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トマト缶に白カビ...食べられる?原因と対処法は?加熱すればOK?

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トマト缶に白カビ...食べられる?原因と対処法は?加熱すればOK?

トマト缶などの缶詰は加熱滅菌されているため賞味期限が長いのが特徴ですが、開封後は他の食材と同様に白カビが生えてしまうことがあります。本記事では白カビが生えてしまったトマト缶は食べられるのかどうか紹介します。

白カビが生えたトマト缶の特徴

トマト缶には白カビが生えてしまうことがあります。白カビが生えてしまったトマト缶の特徴は下記の通りです。

白いふわふわとしたホコリのような物体がついている

トマト缶に白いふわふわとしたほこりのような物体がついている場合は、白カビが生えてしまっている状態です。

しかし、白いふわふわしたほこりのような物体がついている場合は高確率で白カビです。未開封の状態では加熱滅菌されている上に密閉されているので、カビが生えることはありません。しかし、一度開封してしまうと空気中に舞っている白カビの菌が付着してしまい、白カビが生えてしまいます。

特にトマト缶は水分量が多いので、カビが生えやすいです。開封後は白カビが生えないように正しく保存しておくことが大切です。

カビ臭い

白カビが生えてしまった場合、トマト缶全体がカビ臭くなってしまっていることが多いです。

カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。

白カビが生えているように見えなくてもカビ臭さがある場合は、カビの胞子が入り込んでいる可能性が高いので注意してください。

青カビや黒カビが生えることも

トマト缶に生えるカビの種類は白カビだけではありません。青カビや黒カビが生えることもあります。

青カビも食品に生えることが多いカビの種類で、青(緑)っぽく変色するのが特徴です。青カビの原因はアオカビ属(ペニシリウム属)の病原菌です。アオカビ属(ペニシリウム属)には約300種類以上の菌があり、中にはゴルゴンゾーラなどのチーズの製造に用いられる青カビもあります。アオカビ属(ペニシリウム属)は低温度でも極微量の栄養物に発育しカビ臭を放つので、臭いでカビが生えていると判断することができます。

黒カビは、クラドスポリウム属の病原菌で、170種以上いると言われています。その中でも代表的な黒カビは、クラドスポリウム・クラドスポリオイデスとクラドスポリウム・スフェロスパーマムです。黒カビも空気中に舞っていて、繁殖できる場所を見つけると一気に増えていきます。多湿の場所を好み、食べ物以外でもお風呂のサッシやエアコンの内部などに多く見られます。

ただし、トマト缶の種類によってはバジルやにんにくなどの原材料が黒いつぶつぶになって入っていることがあります。この場合は黒カビではないので食べても問題がないのですが、判断が難しい場合は原材料を確認し、カビ臭がしないかチェックしてから判断してください。

白カビが生えたトマト缶は食べられる?

白カビなどのカビが生えてしまったトマト缶の特徴はおわかりいただけたでしょうか。続いて、白カビが生えたトマト缶は食べることができるのかどうか解説します。

カビが生えたら食べられない

トマト缶に白カビなどのカビが生えてしまった場合は、残念ながら食べることはできません。

一部のみに生えている場合、スプーンなどで取り除けば食べられるのではと考える方もいらっしゃるかと思いますが、上述したようにカビの胞子は目に見えないほど小さいです。目に見える範囲のカビを取り除いても見えない部分にもカビの胞子が侵食してしまっている可能性が高いので破棄しましょう。

カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性が高いです。小さなお子様や高齢者の方など免疫力がない方が食べる場合は特に注意してください。

加熱をしてもNG

「少しカビが生えていても加熱すれば大丈夫でしょ」と考える方も多いかと思いますが、カビの菌は熱湯をかけるなどの加熱処理をしても安全に食べられるということはないので注意しましょう。

実際にはカビの菌も多くは熱に弱いといわれていますが、カビの種類によっては加熱をしても死滅しない場合があります。また、一旦カビが繁殖すると菌が死滅しても「カビ毒」を発生させることがあり、中毒症状を引き起こす可能性もあります。カビ毒は加熱で除去することはできません

カビが生えたら必ず破棄してください。

出典:カビとカビ毒についての基礎的な情報(農林水産省)

カビが生えたトマト缶を食べてしまったら・・・

トマトに限らずカビが生えてしまった食材を食べてしまうと、上述したようにカビ毒による中毒症状がでる可能性があります。

また、カビが生えているということはカビ菌以外の細菌が繁殖している可能性もあります。細菌の種類によっても異なりますが、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出ることがあるので、注意が必要です。

万が一食べてしまって食中毒の症状がでた場合は、速やかに病院を受診しましょう。自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。

出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)

カビが生えたトマト缶の捨て方

カビが生えてしまったトマト缶の捨て方を紹介します。

カビが生えてしまったトマト缶を捨てるときは、まず中身と缶を分別する必要があります。決して中身が入ったまま缶・ビンの日に捨ててしまうようなことはしないでください。

新聞紙を入れたビニール袋に中身を入れる

まず、カビが生えてしまったトマト缶の中身を缶から取り出します。

トマト缶は水っぽいので、ビニール袋の中に新聞紙を入れてからトマト缶の中身を入れましょう。そうすることで、新聞紙がトマト缶の水分を吸ってくれます。

また、新聞紙のインク(カーボン)には臭いを吸着・消臭する作用があるので、腐敗したトマト缶の臭いを軽減する効果も期待できます。

ビニール袋にトマト缶を入れたらしっかり口を縛って生ゴミまたは燃えるゴミとして破棄します。

缶本体を綺麗に洗う

トマト缶の中身をビニール袋に移したら、缶を綺麗に水洗いします。

水洗いしたら、しっかりと水分を拭き取ってください。濡れたままごみ袋に入れてしまうと水分に雑菌が増殖して臭いがきつくなってしまいます。キッチンペーパーなどで水分を拭き取るか、自然乾燥させます。

洗った缶が乾いたら、ビニール袋に入れます。缶詰は尖った部分が多いのでビニール袋に入れておくと怪我の心配なく捨てることができます。

フタはどうすれば良い?

フタは非常に鋭く単体で捨ててしまうと手を切ってしまう危険性があります。そのため、フタは缶の中に入れて捨てることをおすすめします。

ただし、フタの分別方法については地域によっても異なるので、お住まいの地域の分別方法を確認してください。

ラベルも分別する

トマト缶によっては缶の周りにラベルがついていることがあります。この場合は、缶についたままにするのではなく剥がして分別しましょう。

紙のラベルの場合は、濡らしてしまうと剥がしにくくなってしまうので、洗う前に剥がしておいてください。万が一そのまま洗ってしまった場合は、缶を乾かしてから剥がすと剥がしやすいです。

トマト缶の正しい保存方法

トマト缶に白カビを生やさないためには、正しく保存することが大切です。特に開封後は傷みやすいので、保存方法には注意が必要です。

未開封は常温保存(1年〜2年)

未開封のトマト缶は、直射日光の当たらない場所で常温保存可能です。

未開封のトマト缶の賞味期限は製造メーカーによっても異なりますが、だいたい1年〜2年です。缶詰や紙パックの場合は、しっかりと殺菌された状態で完全に密封されているため鮮度が落ちるのを防ぐことができるので、常温でも長持ちするのが特徴です。

万が一賞味期限を過ぎてしまっていても、開けてみて異臭がするなどの異変が見られなければ食べることができます。ただし、缶詰めが膨らんでしまっていたり、穴が空いてしまっている場合は細菌が繁殖している可能性が高いので破棄するのが無難です。

<消費期限と賞味期限の違い>

消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。

賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。

出典:食品の期限表示について(農林水産省・厚生労働省)

開封後は冷蔵保存(2日〜3日)

開封したトマト缶は常温保存不可です。開封後は冷蔵または冷凍保存する必要があります。

冷蔵保存だと2日〜3日日持ちします。未開封の場合は1年〜2年と長持ちしますが、あくまでも未開封の状態である場合なので、開封したら早めに食べきりましょう。

開封後のトマト缶はそのまま冷蔵庫に入れるのではなく、清潔な容器に移し替えて冷蔵庫に入れます。

開封後のトマト缶をそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、空気中の酸素に触れて酸化し鮮度が落ちてしまいます。また、缶自体の開口部や内部が腐敗する恐れがあります。缶が金属製であるため、食品の酸と反応して酸化しやすくなり、缶自体が錆びる原因となりえるのです。

さらにそのまま保存してしまうと鉄などの金属イオンがトマトに溶出し、その結果として食品の味が変わることがあります。これは、金属イオンがトマトの自然な風味を変えてしまう可能性があるからです。

そのため、開封後のトマト缶はできるだけ早くガラス製やプラスチック製の容器に移し替えてから冷蔵保存することをおすすめします。

冷凍だと(1ヶ月)

開封後のトマト缶は冷凍すると1ヶ月保存可能です。すぐに使い切れない場合など長く保存したいときは冷凍保存がおすすめです。

冷凍保存する場合は保存袋に入れたら、できるだけ平らにしてしっかり空気を抜き密閉します。しっかりと密閉したら急速冷凍しましょう。

トマト缶に限らず、食材を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。