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さつまいもがぬるぬる...食べられる?原因と対処法を解説

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さつまいもがぬるぬる...食べられる?原因と対処法を解説

さつまいもがぬるぬるしていて食べられるか不安になったことはありませんか?本記事ではさつまいもがぬるぬるする原因や食べられるのかどうかを詳しく解説します。

さつまいもがぬるぬるする原因

さつまいもがぬるぬるする原因は下記の通りです。

表面のぬるぬるは腐敗

さつまいもの表面がぬるぬるしている場合は、腐敗している可能性が高いです。

食材が腐敗する過程では、多くの場合、ぬめりが出現します。その背後には、腐敗を促進する微生物や雑菌の増殖が関与しています。これらの微生物は食材の栄養を利用して成長し、その過程で食材の表面に特有のぬめりを出します。

野菜や果物などの水分を豊富に含む食材は、特に雑菌の増殖に適した環境であるため、適切に保存できていなかったり、保存期間を過ぎてしまった食材はぬめりが出るリスクが高くなります。

加熱後に糸を引く場合も注意

さつまいもといえば、ふかし芋にするなど加熱して食べることが多いですよね。加熱後に保存しておくことも多いと思いますが、加熱後にぬめりが出ていたり糸を引くような場合も腐敗と考えた方が良いでしょう。

加熱後にぬめりが出たり糸を引くのも、雑菌が増殖しているためです。さつまいもに限らず、カットしたり加熱するなど調理後は基本的に生の状態で丸ごと保存しておくよりも腐敗しやすいので注意しましょう。

断面の白い液体はヤラピン

さつまいもをカットすると、時々白くてぬるぬるした液体が出ることがあります。これは腐っているわけではなく、実は「ヤラピン」というさつまいも特有の成分です。

また、さつまいもの表面に黒くてベタベタしたものが付いていることもありますが、これもヤラピンが原因です。さつまいもが傷ついたときにヤラピンが出てきて、空気と接触することで酸化し、黒くなります。その後乾燥して固まると、黒い蜜が皮についているように見えます。

出典:サツマイモの樹脂配糖体「ヤラピン」(東京農業大学)

ぬるぬるするさつまいもは食べられる?

さつまいもがぬるぬるする原因はおわかりいただけたでしょうか。続いてぬるぬるするさつまいもは食べられるのかどうか解説します。

腐敗したさつまいもは破棄

腐敗が原因でぬるぬるしている場合は、当たり前ですが食べることはできないので破棄してください。

腐敗しているということは味も食感も落ちていて美味しく食べられません。美味しく安全に食べる為には腐敗しないよう正しく保存し、保存期間内に食べきることが大切です。さつまいもの正しい保存方法と保存期間の目安は後述しますのでそちらを参考にしてください。

白い液体は食べられる

さつまいもをカットしたときに出てくる白い液体は「ヤラピン」と呼ばれる成分です。

ヤラピンには胃の粘膜を保護したり、便を柔らかくし便秘を予防・改善する効果があります。人体に害を及ぼす成分ではないので、そのまま調理をして食べても問題ありません。

さつまいもの皮には、ヤラピンの他にも食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、含有量のほとんどが皮と皮から5mmほどの部分に存在すると言われているので、栄養素を無駄にしないためにも、なるべく皮ごと食べた方がいいでしょう。

ちなみに皮の表面についている黒く変色したヤラピンもそのまま調理をすることが可能です。ただし、土汚れなどが混じった状態で固まってしまっている場合は取り除いて調理することをおすすめします。

腐ったさつまいもを食べるとどうなる?

食中毒の症状が出る可能性がある

さつまいもに限らず、腐敗した食材を食べてしまうと下痢や嘔吐などの食中毒の症状が出てしまうことがあります。これは、腐敗した食材には雑菌が増殖している状態で、中に食中毒菌がまぎれている可能性があるためです。

食中毒菌がいない限り、下痢や嘔吐の症状はでないので、腐った食材を食べる=食中毒というわけではないのですが、安全に食べることはできません。なぜなら、見た目や臭いだけでは食中毒菌が繁殖しているかどうか判断することができないためです。

そのため、食中毒菌がいることを想定し腐敗した食材は必ず破棄しましょう。

腐ってる部分を取り除けば食べられる?

例えば一部のみにカビが生えているといった状態の場合は、取り除けば食べられると判断する方もいます。広い範囲が腐敗していなければ、取り除いて食べれば問題ないことがほとんどです。 しかし、上述したように腐敗している箇所があるということは、見えない部分にまで食中毒菌が増殖してしまっている可能性もあります。

心配な方や小さなお子様、高齢者の方が食べる場合は、無理して食べずに破棄しましょう。

腐っていたら加熱をしてもNG

腐敗しても加熱すれば食べられるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、さつまいもに限らず腐敗してしまった食材は加熱をしても安全に食べられるということはありません。 多くの菌は加熱することで死滅するため生で食べるよりは安心と言えますが、加熱しても死滅しない食中毒菌もいるので絶対に安全とは言えません。

そもそも腐敗したさつまいもは鮮度がかなり落ちている状態なので、美味しく食べられません。無理して食べる必要はないと言えるでしょう。

腐ったさつまいもを食べてしまったら

さつまいもに限らず腐敗してしまった野菜を食べてしまい、嘔吐や下痢、腹痛などの食中毒の症状が出てしまったら、速やかに病院へ。

症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。

命に関わることもあるので、少しでも怪しいなと思ったら食べずに破棄してください。

出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)

腐敗したさつまいもの特徴

ぬるぬるする以外の腐敗したさつまいもの特徴を紹介します。下記のような特徴がある場合も腐敗しているので破棄しましょう。

見た目

腐ったさつまいもの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 全体的に黒く変色している

  • シワシワで変色している

  • 溶け出している

さつまいもの表面や実に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができるといわれていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。

表面がシワシワになっている場合は水分が抜けてしまっている状態です。水分が抜けているだけであれば食べることができますが、変色しはじめているようであれば腐敗しているので食べられません。 さつまいもは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒く変色している場合は腐敗している状態です。

また、溶け出している部分がある場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。

臭い・味

腐ったさつまいもの臭い・味は下記の通りです。

  • 酸っぱい臭い・味

  • 発酵臭

  • 生ゴミ臭

  • カビ臭い

さつまいもは若干の土臭さはあるものの、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味、発酵臭、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。 さつまいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いや発酵臭がしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

  • ぶよぶよになっていて柔らかい

新鮮な状態のさつまいもは、生のままだと表面にハリがあり固いですが、腐敗するとぶよぶよとした柔らかい触感になります。指で押すと簡単に凹んでしまうぐらい柔らかくなっている場合は破棄しましょう。

さつまいもの正しい保存方法

さつまいもに限らず食材は正しく保存して鮮度を保つことで、より長く美味しく食べることができます。さつまいもを購入したら正しく保存しましょう。

さつまいもの正しい保存方法は下記の通りです。保存期間の目安も記載するので参考にしてください。

常温保存

さつまいもは常温で保存するのが基本的です。さつまいもは常温でも1ヶ月ほど保存が効きます。

新聞紙に包んで冷暗所(1ヶ月)

さつまいもを新聞紙に包みかごに入れて冷暗所で常温保存する

常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。

さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。

20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。

冷蔵保存

長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。

丸ごと(2ヶ月)

さつまいもを新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵保存する

さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。

保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。

カット(2〜3日)

カットしたさつまいもを水につけて冷蔵保存することも可能だがあまり日持ちしない

さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。

カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。

冷凍保存

さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。

生のまま(1ヶ月)

生のまま輪切りにしたさつまいもを冷凍用保存袋に入れて冷凍する

さつまいもは生のまま冷凍することができます。

水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。

生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。

輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。

加熱(1ヶ月)

輪切りにしたさつまいもを火を通してから冷凍する方法も

加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。

輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいと言われています。

竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。

凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。

マッシュ(1ヶ月)

茹でたさつまいもを潰して冷凍保存することもできる

マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。

さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。

冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。

その他にも、天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存することもできます。さつまいもの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。