茹でたしめじは冷凍保存が可能です。本記事では茹でしめじを冷凍するときのポイントなどを紹介します。
茹でたしめじは冷凍保存することができます。
冷蔵だと2日〜3日しか日持ちしません。実はしめじは水気に弱い食材で、冷蔵だと傷んでしまったり、カビが生えやすいといったデメリットがあります。また、酸化しやすく変色したり風味が損なわれてしまうことも…。
すぐに食べきれない場合や長期保存しておきたい場合は、圧倒的に冷凍保存がおすすめです。
茹でたしめじを冷凍する場合の保存期間の目安は1ヶ月です。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
ただし、腐敗するスピードを遅らせることができるだけで冷凍していれば腐敗しないというわけではありません。長く冷凍庫に入れておけば劣化していき味や風味、食感が損なわれていくので早めに食べきることが大切です。
茹でたしめじを冷凍するメリットは日持ちすることだけではありません。
冷凍保存には直接冷凍する(ダイレクトフリージング)という方法がありますが、家庭用冷凍庫では急速凍結(瞬間冷凍)ができないため、味や食感、色が悪くなることが多いです。また、緩慢冷凍(徐々に冷凍すること)する過程で身の中に氷結晶ができ、開け閉めで冷凍庫内の温度が上がったときに、それが水蒸気となり身がスカスカになってしまいます。
一方、冷凍前に茹でたり蒸気を当てたりと必要最低限の加熱処理を行う「ブランチング」は、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
しめじにはきのこ特有の臭いがありますが、冷凍することできつくなってしまうことがあります。
冷凍すると、細胞間の水分が膨張します。この膨張によって、細胞壁が破壊され、臭いの元となる成分が露出されます。これが冷凍したしめじの臭いがきつくなる原因であると考えられます。また、詳細が記載された資料などがないため科学的根拠はありませんが、臭いの成分が露出された状態で酵素が働くことで、新たな香り成分が合成され、しめじの香りが変化し臭いがきつくなるとも言われています。
しめじの場合は、冷凍保存するときに水分を含んでいると、水っぽくなってしまったり旨味成分が流出してしまったりするため生の状態で冷凍することが多いです。しかし、細胞が破壊されると臭いがきつくなってしまうため、臭いが気になる場合は茹でてあるしめじを冷凍するのが良いでしょう。
しめじなどのきのこ類は冷凍すると栄養価が高くなることがわかっています。
きのこを冷凍すると、水分が膨張することで細胞壁が破壊され、分解酵素が初めて作用します。これにより旨み成分を作り出すだけでなく、栄養成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。
ただし冷凍したしめじを解凍してしまうと、水分とともに水溶性成分(ビタミンなど)が流れてしまうので、使用する際は、解凍方法にも注意が必要です。
茹でたしめじを美味しく冷凍するコツを紹介します。
茹でたしめじは水分を多く吸っているため、保存の前にその水分をきちんと取り除くことが重要です。キッチンペーパーや布巾を使用して、しめじの表面の水分を丁寧に拭き取りましょう。
水分をそのままにして冷凍すると、余分な水が氷結晶として付着し、しめじを解凍したときに水っぽくなってしまい食感や風味が損なわれる可能性が高まります。特に、しめじには旨味成分がたっぷり含まれているので、旨味を最大限に活かすためにも、余計な水分を取り除く工程は欠かせません。
冷凍保存する際は、手間を惜しまず水分をきちんと拭き取ることを心がけましょう。
茹でたしめじの水分を拭き取り、保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。
空気を抜いて密閉することで、しめじが空気中の酸素に触れて酸化し、劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、しめじそのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。
しめじに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をした方が旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いた方が早く冷凍することができます。
茹でたしめじを冷凍し美味しく食べるためには冷凍方法も重要ですが、解凍方法も重要です。
冷凍した食材はレンジを使って解凍することも多いですが、レンジで一気に解凍してしまうとどうしても水分が出てきてしまい、水っぽくなってしまいますし、臭いがきつくなったり風味が損なわれてしまいます。旨味成分も流出してしまうため、レンジ以外の解凍方法がおすすめです。
冷凍しめじは解凍せずに加熱調理をしてOKです。
一度解凍してしまうと水っぽくなってしまったりするなどのデメリットがありますが、そのまま加熱してしまえば水っぽくならずふっくら仕上がりますし、旨味も風味も逃すことなく美味しく食べることができます。
解凍せずにそのまま炒めものにしたり、汁物にして食べるのがおすすめです。
解凍して使いたい場合は、冷蔵室に移して自然解凍が最もおすすめです。
冷蔵室に移し低温でゆっくり解凍していくことで、一気に解凍されて水分が沢山出てきてしまうのを防ぐことができます。時間はかかってしまいますが、前日の夜に冷蔵室に移しておけば、次の日に使うことができます。
茹でたしめじを冷凍し、マリネなどに使いたい場合は自然乾燥するのが良いでしょう。
茹でて冷凍したしめじは、おひたしにして食べることができます。
おひたしにするときは、冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。解凍後、余分な水分を拭き取り醤油などお好みの調味料で味付けをすれば簡単に美味しいおひたしを作ることができます。
冷凍しめじは調味料が染み込みやすいので、しっかり味がしみこんだ美味しいおひたしに仕上がります。
茹でて冷凍したしめじは、オリーブオイルやバターを使って炒めものにしても美味しく食べられます。炒めることで苦味も軽減することができるので、苦味が気になる方は炒め物にするのがおすすめです。
すでに火が通っている状態なので、さっと炒める程度でOKです。炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありません。
解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。
冷凍したしめじを味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。
上述したように、しめじは冷凍すると旨味成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。しめじの旨味を最大限に活用するなら、炊き込みご飯がおすすめです。
炊飯器に研いだお米と水を入れたら、醤油やみりんなどの調味料を加え、お米の上に冷凍しめじを乗せて炊くだけで美味しい炊き込みご飯を作ることができます。
栄養も無駄なくご飯と一緒に食べることができるので、ぜひお試しください。しいたけやエリンギなど他のきのこも合わせて作っても美味しいのでおすすめです。
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