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豆腐はレンジ加熱で爆発する?防ぐ方法は?正しい加熱方法は?

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豆腐はレンジ加熱で爆発する?防ぐ方法は?正しい加熱方法は?

豆腐は電子レンジで温めると爆発するとよく言われますが、爆発させずに温めることもできます。この記事では、豆腐を電子レンジで温める際の注意点や、温める他の方法などを解説します。

豆腐は電子レンジで爆発する?

電子レンジで豆腐が爆発するかは使い方によります。

未開封のパックごと温めるのはNG

豆腐をパックごと電子レンジで温めるのはNGです。なぜなら、豆腐のパックは密閉されており、水蒸気が逃げることができないため、温める過程でパックが爆発してしまうためです。

電子レンジでの調理中に水や豆腐が飛び散ることで、掃除が非常に手間がかかってしまいます。また、飛び散った水分によって電子レンジの故障や不具合が生じる可能性もあり、とても危険です。

キッチンペーパーで包んで温めるのがおすすめですが、蓋を少し開ければパックごと電子レンジで温めることができます。心配な場合は、豆腐を別の容器に移して水に浮かべた状態で温めることもおすすめです。温度の急上昇を抑え、豆腐が飛び散るリスクを低減できます。

電子レンジは破裂が起きやすい

豆腐を電子レンジで温めると破裂する可能性があります。電子レンジは食材を温める際に水分を振動させて加熱しますが、豆腐の中には無数の空気の穴が存在しており、これらが温まって膨張してしまうためです。

破裂を防ぐためには、いくつかの工夫が必要です。対策としてはカットしてから温める、水に浮かべて温めるといった方法があります。

前述の通り、カットすることで断面が増え、水蒸気の逃げ場が増えるので破裂が起きにくくなります。また、温まりやすくなるので温め時間を減らすこともでき、これも破裂防止につながります。水に浮かべて温めることでも豆腐の温度上昇を緩やかにし、豆腐内部の膨張を抑えることができます。

なお、電子レンジを使用する際にはどうしても小さな破裂が起きてしまいがちですが、キッチンペーパーを巻いてから温めることで、多少の破裂でも飛び散らずに済みます。

豆乳をレンジ加熱で豆腐を作るときも注意

無調整の豆乳ににがりなどの凝固剤を加え、電子レンジで温めるだけで簡単に手作り豆腐を作ることができますが、温め方を間違えると豆乳が爆発してしまいます。

200~300ccの豆乳を温めて作る場合は、耐熱容器に入れて600Wで2~3分程度温めましょう。電子レンジの中を確認しながら温め、豆乳が煮立ってきたら温めるのをやめると爆発が起きにくいです。

心配な方は片手鍋や小さい土鍋を使って豆腐を作るのがおすすめです。電子レンジよりも少し手間はかかりますが、火加減の調整がしやすく、状態も確認しやすいので失敗しにくいです。

豆腐を電子レンジで温める方法

電子レンジで豆腐を温める際の手順や注意点を解説します。

どのくらい温める?温め方は?

電子レンジで豆腐を温める場合、豆腐は電子レンジで温めると破裂する可能性があるので、必ず600W以下の低いワット数で様子を見ながら温めましょう。大きさにもよりますが、1~2分程度温めると程よい温かさになります。

温める際はパックから出した豆腐をキッチンペーパーで包み、耐熱皿にのせて温めましょう。短い時間温める場合でも多少破裂してしまうことがありますが、キッチンペーパーで包むことで飛び散りにくくなり、余分な水分もよく抜けます。キッチンペーパーが薄手の場合は2枚重ねて使いましょう。

豆腐をカットする場合、温める前と後のどちらでも構いませんが、温める前にカットしておくと温めムラが少なくなります。ただし、カットしてからキッチンペーパーに包むのが難しく、包む際に崩れやすいです。また、水分が抜けやすくなるので、温めすぎてしまうと温奴として食べる場合には少しパサパサ感が出てしまうかもしれません。

カットしないで温める場合は簡単に温められますが、破裂が起きやすくなります。また、温めてすぐは豆腐が熱くなっているのでカットしにくいでしょう。

水切りの場合は?

豆腐を電子レンジで加熱して水切りする

電子レンジを使って水切りをする場合、温める場合と同様に600W以下の低いワット数で、キッチンペーパーで包んだ豆腐を電子レンジで2~3分加熱します。

温め終わったらザルに上げて5分ほど放置しましょう。より多くの水分を抜きたい方は電子レンジで温めた後、バットの上に豆腐を置き、重しをのせて5分放置しましょう。

キッチンペーパーがない場合、布巾やガーゼでくるんでも代用できます。ただし、ラップで包んでしまうと上手く水分が抜けないので、ラップはキッチンペーパーの代用となりません。また、キッチンペーパーなしでも水抜きはできますが、使わないと水分が抜けにくく、豆腐が温まりすぎて破裂して崩れてやすいです。

豆腐を温める他の方法:湯煎

湯煎は手間がかかりますが、安全で様々なメリットがあります。

湯煎ならパックごと温められる

湯煎ならパックごと温められる

豆腐を湯煎で温める場合、パックごと温めることができます。沸騰させたお湯に豆腐をパックごと入れたら弱火に変え、10分程度温めましょう。鍋に直接触れなければパックが溶ける心配はありません。

電子レンジを使う場合よりも時間はかかりますが、じっくりと温めることができるので温まり具合のムラが少なく、破裂してしまうこともありません。

開封してから温める場合


豆腐を湯通しして水切りする

開封した豆腐や、パックではない手作り豆腐も湯煎で温めることができ、パックごと温めるよりもすぐに温めることができます。沸騰させたお湯に豆腐を入れたら弱火に変え、2~3分程度温めましょう。

直接湯煎すれば豆腐の持つ大豆由来の青臭さが軽減されるメリットもありますが、豆腐をそのまま湯煎すると温まりすぎて硬くなり、崩れてしまうこともあるほか、風味も飛んでしまい、栄養分が流れ出てしまいます。

水切り(湯通し)の場合は?

湯通しはやや手間はかかりますが、短い茹で時間でさっと水切りができます。鍋で水を沸かし、カットした豆腐を2~3分茹で、ザルに上げて5分ほど放置するだけです。茹でる際にひとつまみの塩を入れるのがポイントです。

なお、ザルに上げた後は豆腐同士をくっつけて放置するとお互いの水分を求めてくっついてしまうので、少し離して置きましょう。温かいまま使えば煮込む時間を短くでき、豆腐を崩れにくく仕上げることができます。

湯通しの方法は短い時間で水分を抜けますが、一度湯通しする分、豆腐の風味が落ちやすいともいわれ、栄養分も流出してしまいます。気になる方は別の方法を選びましょう。

小さなパックタイプの充填豆腐を使う方は、パックごと10分茹で、茹で終わったものをザルに開けるのがおすすめです。

水切りを行う他の方法

電子レンジ以外にも豆腐の水分を抜く方法は様々です。

どんな方法がある?違いは?

水切りは、①ザルを使う、②キッチンペーパーを使う、③湯通しする、④電子レンジを使う、という4通りの方法が基本です。

一番水分が抜けるのが④の電子レンジを使う方法で、他の方法では水分が抜ける順に②キッチンペーパーを使う方法、③湯通し、①ザルを使う、となります。

ザルを使う

ザルを使って豆腐の水切りをする

水切りの中でも一番簡単なのがザルを使う方法です。豆腐をザルに上げ、10~20分放置するだけである程度水分を抜くことができます。

ザルがない場合は深めのお皿でも大丈夫です。豆腐はそのままでもカットした状態でもどちらでも構いません。ただし、この方法ではしっかり水分が抜けないので、よりしっかり水分を抜きたい方は別の方法がおすすめです。

キッチンペーパーを使う

豆腐をキッチンペーパーに包んで水切りをする

時間はかかりますが、より多くの水分を抜ける手軽な方法がキッチンペーパーを使う方法です。カットする前の豆腐をキッチンペーパーでくるんで20分放置するだけです。水分が抜けすぎることなく、程よく柔らかい食感が残ります。

より多くの水分を抜きたいという方は、バットを豆腐の上にのせ、バットの中に重しをのせて長時間(30~120分)放置しましょう。重しが重いほど、放置する時間が長いほどに水分が多く抜けます。長時間放置する場合は冷蔵庫に入れましょう

容器に押し込めばたくさん水分が抜ける

手早く水分を抜きたい方は、キッチンペーパーを3重にしてパックから出した豆腐に巻き、それをパックに戻して押し込んで水分を抜くという方法があります。この方法は1回でも水分が抜けますが、何度か繰り返すとさらに豆腐から水分を抜くことができます。ただし、作業している間に豆腐がボロボロになってしまうこともあります。

水切り以外の方法

定番の水切りの方法以外でも豆腐の水分を抜くことができます。

塩水に漬けることで水分を抜くこともできる

豆腐を塩水につけ水切りをする

また、豆腐は塩水につけることでも水分を抜くことができます。いわゆる「浸透圧」で豆腐の水分が塩水に移動するので水分が抜けます。

やり方は簡単で、水を張った鍋やボウルに豆腐を入れ、大さじ1程度の塩を入れ20分放置するだけです。ただし、水分が抜ける量は湯通しやキッチンペーパーを使う方法には劣ります。

他にも塩をまぶす方法がありますが、塩分過多になってしまうのでおすすめできません。

冷凍すると水分がたくさん抜ける

豆腐は一度冷凍してから解凍すると水分がたくさん抜けます。ただし、この方法では水分が抜けすぎてしまい、かたくぼそぼそとした食感に変わってしまいます

解凍後の水分が抜けた豆腐は味がとても染みやすく、煮物に使うと食べ応えも出ます。また、木綿豆腐と絹ごし豆腐では解凍したときの食感が異なります。絹豆腐は柔らかく滑らかで、まるで湯葉のような口当たりになります。木綿豆腐はよりかたく、軽い歯ごたえが出るため、煮物や炒め物向きです。

解凍した後の豆腐の食感が好みという方もいます。解凍した豆腐の食感を活かして、そぼろ丼風やステーキ、唐揚げなど、お肉の代わりに使って調理するレシピもあります。

料理ごとのおすすめ水切り方法

豆腐の水切りをする際、料理ごとに水切りの方法を変えると豆腐をよりおいしく食べることができます。

冷奴

冷奴を食べる際、水切りをせずに食べる方も多いと思いますが、軽く水分を抜くことで豆腐のうまみがより感じられ、美味しさがアップします。

冷奴の場合はザルに上げて20~30分放置するか、キッチンペーパーに包んで電子レンジで200Wの設定で1分温めましょう。豆腐は常温になることでも風味がアップします。

味噌汁

味噌汁に豆腐を使う場合も水切りしないことが多いと思いますが、豆腐は味噌を溶かして味付けをした後に入れるので、水切りをしておくと味が薄くなりにくく、味が染み込みやすくなります。

味噌汁の場合はザルに上げておくか、キッチンペーパーに包んで放置しておくのがおすすめです。常温に戻しておくと火が通りやすく、食べたら豆腐の中が冷たかったという失敗も起きにくくなります。

麻婆豆腐

麻婆豆腐に豆腐を使う場合、しっかり水抜きをして水分を抜くことで豆腐に味が染み込みやすくなり、豆腐の水分で味が薄まることを防ぐことができます

豆腐は湯通しまたは電子レンジでしっかり温めて水分を抜きましょう。温かい豆腐は火が通りやすいので煮る時間を短くでき、豆腐を崩さずに仕上げやすくなります。

豆腐ハンバーグ

豆腐ハンバーグのタネづくりでに豆腐を使う場合、しっかり水切りをしてから使わないとタネが水っぽくなってしまい、ゆるくなってうまく成型できず、焼くと崩れてしまいます。

豆腐ハンバーグに使う場合はしっかり水分を抜きましょう。電子レンジでしっかり温めるか、キッチンペーパーでくるんだ豆腐の上に重しをのせて冷蔵庫で長めに置いておきましょう。電子レンジで温めた後は粗熱を取ってから使いましょう。温かいままタネに混ぜるとひき肉の脂肪が溶けてしまい、タネがゆるくなり、旨味もなくなってしまいます。

豆腐を一度冷凍すると水分が抜けやすくなり、ぼそぼそとしたひき肉に食感になるので、冷凍しておいたものを水切りして使うのもおすすめです。

炒め物(ゴーヤーチャンプルーなど)

豆腐をゴーヤーチャンプルーなどの炒め物に使う場合、しっかりと水抜きをしておくと崩れにくくなり、味が染み込みやすくなります。水切りで温めておけば火が通りやすくなり、時短調理にもなります。

豆腐が温かい状態になる電子レンジや湯通しがおすすめです。温めるのが面倒という方は塩水につけたり、塩をまぶしたりするのもおすすめです。適度に水分を抜くことができ、豆腐に下味をつけることもできます。

煮物、すき焼き

煮物やすき焼きに豆腐を使う場合もしっかり水抜きをしましょう。豆腐から水分が出て味が薄まりにくくなり、豆腐にもしっかり味が染み込みます。

煮物に使う場合、電子レンジでしっかり水切りをすると豆腐から水分が抜けすぎてしまい、豆腐が縮んで見栄えが悪くなってしまいます。電子レンジを使う場合は少し短めの時間で温めましょう。また。湯通しもおすすめです。湯通しをすると豆腐独特の臭みが抜けるので、出汁の旨味を感じやすくなります。

サラダ、和え物、おつまみなど

サラダや和え物、ちょっとしたおつまみに豆腐を使う場合も水切りしておくと良いでしょう。水分が出てべちゃっと仕上がりになってしまうのを防ぐことができます。

ただし、水分を抜きすぎるとぱさぱさとした仕上がりになってしまうので、電子レンジや湯通しは避けた方がよいかもしれません。キッチンペーパーでくるんだ豆腐の上に重しをのせて冷蔵庫で長めに置いておきましょう。温まってしまうと美味しくないサラダなどでも冷たいまま使うことができます。