唐揚げが焦げて黒くなってしまう場合、何が原因なのでしょうか。この記事では、唐揚げが焦げてしまう原因や、焦がさずに仕上げる方法などについて解説します。
唐揚げが黒くなる場合、使った材料や揚げ方に問題があって焦げているためです。
唐揚げの下味付けに使う醤油やみりんなどの調味料に含まれている砂糖が焦げやすいので注意が必要です。糖分は小麦粉やお肉などに含まれるアミノ酸と反応しやすく、色の変化が起こりやすいです。
なお、砂糖が焦げて発生する黒く焦げた部分には、発がん性物質などの長期的に摂取すると健康に害を及ぼす成分が含まれています。焦がすと不味くなってしまいますが、健康面でもデメリットがあるので、気を付けましょう。
鶏肉を揚げる際の油の温度は160~180℃が基本です。揚げる際の火力が強すぎると油の温度が高くなって焦げやすく、衣がきつね色になっていても中までしっかり火が通っていないことが多いです。
ただし、火力が弱いと油の温度が低くなってなかなか火が通らず、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。最適な温度で焼く必要があります。
揚げる際の火力は中火(コンロの火がフライパンの底に当たるか当たらないかくらい)ですが、油の状態に合わせて調整しましょう。また、食材がくっつきにくくなるコーティングが施された鍋やフライパンは強火の調理で劣化が早まってしまうので、必ず中火以下で使いましょう。
火力が強くなくても長時間揚げると焦げてしまいます。唐揚げは適度な火力で油の適温を保ち、比較的短時間でカラッと揚げるのが基本です。
ただし、揚げる時間が短いと生焼けになる可能性が高くなるので要注意です。中までしっかり火を通すには余熱も活用しましょう。
唐揚げが鍋の底にくっついてしまい、焦げ付いてしまうこともあります。これは少ない油で揚げたり、揚げ焼きにしたりする場合に起こりやすいです。
また、衣の水分が多い場合、重さが増えて沈みやすくなり、水分の多さもあって鍋底にくっつきやすくなります。
ただし、コーティングされた鍋やフライパンを使っている場合、テフロンなどのコーティングが金属と食材をはさんでいるため、くっつく現象は起きにくくなっています。唐揚げがくっついて焦げてしまう場合、コーティングが劣化している可能性が高いです。
焦げる以外の原因もあります。
ただし、焦げていなくても黒い見た目をしている唐揚げもあります。黒い唐揚げはいわゆる「ご当地グルメ」に多く、栃木県佐野市のソースを使った唐揚げや、岐阜県関市のひじきを使った唐揚げが有名です。
自宅でも再現できますが、揚がり具合の色の判別が難しくなってしまうので、現地で食べるのが良いでしょう。
また、唐揚げは作ってから日数が経ってしまうとカビが生えて黒くなってしまうことがあります。唐揚げの表面に斑点状の黒いぽつぽつや、白い綿のようなものが生えていたら腐っていることを意味するので、処分しましょう。
唐揚げは常温での保存は避け、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。冷蔵庫なら3日、冷凍庫なら1ヶ月程度保存できます。
また、お惣菜の唐揚げは常温で置かれていた時間が長く傷みやすいので、その日のうちに食べきることをおすすめします。
食べることはできますが、健康面で注意すべき点があります。
真っ黒になってしまった唐揚げはさすがに廃棄したほうが良いかもしれませんが、少し焦げている程度であれば、焦げて黒くなった部分が苦く感じることがあるものの、食べても問題ありません。生焼けの唐揚げのように食べてすぐ腹痛などの症状が出るということもありません。
ただし、焦げてしまった部分には長期的に見ると体に有害な成分が含まれているので、どうしても気になる方は黒い部分を切り取るか、食べるのはやめておいた方が良いでしょう。
唐揚げの焦げた部分には「ヘテロサイクリックアミン」や「アクリルアミド」などの発がん性物質が含まれています。これらの物質は食品に含まれるアミノ酸や糖質、クレアチンなどが高温で調理され、焦げてしまうことで変化・生成されます。
これらは食べてすぐ身体に影響があるわけではありませんが、長期的に摂取を続けると健康被害を及ぼす可能性があるため、出来る限り摂取量を減らす必要があるとされています。
焦げてしまった唐揚げはそのまま食べると美味しくないので、ソースを作ってかけると焦げた部分のまずさが気になりにくくなります。
唐揚げにかけるソースは、ネギやぽん酢で作るさっぱりとしたテイストのソースや、醤油とお酢、砂糖で作る甘酢餡のソースが定番です。また、コチュジャンを使った近年人気のヤンニョムチキン風のソースや、コクがあってさっぱりした味わいのタルタルソースをかけるといった方法もあります。
下ごしらえから揚げ方まで、唐揚げを焦がさずに仕上げるポイントを解説します。
唐揚げは大きくカットすると食べ応えが出ますが、火の通りが心配な方は10等分くらいにカットするのがおすすめです。小さくカットすると火が通りやすくなり、長時間揚げる必要がなくなり、焦がしにくくなります。また、生焼けになってしまう失敗も起きにくくなります。
生焼けの鶏肉を食べると食中毒を起こす恐れがあるのでしっかり火を通すようにしましょう。特にカンピロバクターと呼ばれる細菌は市販鶏肉から20~100%という高い確率で検出されており、上記の食中毒の症状以外にも筋力低下や運動麻痺の後遺症が残ることもあるので要注意です。
ただし、小さくしすぎると加熱によって身縮みが起きてかたくなりやすいです。バランスの良い大きさに切るのが美味しく仕上げるポイントです。
また、鶏肉の汁気を切ってから衣をまぶしましょう。汁気が残ったままだと衣がダマになりやすく、つき方にも差が出てしまい、うまく衣が付きません。表面に残った醤油やみりんなどが焦げやすいので、特に要注意です。
調味料を多く使っていて鶏肉がしっかり濡れている場合はキッチンペーパーなどで表面をやさしく拭き取るのがおすすめです。味が薄くなってしまいそうですが、10分以上漬け込んでおけば中まで味が染み込んでいるので問題ありません。
なお、唐揚げの衣(小麦粉、片栗粉)は揚げる直前にまぶしましょう。まぶしてから寝かせてしまうと鶏肉から出た水分でべちゃっとした仕上がりになりやすいです。
鶏肉を揚げる際はしっかり温度を確認してから揚げることで焦がさずに仕上げやすくなります。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は、菜箸を油に入れてみましょう。細かい泡が箸全体にくっついてくる状態であれば揚げるのにちょうどよい温度(170℃)です。
なお、ポツポツと泡が出るくらいなら160℃程度で、少し大きめの泡も端にくっつくようになれば180℃くらいです。
唐揚げは少ない油で調理する方法や、フライパンでの揚げ焼きが主流となりつつありますが、たっぷりの油で揚げると鍋の底にくっつく、火の通りが甘く生焼けになるといった失敗が起きにくいです。
から揚げやかき揚げなどの大きな揚げ物は揚げ物用の鍋の半分くらいの深さがちょうどよい量とされています。
油をたっぷり使うことで鶏肉を入れた時の温度変化が少なくなり、均一に火を通せます。少ない油に材料をいっぱい入れると、急に温度が下がって火の通りが悪くなり、衣がべちゃっとした仕上がりになる原因となります。
唐揚げを一度にたくさん揚げてしまうと油の温度が一気に下がってしまい、上手く揚げることができず、仕上がりがイマイチになる原因になります。
鍋の大きさにもよりますが、一般的な20cm程度の揚げ物用の鍋であれば、鍋の半分くらいの5~6個が適量です。
鶏肉を鍋に入れたら衣が色づくまでは触ってはいけません。触った部分や底にくっついてしまっていた衣が剥がれてしまいます。また、触ることで油の温度も変化してしまい、美味しく仕上がらなくなってしまいます。
鶏肉を鍋に入れてからは、中火のまま2分〜2分半は触らずに揚げましょう。油の表面に近い部分まで色が変わってきたら裏返すタイミングです。鍋の底にくっついていないか心配かもしれませんが、衣が色づく頃にはくっついていた部分もペロッと剥がれるようになります。
唐揚げなどの揚げ物で中まで火を通すには余熱を活かしましょう。高温の油で揚げるとどうしても外側の温度が上がりやすいですが、鍋から揚げてバットに置いておくことで余熱によってじわじわと中まで火が通ります。
唐揚げの場合は揚げてから3~5分は余熱で火を通す時間を設けましょう。
下味に使う調味料が焦げやすいので、あえて下味をつけずに揚げた後にソースに絡めるという方法もあります。この方法なら漬け込む下ごしらえの手間を大幅にカットして唐揚げを作ることが出来ます。
ただし、料理酒などに漬け込んでお肉の臭み消しや柔らかくする下ごしらえをしておくと出来上がりが良くなります。
唐揚げを失敗しにくくする下ごしらえでのポイントについて解説します。
鶏肉の表面には身から出た水分や、加工から時間が経つと出やすいドリップと呼ばれる赤い液体が出て濡れていることがあります。これらの液体はキッチンペーパーでしっかり拭きとってから臭み消しや下味をつける作業をしましょう。
ちなみに、鶏肉は水やお湯で洗うのはNGです。お肉を洗うことでうまみ成分が落ちてしまうことに加え、水っぽくなってしまいます。また、洗う際にキッチンのシンクに雑菌が飛び散ってしまうので、不衛生な状態をそのままにしてしまうと菌が増殖してしまい、とても危険です。お酒や調味料を使った臭み消しの方法がおすすめです。
表面の水分を拭き取らないと水っぽくなってしまい、下味が染み込みにくくなります。また、ドリップは臭みの原因でもあるので、臭み消しの効果が弱くなってしまいます。
鶏肉の余分な皮や脂肪、筋は臭みやしつこさの原因となるので、しっかり取り除きましょう。特に鶏もも肉は脂肪分が多いので劣化が進みやすく、脂肪の塊の部分は臭みの原因となっていることが多いため、切り取ることで臭みを抑えることができます。黄色く変色している部分は必ず取り除きましょう。
ただし、お肉のうまみは脂肪に集中しているため、取り除きすぎると旨味も減ってしまいます。取り除くのは必要最低限にとどめましょう。
唐揚げは鶏肉の臭みを取ることで雑味が減り、美味しく仕上げることができます。
臭み消しの一般的な方法は、ボウルなどに入れた鶏肉に塩をふり、軽くもみます。次に料理酒をふりかけたら、ラップをかけて冷蔵庫で30分〜1時間ほど休ませます。この時、醤油やみりんも少し入れてしっかり下味をつけましょう。生姜やにんにくのすりおろしも入れると臭み消しの効果が高まり、よりコクのある味わいになります。
鶏肉を塩で揉むことで肉の旨みを引き出し、火を通した時に水分が逃げだしにくくなるので、味もしみ込みやすくなります。また、料理酒は鶏肉の臭みを取り除いて香りを良くし、お肉を柔らかくする効果があります。
唐揚げは下味用の調味料に漬け込み、よく揉み込んだら冷蔵庫に入れて寝かせましょう。お肉にしっかり味が染み込み、美味しく仕上がります。
寝かせる時間は5〜10分ほどでも構いませんが、よりしっかり味を染み込ませたい方は1~2時間、または一晩寝かせてみましょう。ただし、寝かせすぎは鶏肉内の雑菌の繁殖による劣化を招くのでほどほどにしましょう。
なお、鶏肉を冷やしておくことで揚げ油との温度差が大きくなり、カラッと仕上がりやすくなります。
唐揚げの衣(小麦粉、片栗粉)は揚げる直前にまぶしましょう。まぶしてから寝かせてしまうと鶏肉から出た水分でべちゃっとした仕上がりになりやすいです。
また、鶏肉の汁気を切ってから衣をまぶしましょう。汁気が残ったままだと衣がダマになりやすく、付き方にも差が出てしまうので、うまく衣が付きません。キッチンペーパーなどで表面をやさしく拭き取るのがおすすめです。
唐揚げの美味しさをアップできるコツを解説します。
唐揚げは鶏もも肉または鶏むね肉で作りますが、それぞれで味わいが異なり、カロリーなどの違いもあります。
鶏もも肉は脂肪が多く、コクがあってジューシーな味わいが楽しめます。ただし、カロリーが高く、脂質も多めなのでダイエット中の方はむね肉を選ぶか、皮の部分を切り取って調理しましょう。また、ジューシーな分、冷めて水分が飛んでもパサパサ感が気になりにくいので、お弁当に入れる唐揚げはもも肉で作るのがおすすめです。
鶏むね肉はもも肉よりも脂肪が少なく赤身部分が多いので、さっぱりとした味わいが楽しめます。カロリーも低く、脂質も少なめなのでヘルシー志向の方はこちらがおすすめです。ただし、さっぱりとした味わいは言い換えるとパサパサとした食感でもあるので、パサパサ感が苦手な方はもも肉を選びましょう。
下味をつける前に鶏肉の皮と赤身にフォークを刺して穴を空けておくことで、加熱によって起こる焼き縮みを穏やかにし、固い食感になるのを抑えることが出来ます。
また、繊維の一部が切れることによってもお肉が柔らかくなる効果も期待でき、穴を空けることで下味が入りやすくもなります。
唐揚げ用の鶏肉の下ごしらえには、鶏むね肉を柔らかくするのによく使われる、砂糖と塩と水を混ぜた「ブライン液」に漬け込む方法が人気です。お肉の筋肉を構成するたんぱく質が塩によって分解され、水分が入り込むことでお肉の保水性が上がってお肉が柔らかくなります。
また、砂糖は水分子と結合しやすく、砂糖水となってお肉の繊維に入り込むことで保水効果が高まり、お肉がジューシーに仕上がります。ブライン液の適度な塩加減はお肉の下味としての役割も果たします。
基本的な作り方は、水200mlに対し、塩と砂糖をそれぞれ10gです。お肉とブライン液を保存袋などに入れ、冷蔵庫で1~2時間漬け込みましょう。じっくり漬け込みたい方は一晩寝かせてみても良いでしょう。
唐揚げに使う衣は片栗粉または小麦粉が主流ですが、それぞれで違った味わいが楽しめます。
片栗粉を使う場合、比較的固めでカリカリの衣に仕上がります。見た目も白っぽい仕上がりになり、竜田揚げに似た見た目となります。冷めても美味しいので、お弁当向きとも言えます。より粒子の細かいコーンスターチを使うとカリカリ感が強くなります。
小麦粉は比較的しっとりとした仕上がりになりやすく、身の部分の柔らかさやジューシーさが際立つ仕上がりになります。カリカリ感も捨てがたいという方は片栗粉とブレンドしてみるのもおすすめです。
この2つ以外にも米粉やおからパウダーや、砕いたコーンフレークを使うレシピもあります。また、市販の唐揚げ粉を使えば調味料などを混ぜ合わせる必要がなく、簡単に作ることが出来ます。
他の揚げ物で使う卵は唐揚げの基本的なレシピでは使いませんが、衣の材料として使うことで衣が付きやすくなって厚みが増し、食べ応えのある仕上がりになるほか、ふんわりとした仕上がりになります。
また、衣がしっかりする分、水分が抜け出しにくくなり、ジューシーに仕上げやすくなるといった効果も期待できます。卵のタンパク質が壁となってお肉の水分が外に出にくくなるので、時間が経ってもジューシーさがキープされやすいです。
卵を使う場合はよく溶いて使いましょう。よく溶かないと絡まり方にムラが生じてしまい、そのあとにつける小麦粉などがダマになってしまい、衣がしっかりつきません。また、衣が厚くなる分カロリーや糖質量も増えるので要注意です。
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