鶏肉はしっかり火を通さないと食中毒を起こす可能性があります。この記事では、チキン南蛮作りで鶏肉を生焼けにしないようにする方法や、生焼けかどうか見分ける方法などを解説します。
生焼けの鶏肉を食べるのはとても危険です。
チキン南蛮の主な材料である鶏肉は、食中毒を引き起こす病原性の細菌を保有している可能性が高いため、しっかり火を通し、細菌を死滅させる必要があります。
生焼けのまま食べると食中毒(腹痛、下痢、嘔吐、発熱など)の原因となってしまうので、生焼けだった場合は必ず火を入れ直しましょう。
特にカンピロバクターと呼ばれる細菌は市販鶏肉から20~100%という高い確率で検出されており、上記の食中毒の症状以外にも筋力低下や運動麻痺の後遺症が残ることもあるので要注意です。
仮に食べてしまった場合、100%症状が出るわけではありません。症状が出た場合も嘔吐や腹痛、下痢などの症状が出てすぐに収まることが多いです。
ただし、症状が重い場合には病院に行くことをおすすめします。症状は食べてから2~3時間経ってから出ることが多いですが、数日経ってから症状が出ることもあります。
鶏肉を小さくカットする、揚げ方に気をつけるといった方法でしっかり火を通せます。
チキン南蛮に使う鶏肉は調理する少し前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。30分ほど常温でならしておくのがおすすめです。
冷たい状態のまま揚げると中まで火が通りにくく、生焼けになってしまう可能性があります。また、しっかり火を通すために揚げる時間が長くすると焦げやすくなります。
チキン南蛮は揚げてから鶏肉をカットするイメージがある方もいると思いますが、小さくカットしてから揚げると火が通りやすくなり、失敗する可能性を下げることができます。
ただし、小さくカットすると衣がたくさんつくので、糖質量やカロリーが増加してしまいます。
チキン南蛮の鶏肉を揚げる際の油の温度は170~180℃が基本です。温度が高いと焦げやすく、衣が色づいても中までしっかり火を通っていないことが多いです。ただし、温度が低いと衣がサクサクに揚がりにくく、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は、菜箸を油に入れてみましょう。細かい泡が箸全体にくっついてくる状態であれば揚げるのにちょうどよい温度(170~180℃)です。
また、衣のかけらを油に落としてみると大体の温度がわかります。油に落とした衣が一度下に落ちても、すぐに上がってくれば適温になっています。落として沈んだままなら170℃以下、一度も落ちずにそのまま浮かんで揚がるようなら180℃よりも高温に油が熱せられています。
チキン南蛮などの揚げ物で中まで火を通すには余熱を活かしましょう。高温の油で揚げるとどうしても外側の温度が上がりやすいですが、鍋から揚げてバットに置いておくことで余熱によってじわじわと中まで火が通ります。
チキン南蛮の場合は少なくとも揚げてから5分は余熱で火を通す時間を設けましょう。心配な方は二度揚げをするとより確実に火を通すことができます。
二度揚げはとんかつやから揚げなど、大きいサイズの揚げ物を作る時に用いられる調理手法の一つです。サイズが大きい揚げ物は、一度揚げただけでは外がサクサクで中まで火が通っている状態にするのが難しいため、二度揚げをします。
揚げ物は長時間揚げてしまうと焦げてしまったり、お肉が固くなってしまったりするので、揚げた後に余熱を利用して中までじっくり火を通しますが、時間の経過とともに水分が外に出るので、衣がしなしなになってしまいがちです。そこで再度短時間だけ揚げる二度揚げをすることで衣の水分を飛ばし、サクサクの状態に戻せます。
チキン南蛮の鶏肉を二度揚げする場合、手順は下記の通りです。
カットせずに鶏肉を丸ごと揚げる場合は火が通るまでに時間がかかるので、要注意です。切ったら中が生だった場合は電子レンジで温めましょう。
色や肉汁で見分けることが出来ますが、温度計を使って確認をする方法もあります。
生の鶏肉は表面がピンク色がかっていて、質感が柔らかめです。一方、タンパク質は、60℃から凝固し始め、80℃で完全に白く凝固するため、十分に調理された鶏肉は白くなり、質感がしっかりとしたものに変わります。
そのため、中身がピンク色の場合は加熱が十分ではないことを意味するので、再加熱してしっかり火を通しましょう。ただし、よく火を通しても薄いピンク色のままのことがあります。これには下記の原因が考えられます。
塩分に反応して赤く発色する性質が強い鶏肉だった
元々赤色が強い鶏肉だった
これらが原因でピンク色の場合は食べても問題ありませんが、加熱不足ではないと言い切ることも難しいので、心配な方は更に加熱することをおすすめします。
中身がうっすらとピンク色の場合、少し力を加えて肉汁を出し、その色と透明度も確認してみてください。
生焼けの鶏肉から出る肉汁は、血液が混ざっているために赤みがかった色をしていますが、十分に調理された鶏肉の肉汁は、透明な色をしています。
料理の温度を測ることのできる調理用温度計を使えば火が通っているかを確実に見分けることができます。調理用温度計は、スティックタイプと赤外線タイプがありますが、鶏肉の中心部の温度を測ることのできるスティックタイプを使いましょう。体重計で有名なタニタなどのメーカーの製品があります。
使い方は簡単で、揚げているチキン南蛮に調理用温度計を中心部分まで刺し、75℃以上になっていたら、中まで火が通っている証拠です。そこから1分以上揚げることで生焼けは確実に防止することができ、カンピロバクターなどの食中毒の原因となる細菌も死滅させることができます。
電子レンジやトースター、フライパンなどがあります。
揚げ終わった後にカットするタイミングや、食べている時に中身が赤かった場合、電子レンジで加熱するのがおすすめです。短い時間でパパっと加熱することが出来ます。
サイズにもよりますが、一人前(鶏むね肉1/2枚)であれば500~600Wの設定で1分程度温めてみましょう。ピンク色の部分が白くなっていれば安全に食べられます。
オーブンやトースターのみを使う場合、温めムラが少なく火を通すことができますが、外側からヒーターで温めるので、内側まで温めるのにかなり時間がかかってしまい、外側を焦がす失敗が起きやすいです。
200℃~250℃の設定で2~3分温めましょう。まだ中が赤かった場合は1分程度時間を追加して温めてみてください。
少し手間はかかりますが、フライパンで焼き直すこともできます。電子レンジでは温めムラが生じてしまったり、温まりすぎてパサパサになってしまったりするので、丁寧に温め直して美味しく食べたい方はこちらの方法がおすすめです。
フライパンだけを使うと中まで火を通すのにかなり時間がかかるので、電子レンジで1分程度温めてからフライパンで温めるのがおすすめです。電子レンジで温めたら油を引かずにフライパンに並べ、中火(フライパンの底に火が届かない程度)で両面を2分ずつ焼きましょう。
焼き終わった後は、中身が白くなったか再度確認しましょう。
鶏肉の下ごしらえや甘酢だれ、タルタルソースを工夫するのがおすすめです。
チキン南蛮の発祥がむね肉を使ったまかない料理であり、基本的には鶏むね肉を使うことが多いですが、脂肪分が多くジューシーなもも肉や、むね肉よりもさらにヘルシーなささみを使うレシピもあります。
ジューシーな鶏もも肉は冷めて水分が飛んでもパサパサ感が気になりにくいので、お弁当に入れるチキン南蛮はもも肉で作るのがおすすめです。
チキン南蛮は鶏肉の臭みを取ることで雑味が減り、美味しく仕上げることができます。
一般的な方法は、ボウルなどに入れた鶏肉に塩をふり、軽く揉みます。次に料理酒をふりかけたら、ラップをかけて冷蔵庫で30分〜1時間ほど休ませます。この時、醤油も少し入れて軽く下味をつけることでしっかりとした味わいにもなります。
鶏肉を塩で揉むことで肉の旨みを引き出し、火を通した時に水分が逃げ出しにくくなるので、味もしみ込みやすくなります。また、料理酒は鶏肉の臭みを取り除いて香りを良くし、お肉を柔らかくする効果があります。
鶏むね肉を柔らかくするのによく使われる、砂糖と塩と水を混ぜた「ブライン液」に漬け込む方法も人気です。
お肉の筋肉を構成するたんぱく質が食塩水に溶けやすいため、お肉の保水性が上がってお肉自体も柔らかくなります。砂糖は水分子と結合しやすいため、肉の繊維に入り込むことで保水効果を高めてくれる働きがあり、お肉がジューシーに仕上がります。お肉の下味としての役割もあります。
基本的な作り方は、水200mlに対し、塩と砂糖をそれぞれ10gです。お肉とブライン液を保存袋などに入れ、冷蔵庫で1~2時間漬け込みましょう。じっくり漬け込みたい方は一晩寝かせてみても良いでしょう。
チキン南蛮を作る際、衣のサクサク感を活かすためにあえて甘酢だれには漬け込まず、後からかける方法もあります。味の染み込んだ美味しさはありませんが、代わりにサクサク感を楽しめます。
味が絡まりにくいと感じる方は甘酢だれに少量の片栗粉を混ぜてみましょう。甘酢だれにとろみがつき、鶏肉に絡みやすくなります。
鶏肉を漬ける甘酢だれの基本材量はお酢、醤油、砂糖ですが、ここに様々な調味料を加えることで味わいを豊かにすることができます。
コクや旨味をプラスしたい方は料理酒やみりん、バルサミコ酢を加えてみると良いでしょう。定番の穀物酢を米酢や黒酢に変えてみる、砂糖をきび砂糖やてんさい糖、蜂蜜に変えてみるといった方法でもコクが生まれます。
スパイシーな風味が好みという方はおろしにんにくやおろし生姜、一味唐辛子、鷹の爪などを加えるのがおすすめです。入れすぎると辛味が強くなってしまうので要注意です。
タルタルソースを工夫するのもおすすめです。定番の具材であるマヨネーズ、玉ねぎのみじん切り、ゆで卵以外にも様々な調味料や具材を加えてみるのがおすすめです。
玉ねぎは他の野菜でも代用でき、酢漬けになっているラッキョウやピクルスはとても相性がよく、旨味たっぷりな仕上がりになるのでおすすめです。
ケチャップや牛乳、みりんはコクをプラスすることができ、レモン汁やワインを加えれば風味豊かになります。
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