エリンギは冷凍すると1ヶ月程日持ちしますが、冷凍したエリンギが臭いと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では冷凍したエリンギが臭くなってしまう原因や冷凍したエリンギが臭くなってしまうのを防ぐコツなどを紹介します。
冷凍したエリンギが臭いと感じる原因は下記の通りです。
エリンギなどのきのこ類には、きのこ特有の匂いがあります。エリンギの匂いの元になっているのは「ベンズアルデビド」と呼ばれる成分で、アンズ果実様の酸っぱい臭いがするのが特徴です。きのこを調理する際には、きのこがもつ特有の香りを楽しむことができる一方、苦手な方も多く、冷凍することでより臭いをきつく感じるという方もいらっしゃいます。
これは、冷凍することにより細胞間の水分が膨張し、細胞壁が破壊されることで臭いの元となる成分が露出することが原因であると考えられます。
冷蔵庫に入っている他の食材の臭いがエリンギについてしまい、臭くなってしまうこともあります。
例えば、長ネギや玉ねぎ、にんにくといった臭いのきつい食材をしっかり密閉せずに冷凍庫に入れていると、冷凍庫内に臭いがこびりついてしまい、他の食材に臭い移りしてしまいます。
また、冷蔵庫内が清潔に保たれていないことが原因で雑菌の臭いがついてしまうこともあります。冷凍庫内の臭いが食材に移ってしまう現象はエリンギ以外にもよく起こるので注意が必要です。
冷凍保存していれば、食材の鮮度が落ちてしまうのを防ぐことができるため、基本的には冷蔵保存よりも長持ちさせることができます。
しかし、冷凍していれば食材は腐敗しないのかといえばそうではありません。単に劣化のスピードを遅らせることができるだけであって、長く冷凍庫に入れておけば腐敗します。
特に、酸っぱい臭いがする場合は、腐敗していると考えて良いでしょう。腐敗が原因で臭くなってしまっているエリンギは当たり前ですが食べることはできませんので、破棄してください。
冷凍したエリンギが臭くなってしまっても、腐敗が原因でなければ食べることはできます。しかし、臭くなってしまうとやはり美味しくないので、臭くならないよう正しく冷凍することが大切です。
エリンギが臭くなってしまうのを防ぐの冷凍のコツは下記の通りです。
冷凍庫は様々な食材を入れているため、食材の臭いや保存袋の臭いなどが混ざり合い、異臭になることがあります。冷凍した食材が腐敗していて雑菌の臭いがついていることも。エリンギに限らず様々な冷凍食材が臭くなってしまう原因になるため、冷凍庫は常に清潔に保つことが大切です。
冷凍庫の臭いが食材についてしまわないように、こまめに除菌効果のあるアルコールスプレーなどを使って冷凍庫を拭きましょう。アルコールスプレーを使うことで、食材の臭いを軽減することができるだけではなく除菌もできるため雑菌の臭いがついてしまうのを防ぐことができます。
また、冷凍している食材で腐敗しているものはないかこまめにチェックし、腐敗しているようであればすぐに破棄することも大切です。
エリンギなどのきのこ類は、収穫すると鮮度が落ちやすいです。鮮度が落ちてしまうとどうしても臭いがきつくなってしまったり変色してしまいます。すでに鮮度が落ちてしまっている状態で冷凍すると、解凍するときに臭くなってしまったり、変色してしまうのを防ぐのが難しいため、新鮮な状態で冷凍するのが望ましいです。
新鮮なエリンギの特徴は下記の通りです。
カサのふちが内側に巻き込んでいる
カサが開きすぎていない
カサの裏側のヒダが変色していない
固さとハリがある
軸が白くて太い
冷凍する前に一度洗ったほうが良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、水洗いするのはNGです。
水洗いしてしまうと、余計な水分まで一緒に凍ってしまうことになります。余計な水分も一緒に凍ってしまうと解凍されたときにべちゃっとしたり水っぽくなってしまい、食感や風味が悪くなってしまいます。また旨味成分の流出にも繋がります。
そもそも、エリンギなどのきのこ類の多くは、洗わずに調理をしても衛生面上問題ありません。きのこ類は水気に弱いので、冷凍に限らず冷蔵の場合も洗わずに保存が基本です。
カサなどに汚れがついていて気になる場合は、キッチンペーパーで優しく拭き取る程度に留めましょう。
エリンギの汚れを落としたら、エリンギをカットしていきます。エリンギは凍っていてもカットしやすいので丸ごと冷凍しても良いのですが、半分にカットしておくとよりカットしやすいのでおすすめです。
大きめにカットして冷凍したほうが、カットしても空気中の酸素に触れる面積が狭くなるため、酸化して風味や食感が悪くなってしまうのを防ぐことができます。
調理前にカットする手間を省きたい場合は、予め目的に合わせてカットしておいてももちろんOKですが、特に決まっていない場合は大きめにカットして酸化するリスクを減らしておくのが良いでしょう。
エリンギは水分を多く含むため、炒めてから冷凍するのもおすすめです。炒めることで水分がほどよく抜け旨みが凝縮し、生で冷凍するよりも保存期間が長くなります。
また、加熱することで酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され臭い成分が出てしまったり、食感を損なわれるのを防ぐことができます。
フライパンでエリンギを炒め(塩こしょうで味付けしても◎)、粗熱がしっかり取れてから冷凍用保存袋に平らになるように入れます。
生のまま冷凍する場合と加熱してから冷凍する場合どちらも、を保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。
空気を抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて酸化して劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、エリンギそのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。
エリンギに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍したエリンギを美味しく食べるためには、解凍方法も重要です。
冷凍した食材はレンジを使って解凍することも多いですが、レンジで一気に解凍してしまうとどうしても水分が出てきてしまい、水っぽくなってしまいますし、臭いがきつくなったり風味が損なわれてしまいます。旨味成分も流出してしまうため、レンジ以外の解凍方法がおすすめです。
エリンギはそもそも生食することができません。生の状態で冷凍している場合、必ず加熱料理をする必要がありますが、冷凍エリンギは解凍せずに加熱調理をしてOKです。
一度解凍してしまうと水っぽくなってしまったりするなどのデメリットがありますが、そのまま加熱してしまえば水っぽくならずふっくら仕上がりますし、旨味も風味も逃すことなく美味しく食べることができます。
解凍せずにそのまま炒めものにしたり、汁物にして食べるのがおすすめです。
加熱してから冷凍したエリンギもそのまま加熱調理をしてOKです。
解凍して使いたい場合は、冷蔵室に移して自然解凍が最もおすすめです。
冷蔵室に移し低温でゆっくり解凍していくことで、一気に解凍されて水分が沢山でてきてしまうのを防ぐことができます。時間はかかってしまいますが、前日の夜に冷蔵室に移しておけば、次の日に使うことができます。
基本的に解凍する必要はありませんが、加熱したエリンギを解凍してそのまま食べたいときなどは自然解凍が良いでしょう。
冷凍したエリンギは、オリーブオイルやバターを使って炒めものやソテーにしても美味しく食べられます。
炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありませんし、他の野菜も一緒に使えば栄養満点の一品に。香味野菜を一緒に使うと臭いがきつくなっていても気になりにくいのでおすすめです。
解凍せずにそのままさっと炒めるだけで簡単に一品完成するので、忙しい日にもピッタリです。
きのこを使った定番料理といえばアヒージョを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。冷凍エリンギを使ってアヒージョを作ることももちろんできます。
凍ったままのエリンギを使うと、加熱中に水分が多く出るので、エリンギの旨味がプラスされアヒージョのソースがより美味しくなります。にんにくをたっぷり入れればエリンギの臭いも軽減されます。
シーフードミックスなどと一緒に合わせて作ると、魚介の旨味も加わりますし食べごたえもでます。お酒のおつまみにもぴったりです。
冷凍エリンギは、解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。
冷凍エリンギを味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。
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