かぼちゃなどの野菜には賞味期限の記載がないので、いつまで食べられるのか心配になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではかぼちゃの賞味期限を保存法別・状態別に紹介します。
かぼちゃを含む野菜や果物などの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。
そのため、かぼちゃはいつまで食べられるのか迷うことがあります。かぼちゃの保存方法によっては最大で1ヶ月保存することができます。
今回は、かぼちゃがどのくらい日持ちするかを保存方法別と状態別でご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
かぼちゃは丸ごとの状態であれば常温で1ヶ月ほど保存可能です。
丸ごとのかぼちゃを新聞紙に包みます。ヘタの部分を下にして包むと、かぼちゃの重みで新聞紙をとめることができます(ガムテープなどで貼り付けるとさらに◎)。かぼちゃが大きい場合は新聞紙を数枚使って全体をしっかり覆いましょう。
新聞紙で包んだら風通しのよい冷暗所で保存します。保存時はヘタが上になるようにして置きます。かぼちゃが畑で育っていた環境になるべく近づけてあげることで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横にした状態で保存すると、元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。
常温保存することでゆっくりと追熟が進み甘みが増します。甘みが増すのは、かぼちゃのでんぷんが糖質に変わるため。甘みとともに栄養価も増します。スーパーなどに並んでいるかぼちゃはすでに追熟が進んでいますが、ご家庭で収穫したかぼちゃは、すぐ食べるのではなく数ヶ月ほど追熟させてから食べるようにしましょう。皮の色がオレンジがかってきたら完熟のサインです。
上述したようにかぼちゃは丸ごとの状態であれば常温保存可能ですが、夏などの温かい季節は冷蔵保存しましょう。丸ごと冷蔵保存すれば夏でも常温保存と同様に2〜3ヶ月保存可能です。
丸ごとだと大きくて冷蔵庫にしまいにくいという場合はカットしてから冷蔵保存しても良いですが、カットしてからだと賞味期限が短くなってしまうので、できれば丸ごとの状態で冷蔵庫に入れることをおすすめします。
かぼちゃは冷凍で1ヶ月保存することができます。
カットしたかぼちゃは冷凍では日持ちしないので、カットしてから保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。カットしてそのまま保存袋に入れても大丈夫ですし、レンジで加熱してから冷凍したりマッシュにしてから冷凍することもできます。いずれも賞味期限は1ヶ月です。
かぼちゃは冷凍してもビタミンB類やCの含有量はほぼ変わりません。β−カロテンに関しては含有量がアップすると言われているので、日持ちするだけではなく栄養面でもメリットがあります。
冷凍したかぼちゃは解凍せず凍ったまま調理に使うのが◎。冷凍かぼちゃは食感や味が少々落ちてしまいますが、マッシュして保存すれば美味しさをキープすることが可能です。
かぼちゃは乾燥させてから保存する場合は常温または冷蔵で1ヶ月保存可能です。
かぼちゃは乾燥させて保存することも可能です。乾燥させることで栄養が増す(ビタミンDなど)、旨みが増すなどのメリットがあります。
おすすめの乾燥方法は天日干しです。皮ごと薄切りにしたかぼちゃをなるべく重ならないようにザルに並べ、3日ほど天日干しをします。途中上下を返すとしっかりと乾燥させることができます。完全に乾燥したら、密閉容器に移して保存しましょう。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
乾燥かぼちゃは味噌汁やスープに加えたり、炒め物としても美味しくいただけます。
カットしたかぼちゃは冷蔵で1週間程保存可能です。
かぼちゃを適度な大きさにカットし、種とワタを取り除きます(種やワタの部分から傷みやすいため)。切り口にぴったりとラップをかけ包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉じてから冷蔵庫で保存します。
丸ごと冷蔵すれば2〜3ヶ月冷蔵保存することができますが、カットしてしまうと傷みやすくなってしまうためあまり日持ちしません。早めに食べきりましょう。
サラダにしたかぼちゃの賞味期限は冷蔵だと2日〜3日程です。調理をしたかぼちゃは当たり前ですが常温保存不可です。必ず冷蔵または冷凍保存しましょう。
マヨネーズなどと混ぜ合わせてしまっていると傷みやすいので、できるだけ早めに食べきるようにしてください。食べる前に酸っぱい臭いやカビの臭いがするなど異変がないか確認してから食べれるか判断しましょう。
たくさん作ってすぐに食べきれない場合は冷凍がおすすめです。冷凍であれば1週間程日持ちします。
ちなみに市販のかぼちゃサラダの賞味期限はメーカーにもよりますが、だいたい1ヶ月程です。これはしっかりと加熱滅菌された状態で密閉されているためです。開封後は手作りのかぼちゃサラダと同様に腐敗していくので3日〜4日を目安に食べきってください。
煮物にしたかぼちゃの賞味期限も冷蔵で2日〜3日です。基本的に調理をしたかぼちゃの賞味期限はとても短いので早めに食べきる必要があります。
かぼちゃの煮物をたくさん作って保存しておく場合は冷凍がおすすめです。冷凍保存しておくことで1ヶ月ほど保存可能です。ただし、冷凍すると食感や風味が悪くなってしまうことが多いです。
美味しく食べるのであれば冷蔵保存して早めに食べきるのがおすすめです。
他の野菜は醤油や酢、オイルなどに漬けて保存することができますが、かぼちゃの漬物保存はNG。かぼちゃの実が水分を吸って食感が柔らかくなりすぎてしまいます。
かぼちゃは、上記で紹介したように常温か冷蔵、冷凍、または天日干しのいずれかの方法で保存しましょう。
かぼちゃを日持ちさせるコツを紹介します。
かぼちゃは固い野菜なのでトマトなどの柔らかい野菜と比較すると丈夫ではありますが、傷がついてしまうと傷口から雑菌が入ってしまうので腐敗する原因になります。
固いからといって乱雑に扱わず、傷がつかないよう丁寧に扱うことが長持ちさせることに繋がります。
出荷する過程で傷がついてしまっていることもあるので、できるだけ表面に傷がついていない綺麗な状態のかぼちゃを購入しましょう。万が一傷がついていた場合は、できるだけ早めに食べきることが大切です。
かぼちゃの最適貯蔵温度は、12~15℃です。かぼちゃは丸ごとの状態であれば常温保存可能ですが、気温が高くなる季節は腐敗してしまいやすいので冷蔵保存や冷凍保存するのが良いでしょう。
また、かぼちゃの最適貯蔵湿度は50~70%です。多湿の環境での保存は腐敗しやすいですし、カビも生えやすくなってしまうので避けるのがベストです。風通しがよく湿度が高くなりすぎない場所で保存しましょう。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
当たり前ですが、新鮮なかぼちゃを購入した方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なかぼちゃには下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際にぜひ参考にしてください。
皮が濃い緑色をしている
皮がかたい
皮にツヤがある
ヘタの切り口が乾いていてくぼんでいる
形が左右対称
ずっしりと重い
種が詰まっていて色が濃い(カットかぼちゃの場合)
果肉のオレンジ色が濃い(カットかぼちゃの場合)
腐ったかぼちゃの特徴は下記の通りです。かぼちゃが腐っているかどうか見分けるときの参考にしてください。
腐ったかぼちゃの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている。
中が変色していてドロっとしている。
溶け出している。
全体的に黒・茶に変色している。
かぼちゃの表面や身の部分に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができるといわれていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。
カットしたときに中が濃い色に変色していて、ドロっとしているなど溶け出している箇所がある場合も腐敗が進んでいる状態なので破棄しましょう。
かぼちゃは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒や茶色に変色してしまっている場合は腐敗しています。
腐ったかぼちゃの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味。
生ゴミ臭。
カビ臭い。
かぼちゃは多少の青臭さはあるものの、本来そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
かぼちゃに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったかぼちゃの触感の特徴は下記の通りです。
指で押すと簡単に潰れるぐらい柔らかい
ぬるぬる・ベタベタする
糸を引いている
かぼちゃは熟していくにつれて柔らかくなりますが、新鮮であればある程度の固さはあります。指で押しただけで簡単に潰れてしまうなど、あまりに柔らかくなりすぎているようであれば腐敗している可能性が高いので破棄しましょう。
また、触ったときにぬるぬるしていたり、ベタベタする、糸を引くといった場合も腐敗が進んでいる状態です。雑菌が増殖している可能性が非常に高いので食べないようにしましょう。
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