しいたけを冷凍するときにカットすべきかどうか迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではしいたけを冷凍するときにカットすべきかどうか、冷凍するときのおすすめのカット方法などと合わせて紹介します。
しいたけは丸ごと冷凍することもできますが、カットしてから冷凍することをおすすめします。
しいたけをカットしてから冷凍する利点はいくつかあります。まず第一に、カット済みのしいたけは調理の準備が簡単です。冷凍庫から取り出し、そのまま調理に使用することができます。解凍作業を行う必要がないため、時間を節約できます。
第二に、カットしたしいたけは調理時に均一に加熱されやすいです。しいたけは水分を多く含んでいるため、解凍すると水分が抜けてしまい、食感や風味が損なわれることがあります。しかし、カットしたまま冷凍すると、調理時に均一に加熱され、しいたけ本来の食感や風味を保つことができます。
また、カットしたしいたけは冷凍保存後も使いやすい量を取り出すことができます。丸ごと冷凍すると、一度に使い切れる量以上のしいたけを解凍しなければなりませんが、カットしたものなら必要な分だけ取り出せます。
しいたけは冷凍しても食感がほとんど変わりませんが、解凍してしまうと水分が出てきてしまい水っぽくなってしまいます。
水っぽくなってしまうとしいたけの風味や味が薄くなってしまいますし、べちゃっとしてしまって食感が悪くなってしまうので、解凍せずにそのまま加熱調理するのがベストです。
上述したように、丸ごとだと解凍しないとカットすることができないので、カット済みの状態で冷凍しそのまま加熱調理するのがおすすめです。
冷凍保存するしいたけは、洗わずに冷凍して大丈夫です。そもそも、しいたけは調理をするときも水洗い不要の食材です。
例えば、じゃがいもなどの土壌で育つ野菜は水洗い必須です。これは、綺麗に見えても土壌由来の細菌が必ずといっていいほどついているためです。そのため、土壌で育つ野菜は水洗いして土汚れや泥汚れ、細菌を綺麗に落とす必要があります。
一方しいたけの場合は、主に原木栽培と菌床栽培の2つの方法で栽培されており、土汚れがついたり土壌由来の細菌がついてしまうことはありません。また、スーパーなどで販売されているしいたけは、虫食いやカビ、汚れなどの不良品を取り除くために慎重に選別されており、しいたけの表面に付着している樹皮や小石などの異物も取り除かれます。しいたけは栽培後に清潔な状態で市場に出荷されているので、洗わず調理したり保存しても衛生面上問題がないといえます。
洗ってしまうと余計な水分まで凍ってしまい、解凍されたときにベチャっとしてしまうので、洗わずに冷凍するのが◎汚れが気になる場合は濡れたキッチンペーパーや布巾でふきとるか、カサを軽く叩いてゴミを落とす程度に留めましょう。
しいたけをカットしてから冷凍するメリットはおわかりいただけたかと思います。続いて、しいたけを冷凍するときのおすすめのカット方法を紹介します。
肉詰めにしたり、丸ごと煮物したい、ステーキにしたいといった場合は石づきとカサをバラバラにして冷凍がおすすめです。
丸ごと冷凍しても良いのですが、上述したように丸ごと冷凍すると凍ったときに軸が固くなってしまいカットしづらくなってしまいます。そのため、あらかじめカサと軸はバラバラにして冷凍しましょう。
軸は捨ててしまう方もいらっしゃるかと思いますが、実は一番香りが強い部分で、美味しく食べられます。
軸はラップに包んでまとめ、冷凍保存袋にカサと一緒に入れ密封します。
軸の根元を掴み、反対の手でカサを掴んでくるっとひねることでも軸とカサを切り離すことができます。包丁まな板いらずで事前処理が楽に済みます。
軸はそのまま冷凍しても大丈夫ですが、手で割くか包丁で薄くカットしてから冷凍しておくとカサの部分と一緒に調理しやすいのでおすすめです。
いちょう切りは、その名の通りイチョウの葉の形になるようにカットする方法です。扇の形にも似ているので「扇切り」ともいわれます。
いちょう切りにして冷凍したしいたけは、肉厚な食感を楽しむことができるので、炒め物や煮物におすすめです。
しいたけをいちょう切りにするときは、まずカサと軸を切り離します。カサと軸を切り離したら、カサの部分を4等分にして完了です。
スープにしたい場合やあんかけ、炊き込みご飯に使いたい場合は薄切りがおすすめです。薄切りにしたしいたけは、火の通りが早いのでさっと一品作りたいときにも非常に便利です。
薄切りにしたい場合は、カサを端から一定の厚さでカットしていきます。
ハンバーグの種や肉団子などに混ぜ込んで使いたい場合は、みじん切りにして冷凍すると良いでしょう。みじん切りにしたしいたけを加えることで、旨味がプラスされますし食感がアクセントになります。
みじん切りにするときは、一度薄切りにしてからそろえて横向きに置き、刻んでいきます。しいたけは加熱すると水分が出て縮むので、あまり細かくカットする必要はありません。
そもそも冷凍するメリットは何なのか紹介します。
しいたけを冷凍すると1ヶ月程保存可能です。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気にふれて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
しいたけは正しく保存すれば常温で1日〜2日、冷蔵でも7日〜10日程しか日持ちしません。そのため、長く保存したい場合は冷凍保存するのがおすすめです。
野菜など食材によっては、冷凍することで味が薄くなってしまうことがあります。
しかし、しいたけの場合は冷凍することで旨みが増します。細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨みや栄養分が溶け出し体内で吸収しやすくなるのです。
そのため、しいたけをすぐに使う場合でも冷凍保存はおすすめです。
冷凍することで栄養価も下がってしまうのではないかと思う方も多いと思います。茹でてから冷凍する場合は、冷凍に関係なく茹でる段階で水溶性の栄養素が流出してしまいますが、基本的に冷凍によって野菜の栄養価が大きく下がってしまうことはありません。
冷凍したしいたけの栄養素については詳しく記載された資料はないため詳細は不明ですが、冷凍によって大きく栄養価が下がることはないとされています。
むしろ、冷凍することによって細胞が壊れることで栄養が出てくるので、体内へ効率的に吸収できることがわかっています。
しいたけに限らず冷凍した食材は美味しくないと感じたことがある方も多いでしょう。食材の多くは冷凍すると食感が悪くなってしまったりします。しいたけも同様に正しく冷凍しないと不味くなってしまうので、美味しく冷凍するコツを紹介します。
しいたけは鮮度が落ちるのが早い食材です。鮮度が落ちて傷んでくると、臭いがきつくなったり食感が悪くなってしまいます。
冷凍保存すれば長期間保存できるとはいっても、冷凍するからといって新鮮な状態に戻るわけではありません。そのため、すでに鮮度が落ちているしいたけを冷凍すると、やはりまずいと感じます。冷凍保存するときは新鮮な状態のしいたけであることが大切です。
新鮮なしいたけの見分け方は下記の通りです。
カサに丸みがあり肉厚で、開いていない
カサの表面が茶褐色
カサの裏面が白く薄い膜を張っている
柄が太くて短い
ひだが細かくて白い
冷凍する前に茹でたり蒸したりして加熱処理することを「ブランチング」といいます。活性酸素の働きを止めることで変色しづらい、食感や味が悪くなりづらい、解凍後加熱せずに使えるなどのメリットがあります。特に家庭用の冷凍庫では瞬間冷凍ができないので、一度下茹でしてから冷凍するのをおすすめします。
しいたけの栄養成分の流出を最小限に抑えるため、茹で時間は短くします。しっかりと粗熱が取れてから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
下味をつけてから冷凍するのも、調理をするときに楽なのでおすすめです。
お好みの大きさにカットししんなりするまで炒めます。しょうゆ・みりん・砂糖をそれぞれ少々加え味付けをします。塩こしょうで味付けをするのも◎。 しっかりと冷ましてから、平らになるように冷凍用保存袋に入れ密封し冷凍室へ。
しいたけを保存袋に入れたら、しいたけ同士が重なってしまわないようになるべく平らにしましょう。
重なってしまうと使うときにバラバラにするのが難しく使いにくくなってしまいます。また、くっついてしまうと細胞や繊維が壊れてしまい食感が悪くなったりもします。
量が多いと難しいですが、どちらか片方に偏っていたりしないように平らにして冷凍庫に入れてください。
しいたけを保存袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉することを心がけましょう。
空気は熱伝導率が低く、凍るまでに時間を要してしまいます。また、空気により酸化が進みやすくなり、しいたけが傷んでしまう原因となります。空気が入らないようにしっかりと口を閉じるのがポイントです。
また、しっかりと密閉しておくことでしいたけに冷凍庫の臭いがついてしまって、風味が悪くなってしまうのを防ぐことができます。
しいたけに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
また、冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいますし腐敗してしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍したしいたけから酸っぱい臭いや味がする場合は腐敗している状態なので、破棄しましょう。
冷凍したしいたけを美味しく食べることができるおすすめの調理法を紹介します。
冷凍しいたけは煮物にするのにおすすめです。
煮物は調理の過程で時間をかけて火を通すことで、しいたけの繊維に含まれる旨味成分や風味がしっかりと引き出されます。冷凍しいたけは凍った状態から加熱するため細胞壁が破壊され、内部の旨味成分がより容易に溶け出す特徴があります。
煮物の場合、しいたけを一緒に煮込むことで、しいたけの旨味が他の具材や出汁と絡み合い、相乗効果で深い味わいが生まれます。しいたけの風味も豊かに広がり柔らかく煮込まれた食感も楽しむことができます。
冷凍しいたけは炒めものにするのもおすすめです。
凍っているしいたけは加熱することで水分が出てきますが、炒めものであれば蒸発するのでしいたけの風味が凝縮されます。また、凍った状態から炒めることでしいたけの食感もしっかり残ります。
例えば、野菜や肉と一緒に炒めて炒め物や炒飯にすると良いでしょう。また、しいたけを主役にした炒めものもおすすめです。調味料や香辛料を適宜加えることで、より一層の美味しさを楽しむことができます。
炒めものは手軽で簡単な調理法ですので、おかずにあと一品何かほしいといった場面にも便利です。
冷凍しいたけは解凍せずに炊き込みご飯を作ることもできます。
冷凍しいたけを使うことで、しいたけの旨味や風味がご飯に広がります。また、凍ったまま炊くことでしいたけの食感もアクセントとなります。
しいたけの炊き込みご飯は、そのまま食べるだけでも美味しく楽しめますし、他の具材と組み合わせてバリエーションを増やすこともできます。例えば、鶏肉や椎茸の他の部位と一緒に炊き込んで、豪華な香りや味わいを楽しむことができます。
冷凍しいたけはスープなどの汁物にするのもおすすめです。
冷凍しいたけをスープに加えるとしいたけの旨味がスープ全体に広がり、風味豊かな味わいが生まれます。また、しいたけにはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も含まれていますので、スープを通じてその栄養を汁ごと摂取することができます。
しいたけを主役とした濃厚なキノコスープや、しいたけを加えて旨味を引き立てた野菜スープなど、様々なレシピがあるので、お好みの具材、味付けで楽しんでみてください。
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