しめじは冷凍すれば長持ちさせることができますが、永遠に腐らないというわけではありませんし、長く冷凍庫に入れて置けば鮮度が落ちて劣化してしまいます。本記事では冷凍しめじの保存期間の目安やおすすめの食べ方などを紹介します。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気に触れて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。そのため、常温保存や冷蔵保存と比較して冷凍保存のほうが日持ちさせることができます。
しかし、腐敗しないというわけではありません。厳密に言えば腐敗するスピードを遅らせることができるだけです。正しく冷凍保存できていなかったり、長く保存していれば腐敗するので注意が必要です。
しめじに限らず、食材は上述したように冷凍すれば腐敗するスピードを遅らせることができます。しかし、長く保存していればいるだけ腐敗までいかなくても鮮度が落ちて劣化してしまいます。
鮮度が落ちてしまうと食感や風味が悪くなってしまうので、せっかく購入したしめじを美味しく無駄なく食べるためには、いつまでも冷凍庫に入れておかずに1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
正しく冷凍できていれば、1ヶ月は美味しく食べることができます。
上述したように、冷凍すれば腐敗することはほとんどなくても、長く保存していれば劣化していってしまいます。冷凍して劣化したしめじの特徴は下記の通りです。
しめじを長い期間冷凍していると、変色してしまうことがあります。これは、しめじが酸化してしまったことが原因であると考えられます。
しめじに限らず、きのこ類や野菜の中に、空気中の酸素に触れて酸化すると変色してしまう成分が含まれていることがあります。例えば、カットしたりんごをおいておくと断面が茶色く変色してしまうのは、ポリフェノールの酸化が原因です。
しめじの場合は何の成分が酸化し変色しているのか詳しく記載された資料がないため不明ですが、何らかの成分が酸化し変色してしまうことがあります。
長い期間冷凍していると、食感が損なわれてしまいやすいです。
冷凍することで食感が失われてしまうのは、しめじを冷凍した際に食感となる繊維が破壊され、さらに解凍することで水分が流出してしまうためです。
元々冷凍したしめじは食感が悪くなりやすいのですが、長く冷凍庫に入れておくことで冷凍庫の開け閉めなどによる温度変化で氷の結晶が大きくなり、繊維が更に破壊されてしまうことなどが原因でべちゃっとした柔らかい食感になってしまいます。
食べられない状態ではありませんが、美味しくないと感じる方が多いでしょう。
しめじにはきのこ特有の臭いがあり、苦手な方も多いかと思いますが、冷凍することでより特有の臭いがきつくなってしまうことがあります。
冷凍すると、細胞間の水分が膨張します。この膨張によって、細胞壁が破壊され、臭いの元となる成分が露出されます。これが冷凍したしめじの臭いがきつくなる原因であると考えられます。また、詳細が記載された資料などがないため科学的根拠はありませんが、臭いの成分が露出された状態で酵素が働くことで、新たな香り成分が合成され、しめじの香りが変化し臭いがきつくなるとも言われています。
また、冷凍庫内に入れてある他の食材や雑菌の臭いがついてしまって、臭くなってしまうこともあります。これはしめじに限らず様々な食材で起こります。
長く冷凍庫に入れておけばおくだけ臭いがきつくなってしまうことがあるので、臭いがきつくなる前に食べきるのがベストです。臭いがきつくなってしまうと、やはり美味しくなくなってしまいます。
しめじを長い期間冷凍してしまうと劣化していってしまうため、早めに使い切るようにしましょう。冷凍しめじのおすすめの調理法は下記の通りです。
冷凍しめじを解凍せずに使えるおすすめの調理法を紹介します。
冷凍しめじは、おひたしにして食べることができます。
冷凍しめじを解凍せずに、鍋に適量の水を沸かし、沸騰したらしめじを入れ、約1分茹でます。茹でたら醤油などお好みの調味料で味付けをすれば簡単に美味しいおひたしを作ることができます。
冷凍しめじは調味料が染み込みやすいので、しっかり味がしみこんだ美味しいおひたしに仕上がります。
冷凍しめじは、オリーブオイルやバターを使って炒めものにしても美味しく食べられます。炒めることで苦味も軽減することができるので、苦味が気になる方は炒め物にするのがおすすめです。
炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありません。
冷凍しめじは、解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。
冷凍しめじを味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。
上述したように、しめじは冷凍すると旨味成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。しめじの旨味を最大限に活用するなら、炊き込みご飯がおすすめです。
炊飯器に研いだお米と水を入れたら、醤油やみりんなどの調味料を加え、お米の上に冷凍しめじを乗せて炊くだけで美味しい炊き込みご飯を作ることができます。
栄養も無駄なくご飯と一緒に食べることができるので、ぜひお試しください。しいたけやエリンギなど他のきのこも合わせて作っても美味しいのでおすすめです。
冷凍したしめじは、劣化しないうちに食べきることも大切ですが、正しい方法で冷凍することも大切です。しめじを美味しく冷凍する方法は下記の通りです。
冷凍する前に一度洗ったほうが良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、水洗いするのはNGです。
水洗いしてしまうと、余計な水分まで一緒に凍ってしまうことになります。余計な水分も一緒に凍ってしまうと解凍されたときにべちゃっとしたり水っぽくなってしまい、食感や風味が悪くなってしまいます。また旨味成分の流出にも繋がります。
そもそもしめじなどのきのこ類の多くは、洗わずに調理をしても衛生面上問題ありません。しめじの場合は、水洗いをすることで苦味を感じやすくなってしまうことがわかっているので、水洗いは避けるのがベストです。
汚れが気になる場合は、キッチンペーパーで優しく拭き取る程度に留めましょう。
しめじを冷凍するときは、石づきを取ってバラバラにします。
丸ごと冷凍してしまうと、くっついた状態で凍ってしまい、細胞の損傷が大きくなるため食感が悪くなってしまいます。また、丸ごとの状態だと調理をするときに、どうしても一度解凍しなければいけなくなってしまうため、水っぽくなったり風味が悪くなる原因になります。
手間はかかりますが、石づきを取ってバラバラにしてから冷凍するようにしましょう。
冷凍保存には直接冷凍する(ダイレクトフリージング)という方法がありますが、家庭用冷凍庫では急速凍結(瞬間冷凍)ができないため、味や食感、色が悪くなることが多いです。そのため、加熱してから冷凍する(ブランチング)方法が推奨されている食材も多いです。
しめじの場合は茹でるなど加熱してから冷凍することもできますが、どうしても水っぽくなってしまったり旨味成分が流出されてしまいやすいため、生のまま冷凍するのが良いでしょう。
生のまま冷凍することで旨味を逃さずに冷凍することができます。
バラバラにしたしめじを保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。
空気を抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて酸化して劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、しめじそのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。
しめじに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をした方が旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いた方が早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
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