きのこ類は根本についている石づきをカットして調理することが多いですが、エリンギの石づきは取るべきなのか、どこについているのか疑問に思ったことはありませんか?本記事ではエリンギの石づきについて解説します。
まずはじめに、きのこの石づきとは何なのか紹介します。
きのこ石づきとは、根本についている固い部分を指します。
例えば、しめじやえのきは根本についているので、非常にわかりやすいかと思います。
きのこの石づきは木や菌床に面していた部分で、栄養を吸収する重要な役割をしています。栄養素や水分が原木や菌床から石づきを通じてきのこに供給されることできのこが成長していきます。
きのこの石づきは、カサなど主に可食部となる部分と比較して固いため基本的にはとって調理します。
きのこの石づきは原木や菌床とくっついていた部分ですから、簡単に取れてしまうことがないように固くなっているのです。そのため、一緒に調理してしまうと口当たりが悪くなってしまいます。
また、原木栽培の場合は樹皮が、菌床栽培の場合はおがくずが混じっていることも少なくありません。汚れを落とせば問題ないものの、石づきがついたまま調理することは難しいので一般的にはカットされます。
上述したようにきのこには根本に石づきがあります。きのこを調理するときに根本をカットして使うことが多いのは石づきを切り落とすためです。そのためエリンギの根本もカットすべきと思っている方が多いと思いますが、実はカットしなくても食べることができます。
エリンギもしめじなどのきのこと同様に石づきはあります。しかし、エリンギは基本的に石づきをカットしてからパック詰めされているため、販売されているいしるきには石づきがついていません。
そのため、エリンギを調理をするときに根本をカットする必要はありません。
エリンギの根本の部分を見ると、線が入っていることがあります。「線よりも下が石づき」と思っている方が多いようですが、これは栽培時に菌床ビンのふちが当たっていた部分です。線よりも下はたしかに固いことが多いのですが、調理をすれば問題なく食べることができます。
エリンギは他の一部のきのことは異なり、全ての部分が食べられるといえます。通常、しめじやえのき、しいたけなどのきのこを調理する際には、根本や硬い部分を切り落とす必要がありますが、エリンギはそのような手間が不要です。
エリンギのカサ、軸、根本、どれも食べることができ、無駄がありません。そのまま、全ての部分を美味しく楽しむことができます。
極稀に石づきがついた状態で販売されていることがあります。石づきがついている場合はカットしてから食べましょう。石づきは固く食べにくいというだけで毒性があるわけではありません。万が一きれいに取れずに口に入れてしまったとしても問題はないので、神経質にならずサクっと切り落として調理をすればOKです。
エリンギは捨てるところなしですべてを調理して食べることができますが、根本の部分が固いことがあります。特に上述したように線が入っている場合、線より下が固いことは確かにあります。
気になるようであれば、根本の部分をそいで食べると良いでしょう。鉛筆をカッターなどで削るようにエリンギを斜めにもち、包丁で根本をそいでいきます。
エリンギを調理する際の基本的な下処理方法を紹介します。
基本的にスーパーなどで購入したエリンギは、水洗い不要です。
例えば、じゃがいもなどの土壌で育つ野菜は水洗い必須です。これは、綺麗に見えても土壌由来の細菌が必ずといっていいほどついているためです。土壌で育つ野菜は水洗いして土汚れや泥汚れ、細菌を綺麗に落とす必要があります。
一方、市販のエリンギは菌床栽培(きんしょうさいばい)という、木材に米ぬかなどの栄養を混ぜて高温殺菌した菌床にきのこの種菌を植え付けて培養する栽培方法が用いられています。この方法だと清潔な環境でエリンギを育てることができるため、洗わないで大丈夫です。
水洗いしてしまうと水溶性の栄養や旨味が流出してしまうデメリットがあります。
汚れがついているのが気になる場合は、キッチンペーパーなどで優しく拭き取るに留めましょう。
上述したように、現在販売されているエリンギの多くは石づきをカットした状態でパック詰めにされています。そのため、基本的に石づきはついていませんが、ついていることもまれにあるので確認してください。
固くおがくずがついている部分があれば、石づきです。そのまま調理すると口当たりが悪くなってしまうのでカットしておきましょう。
汚れを拭き取り、石づきがあればカットしたら、料理に合わせて切っていきます。
エリンギの切り方は様々あり、切り方によって食感などが変わります。例えば、エリンギのコリコリっとした食感を楽しみたい場合は、繊維に沿ってかっとし、柔らかく仕上げたい場合は繊維を断つようにカットします。
炒めものにする場合などは繊維に沿ってカットし食感を残し、煮物などは輪切りにするなど繊維を断つようにカットするのがおすすめです。
包丁を使わずに手で割いても◎手で割くことで、味がしっかりと染み込みやすくなります。
野菜は、トマトやきゅうりなど生食できるものが多いですが、エリンギなどのきのこ類は基本的に生食することはできません。
きのこ類を生の状態で食べると、下痢や嘔吐といった食中毒の症状が出る可能性があります。
実はエリンギなどのきのこ類には「シアン化合物」と呼ばれる青酸を含む天然の有害物質が含まれていることがわかっています。シアン化合物は加熱をする分解され消滅しますが、生の状態はもちろんのこと生焼けの状態ではまだ残っていることがあるため、食中毒の症状が出てしまうことがあるのです。
また、きのこ類は清潔な環境で栽培されていますが、非常に痛みやすいです。店頭に並べられて購入し食べる頃には収穫してから時間が経っている状態で、鮮度が落ちて細菌が繁殖している可能性もあるのでしっかりと加熱しましょう。
出典:キノコ中のシアン含有量及び調理による消長(J-stage)
エリンギを生焼けの状態で食べてしまわないよう、生焼けかどうかの見分け方を紹介します。
エリンギは火が通ってくると、水分が出てくるため艶が出てきてしなっとしてきます。生の状態とは異なるしんなりとした柔らかい状態になっていれば火が通っているサインです。
エリンギが乾燥した状態で水分が出ていないようであれば生焼けの状態なので再加熱し、しっかりと火を通しましょう。
万が一エリンギを生や生焼けの状態で食べてしまい、下痢や嘔吐、皮膚炎などの症状が出たら速やかに病院へ。
症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
何も症状が出ない場合は、大丈夫です。次回からはしっかりと加熱してから食べるように注意しましょう。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
当たり前ですが、腐ってしまっているエリンギは加熱をしたとしても食べることはできません。腐敗したエリンギの特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している部分がある
軸が茶色・黒ずんでいる
全体的に変色している
酸っぱい臭い
生ゴミの臭い
カビ臭い
ぐにゃぐにゃで柔らかい
ぬめりがある
糸を引いている
腐敗してしている食材には雑菌が増殖していることが多く、食べてしまうと下痢や嘔吐などの症状が出ることがあるので注意しましょう。
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