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さつまいもが緑に変色...食べられる?原因と対処法を解説

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さつまいもが緑に変色...食べられる?原因と対処法を解説

さつまいもが緑色に変色してしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。緑色に変色してしまうと食べられるのか心配になりますよね。本記事ではさつまいもが緑色に変色する原因や食べられるのかどうか、緑色に変色するのを防ぐ方法などを紹介します。

さつまいもが緑色に変色してしまう原因は?

さつまいもが緑色に変色してしまう原因は下記の通りです。

加熱や調理後に緑は化学反応

さつまいもを加熱調理したときに、断面に緑色の輪ができたり全体的に緑色っぽく変色してしまうのは、さつまいもに含まれているクロロゲン酸と呼ばれる成分が化学反応を起こしたためです。

クロロゲン酸とはポリフェノールの一種で、アルカリ性に反応すると緑色に変色する性質があります。緑色の輪ができるのは、皮付近にクロロゲン酸が多く含まれているためです。

例えば、さつまいもを天ぷらにする場合は天ぷら粉にベーキングパウダーなどのアルカリ性の成分が含まれているため、緑色に変色してしまうことが多いです。また、普段家庭で使われる事が多い食卓塩も弱アルカリ性であるため、まれに反応して緑色に変色してしまうことがあるようです。

出典:食品って色が変わるの?(堺市衛生研究所)

緑色の物体が付着は青カビ

調理をする前からさつまいもの表面や中身に緑色っぽい物体がついている場合は青カビが生えている可能性が高いです。

青カビなどのカビの胞子は普段ほこりと一緒に舞っていて、栄養源を見つけると根を張り一気に増殖していってしまいます。特に水気を拭き取らずに放置したり、高温多湿の場所に置いているなど保存環境が悪いことが原因でカビが生えてしまうことが多いです。

ちなみにさつまいもには青カビだけではなく、白カビや黒カビが生えてしまうこともあります。

緑色に変色したさつまいもは食べられる?

さつまいもが緑色に変色してしまう原因はおわかりいただけたかと思います。続いて緑色に変色したさつまいもは食べられるのかどうか解説します。

化学反応による変色は食べられる

調理後に緑色に変色してしまったさつまいもは、青カビが生えているように見えるため食べられないと思われがちですが、食べても問題ありません!

変色の原因となっているクロロゲン酸は、上述したようにポリフェノールの一種でコーヒーに含まれていることでも知られています。クロロゲン酸は糖質の分解を緩やかにし、脂肪の蓄積を防ぎます。さらに、体内の脂肪燃焼を促進する効果があると言われています。人体に害がある成分ではないので食べても大丈夫です。

青カビは破棄が無難

さつまいもなどの厚い野菜は表面にカビが生えていても中まで侵食していなければ、取り除いて食べることができるとも言われています。中まで青カビが生えてしまっている場合はNGですが、表面だけに青カビが生えている状態であれば皮は厚めにカットして調理しましょう。

しかし、カビの胞子は目に見えないほど小さいため、目視で確認できなくても繁殖してしまっていることがあります。カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの中毒症状がを引き起こす可能性があるため、心配な方や小さなお子様や高齢者が食べる場合は破棄が無難です。

カビ毒は加熱をすれば大丈夫ということはないので注意しましょう。

出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)

緑色に変色したさつまいもは元に戻せる?

一度変色したさつまいもの色は戻らない

上述したように加熱して緑色に変色してしまっても、腐敗しているわけではないので食べることができます。しかし、変色してしまうとどうしても見た目が悪くなってしまうため「元の色に戻せないか」と考える方も多いでしょう。

れんこんやごぼうなど、変色してしまってもある程度色を戻すことができる野菜もありますが、変色したさつまいもは残念ながら元に戻すことはできません。

お客様にお出しする場合など見た目が気になる場合は変色してしまった箇所をカットすると良いでしょう。

緑色に変色したさつまいもはまずい?

化学反応によって緑色に変色してしまったさつまいもは、食べられるとはいっても見た目が悪いのでまずいのでは?と思いますよね。

見た目はたしかにお世辞にも美味しいそうとは言えない見た目にはなってしまいますが、基本的に味は変色する前と変わらないことが多いです。そのため、問題なく食べることができます。

苦味が気になる場合はカット

加熱し緑色に変色してしまったからといって、極端に味が悪くなることはありません。しかし、苦味が気になる場合があります。これは、上述しているようにクロロゲン酸がポリフェノールの一種であるためです。

ポリフェノールは植物がもつ苦味やエグみとなる成分の総称です。ポリフェノールはいわゆる「アク」となる成分なので、苦味を感じる方もいます。

小さなお子様や苦味が苦手な方などは、変色している部分をカットして食べると良いでしょう。

緑色に変色するのを防ぐ方法

さつまいもが緑色になってしまうのを防ぐ方法を紹介します。

厚めに皮を剥く

皮を厚めに剥くことで変色するのを防ぐ

加熱することで化学反応を起こし、緑色に変色してしまうのは皮を厚めに剥いておくことで防ぐことができます。なぜなら、上述したように変色の原因となっているヤラピンは皮付近に多く含まれているためです。

しかし、皮にも多くの栄養が含まれているので捨ててしまうのは勿体ないです。変色は防ぎたいけど栄養はしっかりとりたい場合は、皮は別で調理しましょう。例えば、さつまいもの皮を使ってきんぴらを作るなど美味しく食べる方法は様々あります。

水にさらす

水にさらすことで変色するのを防ぐ

クロロゲン酸などのポリフェノールは水溶性です。そのため、カットしたあとに水にさらしてクロロゲン酸を落としておくことでも、緑色に変色してしまうのを防ぐことができます。

水に5分ほどさらし、水が濁ってきたら水を取り替えます。この作業を2回程繰り返すとアク抜きをすることができます。かき混ぜるとより早くアクを抜くことができるので、おすすめです。

ただし、水にさらすことでビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットもあります。栄養の流出を最小限に抑えるためにも長時間水にさらしてしまわないように注意しましょう。

正しく保存する

青カビによって緑色っぽく変色してしまうのは、正しく保存することで防ぐことができます。

さつまいもに限らず食材は正しく保存することで鮮度を保つことができ、より長く美味しく食べることができます。さつまいもを購入したら正しく保存しましょう。

さつまいもの正しい保存方法

さつまいもの正しい保存方法は下記の通りです。保存期間の目安も記載しますので、参考にしてください。

常温保存

丸ごと(1ヶ月)

さつまいもを新聞紙に包みかごに入れて冷暗所で常温保存する

常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。

さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。

20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。

冷蔵保存

長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。

丸ごと(2ヶ月)

さつまいもを新聞紙に包みポリ袋に入れて冷蔵保存する

さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。

保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。

カット(2〜3日)

カットしたさつまいもを水につけて冷蔵保存することも可能だがあまり日持ちしない

さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。

カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。

冷凍保存

さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。

生のまま(1ヶ月)

生のまま輪切りにしたさつまいもを冷凍用保存袋に入れて冷凍する

さつまいもは生のまま冷凍することができます。

水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。

生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。
輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。

加熱(1ヶ月)

輪切りにしたさつまいもを火を通してから冷凍する方法も

加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。

輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいと言われています。

竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。

凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。

マッシュ(1ヶ月)

茹でたさつまいもを潰して冷凍保存することもできる

マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。

さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。

冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。

その他にも、天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存することもできます。さつまいもの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

こんな変色も食べられる!

表面に黒い密のような液体がついている

さつまいもの表面に黒い蜜のような液体がついていることがあります。一見傷んでいるように見えますが、傷んでいるわけでも腐敗しているわけでもないので食べることができます。

さつまいもの表面につく黒い液体の正体は、ヤラピンと呼ばれる成分です。さつまいもをカットしたときに出てくる白い液体がヤラピンです。

さつまいもに傷がつくなどの原因で、ヤラピンが外に出てきてしまい乾燥すると黒く固まり、表面に黒い液体がついているように見えます。

ヤラピンは整腸作用があるなど人体にとって良い影響を与える成分なので食べても問題はありません。ただし、土汚れなどが混じっている場合や固くなっている場合は、食感や味が気になるかもしれません。その際は取り除くことをおすすめします。

カットしたら断面に黒い斑点・黒ずみ

保存していたさつまいもをカットしたときに、断面に黒い斑点や黒ずみがあることがあります。一見黒カビが生えているように見えますが、低温障害による変色である可能性が高いです。

低温障害とは冷蔵保存に適さない食材を低温環境で保存する際に出る障害のことで、食材が変色したり腐敗が進みます。さつまいもの場合は5℃以下の環境で保存しておくと低温障害が起こりやすいので、冷蔵庫で保存していると黒く変色してしまいやすいです。

低温障害は病気や腐敗ではなく生理障害の一つなので、食べても問題ありません。ただし、鮮度は落ちている状態です。食感や風味が悪くなっていることがあります。見た目も悪いので、気になるようであれば変色している部分はカットして取り除いて調理しましょう。

カットして時間が経ったら黒く変色

カットしたさつまいもをしばらく置いておくと、断面が黒っぽくなったり緑色っぽく変色してしまうことがあります。これも腐敗ではありません。

カットしてから時間が経つと断面が変色してしまうのは、ヤラピンが空気中の酸素に触れることによって酸化してしまうためです。さつまいもの種類によってはピンクやオレンジに変色することもあります。

味や栄養価に変化はないので変色してしまっても食べることはできますが、見た目は悪いので気になる場合はカットして調理しましょう。

酸化による変色はカットした後水にさらして空気に触れないようにすることで、防ぐことができます。

変色以外の注意すべきさつまいもの特徴

さつまいもは上記で紹介したように、変色していても腐敗しているとは限りません。しかし、下記のような特徴がある場合は腐敗しているので破棄しましょう。

見た目

腐ったさつまいもの見た目の特徴は下記の通りです。

  • シワシワで変色している

  • 溶け出している

表面がシワシワになっている場合は水分が抜けてしまっている状態です。水分が抜けているだけであれば食べることができますが、変色しはじめているようであれば腐敗しているので食べられません。

また、溶け出している部分がある場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。

臭い・味

腐ったさつまいもの臭い・味は下記の通りです。

  • 酸っぱい臭い・味

  • 発酵臭

  • 生ゴミ臭

  • カビ臭い

さつまいもは若干の土臭さはあるものの、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味、発酵臭、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。

さつまいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いや発酵臭がしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

  • ぶよぶよになっていて柔らかい

  • ぬるぬるしていて糸を引く

新鮮な状態のさつまいもは、生のままだと表面にハリがあり固いですが、腐敗するとぶよぶよとした柔らかい触感になります。指で押すと簡単に凹んでしまうぐらい柔らかくなっている場合は破棄しましょう。

また、ぬるぬるしていて糸を引く場合は雑菌が増殖している状態です。この場合も腐敗しているので食べることはできません。