さつまいもを加熱調理するときに、鍋で茹でるか蒸すか迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではさつまいもを鍋で茹でたときと蒸したときの違いなどを解説します。
自宅でさつまいもを食べるときには、鍋で茹でたり、蒸して食べることが多いですよね。さつまいもを茹でたときと蒸したときの違いは下記の通りです。
さつまいもの茹で時間の目安はさつまいもの大きさによっても異なりますが、250gの普通サイズでだいたい30分程です。1cm〜1.5cm幅の輪切りにして茹でる場合は5分前後が目安です。
さつまいもが小さい場合は加熱時間は短くなりますし、太い・大きい場合はさらに時間がかかるので、様子を見ながら加熱していきましょう。
さつまいもを蒸すときの加熱時間の目安も大きさにもよりますが、1.5cm程の輪切りであれば10分ほどです。丸ごと蒸す場合は20分〜30分ほど加熱する必要があります。
茹でた場合と蒸す場合どちらも同等の時間がかかると思っていて良いでしょう。
さつまいもを茹でるのと蒸すのでは仕上がりに違いが出ます。
さつまいもは茹でると、水分を多く吸い込むためしっとりねっとりとした食感に仕上がります。冷めても水分が蒸発しにくく、ぱさつくことなく食べることができます。
さつまいもには大きく分けてホクホクの食感になる品種としっとりねっとりした食感になる品種がありますが、しっとりねっとりした食感の品種には茹でるとさつまいも特有の食感を最大限に引き出すことができます。
しかし、水分を大量に吸い込むことで水っぽくなりさつまいもの甘みは控えめになります。物足りなさを感じることもあるかと思いますが、おかずにして食べたい場合などはあえて甘さを抑えるのも◎
蒸したさつまいもは、水蒸気でさつまいも全体を加熱していくため、ホクホクの食感に仕上がります。
紅あずまなどのホクホクの食感を楽しめるホクホク系のさつまいもにおすすめの加熱方法と言えます。
また、常に一定の温度を保てる水蒸気でゆっくり加熱することができるため、さつまいもの甘味も最大限に引き出すことができます。さつまいもが甘くなるのは、β-アミラーゼという酵素がでんぷんを麦芽糖に変えるからです。甘くなる前に火が通ってしまうと甘くなりません。
茹でるのとは異なり水っぽくなってしまうこともないので、さつまいもの甘みをしっかり出したいときには、蒸すのがおすすめです。
さつまいもの加熱方法には、茹でる以外にもレンジで加熱や焼く方法があります。
レンジで加熱すると、一気に加熱されさつまいもの水分が飛ぶのでホクホクの食感に仕上がります。しかし、水分が蒸発しすぎてパサパサになってしまいやすいのがデメリットです。また、一気に加熱することでどうしても甘みが出る前に火が通ってしまい甘みが出にくいです。
レンジを使えば時短にはなりますが、デメリットもあるので時間がある場合は茹でたり蒸して食べるのがおすすめです。
さつまいもを焼く場合は、しっとりねっとりした食感を楽しむことができます。また、じっくり加熱することができるため、甘みも最大限に出すことができます。
さつまいもを茹でたり蒸したときの加熱時間や仕上がりの違いについてはおわかりいただけたでしょうか。続いて、栄養素やカロリーはどうなるのか解説します。
さつまいもには、ビタミンCやB6やカリウム、カルシウムなどが含まれています、また、食物繊維やアントシアニン、クロロゲン酸、タンニンといったポリフェノールも含まれています。
アントシアニンは紫色の色素でもあり、さつまいもの皮が紫色をしているのはアントシアニンが多く含まれているためです。さつまいもの皮付近にはポリフェノールの他にもヤラピンと呼ばれる成分が含まれています。
ヤラピンには胃の粘膜を保護したり、便を柔らかくし便秘を予防・改善する効果があることで知られています。
出典:日本食品標準成分表2020年版八訂(文部科学省)
さつまいもは茹でると、水溶性の栄養素が多く流出してしまいます。
例えば、さつまいもに含まれている水溶性の栄養素には上記で紹介したビタミンCやカリウム、ポリフェノール、水溶性の食物繊維などがあります。これらの栄養素は、茹でるのはもちろんのこと水につけておくだけでも流出してしまいます。
さつまいもに限らず水溶性の栄養素を多く含む野菜は、茹でることで栄養価が下がってしまうので、栄養価を下げたくない方は茹でる以外の調理をするか、汁ごといただける味噌汁などにするのがおすすめです。
さつまいもは蒸しても栄養価は大きな変化はありません。
さつまいも100gあたりのビタミンC含有量が25mgから20mgに減ってしまうものの、カリウムは10mg増えることがわかっています。
蒸す場合はお湯を使うわけではないので、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるのです。そのため、栄養を無駄にしたくない場合は茹でるよりも蒸すのがおすすめです。
レンジ加熱や焼く場合においても、蒸すのと同様に水溶性の栄養素の流出を抑えれると言えます。
近年、さつまいもはダイエットに適した野菜として注目されています。これは、さつまいもの糖質量自体は白米とさほど変わらないものの食後の血糖値の上昇度合いを表すGI(グリセミック・インデックス)値が55と低GI値であるためです。
低GI値の食材は血糖値が上がりにくく脂肪をためにくい他、血糖値の上昇が緩やかである分、血糖値の下降もゆるやかで腹持ちがよくなります。そのため、食べ過ぎは太る原因になってしまいますが、適量を守ればさつまいもはダイエット中の方におすすめできる野菜です。
ただし、加熱方法も重要です。上述したようにさつまいもはじっくり加熱するとでん粉が麦芽糖に変わるため糖度が高くなります。そのため、焼き芋にした場合のGI値は80と高くなり、水分が蒸発することでカロリーも若干高くなります。揚げ物にした場合のGI値も80と高くなり、言うまでもなくカロリーも高くなります。
一方、茹でたり蒸したときのさつまいものGI値は50です。ダイエット中に食べるのであれば茹でるか蒸して食べるのがベストです。
さつまいもを美味しく茹でる方法を紹介します。
さつまいもはカットしてから茹でることもできますが、上述したように断面から水溶性の栄養素が流出してしまうため丸ごと茹でるのがおすすめです。
さつまいもを丸ごと茹でる場合は、洗ったらそのまま鍋に入れます。
鍋に入れたらさつまいもがしっかりかぶるぐらいの水を入れます。
鍋にさつまいもと水を入れたら、強火で加熱していきます。
沸騰したら火を弱火にします。上述したようにじっくりと加熱した方が甘みが出るので弱火で加熱していきましょう。
茹で時間の目安は上述したように250gの普通サイズでだいたい30分程です。
さつまいもが小さい場合は加熱時間は短くなりますし、太い・大きい場合はさらに時間がかかるので、様子を見ながら加熱していきましょう。
竹串をさしてスッと通るようであれば、ザルにあげて粗熱を取ったら完了です。
さつまいもはレンジやフライパンで蒸すこともできますが、基本的なせいろを使った蒸し方を紹介します。
蒸し器を使ってさつまいもを蒸す場合は、まずさつまいもを輪切りなど食べやすい大きさにカットします。(丸ごとでもOK)
さつまいもをカットしたら、蒸し器に並べて蓋をし加熱していきます。
蒸し器から湯気がでてきたら、弱火にします。
上述したようにさつまいもの甘味を出すには弱火でじっくり加熱していくことが大切です。
加熱時間の目安は大きさにもよりますが、1.5cm程の輪切りであれば10分ほどです。丸ごと蒸す場合は20分から30分ほど蒸しましょう。
竹串がスッと通るようになれば完了です。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
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