さつまいもに限らず野菜を調理するときに洗うべきか否か迷うことってありますよね。本記事ではさつまいもは洗うべきかどうか、洗い方なども合わせて紹介します。
結論から申しますと、さつまいもを調理するときは洗うべきです。さつまいもを洗うべき理由は下記の通りです。
私達が普段食べているのは、さつまいもの根です。土の中で育っている根を掘り出しています。そのため、土汚れがついていることが多くあります。
土がついていると、土や堆肥(たいひ)に含まれる細菌がついている恐れがあります。食中毒といえば生肉や生魚などを食べることによって起こることが多いですが、実は土や堆肥にもボツリヌス菌などの食中毒の原因となる細菌が分布している可能性があります。
加熱をすることで死滅する菌もありますが、加熱をしても死滅しにくい菌もいるため、調理をする際にはしっかりと土汚れを落としておいた方が良いです。
出典:「食品衛生の窓」(東京福祉保健局)
日本で栽培されている野菜の多くは栽培中の害虫の被害や病気などを防止したり、スムーズに成長するために薬剤が使われています。
日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されていますし、使用が認められている農薬に関しても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められています。
農薬が使われているからといって神経質になる必要はありませんが、健康に良い影響を与えるかといえばそうではありませんので、できるだけ余計なものが口に入るのは避けたいですよね。
さつまいもの基本的な洗い方を紹介します。
さつまいもは流水で十分汚れを落とすことができますが、土汚れが気になる場合は、あらかじめボウルに入れた水にさつまいもをつけて置きましょう。
水につけておくことで、こびりついてしまっている土汚れもふやけて落としやすくなります。
水につける時間は10分程度が目安です。あまり長くつけてしまうとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうので注意が必要です。
さつまいもを水につけて土汚れをふやかしたら、流水で洗い流します。
水につけていない場合など土汚れが流水でなかなか落ちない場合は手で優しくこすります。スポンジを使っても良いでしょう。スポンジを使う場合は食器洗浄に使っているものや掃除に使うものではなく清潔なスポンジを使ってください。
さつまいもを洗うベストなタイミングは調理をする直前です。
掘ったばかりのさつまいもなど、土汚れを綺麗に洗い流してから保存した方が良いのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、洗ってから保存するのはNGです。
保存する前にさつまいもを洗ってしまうと、水分を拭き取っても残ってしまいやすくカビが生えてしまう原因になります。そのため農家でも掘り起こした後は水洗いせず、軽く土を払い落としてから出荷しています。
洗ってから保存したくなりますが、丸ごと保存する場合はそのまま洗わずに保存しましょう。
スーパーで店頭に並んでいるさつまいもは、綺麗で汚れがついていないように見えることが多いですが、やはり調理をする前は洗いましょう。
スーパーなどでも、土汚れを払って綺麗にすることはあっても水を使って綺麗に洗うことはしません。上述したように傷むのが早くなってしまうためです。
スーパーなどで販売されているさつまいもは、外気に触れて目に見えないチリ汚れなどもついていますし、人がベタベタと触っていることもあるので洗ってから調理しましょう。
さつまいもは焼き芋にして食べるのが定番ですよね。加熱すれば洗わなくても問題なく食べられるように思いますが、加熱する際も洗いましょう。
細菌の中には加熱をすることで死滅する種類もありますが、例えば土や泥に含まれている可能性があるボツリヌス菌は熱に強い細菌です。加熱をすれば洗っていなくても安全に食べられるというわけではないので、しっかりと洗ってから調理をする方が安心です。
また、農薬は加熱をしても残ることがありますので、残留農薬の観点からいっても洗ってから焼き芋にしましょう。
出典:食品中の残留農薬―残留農薬は調理加工により減少するかー(J-stage)
土汚れが気になる場合、たわしなど道具を使って擦ってしまいたくなりますが、たわしで擦るのはNGです。
たわしで擦ってしまうだけでミネラル類である鉄分やマグネシウムは30〜50%、表皮に多く含まれているカルシウムは約90%が流れ出てしまうんです。そのためスポンジで優しく洗いましょう。こうするだけでミネラル類の流出を10%以下に抑えられます。
じゃがいもを洗うときやごぼうを洗うときに丸めたアルミホイルを使ってこすることがありますが、さつまいももアルミホイルを使って洗って大丈夫です。
清潔なスポンジが自宅にないときは、丸めたアルミホイルで代用すると良いでしょう。ただし、上述したように強く擦ってさつまいもを傷つけないようにすることが大切です。
強く擦ってしまうと皮の一部がハゲてしまい、料理の見た目も悪くなってしまいます。
さつまいについた土や泥を食べてしまった場合でも、一般的には大きな健康上の問題は起こりません。
上述したように細菌がついていることがありますが、食べてから腹痛などの症状がでなければ、これらの細菌は胃酸や消化過程で破壊されたと考えて問題ないと考えて良いでしょう。
次回からは食品を十分に洗ってから食べることを心がけることが大切です。
万が一下痢や嘔吐などの症状が出てしまった場合は、速やかに病院へ。下剤など市販の薬を自己判断で飲んでしまうと良くないので注意してください。
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