麻婆豆腐を美味しく仕上げるにはどんな豆腐の切り方が良いのでしょうか。この記事では、麻婆豆腐を美味しく仕上げることの出来る豆腐の切り方や、麻婆豆腐を美味しく仕上げるコツなどを紹介します。
「さいの目切り」は、定番の豆腐の切り方で、豆腐を約1cm幅のサイコロ状に切る方法です。
さいの目切りをする際は豆腐を手のひらにのせて切ると切りやすく、切ったらそのまま鍋に入れることができます。豆腐一丁の場合、切り方は水平方向に2回包丁を入れた後、1cm幅の正方形になるように垂直方向から包丁を入れるだけです。
定番の切り方なのでどんな料理にも合う切り方です。ただし、煮物に入れるとさいの目切りでは小さすぎて他の大きな具材に潰されてしまいます。
豆腐を大きめに四角くカットする方法が「角切り」です。煮物や炒め物では大き目の角切りが定番の切り方です。
豆腐は大きくしすぎると味が染み込みにくく、長めに火を通す必要が生じ、時間が短いと中心が冷えたままになってしまいます。そのため、麻婆豆腐作りで豆腐を大き目の角切りにして使う場合、煮込む時間が短いと豆腐の芯が冷たいこともあるので要注意です。
切るのが面倒という方は豆腐をちぎって入れてみても良いでしょう。ただし、見た目は少々ワイルドになってしまい、断面から崩れて小さい破片がたくさん出てしまうので少し散らかった見た目にもなってしまいます。
ただし、包丁で切る手間を省くことができる以外にも、断面が大きくなるので豆腐に味が染み込みやすくなるというメリットもあります。
豆腐をひし形に切ることで断面が増えるので、加熱した際に火が通りやすくなり、味も染み込みやすくなります。杏仁豆腐では一般的な切り方ですが、普通の豆腐を切る際でも麻婆豆腐でよく用いられるテクニックです。
切り方は、包丁を横に入れて半分の厚さにし、縦に4等分に切ったら、上から斜めに切るだけです。見た目も少し華やかになります。
四角く切る場合とは異なり、形に差が生じてしまいますが、この形の差によって食感や豆腐への味の染み込み具合に差が生まれ、豊かな食感と味わいになります。
麻婆豆腐作りでは用いられることは少ないですが、豆腐には以下のような様々な切り方があります。
「あられ切り」は、さいの目切りよりも小さい、約5mm幅のサイコロ状に切る豆腐の切り方です。切り方もさいの目切りと同じで水平方向に3~4回包丁を入れた後、5mm幅の正方形になるように垂直方向から包丁を入れるだけです。
さいの目切りよりも細かくするので慣れない方はまな板の上で切っても良いでしょう。わかめやなめこなどの食べやすい具で作る味噌汁にはあられ切りが最適です。
拍子木切りは、豆腐を大きめの長方形に切る方法です。拍子木とは、「火の用心」の掛け声の後鳴らして使われている2本1組の木の棒のことです。
切り方も簡単で、豆腐をそのまま縦に切るだけです。煮物や豆腐ステーキに最適で、細長いユニークな形に仕上がるので他の料理でも見栄えが良くなります。ただし、大きくて薄く切るので崩れやすいため、炒め物にはやや不向きです。
鍋に大きめの豆腐を入れる際におすすめなのが三角形に切る方法です。三角形に切ることで箸でつかむ際に力の入り方のバランスが良くなり、四角く切った時よりも崩れにくくなります。
切り方も簡単で、豆腐を上から縦・横・斜めに切り、いわゆる「米」の形に切るだけです。切る回数も少なく、とても簡単です。
豆腐をスプーンなどですくって小分けにする方法もあります。韓国料理のスンドゥブなどの鍋料理ではあえて丸い形に豆腐をすくって出すお店もあります。
和え物やサラダを作る際に豆腐をすくって入れると、ちぎるよりもきれいで簡単に盛り付けることができます。
豆腐を崩しにくく切るコツを紹介します。
豆腐は手のひらにのせて切ると、見る角度を変えながら切ることができるので切りやすくなります。また、まな板を洗う手間も省くことができます。
手のひらの上で切った豆腐はそのまま鍋に入れることができます。まな板の上で切った豆腐を鍋に移す際に崩れてしまう、こぼしてしまうといった失敗も起きにくくなります。
手のひらにのせて切ると手を切ってしまいそうですが、包丁を手のひらの上にやさしく落とすだけにして、引かなければ切れることはありません。
豆腐が大きくて手のひらにのりきらない場合は、一度半分のサイズに切ってから手のひらの上で切りましょう。
木綿豆腐と絹ごし豆腐はどちらが麻婆豆腐向きなのでしょうか。
麻婆豆腐に使う豆腐には絹ごし豆腐か木綿豆腐が使われますが、どちらかが正しい、麻婆豆腐向きということはないので、好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。
豆腐に味をよく染みこませたいという方や、食べ応えのある食感が好みな方は木綿豆腐を選びましょう。餡がよく絡み、滑らかでやわらかい食感を楽しむなら絹ごし豆腐がおすすめです。
木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を加え、布を敷いた木綿豆腐用の型箱に流し込み、圧搾・成形した豆腐です。型箱に敷く布が木綿であり、豆腐の表面に特徴的な模様が付くことが名前の由来です。絹ごし豆腐よりも古くから造られており、普通豆腐とも呼ばれます。
圧縮して作っているため、しっかりとした食感と食べ応えがあります。絹ごし豆腐と比べるとタンパク質や鉄、カルシウムなどの栄養素が2~3割ほど多く含まれており、味わいも濃厚です。また、水分量が少ないため料理の際に型崩れしにくく、味も染み込みやすいです。
ただし、そのごわごわとした食感が苦手という声もあります。また、味が染み込みやすい分、麻婆豆腐では辛味も感じやすいです。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐を作る時よりも濃い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めて作ったものです。江戸時代の中期に柔らかく舌触りの良い豆腐を求めて作り出されたと言われています。
木綿豆腐とは異なり、作る時に水分を抜かないため、ぷるんとした水分の多い柔らかい食感とつるっとした喉越しが人気で、餡にもよく絡みます。栄養素は木綿豆腐よりも少ないものの、ビタミンB群などの水溶性ビタミンやマグネシウムなどが多く含まれています。
ただし、絹ごし豆腐は水分量が多く柔らかいため崩れやすく、味が染み込みにくいです。また、つるつるとしているため箸で食べにくいとよく言われます。
木綿豆腐と絹ごし豆腐のどちらか選べないという方は、両方使って麻婆豆腐を作ることもできます。木綿の少し硬めの食感と絹ごしのつるつるした食感の両方を楽しむことができます。
調理方法は片方だけを使う場合と同じで、下ごしらえの方法や豆腐を煮込む時間に違いはありません。
ただし、麻婆豆腐を作る場合、2人前で1丁を使うことが多く、豆腐を2種類使う場合、どちらも1丁ずつ使うと麻婆豆腐がたくさん出来上がってしまいます。4人前以上の量を作るなら問題ありませんが、2人前以下の量を作る場合は半分ずつ使って残りは保存しておくのがおすすめです。
少しのコツで麻婆豆腐を美味しく仕上げることができます。
豆腐は水分を多く含んでいるので、事前に水分を抜く「水切り」をしっかり行わないと豆腐の水分が出て料理の味が薄まり、イマイチ味が決まらない原因になってしまいます。また、豆腐の内側に含まれている水分が適度に抜けることで崩れにくくなり、味がしっかりと染み込みます。
また、豆腐を入れてから麻婆豆腐を仕上げるまでにはそれほど時間がないため、茹でて水切りを行うか、常温で放置して水切りを行うことで豆腐の芯が冷たいままになってしまうのも回避でき、素早く火を通せるので、しっかり水切りをするのが麻婆豆腐を美味しくつくるコツです。
料理前に20分程度ザルに出しておくだけでもある程度水分が抜けます。より美味しく仕上げたいという方はキッチンペーパーに包んで重しをのせて冷蔵庫に置いておく、塩水に漬けておく、湯通しする、電子レンジで軽く温めるといった方法もあります。
麻婆豆腐を作る際、いきなりひき肉を炒めるのではなく、ネギやにんにく、生姜などの香味野菜を油で炒め、油に香りをしっかり移しましょう。
味を辛めに仕上げたい人はここで赤唐辛子や鷹の爪を炒めるのがおすすめですが、赤唐辛子は焦げやすいので炒める際に注意が必要です。
生姜やにんにくなどの香りを引き出した後、ひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わった段階で火を止めるのではなく、ひき肉は炒め続けた状態で調味料などを加えることで、ひき肉の内側から油分が出てコクをプラスできます。
豆板醤などの調味料と一緒に炒めることで調味料の風味も引き立ち、ひき肉の臭みも取れます。
調味料を入れて炒めた後、豆腐を入れて煮込みますが、豆腐を入れた後は強火のままグツグツと煮込むのではなく、中火程度に落として煮込みましょう。
強火のままだと煮詰まりすぎてしまうほか、グツグツ煮ることで豆腐が動いてしまい、崩れてしまいます。一方、弱火だと豆腐にしっかり火が通らないために味がしみ込まず、全体の水分もうまく蒸発しないため、水っぽくなってしまいます。
水溶き片栗粉などでとろみを加えて弱火で1~2分煮込んだ後は、サラダ油やごま油などをさっと回し入れ、強火でさっと加熱しましょう。強火で加熱することで片栗粉にしっかり火が通り、しっかりとしたとろみがつき、時間が経ってもサラサラになりにくくなります。
油を加えることで香ばしさが出ることに加え、豆腐に染み込んだ味を油が閉じ込めてくれるので、豆腐の内側の水分とともに味が抜けてしまうことを防いでくれます。また、艶のあるとても美味しそうな見た目になります。
万能ねぎや花椒(山椒)を入れる方は火を止めたタイミングで入れましょう。
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