かぼちゃの煮物が水っぽくなってしまうことって多いですよね。本記事ではかぼちゃの煮物が水っぽくなってしまう原因や、水っぽくならないポイントを紹介します。
かぼちゃの煮物が水っぽく感じる主な原因は、かぼちゃの収穫のタイミングにあります。かぼちゃは、収穫が早すぎて未熟な状態だと水分量が多いため結果として水っぽくなってしまいます。
実は、かぼちゃは収穫を早めにして追熟させるのが一般的です。収穫してからある程度追熟させてから出荷していることがほとんどですが、農家や店舗によっては未熟なままのかぼちゃを早めに店頭に並べてしまう場合もあります。
また、適正な時期に収穫されたかぼちゃであっても、採れたての時点では比較的水分が多いです。このため、採れたてのかぼちゃも同様に水っぽく感じることがあります。野菜といえば鮮度が重要視されることが多いですが、かぼちゃの場合は採れたてが良いとは限らないのです。
かぼちゃには大きく分けて西洋かぼちゃと日本かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類のかぼちゃがあります。かぼちゃの種類によっても水分量は異なります。
この3種類の中で最も水分量が多いのは日本かぼちゃです。
日本かぼちゃの表面は緑というよりも黒色をしていて、水っぽくあっさりとした味わいが特徴です。肉質が柔らかく、煮物や蒸し物、揚げ物など、日本の伝統的な料理に多く用いられます。
日本かぼちゃは高級料理店で使われる事が多く、一般的なスーパーで販売されているかぼちゃの多くは西洋かぼちゃです。そのため、種類による水分量の違いはそれほど気にする必要はありませんが、覚えておくと良いでしょう。
冷凍かぼちゃを使って煮物を作ると、水っぽくなってしまうことがあります。
これは、冷凍した際に凍っていたかぼちゃの水分が解凍されることによって外に出てきてしまうためです。特に家庭で冷凍したかぼちゃは時間をかけてゆっくり凍っていることが多いので、氷の結晶も大きくその分加熱調理をするとびちゃっとしてしまいがちです。
冷凍かぼちゃを使う場合は、かぼちゃから凍っていた水分が出てくることを考えて、調味料の量を調節すると良いでしょう。
煮物といえば、食材がしっかり浸かるぐらいの煮汁を入れてグツグツ煮込むものだと思っている方も多いのではないでしょうか。煮汁が多いと、やはりその分かぼちゃが水分を吸うことになるので、水っぽくなってしまう原因になります。
かぼちゃの煮物を作るときは、かぼちゃの半分程度が煮汁に使っていれば大丈夫です。特に冷凍かぼちゃを使う場合は、上述したようにかぼちゃからも水分が出てくるので少なめにしましょう。
せっかく作ったかぼちゃの煮物が水っぽくなってしまったら悲しいですよね。そこで、かぼちゃの煮物をホクホク仕上げるためのポイントを紹介します。
上述したように、水分量が多い未熟のかぼちゃを使ってしまうと水っぽく仕上がってしまうので、熟しているかぼちゃを選ぶのが大切なポイントです。
かぼちゃを選ぶときのポイントは下記の通りです。
皮が濃い緑色をしている
皮がかたい
皮にツヤがある
ヘタの切り口が乾いていてくぼんでいる
形が左右対称
ずっしりと重い
種が詰まっていて色が濃い(カットかぼちゃの場合)
果肉のオレンジ色が濃い(カットかぼちゃの場合)
水っぽいかどうかは、特にヘタの切口を見ることで判断できます。ヘタの切り口が乾いていない場合は、水分量が多い状態です。また、カットされている場合は果肉の色でも判断できます。熟して柔らかく甘いものはオレンジ色が濃いのが特徴です。
未熟な状態のかぼちゃなのかどうか、見ただけでは判断が難しいのですが、ヘタの切り口が乾燥していないなど熟していないことが明らかな場合は、追熟させましょう。
丸ごとのかぼちゃを新聞紙に包みます。ヘタの部分を下にして包むと、かぼちゃの重みで新聞紙をとめることができます(ガムテープなどで貼り付けるとさらに◎)。かぼちゃが大きい場合は新聞紙を数枚使って全体をしっかり覆いましょう。
新聞紙で包んだら風通しのよい冷暗所においておきます。常温保存することでゆっくりと追熟が進み甘みが増します。甘みが増すのは、かぼちゃのでんぷんが糖質に変わるため。甘みとともに栄養価も増します。
煮物をする場合は味付けに砂糖を使うことが多いですよね。基本的にはかぼちゃなどの野菜を煮込んだ後に調味料を入れて味付けをしますが、あらかじめかぼちゃに砂糖をまぶしておくと、浸透圧で余分な水分を出すことができるので、水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。
塩でも同様に水分を抜くことができますが、煮物にする場合は砂糖を使うのが良いでしょう。
<浸透圧とは>
異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。例えば野菜に塩を揉み込むと野菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から水分が出てくる。
ひと手間かかりますが、煮込む前に予めかぼちゃの水分を飛ばしておくことで煮物が水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。
蒸すときはレンジを使って蒸すと簡単ですし、時短になります。
レンジを使うときは、カットしたかぼちゃを皮を下にして耐熱皿に並べて、ラップをせずに加熱します。ラップをせずに蒸発した水分を逃がすのが大切なポイントです。
予め火を通しておいたほうが味も染み込みやすいですし、煮崩れ防止になるのでぜひ試してみてください。
予め対策できれば良いのですが、そのまま作ってしまい水っぽくなってしまうことってありますよね。水っぽくなってしまったかぼちゃにおすすめのリメイク方法を紹介します。
水っぽくなってしまったかぼちゃの煮物は、スープにリメイクするのがおすすめです。
まず、かぼちゃを細かく切って煮込み、柔らかくなったらミキサーやフードプロセッサーで滑らかになるまで混ぜます。その後、お好みの調味料で味を整えます。クリームや牛乳を加えてさらに濃厚な風味にすることもできます。水分が多いかぼちゃを使うことで、スープ自体が軽く、優しい味わいになります。
水っぽくなってしまったかぼちゃの煮物は、マッシュにすると水っぽさをカバーすることができます。マッシュにしてマヨネーズなどを混ぜ合わせてサラダにすると◎
水っぽいかぼちゃは味が薄いので、クリームチーズやヨーグルトなどを加えてコクをプラスするとより美味しく食べることができます。
水っぽくなってしまったかぼちゃの煮物はマッシュにして、コロッケにするのもおすすめです。マッシュにすすれば水っぽさが気にならないのに加えて、揚げることでサクっとした食感をプラスすることができます。
揚げるのが大変なときは、耐熱皿やフライパンに入れてパン粉をふりかけて焼くだけで、スコップコロッケになります。
水っぽいかぼちゃの煮物は、グラタンのベースとしても使用できます。
かぼちゃを煮てペースト状にし、その上にベシャメルソースとチーズを乗せて焼きます。かぼちゃが水分を多く含んでいると、焼く過程でその水分が蒸発して、チーズやベシャメルソースと一緒に美味しいグラタンができ上がります。
そのまま食べても美味しいですし、パンやパスタに添えても良いでしょう。
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