豆腐の色が変わっている、おかしな臭いがするといった場合、豆腐が腐っている可能性があります。豆腐は未開封でも腐ることがあるので注意が必要です。この記事では、腐ってしまった豆腐の特徴や、豆腐を腐らせずに保存するコツなどを解説します。
腐ってしまった豆腐の特徴を解説します。
豆腐は腐ると以下のような見た目に変化してしまいます。
豆腐の色が黄色くなる
パックの中の水が白く濁る
パックがぱんぱんに膨張している
白や黒のカビが表面に生えている
豆腐は白いので見た目の変化がわかりやすいです。賞味期限が切れた豆腐の様子が少しでもおかしい場合は食べずに処分したほうが良いでしょう。
なお、豆腐は冷凍すると黄色くなってしまうことがありますが、これは冷凍されることで水分が抜け、大豆本来の色が出てしまっているためです。解凍すると白く戻りますし、食べても問題はありません。
腐った豆腐からは腐った食品特有の酸っぱい臭いがします。また、豆腐は青臭いような臭いが強くなっていることもあります。豆腐から少しでもおかしいような臭いがする場合、要注意です。
また、傷んだ豆腐は、腐敗の原因となるウェルシュ菌やセレウス菌、黄色ブドウ球菌が繁殖することで酸っぱい味になります。臭いや触感に問題がなくても、料理に使ったら料理が酸っぱく仕上がってしまったということもあります。お酢を使っていないのに料理が酸っぱくなってしまった場合、豆腐が腐っていた可能性が高いです。もったいないですが食べずに廃棄しましょう。
また、腐った豆腐からは苦みも感じます。これは雑菌が生み出した毒素によるものです。
使いかけの豆腐をタッパーなどに水を張って保存していた場合、豆腐の成分が周りの水に溶けだし、水が腐ってしまうこともあります。腐った水からはいわゆる生乾き臭と呼ばれるカビの臭いがします。
腐ってしまった豆腐は豆腐本体や周りの水がネバネバとした粘度を持つようになります。また、豆腐本体が妙に崩れやすい場合も腐っている可能性が高いです。
ネバネバしている場合、洗っても原因となる雑菌はなくならないので、あきらめて廃棄しましょう。
賞味期限が切れた豆腐のパックが膨らんでいることがありますが、これは雑菌の繁殖によってガスが発生してしまっているためです。少しでも膨らんでいたら使う前に臭いや触感をしっかり確かめ、様子がおかしい場合は処分しましょう。
賞味期限内でも常温で長時間放置してしまうと雑菌が繁殖してしまい、豆腐のパックが膨れていることがあります。勿体無いですが、食べずに処分しましょう。
とても危険なので腐った豆腐は必ず食べないようにしましょう。
上記の通り、腐った豆腐では雑菌が発生・繁殖し、一部の菌は毒素を生み出しています。これらの雑菌や毒素を摂取してしまった場合、食中毒(腹痛、下痢、嘔吐、発熱など)を起こす可能性があります。
症状は菌にもよりますが、食べてから2~3時間経って出ることが多いです。ただし、数日経ってから症状が出ることもあります。症状が出た場合には病院に行くことをおすすめします。
生の豆腐はもちろん、腐った豆腐を調理に使った場合でも食中毒を起こす可能性があります。
黄色ブドウ球菌は熱に弱いため、加熱調理をすれば死滅させることができますが、ウェルシュ菌やセレウス菌は耐熱性が高いため、加熱調理をしても死滅させることができません。また、雑菌が生み出した毒素も残っています。
調理することで味や臭いがマシになることはあっても食中毒を起こす可能性は残ります。もったいないからと言って腐った豆腐を料理に使うのはとても危険です。絶対に避けましょう。
豆腐の種類ごとの賞味期限を解説します。夏場は賞味期限内でも悪くなってしまうことがあるので要注意です。
豆腐はスーパーなどでも冷やして売られているように、常温で置いておくことはできません。パッキングされていますが、お肉などと同様に雑菌が繁殖しやすく、腐りやすい方に分類される食品なので、必ず冷蔵庫に入れて保存しましょう。
麻婆豆腐などの料理に使う場合、冷蔵庫から出しておいて常温に戻しておくと火が通りやすくなりますが、出しっぱなしにしすぎると傷んでしまいます。常温で置いておくのは長くても2~3時間にしましょう。
豆腐は保存用の水と一緒にパックされた状態で売られていることが多いですが、基本的な賞味期限は、未開封の状態で冷蔵庫に保存した場合、製造から約1週間程度です。
賞味期限から2~3日過ぎた程度であれば食べられることが多いですが、味が落ちてしまっているかもしれません。傷んでしまった豆腐は少しおかしな臭いがするので、よく臭いを確認しましょう。
たくさん買ってしまってすぐに使わない場合はパックごとの冷凍がおすすめです。長く保存しておくことができます。詳しい期間や保存方法は後述の保存方法の項目で解説します。
ちなみに、町中のお豆腐屋さんで売られているような手作り豆腐の場合は、購入から1~2日で使い切ることをおすすめします。手作り豆腐は出来上がりから4時間以内はとても新鮮で風味がありますが、8時間後くらいから香りが弱くなってしまいます。
プラスチックの容器に材料を直接流し込んで固める「充塡(じゅうてん)豆腐」と呼ばれるタイプの豆腐は、製造時に加熱・殺菌されてから空気や水に触れていない状態でパックされているのでとても衛生的で、2週間以上の長期間にわたって保存が可能です。スーパーなどで小さめのサイズで3個パックになっている製品をよく見かけますよね。
絹ごし豆腐に近いなめらかな触感で、材料も絹ごし豆腐と基本的に一緒なので、「充填絹ごし豆腐」という名称も使われています。
高野豆腐は、鎌倉時代に和歌山県北部の高野山で誕生しました。「氷豆腐」や「凍り豆腐」(こおりどうふ)、「凍み豆腐」(しみどうふ)とも呼ばれています。これらの別名からも分かる通り、豆腐を繰り返し凍結・解凍することにより乾燥させているので保存期間が長く、未開封なら賞味期限は製造から半年程度です。冷暗所に保存しておきましょう。
ただし、一度開封してしまうと空気に触れて劣化が進んでしまうので、開封済みのものは冷蔵庫に保存し、1ヶ月以内に使いきりしょう。また、水で戻してしまったけど使わなかったという場合は冷凍保存がおすすめです。この場合、1ヶ月程度は冷凍庫で保存ができます。
ただ冷蔵庫に入れておけばよいというわけではありません。
上記の通り、常温での保存は雑菌繁殖を招くため、必ず冷蔵庫で保存しましょう。入れる場所は冷蔵庫の扉の開閉による温度変化を受けにくい奥の方がおすすめです。
ただし、低温の場所に置くと凍ってしまう恐れがあるので、チルド室やパーシャル室に入れるのは避けましょう。豆腐は凍ると風味や食感が変わってしまいます。
一度パックから出したものの使わなかった、余ってしまったという豆腐はタッパーなどに入れて保存することができます。タッパーの中には豆腐が完全に浸るくらいの水も一緒に入れましょう。
毎日水を取り替えれば2~3日保存できますが、水を替えるのがめんどくさいという方は翌日には使い切ってください。水をちゃんと交換しないと豆腐から出た成分をもとに水の中で雑菌が繁殖してしまい、豆腐より先に水が腐って食べられなくなってしまいます。
また、水なしで保存する方法もあります。保存容器やお皿、バットに豆腐をのせラップ(蓋でも◎)をして冷蔵庫に入れておきましょう。この方法だと水溶性のビタミンB1の流出を抑えることができ、旨味も逃げにくいと言われています。
ただし、豆腐から出る水分をこまめに捨てないと腐ってしまうので要注意です。毎日豆腐から出た水は捨てるようにして、1~2日で使いきりましょう。
豆腐は食感が変わってしまうため、冷凍には不向きともいわれます。
豆腐をたくさん買いすぎてしまったけど、すぐに食べないという場合には冷凍庫で保存することもできます。ただし、豆腐は水分の多い食品であるため、一度冷凍をしてから解凍すると水分がたくさん抜けてしまい、本来の食感よりも固く、ぼそぼそとした食感に変わってしまいます。
ただし、木綿豆腐は、そのままパックごと冷凍することで解凍した際も食感の変化が起きにくく、冷凍前に近い状態で使うことができるので、冷凍保存もおすすめです。冷凍するために移したりする必要がないのも嬉しいポイント。
絹ごし豆腐や充填豆腐のつるつるとした滑らかな食感が好みという方は、冷凍での保存ではなく、冷蔵して賞味期限内で食べきることをおすすめします。
解凍後の水分が抜けた豆腐は味がとても染みやすく、食べ応えも出ます。また、木綿豆腐と絹ごし豆腐では解凍したときの食感が異なります。絹豆腐は柔らかく滑らかで、まるで湯葉のような口当たりになります。木綿豆腐は高野豆腐に近い食感になり、より固くなって軽い歯ごたえが出るため、煮物や炒め物向きです。
解凍した後の豆腐の食感が好みという方もいます。解凍した豆腐の食感を活かして、そぼろ丼風やステーキ、唐揚げなど、お肉の代わりに使って調理するレシピもあります。
豆腐を冷凍する場合、パックごと冷凍するか、小分けにして冷凍しておくのがおすすめです。
パックごと冷凍する場合はパックをジップロックなどの保存袋に入れて2重にすると、パックの表面が傷ついて穴が開く可能性が低くなり、パックの温度変化も最小限に抑えられるのでおすすめです。
冷凍した豆腐は1ヶ月程度保存しておくことができます。特売などでたくさん購入したら冷凍して保存しましょう。
一度パックから出したものの使わなかった、余ってしまったという豆腐や、大きいサイズの豆腐は使いやすいように小分けにして保存しましょう。小さくカットすることで短時間で解凍でき、使う際も便利です。
使いやすい大きさにカットしたらキッチンペーパーで水分をふき取り、1つずつラップに包んで冷凍しましょう。ラップで包んだ豆腐をさらにジップロックなどの保存袋に入れて保存すると鮮度を保って保存できます。
ラップで包まないと水分が抜けやすくなってしまうほか、くっついてしまうので少しずつ使うことができなくなります。
冷凍した豆腐は冷蔵庫に移してゆっくり解凍するのがおすすめですが、豆腐は水分量が多いために熱伝導率が悪く、パックごと凍らせたものでは解凍には丸一日以上かかってしまうことも。ただし、常温での解凍はムラが生じやすく、時期によっては出しっぱなしにすることで傷んでしまうこともあります。
急いでいる場合は使う前日のうちに冷蔵庫に移しておき、使う3時間くらい前から常温で放置するとスピーディーかつムラが生じにくく解凍できます。
電子レンジや湯煎でも解凍できますが、うまく解凍できなかったり、温まりすぎて水分が抜けすぎてしまったりします。また、水やお湯で流したり、漬けておいたりすることでも解凍できますが、栄養素や旨味が逃げてしまうので、おすすめはできません。
冷凍していた豆腐は解凍時に水分がたくさん出るので、一度開封したものはキッチンペーパーに包んで水切りバット(またはザル)の上に置いておきましょう。
腐っているわけでもなく、むしろ腐りやすい豆腐はなぜ「腐」という感じが使われているのでしょうか。
豆腐はもともと寺院の食べ物として中国から伝来したもので、漢語での呼び名である「豆腐」をそのまま使っています。豆腐の伝来時期は定かではありませんが、古くは奈良時代には食べられていることが確認されています。
「腐」は「腐敗」のという意味ではなく、中国でヨーグルトのことを「乳腐」と呼ぶように、液体に近い固体も指すことから、大豆から造られる柔らかいテクスチャーの食べ物が「豆腐」と名付けられたとされています。
豆腐を「おかべ」と呼ぶことがあります。鹿児島の方言と言われることもありますが、鹿児島以外の地域で呼ばれることもあり、この「おかべ」を屋号に使用している豆腐製造メーカーもあります。
漢字にすると「御壁」であり、由来は豆腐が白い壁に似ているところに女房ことばの「お」をつけたものという説と、豊臣秀吉の朝鮮征伐の際、岡部某が製法を習得して一般に普及させたものだからだという2説があります。
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