二週間前に買ったしいたけの存在を忘れていて、食べられるのか不安になったことがある方は多いのではないでしょうか。しいたけを含む生鮮食品は賞味期限の記載がないので判断が難しいですよね。本記事では二週間前に買ったしいたけは食べられるのかどうか解説します。
しいたけを含む野菜や果物などの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。そのため、しいたけを購入したことを忘れて冷蔵庫に入れっぱなしにしてしまった場合など、食べられるのかどうか判断に迷ったことがある方も多いかと思います。
しいたけは鮮度が落ちやすく傷みやすい食材であるため、二週間も経っていたら食べられないのでは?と思う方が多いと思いますが、正しく保存できていれば二週間経っても腐敗せず美味しく食べることができます。
反対に、保存状態が悪い場合は腐敗していることがあります。
そのため、二週間前に買ったしいたけは腐敗のサインが見られないかきちんとチェックしてから判断する必要があります。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
腐敗していても加熱をすれば食べられるのではないかと考える方も多いかと思いますが、しいたけに限らず腐敗してしまった食材は加熱しても安全に食べられるということはありません。
加熱をすれば死滅する細菌もいますが、死滅しない細菌もいます。揚げ物にするなど高温で加熱したとしても食中毒の症状が表れる可能性があるので必ず破棄してください。
そもそも腐敗したしいたけは、味や食感も悪いので美味しく食べることはできませんので、勿体ないですが無理して食べる必要はないでしょう。
最も注意しなければいけないのは、買ったときのままパックに入った状態・袋にいれたままの状態で保存してしまっているときです。
しいたけを含むきのこ類全般は水けに弱い食材です。そのため、保存する際はしっかりと湿気対策を行い、乾燥した状態を保って保存する必要があります。
しいたけは栽培時にある程度の湿度を必要としますが、保存時は必要ありません。購入した時のパックやビニール袋のまま保存すると、すぐに傷んでしまうのでNG。
購入してそのまま冷蔵庫に入れてしまっている場合は、しっかりと腐敗のサインが見られないかチェックしましょう。
腐敗したしいたけの特徴を紹介します。二週間前に購入したしいたけが食べられるかどうか判断するときの参考にしてください。
腐ったしいたけの見た目の特徴は下記の通りです。
青・緑のカビが生えている
表面・軸・断面が全体的に黒・茶色に変色している
しいたけに青(緑)の付着物がある場合は、青カビが生えている可能性が高いです。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出る可能性があるため、食べることはできません。破棄しましょう。
また、表面や軸、カットしたときの断面など全体的に濃い黒色や茶色に変色している場合も、腐敗しています。
腐ったしいたけの臭い・味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
アンモニア臭がする
カビ臭い
しいたけは独特の臭いがする食材ですが、酸っぱい臭いがする場合は腐敗しています。酸っぱい臭いがする原因はトリコデルマと呼ばれるカビ菌です。このカビ菌が増殖するとしいたけは腐敗し、酸っぱい臭いがします。酸っぱい臭いや味がするときは破棄しましょう。
また、しいたけは腐敗が進むとアンモニア臭がすることも多いです。あきらかに普段のしいたけとは異なる臭いがする場合は破棄するのが無難です。
さらに、カビ臭い場合も注意が必要です。目視ではカビが生えていることを確認できなくても、カビの菌は目に見えないほど小さいので、見えない部分にカビ菌が入り込んでしまっている可能性があります。カビを目視で確認できなくても、カビ臭い場合は破棄するのが良いでしょう。
腐ったしいたけの触感の特徴は下記の通りです。
ぬめりがある
はりがなく柔らかい
しいたけは、腐敗が進むとぬめりが出てきます。ぬめりが出ているということは、雑菌が増殖している可能性が高いので、食べてしまうと食中毒を引き起こす可能性があります。雑菌の全てが食中毒を引き起こすわけではありませんし、加熱をすれば死滅する場合もありますが、破棄するのが無難です。
また、張りがなく全体的に柔らかくなってしまっている場合も腐敗が進んでいる状態ですので破棄しましょう。
一見腐敗しているように見えても、腐敗していない場合があります。
しいたけの表面に白いふわふわとしたほこりのようなものがついていることがあります。一見白カビに見えるので腐敗していると思われることが多いのですが、これは腐敗しているわけではありません。
しいたけは、菌糸と呼ばれる糸状の菌が集まってできている菌類の一種です。しいたけの表面に見られる白いカビのような物体は、「気中菌糸」と呼ばれるしいたけの一部です。気中菌糸はしいたけの一部が菌糸に戻ったものなので食べても身体に害はありません。気になる場合は、キッチンペーパーなどで軽く拭き取ってから食べましょう。
気中菌糸はしいたけが空気に触れることで増えやすくなります。しいたけを保存する際には、密閉のできる保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いた状態で保存することがおすすめです。これにより気中菌糸の増加を防ぎ、しいたけの鮮度を保つことができます。
ただし、しいたけの表面に見られる白いサラサラとした粉状の物体は、カビの可能性があります。このような粉状物体が見られた場合は、カビの発生が始まっている可能性があるため、食べる前に注意が必要です。
しいたけは傘の裏や石づき付近が赤やピンクに変色することがあります。この変色も一見カビが生えたと思われることが多いですが、カビではありません。
変色の原因はしいたけに含まれるチロシンが、酵素であるチロシナーゼの働きによって酸化したことが原因による変色です。
チロシンには毒性はないので酸化して変色してしまっても食べることができます。
しいたけの表面が湿っぽくなっていたり濡れている場合も、変色や異臭がするなどの腐敗のサインが見られない場合は、腐敗しているわけではないので食べることができます。
しいたけは、呼吸を行いながら内部の水分を放出します。そのため、パックのまま保存している場合など密閉された状態が続くと、内部の湿度が上昇し表面が蒸れて湿っぽくなってきます。
単に蒸れて湿っぽくなっているぶんには食べて問題ありませんが、そのままの状態で保存していると鮮度は落ちますし腐敗していってしまうので注意しましょう。
ただし、湿っている・濡れているだけではなく、ぬめりもあるようであれば雑菌が増殖している可能性があるので破棄するのが無難です。
しいたけを日持ちさせるには、やはり正しく保存することが大切です。上述したように購入したときのパックや袋に入れた状態で保存していては傷みやすいです。
ここからはしいたけを日持ちさせることができる正しい保存方法を紹介します。保存期間の目安も記載しますので、保存期間を目安に早めに食べきりましょう。
すぐに食べる場合のみ、常温保存が可能です。ただし、購入時のまま保存するのではなく、キッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷暗所で保存するようにしましょう。しいたけを常温で保存する場合の日持ちの目安は1〜2日です。
すぐに使わない場合は、常温以外の方法で保存するようにしましょう。
しいたけを1週間〜10日ほど保存したい場合は冷蔵保存がおすすめです。キッチンペーパーで包み湿気対策をしてから冷蔵室もしくは野菜室で保存します。
石づき(軸の先端部分)をつけたまま、2〜3個ずつキッチンペーパーで包みます。ポリ袋に入れ軽く口を閉じ、カサを下(軸を上)にして保存します。
しいたけを保存する際は、カサが下になるように置くのが基本です。カサを上にしてしまうと、カサの裏面(ひだ)についている胞子(細胞)が落ち、しなびたり黒ずんだりしてしまい傷みやすくなってしまいます。
しいたけを2週間以上日持ちさせたい場合の保存方法は下記の通りです。
しいたけを塩やオイルなどに浸けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぐことができます。大量消費にもおすすめです。しいたけの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
しいたけの軸とカサを切り離しさっと茹でます。キッチンペーパーでしっかり水けを拭き取り密閉容器に入れます。塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。
塩の量ですが、基本的にはしいたけの重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにしいたけを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
塩漬けしたしいたけはスープやサラダ、炊き込みご飯などの具材としておすすめです。
オイルに浸けて保存する際も下茹でをします。キッチンペーパーで水けをしっかりと取ってから密閉容器に入れ、100mlのオリーブオイルと小さじ1弱の塩を加えフタをし、冷蔵庫で保存します。
オイル漬けしたしいたけはそのまま炒め物やパスタなどに使用すると◎。
しいたけは冷凍することで旨みが増します。細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨みや栄養分が溶け出し体内で吸収しやすくなります。冷凍したしいたけは1ヶ月程度日持ちします。長期保存しない場合(すぐに使う場合)でも冷凍保存はおすすめです。
石づきを切り落とし、軸とカサに切り分けて保存します。軸は捨ててしまう方もいらっしゃるかと思いますが、実は一番香りが強い部分で、美味しく食べられます。軸はラップに包んでまとめ、冷凍保存袋にカサと一緒に入れ密封します。
軸の根元を掴み、反対の手でカサを掴んでくるっとひねることでも軸とカサを切り離すことができます。包丁まな板いらずで事前処理が楽に済みます。
丸ごと冷凍したしいたけは、常温に1〜2分ほどおけば包丁で簡単に切れます。料理に合わせてカットし凍ったまま使用しましょう。解凍すると水分が抜けて食感が悪くなってしまいます。
軸の部分は冷凍すると食感が変わってしまいますが、薄く切ってスープや炊き込みご飯、炒め物などに使用するのがおすすめです。
お好みの大きさにカットしてから冷凍すると、調理の時すぐに使用することができて便利です。
石づきを切り落として、軸とカサを切り離し、それぞれお好みの大きさ(薄切りなど)にカットします。平らになるように冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。金属製バットの上で冷凍すれば短時間で凍らせることができます。
カットして冷凍したしいたけは解凍せず凍ったまま使用します。煮物や炒め物、炊き込みご飯などに◎。
冷凍する前に茹でたり蒸したりして加熱処理することを「ブランチング」といいます。活性酸素の働きを止めることで変色しづらい、食感や味が悪くなりづらい、解凍後加熱せずに使えるなどのメリットがあります。特に家庭用の冷凍庫では瞬間冷凍ができないので、一度下茹でしてから冷凍するのをおすすめします。
しいたけの栄養成分の流出を最小限に抑えるため、茹で時間は短くします。しっかりと粗熱が取れてから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
下茹でして冷凍したしいたけも、解凍せずに凍ったまま使用します。和え物などに使用する場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍してから使用しましょう。
その他にも塩漬けやオイル漬けにして保存したり、天日干しやオーブンでしいたけの水分を抜いて乾燥保存することもできます。しいたけの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
しいたけは乾燥させて干ししいたけにして保存するのもおすすめです。乾燥させることで保存期間が伸びるのはもちろんですが、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。天日干しして栄養価がアップするのは実はしいたけだけです!
乾燥させたしいたけは常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
柄の部分は味噌汁や鍋などでだしを取る際に大活躍します。
しいたけのカサを下にしザルに並べます。2日ほど天日干しし、乾燥したらポリ袋などに入れて常温で保存します。
しっかりと干したい場合は薄くスライスしてから干すのがおすすめです。
干したしいたけを戻すには、軽く水洗いし、カサの裏が水に浸るようにつけ、ラップを水面に密着させて冷蔵庫に入れ一晩起きます。しいたけの軸をつまんで柔らかくなったら◎。
天日干しでビタミンDが10倍に!?
日の当たらない室内で栽培されたしいたけには、実はビタミンDはほぼ含まれていません。しいたけに含まれる「エルゴステロール」が紫外線を浴びることでビタミンDへと変化するのです。そのため、すぐに使用する場合でも、30分ほど天日干しするのがおすすめです。
ビタミンDだけでなく食物繊維やビタミンB1の量も10倍にアップし、美容効果も期待できます。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にしいたけを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にしいたけを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
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