レンジで加熱したさつまいもが甘くないと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、レンジで加熱したさつまいもが甘くない原因やさつまいもをレンジで甘くする方法を紹介します。
さつまいもをレンジで加熱すると甘くない原因は下記の通りです。
レンジ加熱は食材に素早く火を通すことができ、調理時間を短縮できるメリットがある一方で、さつまいもの場合は甘みが出ないデメリットがあります。
さつまいもが甘くなるのは、β-アミラーゼという酵素がでんぷんを麦芽糖に変えるからです。レンジ加熱は基本的に500W〜600Wで一気に加熱するので、酵素がでんぷんを麦芽糖に変える前に火が通ってしまい甘みを十分に出すことができないのです。
おかずにしたい場合など甘さ控えめにしたい場合はレンジで一気に加熱しても問題ないことが多いですが、ふかし芋にしてそのまま食べたい場合などはやはり物足りなさを感じてしまうでしょう。
収穫後のさつまいもは、収穫から2ヶ月ほどの寝かせる期間を経ることで、甘みがより引き立ちます。これは、前述したように、収穫後のさつまいも内部に存在する酵素がでんぷんを自然に麦芽糖に変化させるためです。この過程によって、さつまいもの味わいに深みと甘さが加わるのです。
収穫直後のさつまいもは、この酵素による変化が進行していないため、甘さが不十分な状態です。そのため、収穫後すぐにさつまいもを調理してしまうと、加熱処理をしても甘味が強調されることなく、甘みのないままの状態になってしまいます。
したがって、さつまいもの甘みを楽しむためには、収穫後2ヶ月ほどさつまいもを寝かせることがおすすめです。この寝かせる期間を経ることで、自然な酵素の変化によって甘さが引き出され、さつまいもの風味が豊かになります。
さつまいもをレンジ加熱で甘くするポイントは下記の通りです。
上述したように、寝かせていないさつまいもだと甘みが少なくなってしまいます。さつまいもの甘味を楽しみたい場合は甘みが十分増している状態の良いさつまいもを選ぶことが大切です。
さつまいもの選び方のポイントは下記の通りです。
ずっしりと重みがあり丸々としている
皮の色が均一で鮮やか
皮にハリとツヤがある
凹凸が少なくひげ根が生えていない
表面に傷や黒ずみがない
さつまいもは収穫後も追熟されて甘みが出ます。追熟されたさつまいもはライチの匂いがするので、ライチの匂いがしたら食べ頃のさつまいもであると判断できます。ただし、熟しているということは腐敗の1歩手前ということです。腐敗していないかきちんと確認し、大丈夫であれば早めに食べきるようにしましょう。
さつまいもによっては時間を置いて追熟されるのを待ってからレンジ加熱しても、甘みがいまいち出ないこともあります。
そこであまり甘くないさつまいもだなと感じた場合は、水に対して3%の塩と同量の砂糖を入れて溶かし、上下を切ったイモを1日浸けておきます。そうすると浸透圧によってさつまいもに甘みを加えることができます。
さつまいもを加熱するときは、低いワット数でゆっくり加熱していくのが望ましいです。ゆっくり加熱することでさつまいもの甘味を十分に引き出すことができます。
また、水分が一気に蒸発してなくなってしまうことを防げるので、焦げてしまうのを防ぐことができます。
レンジだと一般的に500W〜600Wで加熱することが多いですが、150W程度の低温でじっくりと加熱するのが良いでしょう。
低温に対応していない場合は、解凍モードを活用しましょう。解凍モードは基本的に100W〜200Wに設定されていることが多いので低温でじっくりと加熱することができます。
加熱時間の目安は、さつまいもの大きさやレンジのワット数によっても異なります。加熱しすぎてしまうと焦げたりする原因になります。焦げてしまうと苦味が出てしまうので注意しましょう。
200gのさつまいもを一般的なレンジのワット数500W〜600Wで加熱する場合は、500Wで4分50秒、600Wで4分が目安です。
低いワット数でじっくり加熱する場合の目安は下記の通りです。
100W:24分
150W:16分
200W:12分
おかずにする場合のさつまいもを加熱するときは、500W〜600Wで加熱し、スイーツを作りたいときなど甘みを最大限に引き出したいときには低温でじっくり加熱するのがおすすめです。
普段私達が食べている部分は、さつまいもの「根」です。土の中で成長したものを掘り出しています。
収穫後はすぐ土汚れを落としてしまうと乾燥してしまったり、濡れてしまったことが原因でカビが生えやすくなってしまうため、軽く土を払うことはあっても洗わずに出荷されることがほとんどです。スーパーなどで販売されているさつまいもは綺麗に見えますが、調理をする際はしっかりと洗いましょう。
流水で十分汚れを落とすことができますが、土汚れがひどい場合はしばらく水につけておきます。そうすると汚れがふやけて綺麗に落ちます。
たわしなどでゴシゴシ擦ってしまうのはNGです。これだけでミネラル類である鉄分やマグネシウムは30〜50%、表皮に多く含まれているカルシウムは約90%が流れ出てしまうんです。
そのため道具を使うならスポンジで優しく洗いましょう。こうするだけでミネラル類の流出を10%以下に抑えられます。
栄養がたっぷり含まれている皮が剥がれてしまったり、さつまいもに傷をつけてしまわないためにも優しく洗うことが大切です。
カットしてからレンジで加熱する場合は、そのままレンジで加熱すると断面が黒っぽく変色してしまうことがあります。これは、断面が空気中の酸素に触れることによってさつまいもに含まれるポリフェノールやヤラピンと呼ばれる成分が酸化し、変色してしまうためです。
変色してしまっても食べることはできますが、見た目が悪くなってしまうので気になるようであれば、アク抜きというよりは色止めの目的で10分ほど水にさらしておくのが良いでしょう。水にさらしておくことでさつまいもが水分を吸うため、レンジで加熱したときに水分を保持しやすくなるメリットもあります。
ただし、長く水にさらしてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素がどんどん流出してしまうので長くさらしすぎないように注意してください。
それでは、さつまいもの甘みが出るレンジ加熱方法を紹介します。まずは丸ごと加熱する場合です。
レンジを使ってさつまいもを丸ごと加熱する場合は、まず濡れたキッチンペーパーでさつまいもを包みます。(濡らした新聞紙でもOK)
キッチンペーパーにさつまいもを包んだら、ラップでしっかりと包みます。
さつまいもをラップで包んだら、レンジに入れて加熱します。
加熱時間はレンジのワット数やさつまいもの大きさによっても異なりますが、目安は600Wで1分半〜2分程です。
600Wで加熱したら、200Wに設定しさらに8分〜10分ほどじっくり加熱します。
200Wに設定できないレンジであれば解凍モードにしましょう。
さつまいもを竹串などで刺してみてスッと通れば完了です。
加熱をしたら、カットして加熱したときと同様にラップに包んだまま粗熱を取ります。
続いてカットしてからさつまいもをレンジで加熱する方法です。
さつまいもを綺麗に洗ったら、輪切りにします。
乱切りなどでも良いのですが、角張った部分があるとマイクロ波がそこだけに集中してあたってしまい、焦げたり加熱ムラができてしまいやすいので、輪切りがおすすめです。
変色を防ぎたい場合は、水に5分〜10分さらして変色の原因となるヤラピンやポリフェノールを落とします。
カットしたら、丸ごと加熱するのと同様にキッチンペーパーで包みます。キッチンペーパーで包んだら、一度水に濡らしてラップに包みます。
加熱時間の目安は上記で紹介した通りです。
200g程度のさつまいもをじっくりと加熱し、甘くしたい場合は150Wで16分ほど加熱するのがおすすめです。
短時間で加熱したい場合は600Wで4分程加熱しましょう。
竹串がすっと通るぐらい柔らかくなったら、ラップに包んだまま粗熱をとります。
ラップをつけたまま粗熱を取ることで、さつまいもから発生する蒸気が保持されます。この蒸気は食材内部の水分を保ち、乾燥を防ぐために役立ちます。乾燥することなく水分を保つことで、さつまいもの食感や風味を損なうことなく柔らかさをキープすることができます。
甘さがいまいち出なかったさつまいもにおすすめの調理法を紹介します。
レンジ加熱して甘みが出なかったさつまいもは、マッシュしてからマヨネーズやマスタード、酢、塩、こしょうなどで和えてサラダにするのが良いでしょう。
マヨネーズなどと和えることで、さつまいもの風味が引き立ち、甘味が少ない品種でも美味しさが楽しめます。
朝食や夕食のおかずにぴったりなのでぜひお試しください。
甘くならなかったさつまいもは、カレーの具材にもおすすめです。
カレーの具材として使用することで、甘味が少なくても豊かな風味を楽しむことができます。カレーのスパイスと組み合わせて、新しい味わいを楽しんでみてください。
さつまいもを切って煮て、ブレンダーやフードプロセッサーを使ってポタージュにするのも良いでしょう。牛乳や豆乳、塩やスパイスなどの調味料を加えて味を調整し、クリーミーなスープにすることで、ほのかなさつまいもの甘味をより引き立たせることができます。
汁物にすれば流出してしまいやすいビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も一緒にいただくことができるので栄養面的にも◎
レンジ以外の調理器具を使ってさつまいもを甘くする方法は下記の通りです。
蒸し器を使ってさつまいもを蒸す場合は、まずさつまいもを輪切りなど食べやすい大きさにカットします。(丸ごとでもOK)
さつまいもをカットしたら、水を入れた蒸し器に並べて蓋をして加熱し、蒸し器から湯気が出てきたら火を弱めます。弱火でじっくりさつまいもに火を通していくのが甘みを出すポイントです。
加熱時間の目安は大きさにもよりますが、1.5cm程の輪切りであれば10分ほどです。丸ごと蒸す場合は20分から30分ほど蒸しましょう。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
オーブンを使えば甘くて美味しい焼き芋を作ることができます。
オーブンで加熱する場合もさつまいもを洗ったら濡れた状態のままアルミホイルで包みます。
オーブンは160℃に温めておき、温まったらアルミホイルで包んださつまいもを入れて加熱していきます。加熱時間の目安はさつまいもの大きさにもよりますが、だいたい1時間半です。焦がしてしまわないようこまめに竹串などを刺して焼き具合を確認しましょう。
オーブンであれば一定の温度でじっくり加熱することができるので、さつまいもの甘みをしっかり出すことができます。
トースターを使って加熱することもできます。
トースターで加熱する場合も、さつまいもを洗ったら濡れたまアルミホイルで包みます。
さつまいもをアルミホイルで包んだら、トースターに入れて片面15分ずつ加熱します。トースターの場合は表面だけが焦げてしまいやすいので15分を目安に必ず様子を見るようにしてください。
さつまいもにじっくり火を通すとなると時間がかかってしまうのがデメリットですが、炊飯器に入れて炊飯モードで炊けば、途中で様子を見たりしなくてもしっかりと火を通すことができます。
炊飯器を使ってさつまいもを加熱するときは、炊飯器に洗ったさつまいもを入れて、さつまいもが半分つかるぐらいの水を入れます。水を入れたら炊飯モードで炊き上げるだけです。
炊飯器で炊いている間は目を離して大丈夫なので、他の作業ができます。ただし、炊飯器によってはご飯以外を炊くことができない場合があるので取り扱い説明書をしっかり読んでください。
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