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冷凍した舞茸がまずい...原因は?正しい冷凍&解凍方法を解説

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冷凍した舞茸がまずい...原因は?正しい冷凍&解凍方法を解説

食材は冷凍すると長持ちさせることができますが、冷凍した舞茸がまずいと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では冷凍した舞茸がまずくなってしまう原因やまずくしない冷凍のコツなどを紹介します。

冷凍した舞茸がまずい原因

冷凍した舞茸がまずいと感じる主な原因は下記の通りです。

食感が悪くなる

生の状態の舞茸は張りがあり、加熱調理をするとしっとり柔らかく程よいシャキシャキ感が楽しめます。しかし、冷凍するとべちゃっとしてしまったり、スカスカの食感になってしまうことが多いです。

食材を食べる上で食感の良し悪しは美味しく感じるかどうかに大きく影響を出すため、食感が変わってしまったことが原因で美味しくないと感じる方は多くいるでしょう。

冷凍することで食感が失われてしまうのは、舞茸を冷凍した際に食感となる繊維が破壊され、さらに解凍することで水分が流出してしまいスカスカになってしまうためです。

しっかりとした食感はなくなってしまいますが、繊維が壊れることで火が通りやすくなるというメリットもあります。

臭いが気になる

舞茸などのきのこ類には、きのこ特有の匂いがあります。舞茸の匂いの元になっているのは「ベンゾチアゾール」と呼ばれる臭気成分です。舞茸を調理する際には、その特有の香りを楽しむことができる一方、苦手な方も多く、冷凍することでより臭いをきつく感じるという方もいらっしゃいます。

これは、冷凍することにより細胞間の水分が膨張し、細胞壁が破壊されることで臭いの元となる成分が露出することが原因であると考えられます。

また、冷凍庫内の他の食材や雑菌の臭いなどが移ってしまい異臭を放ってしまうこともあります。これは舞茸以外の食材にもよく起こることで、冷凍した食材がまずくなってしまう大きな原因となります。

解凍すると水っぽい

解凍したときに全体的に水っぽくなってしまうのも、美味しくないと感じる原因の一つでしょう。水っぽくなってしまうと、舞茸の食感がべちゃっとしてしまうのはもちろんのこと、旨味が感じられず風味も悪くなってしまいます。

また、舞茸が水っぽくなってしまうことで料理全体が水っぽくなってしまうのもデメリットです。

解凍したときに水っぽくなってしまうのは、解凍方法にも問題がある事が多いです。冷凍方法だけではなく解凍方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

舞茸を冷凍するメリット

舞茸を冷凍するとまずくなってしまうことがあるなら、冷凍しないほうが良いのでは?と思う方も多いと思いますが、冷凍するメリットももちろんあります。

長持ちする

基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。

冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。

舞茸は冷蔵保存だと1週間程しか日持ちしませんが、冷凍であれば1ヶ月保存可能です。そのため、長く保存したい場合は冷凍保存するのがおすすめです。

栄養価が高くなる

舞茸などのきのこ類は冷凍すると栄養価が高くなることがわかっています。

きのこを冷凍すると、水分が膨張することで細胞壁が破壊され、分解酵素が初めて作用します。これにより旨み成分を作りだすだけでなく、栄養成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。

ただし冷凍したしめじを解凍してしまうと、水分とともに水溶性成分(ビタミンなど)が流れてしまうので、使用する際は、やはり解凍方法にも注意が必要です。

まずくならない舞茸の冷凍のコツ

舞茸を冷凍するメリットはおわかりいただけたでしょうか。それでは、まずくならない舞茸の冷凍のコツを紹介します。

新鮮な状態で冷凍する

舞茸などのきのこ類は収穫後鮮度が落ちてしまうのが早いです。鮮度が落ちてしまうと食材は食感や風味が悪くなってしまったり、臭いがきつくなってしまいます。冷凍すると腐敗を遅らせることはできても鮮度が戻ることはありませんので、新鮮な状態で冷凍することが大切です。

新鮮な舞茸の特徴は下記の通りです。

  • 肉厚で茶色が濃くカサが密集している

  • ハリや弾力がある

  • 軸の断面が真っ白

  • 柄がしっかりしている

  • 一株にまとまっているもの

  • 触るとパリッと折れそうなもの

パックごと冷凍はNG

舞茸はパック詰めされて販売されていることが多いですが、パックごと冷凍するのはNGです。

舞茸などのきのこ類は水分量が多く、収穫されて時間が経つと中から水分がでてきます。まいたけを含むきのこ類全般は水けに弱い食材なので、基本的にパックごと保存するよりもパックから出して湿度対策をしたほうが長持ちします。

余分な水分がついていると、調理をしたときに水っぽくなってしまう原因にもなるので、そのまま冷凍せずに保存袋などに入れ替えて冷凍庫に入れましょう。

冷凍前に洗わない

舞茸に付いた汚れは洗わずにキッチンペーパーで拭き取る

冷凍する前に一度洗ったほうが良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、水洗いするのはNGです。
水洗いしてしまうと、余計な水分まで一緒に凍ってしまうことになります。余計な水分も一緒に凍ってしまうと解凍されたときにべちゃっとしたり水っぽくなってしまい、食感や風味が悪くなってしまいます。また旨味成分の流出にも繋がります。

そもそも、舞茸などのきのこ類の多くは、洗わずに調理をしても衛生面上問題ありません。上述したようにきのこ類は水気に弱いので、冷凍に限らず冷蔵の場合も洗わずに保存が基本です。

カサなどに汚れがついていて気になる場合は、キッチンペーパーで優しく拭き取る程度に留めましょう。

ほぐしてから保存袋に入れる

舞茸を冷凍する際はほぐしてから保存袋に入れる

舞茸を冷凍するときは、ほぐしてバラバラにしてからなるべく平らになるようにして、保存袋に入れましょう。舞茸はやらかいので、手で簡単にほぐしてバラバラにすることができます。

天ぷらや鍋に入れる舞茸は大きめにほぐし、味噌汁や炊き込みご飯などに入れる舞茸は小さめにほぐすなど用途に合わせてほぐしておくと使うときに大変便利なのでおすすめです。

丸ごと冷凍してしまうと、くっついた状態で凍ってしまい、細胞の損傷が大きくなるため食感が悪くなってしまいます。また、丸ごとの状態だと調理をするときに、どうしても一度解凍しなければいけなくなってしまうため、水っぽくなったり風味が悪くなる原因になります。

炒めてから冷凍もおすすめ

舞茸を炒めてから冷凍することもできる

舞茸は水分を多く含むため、炒めてから冷凍するのもおすすめです。炒めることで水分がほどよく抜け旨みが凝縮し、生で冷凍するよりも保存期間が長くなります。

また、加熱することで酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。

フライパンで舞茸を炒め(塩こしょうで味付けしても◎)、粗熱がしっかり取れてから冷凍用保存袋に平らになるように入れます。

保存袋に入れたら空気を抜いて密閉

舞茸を保存袋に入れたら空気を抜いて密封する

生のまま冷凍する場合と加熱してから冷凍する場合どちらも、を保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。

空気を抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて酸化して劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、舞茸そのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。

金属トレイの上に置く

舞茸を冷凍する際は金属トレイの上に乗せるのがおすすめ

舞茸に限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。

遅くても1ヶ月以内に食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

冷凍舞茸の解凍方法

上述したように冷凍した舞茸をまずくしないためには解凍方法も重要です。

冷凍した食材はレンジを使って解凍することも多いですが、レンジで一気に解凍してしまうとどうしても水分が出てきてしまい、水っぽくなってしまいますし、臭いがきつくなったり風味が損なわれてしまいます。旨味成分も流出してしまうため、レンジ以外の解凍方法がおすすめです。

解凍せずに加熱調理がベスト

冷凍した舞茸は解凍せずに凍ったまま調理するのがおすすめ

舞茸はそもそも生食することができません。生の状態で冷凍している場合、必ず加熱料理をする必要がありますが、冷凍舞茸は解凍せずに加熱調理をしてOKです。

一度解凍してしまうと水っぽくなってしまったりするなどのデメリットがありますが、そのまま加熱してしまえば水っぽくならずふっくら仕上がりますし、旨味も風味も逃すことなく美味しく食べることができます。

解凍せずにそのまま炒めものにしたり、汁物にして食べるのがおすすめです。

加熱してから冷凍した舞茸もそのまま加熱調理をしてOKです。

解凍するなら自然解凍がおすすめ

舞茸を保存袋に入れたら空気を抜いて密封する

解凍して使いたい場合は、冷蔵室に移して自然解凍が最もおすすめです。

冷蔵室に移し低温でゆっくり解凍していくことで、一気に解凍されて水分が沢山でてきてしまうのを防ぐことができます。時間はかかってしまいますが、前日の夜に冷蔵室に移しておけば、次の日に使うことができます。

基本的に解凍する必要はありませんが、加熱した舞茸を解凍してそのまま食べたいときなどは自然解凍が良いでしょう。

冷凍舞茸におすすめの調理法

冷凍した舞茸を解凍せずに使えるおすすめの調理法を紹介します。

天ぷら

冷凍した舞茸は解凍せずにそのまま天ぷらにすることができます。

水洗いしてしまうと油ハネする原因となるので、そのまま衣をつけて揚げてください。大量の霜がついてしまっている場合は、軽く落としておきましょう。

凍っている舞茸を揚げても良いのか心配になる方も多いと思いますが、冷凍庫から取り出してすぐ衣をつけて揚げればカラっと揚げることができるのでぜひ試してみてください。

炒めもの・ソテー

冷凍した舞茸は、オリーブオイルやバターを使って炒めものやソテーにしても美味しく食べられます。
炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありません。

他の野菜も一緒に使えば栄養満点の一品に。

解凍せずにそのままさっと炒めるだけで簡単に一品完成するので、忙しい日にもピッタリです。

汁物

冷凍舞茸は、解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。

冷凍舞茸を味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎

栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。

炊き込みご飯

上述したように、舞茸は冷凍すると旨味成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。舞茸の旨味を最大限に活用するなら、炊き込みご飯がおすすめです。

炊飯器に研いだお米と水を入れたら、醤油やみりんなどの調味料を加え、お米の上に冷凍舞茸を乗せて炊くだけで美味しい炊き込みご飯を作ることができます。

栄養も無駄なくご飯と一緒に食べることができるので、ぜひお試しください。しいたけやエリンギなど他のきのこも合わせて作っても美味しいのでおすすめです。