エリンギを冷凍すると1ヶ月程保存可能なので、長期で冷凍したいときには冷凍保存がおすすめですが、栄養が減ってしまうのではと心配な方も多いのではないでしょうか。本記事ではエリンギを冷凍したときに栄養は減ってしまうのかどうか詳しく解説します。
生のエリンギ100gあたりに含まれている栄養素と成分は下記の通りです。
エネルギー...31kcal
水分...90.2g
たんぱく質...1.7g
炭水化物...6.0g
脂質...0.4g
食物繊維...3.4g
ビタミンB1…0.11mg
ビタミンB6…0.14mg
ビタミンB2…0.22mg
ビタミンD…1.2μg
カリウム…340mg
エリンギには、食物繊維やビタミンB郡、Dなどのビタミン類やカリウムなどのミネラル類が含まれています。また、旨み成分を作りだすだけでなく、栄養成分であるグルタミン酸やアラニン、グリシンなども豊富に含まれています。
出典:日本食品標準成分表2020年版 八訂(文部科学省)
エリンギに含まれている主な栄養素や成分についておわかいいただけたと思います。続いて、エリンギ含まれている栄養は冷凍すると減ってしまうのか解説します。
エリンギは冷凍したからといって栄養を大きく損なってしまうことはありません。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
茹でてから冷凍する場合は、茹でることで水溶性の栄養素が流出してしまいますが、冷凍が原因で大きく栄養が流出してしまうことはないので安心してください。
エリンギは冷凍すると風味が良くなります。
きのこを冷凍すると、水分が膨張することで細胞壁が破壊され、分解酵素が初めて作用します。これにより旨み成分を作りだすだけでなく、栄養成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップすることがわかっています。
そのため、旨味を出したいのであればすぐに使う場合でも一度冷凍してから使うのがおすすめです。
食材によっては冷凍することで食感が柔らかくなってしまったり風味が損なわれるため、冷凍するとまずくなるといわれることがあり、エリンギも例外ではありません。
エリンギに限らず食材に合わせた最適な冷凍方法で冷凍すれば、まずくなってしまうのを防ぐことができます。また、冷凍したエリンギ使うときは解凍方法も重要です。例えば、冷凍エリンギをレンジで解凍してから使ってしまうと、水分がたくさんでてきてしまい水っぽくぶよぶよの状態になって風味や食感を大きく損なうことがあります。
冷凍したエリンギを美味しく食べるためには、正しく冷凍することと解凍方法が重要です。
冷凍して大きく栄養が減ってしまうことはなくても、不味くなってしまったら残念ですよね。エリンギを美味しく冷凍するためのポイントを紹介します。
エリンギなどのきのこ類は、収穫すると鮮度が落ちやすいです。鮮度が落ちてしまうとどうしても臭いがきつくなってしまったり変色してしまいます。すでに鮮度が落ちてしまっている状態で冷凍すると、解凍するときに臭くなってしまったり、変色してしまうのを防ぐのが難しいため、新鮮な状態で冷凍するのが望ましいです。
新鮮なエリンギの特徴は下記の通りです。
カサのふちが内側に巻き込んでいる
カサが開きすぎていない
カサの裏側のヒダが変色していない
固さとハリがある
軸が白くて太い
冷凍する前に一度洗ったほうが良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、水洗いするのはNGです。
水洗いしてしまうと、余計な水分まで一緒に凍ってしまうことになります。余計な水分も一緒に凍ってしまうと解凍されたときにべちゃっとしたり水っぽくなってしまい、食感や風味が悪くなってしまいます。また旨味成分の流出にも繋がります。
そもそも、エリンギなどのきのこ類の多くは、洗わずに調理をしても衛生面上問題ありません。きのこ類は水気に弱いので、冷凍に限らず冷蔵の場合も洗わずに保存が基本です。
カサなどに汚れがついていて気になる場合は、キッチンペーパーで優しく拭き取る程度に留めましょう。
エリンギの汚れを落としたら、エリンギをカットしていきます。エリンギは凍っていてもカットしやすいので丸ごと冷凍しても良いのですが、半分にカットしておくとよりカットしやすいのでおすすめです。
大きめにカットして冷凍したほうが、カットしても空気中の酸素に触れる面積が狭くなるため、酸化して風味や食感が悪くなってしまうのを防ぐことができます。
調理前にカットする手間を省きたい場合は、予め目的に合わせてカットしておいてももちろんOKですが、特に決まっていない場合は大きめにカットして酸化するリスクを減らしておくのが良いでしょう。
エリンギは水分を多く含むため、炒めてから冷凍するのもおすすめです。炒めることで水分がほどよく抜け旨みが凝縮し、生で冷凍するよりも保存期間が長くなります。
また、加熱することで酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。
フライパンでエリンギを炒め(塩こしょうで味付けしても◎)、粗熱がしっかり取れてから冷凍用保存袋に平らになるように入れます。
生のまま冷凍する場合と加熱してから冷凍する場合どちらも、を保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。
空気を抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて酸化して劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、エリンギそのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。
エリンギに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
上述したように冷凍したエリンギをまずくしないためには解凍方法も重要です。
冷凍した食材はレンジを使って解凍することも多いですが、レンジで一気に解凍してしまうとどうしても水分が出てきてしまい、水っぽくなってしまいますし、臭いがきつくなったり風味が損なわれてしまいます。旨味成分も流出してしまうため、レンジ以外の解凍方法がおすすめです。
エリンギはそもそも生食することができません。生の状態で冷凍している場合、必ず加熱料理をする必要がありますが、冷凍エリンギは解凍せずに加熱調理をしてOKです。
一度解凍してしまうと水っぽくなってしまったりするなどのデメリットがありますが、そのまま加熱してしまえば水っぽくならずふっくら仕上がりますし、旨味も風味も逃すことなく美味しく食べることができます。
解凍せずにそのまま炒めものにしたり、汁物にして食べるのがおすすめです。
加熱してから冷凍したエリンギもそのまま加熱調理をしてOKです。
解凍して使いたい場合は、冷蔵室に移して自然解凍が最もおすすめです。
冷蔵室に移し低温でゆっくり解凍していくことで、一気に解凍されて水分が沢山でてきてしまうのを防ぐことができます。時間はかかってしまいますが、前日の夜に冷蔵室に移しておけば、次の日に使うことができます。
基本的に解凍する必要はありませんが、加熱したエリンギを解凍してそのまま食べたいときなどは自然解凍が良いでしょう。
冷凍エリンギのおすすめの調理方は下記の通りです。
冷凍したエリンギは、オリーブオイルやバターを使って炒めものやソテーにしても美味しく食べられます。
炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありませんし、他の野菜も一緒に使えば栄養満点の一品に。
解凍せずにそのままさっと炒めるだけで簡単に一品完成するので、忙しい日にもピッタリです。
きのこを使った定番料理といえばアヒージョを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。冷凍エリンギを使ってアヒージョを作ることももちろんできます。
凍ったままのエリンギを使うと、加熱中に水分が多く出るので、エリンギの旨味がプラスされアヒージョのソースがより美味しくなります。シーフードミックスなどと一緒に合わせて作ると、魚介の旨味も加わりますし食べごたえもでます。お酒のおつまみにもぴったりです。
冷凍エリンギは、解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。
冷凍エリンギを味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冷凍したじゃがいもが黒っぽく変色...食べてOK?原因と対処法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典