豆腐には「丁」という単位が使われますが、豆腐一丁とはどのくらいの大きさ・重さなのでしょうか。この記事では、豆腐一丁当たりの大きさや重さ、豆腐一丁で作れる料理の量などを解説します。
豆腐一丁とは、どのくらいの量になるのでしょうか。
豆腐は一丁という単位で売られていることが多いですが、「一丁」という単語には正確な大きさや重さの定義はありません。
ただし、ある程度の重さで統一はされており、都心では一丁は300~350gが多く、地方になると若干大きめの350~400g、沖縄は一丁1kgが一般的となっています。大きさも10cm四方には収まる程度の長方形のものが多いです。
現在ではパックで売られている製品がほとんどということもあり、レシピによっては必要量が「1パック」と書かれていることもあります。
そもそも一丁とはどのような意味なのでしょうか。正確な由来はわかっていませんが、かつては地域ごとにサイズや大きさがばらばらであったため、「角ばった」「直角」の意味を持つ「丁」を単位として用いたのが始まりとする説があります。
また、博打で使う「半か丁か」という決まり文句で有名なように、「丁」は偶数という意味もあります。現在では豆腐一丁は大きいサイズで1個ですが、かつては小さめのサイズで2個で一丁と数えられており、1個だけの豆腐は半丁と言いました。
豆腐の中でもよく食べられる木綿豆腐と絹ごし豆腐1丁分カロリーや栄養素は下記のとおりです。
カロリー:219kcal
糖質:1.2g
タンパク質: 21.0g
脂質:14.7g
木綿豆腐は圧縮されている分、絹ごし豆腐と比べるとタンパク質や鉄、カルシウムなどの栄養素が2~3割ほど多く含まれていますが、糖質と脂質は少なめです。栄養豊富な分、カロリーは絹ごし豆腐よりも少し高めです。
カロリー:168kcal
糖質:3.3g
タンパク質: 15.9g
脂質:10.5g
一方、絹ごし豆腐は栄養素の量は木綿豆腐よりも少ないものの、木綿豆腐では製造過程で失われてしまうビタミンB群などの水溶性ビタミンやマグネシウムなどが多く含まれています。
豆腐一丁の値段は製品ごとにかなり差があります。
価格が低めでお財布にやさしい豆腐ですが、豆腐一丁の値段は原材料などによってまちまちで、30円程度で購入できる製品もあれば、150~200円の製品もあります。ちなみに、絹ごしと木綿で値段の差はほとんどありません。
豆腐の値段の違いは原料に起因しています。安い豆腐の多くは海外産(アメリカ、カナダ)の大豆を用いています。豆腐を固める凝固剤も、大豆の甘みを引き出しやすい「にがり(塩化マグネシウム)」ではなく、石膏と同じ成分の「硫酸カルシウム」や、でん粉から作られている凝固剤「グルコノデルタラクトン」が使われています。
高い値段の豆腐は国産大豆を使用し、凝固剤のにがりや豆腐の成分のほとんどを占める水にもこだわって作られています。そのため口当たりがとても滑らかで、濃い大豆の味や強い甘みが感じられ、臭みも少ないです。
美味しい豆腐は豆腐本来の味をじっくり楽しめる冷奴や温奴、湯豆腐として食べるのがおすすめです。もちろん、煮物や炒め物に使っても十分に違いを感じることができます。
料理ごとに使われる豆腐の量を紹介します。
麻婆豆腐を作る場合、2人前で1丁の豆腐を使うことが多いです。豆腐がメインの料理であるため、比較的使う量の多い料理で、好みに合わせて量は変えて作られています。
使われる豆腐の種類は木綿豆腐と絹ごし豆腐のどちらも使われています。崩れにくく、しっかりとしていて食べごたえのある木綿豆腐と、つるつるとした食感が楽しめる絹豆腐ではどちらを使っても美味しく仕上げることができ、たくさん作る場合は両方使うという方もいます。
味噌汁を作る場合、ほかの具材の量に合わせて使う量は変わりますが、豆腐は3~4人前で1丁の豆腐が使われることが多いです。
絹ごし豆腐は味噌汁の定番の具材であるなめこやわかめといった定番の具材と食感が近く、一体感が生まれ、とても食べやすくなります。豆腐を小さめにカットするとかわいらしく、どこかごちそう感のある見た目になります。
食べ応えを重視する方は木綿豆腐を使ってみると良いでしょう。木綿豆腐は根菜との相性が良いので、大根やにんじん、ごぼうを具材に使うのがおすすめです。
すき焼きでは3~4人前で1丁の豆腐が使われています。すき焼きには味の染み込みやすい木綿豆腐が使われますが、木綿豆腐に焼き目を付けた「焼き豆腐」を使うことも多いです。
焼き豆腐は火を通して焼き目をつけているので崩れにくく、味が染み込みやすいです。市販の製品もありますが、自宅でもフライパンで焼いて作ることができます。
豆腐ハンバーグを作る場合、豆腐のみで作るかひき肉と半々で作るかで使う量が変わります。豆腐のみで作る場合、3~4人前で1.5丁~2丁、ひき肉と半々で作る場合はその半分になります。
使う豆腐は、水分量が少なくタネがまとまりやすい木綿豆腐が良く使われています。ただし、絹ごし豆腐で作るとなめらかでもっちりとした仕上がりになるので、こちらを好む方も多いです。
ゴーヤーチャンプルーを作るときには3~4人前で1丁の豆腐が使われています。本来のレシピでは沖縄で作られている「島豆腐」と呼ばれる固くて重い豆腐を使いますが、島豆腐は流通量が少ないため、食感などが近い木綿豆腐が使われるためです。
木綿豆腐を使うことで食べ応えのある仕上がりになるほか、炒めても水分が出にくいので味が薄まりにくく、崩れにくいです。
豆腐にはさまざまな種類があります。
木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を加え、布を敷いた木綿豆腐用の型箱に流し込み、圧搾・成形した豆腐です。型箱に敷く布が木綿であり、豆腐の表面に特徴的な模様が付くことが名前の由来です。絹ごし豆腐よりも古くから造られており、普通豆腐とも呼ばれます。
圧縮して作っているため、しっかりとした食感と食べ応えがあります。絹ごし豆腐と比べるとタンパク質や鉄、カルシウムなどの栄養素が2~3割ほど多く含まれており、味わいも濃厚です。また、水分量が少ないため料理の際に型崩れしにくく、味も染み込みやすいです。
ただし、そのごわごわとした食感が苦手という声もあります。また、味が染み込みやすい分、麻婆豆腐では辛味も感じやすいです。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐を作る時よりも濃い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めて作ったものです。江戸時代の中期にやわらかく舌触りの良い豆腐を求めて作り出されたと言われています。
木綿豆腐とは異なり、作る時に水分を抜かないため、ぷるんとした水分の多いやわらかい食感とつるっとした喉越しが人気です。栄養素は木綿豆腐よりも少ないものの、ビタミンB群などの水溶性ビタミンやマグネシウムなどが多く含まれています。
ただし、絹ごし豆腐は水分量が多く柔らかいため崩れやすく、味が染み込みにくいです。また、つるつるとしているため箸で食べにくいとよく言われます。
ソフト豆腐は、名前の通り柔らかい木綿豆腐として香川県で作られ始めました。その製造方法から見ても、木綿豆腐に近い特徴を持つ食品であり、実際、木綿豆腐の一種としても分類されます。京都では「嵯峨豆腐」と呼ばれています。
木綿豆腐と絹豆腐の中間と言われることの多い程よい固さを持っています。そのため食べやすく、多くの料理に適用できる万能な食材と言えるでしょう。
カロリーは絹ごし豆腐と同じ100gあたり56kcalで、栄養素も絹ごし豆腐に近いですが、水にさらす分ビタミン類は木綿豆腐同様に少なめです。
プラスチックの容器に材料を直接流し込んで固める「充塡(じゅうてん)豆腐」と呼ばれるタイプの豆腐は、製造時に加熱・殺菌されてから空気や水に触れていない状態でパックされているのでとても衛生的で、2週間以上の長期間にわたって保存が可能です。スーパーなどで小さめのサイズで3個パックになっている製品をよく見かけますよね。
絹ごし豆腐に近いなめらかな食感と柔らかさで、材料も絹ごし豆腐と基本的に一緒なので、「充填絹ごし豆腐」という名称も使われています。
おぼろ豆腐は漢字で「朧豆腐」と表記し、「朧」には「物の姿がかすんで、はっきりしないさま」という意味があります。
おぼろ豆腐の完全に固まっておらずほろほろとした見た目を、霧がかかってはっきり見えない「おぼろ月夜」に例えて「おぼろ豆腐」といわれるようになったといわれています。
おぼろ豆腐はしっかりと固まる前にすくい上げているので、木綿豆腐や絹豆腐と比較してやわらかくとろけるような食感が特徴的です。木綿豆腐や絹豆腐とは異なり、製造工程が少なく水分や油分がそのまま残っているため大豆本来の風味や味を楽しむことができます。
高野豆腐は、鎌倉時代に和歌山県北部の高野山で誕生しました。「氷豆腐」や「凍り豆腐」(こおりどうふ)、「凍み豆腐」(しみどうふ)とも呼ばれています。これらの別名からも分かる通り、高野豆腐は特殊な製法によって作られています。
高野豆腐は、通常の豆腐とは異なる製造過程を経ています。豆腐を繰り返し凍結・解凍することにより、水分が徐々に抜け、豆腐が乾燥した状態になります。このプロセスにより、豆腐の栄養成分や旨味が濃縮されるとともに、特有の食感や風味が生まれます。
高野豆腐の特筆すべき点は、その保存性の高さです。通常の豆腐よりも乾燥しているため、賞味期限が長く、長期間保存することができます。
高野豆腐を使う際は、お湯で戻して使います。硬い状態の高野豆腐を熱湯に浸して戻すと、柔らかさが戻り、調理に適した状態になります。戻した高野豆腐は煮物や炒め物、鍋料理などのさまざまな料理に利用されます。高野豆腐独特の風味と食感が、料理に深みを加えるのに一役買っています。
堅豆腐は、日本で豆腐が作られ始めた初期の製法を踏襲して作られる、特別な種類の豆腐です。この伝統的な製法によって、堅豆腐は他の種類の豆腐とは異なる特徴を持ちます。
堅豆腐の製造には、濃度の高い豆乳や強力なにがりなどの独特な材料や、長時間重しをのせて水分を抜く手法が用いられます。この特徴的な製法により、堅豆腐は通常の豆腐よりも非常に固く、また乾燥した状態に仕上がります。その結果、長期間の保存が可能となります。
堅豆腐の代表的な製造地域としては、石川県や富山県が知られています。これらの地域では、古くから伝わる製法が守られ、堅豆腐が製造されてきました。
「胡麻豆腐」や「玉子豆腐」、そして「杏仁豆腐」はその名に「豆腐」を冠していますが、実際には大豆を原料としていない異なる食品です。これらの名前が「豆腐」と呼ばれる背景には、製法や食感、用途などの類似性があることが影響しています。
「胡麻豆腐(ごまどうふ)」は、精進料理の一種であり、奈良県および和歌山県の郷土料理として知られています。
ゴマと葛粉を主要な材料としており、大量生産も可能なことから、現在では全国のスーパーや食品店で手に入れることができます。
滑らかな食感と豊かな胡麻の風味が特徴であり、冷奴として食べられることが多く、料理に使われることはあまりありません。
「玉子豆腐」は、だし汁と鶏卵を混ぜ合わせ、四角い容器に入れて蒸し固めることで作られる食品です。
豆腐に似た滑らかな質感と優しい風味があり、和食の一部として親しまれています。スーパーなどでパックに入って売られていることも多く、冷奴として食べることがほとんどです。
「杏仁豆腐」は、アンズの種子の仁(さね)を粉砕し、白い汁を搾り取り、寒天で冷やし固めた中国発祥のデザートです。名前に「豆腐」が含まれているものの、やはり大豆とは無関係です。
滑らかでクリーミーな食感と、杏仁の風味が特徴であり、日本では果物と一緒にフルーツポンチ風にして食べられることも多いです。
豆腐の保存方法を解説します。
豆腐はスーパーなどでも冷やして売られているように、常温で置いておくことはできません。パッキングされていますが、お肉などと同様に雑菌が繁殖しやすく、腐りやすい方に分類される食品なので、必ず冷蔵庫に入れて保存しましょう。
麻婆豆腐などの料理に使う場合、冷蔵庫から出しておいて常温に戻しておくと火が通りやすくなりますが、出しっぱなしにしすぎると傷んでしまいます。常温で置いておくのは長くても2~3時間にしましょう。
上記の通り、常温での保存は雑菌繁殖を招くため、必ず冷蔵庫で保存しましょう。入れる場所は冷蔵庫の扉の開閉による温度変化を受けにくい奥の方がおすすめです。
ただし、低温の場所に置くと凍ってしまう恐れがあるので、チルド室やパーシャル室に入れるのは避けましょう。豆腐は凍ると風味や食感が変わってしまいます。
一度パックから出したものの使わなかった、余ってしまったという豆腐はタッパーなどに入れて保存することができます。タッパーの中には豆腐が完全に浸るくらいの水も一緒に入れましょう。
毎日水を取り替えれば2~3日保存できますが、水を替えるのがめんどくさいという方は翌日には使い切ってください。水をちゃんと交換しないと豆腐から出た成分をもとに水の中で雑菌が繁殖してしまい、豆腐より先に水が腐って食べられなくなってしまいます。
豆腐を冷凍する場合、パックごと冷凍するか、小分けにして冷凍しておくのがおすすめです。ただし、豆腐は水分の多い食品であるため、一度冷凍をしてから解凍すると水分がたくさん抜けてしまい、かたくぼそぼそとした食感に変わってしまいます。豆腐のつるつるとした滑らかな食感が好みという方は、冷凍での保存ではなく、冷蔵して賞味期限内で食べきることをおすすめします。
パックごと冷凍する場合はパックをジップロックなどの保存袋に入れて2重にすると、パックの表面が傷ついて穴が開く可能性が低くなり、パックの温度変化も最小限に抑えられるのでおすすめです。
冷凍した豆腐は1ヶ月程度保存しておくことができます。特売などでたくさん購入して賞味期限内に使いきれそうにない場合は冷凍するのが良いでしょう。
解凍は冷蔵庫でゆっくり解凍するのがおすすめですが、豆腐は水分量が多いために熱伝導率が悪く、パックごと凍らせたものでは解凍には丸一日以上かかってしまうことも。使う前日に冷蔵庫に移しておき、使う3時間くらい前から常温で放置するとスピーディーかつムラが生じにくく解凍できます。
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