにしましょう。
ただし、アルミホイルが大きすぎるとコンロの火に当たって引火してしまうことがあるので要注意です。また、作業時はフライパンが熱くなっているほか、取り外すときにアルミホイルも熱くなっているので、触ってやけどしないように注意しましょう。
お菓子作りなどで使うクッキングシートでも蓋の代用が可能です。耐熱温度も250℃の製品が多く、蓋代わりに使っても燃えることはありませんが、コンロの火に当たってしまうとさすがに燃えてしまうので注意しましょう。
使い方はアルミホイル同様にフライパンを覆うサイズにカットして使いましょう。また、この方法もフライパン内の密閉度は低くなるので長めの焼き時間にしましょう。
どうしても蓋がしたいという方は、別のフライパンをひっくり返して被せ、蓋代わりにするという方法もあります。焼くのに使っているフライパンと同じくらいのサイズフライパンを使いましょう。
大きすぎるフライパンを使うと蓋に使うフライパンの内側にコンロの火があたってしまい、フライパンの劣化(主にコーティング)を招くことになるので注意しましょう。
金属製のボウルをかぶせて蓋代わりにすることが出来ます。なお、プラスチックやシリコン製は溶ける可能性があるので使用は控えましょう。
フライパンよりも大きいとコンロの火に当たってしまい劣化してしまうので、フライパンよりも小さなボウルを使いましょう。なお、使い終わって外すときにとても暑くなってしまうので火傷しないよう注意が必要です。
蓋の有無以外にも様々なポイントがあります。
ピーマンの肉詰めを焼く際は火力や焼き時間に注意が必要です。強火で焼くと焦げやすく、外側ばかり焼けてしまって中心部は生焼けになってしまいます。ただし、弱火で長時間焼くと今度は肉汁が出すぎてしまい、固くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
また、強火調理では野菜に含まれる栄養素が分解されてしまったり、肉汁の水分と一緒に流れ出てしまったりするので、基本的に中火以下で調理しましょう。中火でお肉側を焼いてこんがり焼き目を付け、裏返してピーマン側も焼いて軽く焼き目をつけるのが一般的です。
ピーマンの肉詰めを焼く際、まずはお肉を下にして中火で焼きましょう。お肉にしっかり焼き目をつけることで肉汁が流れ出にくくなり、ジューシーな仕上がりになります。
最初からピーマンを下にして焼いてしまうと、お肉に火が通って固まる前にピーマンに火が通りすぎてしんなりとして反ってしまうので、タネと剥がれてしまう失敗が起きやすいです。お肉側から焼いてしっかり焼き目が付いたらひっくり返し、ピーマン側を下にして焼きましょう。
ちなみに、ピーマン側を焼かずにお肉側だけ焼くことでも仕上げることが出来ます。ピーマンが反ってタネと剥がれる失敗は起きにくくなりますが、ピーマンにしっかり火が通らず硬めの仕上がりになりやすいほか、焼き目をつけて香ばしくすることもできないので、あまりおすすめできません。
ピーマンの肉詰めは火の通し方が甘いとタネの中心部分が生焼けになってしまいます。特に、ピーマンを縦半分ではなく、横半分や斜め半分に切る、ヘタだけ取って作るといった場合はタネが厚くなって火が通りにくくなるので要注意です。
火の通りは出来上がったピーマンの肉詰めのお肉側に爪楊枝や竹串を刺して確認してみましょう。出てくる汁が透明なら中までしっかり火が通っていますが、赤い汁が出てきた場合は生焼けの可能性が高いので、もう少し焼いてください。
汁の色が分かりにくい場合は、割って中の色が赤くないか確認するのが確実です。また、食材に刺して温度を測るタイプの調理用の温度計を持っている方はお肉に刺して確認してみましょう。中心部分が75度以上ならしっかり火が通っています。
ピーマンの肉詰めのソースは、焼いた後のフライパンで作るのがおすすめです。フライパンに染み出たお肉の肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
焼き方も大事ですが、タネやピーマンの下ごしらえをしっかりやらないと失敗してしまいます。
タネ作りに使われる卵やパン粉、牛乳といったつなぎはタネの水分を増やして繋ぎ留め、焼いている際も肉汁や旨味を吸収して水分をつなぎとめてふっくらジューシーに仕上げる役割があります。お肉だけで作ると硬くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
標準的なつなぎの量はひき肉150〜200g(2~3人前)に対し、パン粉:大さじ3、牛乳:大さじ2、卵1個程度です。
タネにはひき肉やつなぎ以外にも玉ねぎを使いますが、玉ねぎは水分量が多く、加熱すると水分が多く出るので、タネの身縮みを招き、タネとピーマンが剥がれる原因になりやすいです。心配な方は電子レンジで2~3分温めて水分を飛ばしてから使いましょう。
なお、温めた玉ねぎはそのまま混ぜるととひき肉の脂肪を溶かしてしまい、逆にタネがゆるくなってしまったり、旨味が少なく固い仕上がりになったりしてしまうので、必ず冷ましてから混ぜましょう。
また、牛乳などの水分を入れすぎてしまうこともタネがゆるくなることにつながるので要注意です。
タネのこね方にも気を付けないと失敗につながる可能性があるので要注意です。なお、正しいこね方をすれば美味しさアップにもつながります。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
また、タネはしっかりこねないと具材が良く混ざらず、しっかりまとまりませんが、タネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、仕上がりが固くパサパサになってしまいます。こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
こねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう。
ピーマンにもしっかり下ごしらえをしておくことで様々な失敗を回避することが出来ます。
まず、ピーマンは事前に温めておくのがおすすめです。柔らかくなることでタネを詰めやすくなり、タネとピーマンが剥がれてしまう失敗も起きにくくなります。電子レンジ(500~600W)で2分温めるか、1分~1分半程度下茹でして軽く火を通しておきましょう。
温めることでしんなりするのでフライパンで加熱時に反って剥がることが起きにくくなります。ピーマンから苦みや青臭さが抜け、甘みが出るという嬉しい効果もあるので、時間がある方は是非温めてみてください。
また、ピーマンにそのままタネを詰めてしまうと剥がれやすいですが、ピーマンの内側に小麦粉をまぶしておくことで、加熱によってタネから出る水分と小麦粉が反応して糊のような役目をするので、タネとピーマンが剥がれにくくなります。
ただし、つけすぎてしまうとサラサラになってしまい、逆に剥がれやすくなってしまうので、軽く振りかける程度にしましょう。小麦粉以外にも片栗粉や米粉でも代用が可能です。
美味しく仕上げるための様々なコツについて解説します。
ピーマンの肉詰めに使うひき肉は牛肉と豚肉の合い挽き肉が一般的です。合い挽き肉は牛:豚=7:3もしくは6:4の割合で混ぜて使うのが一般的となっています。スーパーなどで売られている合い挽き肉もこの割合で売られている場合が多いです。もちろん、牛肉と豚肉のひき肉をそれぞれ購入して好みの割合で混ぜることもできます。
固めで食べ応えのあるお肉が好きな方は前者を、柔らかくジューシーなお肉が好きな方を後者を選ぶと良いでしょう。もちろん、牛肉や豚肉だけで作ることもできます。
牛肉だけを使用することで、固めでしっかりとした牛肉の味わいやコクを楽しむことができ、豚肉ならさっぱりと優しい風味でより柔らかくジューシーな味わいになります。
ピーマンの種やワタ、ヘタはカットして食べる方が多いと思いますが、実は食べることができ、しっかりと加熱すれば柔らかくなりますし、カットせずに食べれば栄養価もアップします。
種やワタは肉だねとくっつきやすく、取らずに使えば剥がれにくくなります。また、ヘタは残すことでタネがピーマンに収まりやすくなり、焼いた時に形が崩れにくくなるといったメリットがあります。
ただし、いずれも皮よりも硬く、火が通りにくいので、柔らかいピーマンが好みという方は取り除いておいた方が良いでしょう。タネはプチプチとした食感も楽しめますが、苦み成分を皮の10倍含むと言われ、しっかり加熱しないと苦みが気になりやすいです。
FILY:ピーマンの種・ワタは食べられる?メリットは?美味しい食べ方を解説
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あまり一般的ではありませんが、ピーマンの肉詰めは炒めてから作る方法もあります。ピーマンと一緒に焼く際に身縮みが起きることもなく、生焼けになるといった失敗も起きないので、初めて作る方にもおすすめです。
ひき肉と玉ねぎを先に炒めたらボウルに上げ、追加で卵と粉チーズを混ぜてピーマンに詰めましょう。お肉側を下にして焼くことで卵と粉チーズが接着剤と蓋の役割をするので、焼いている際に上手くまとまります。
2回フライパンを使う必要はありますが、タネをこねる手間を省けるというメリットもあります。
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