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しいたけを冷凍すると栄養素は変化する?正しい保存方法を解説

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しいたけを冷凍すると栄養素は変化する?正しい保存方法を解説

食材を冷凍すると長く保存することができますが、栄養が減ってしまうのではないかと心配な方も多いかと思います。本記事ではしいたけを冷凍したときの栄養について紹介します。

しいたけの主な栄養素と成分

しいたけ100gあたりに含まれている栄養は下記の通りです。

  • たんぱく質…3.1g

  • 炭水化物…6.4g

  • 脂質…0.3g

  • 食物繊維…4.9g

  • ビタミンB1…0.13mg

  • ビタミンB2…0.20mg

  • ビタミンD…0.3μg

  • カリウム…290mg

  • マグネシウム…14mg

しいたけには、ビタミンB郡やビタミンD、食物繊維などが豊富に含まれています。

また、エリタデニンと呼ばれる成分も含まれています。エリタデニンはマッシュルームにも含まれていますが、微量なのでしいたけ特有の成分といっても良いでしょう。

エリタデニンは、悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、血流をよくして血圧を低下させる効果があるといわれています。

出典:日本食品標準成分表2020年版 八訂(文部科学省)

しいたけは冷凍すると栄養はどうなる?

冷凍すると栄養を吸収しやすくなる

食材によっては冷凍することでビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうため、栄養が減ってしまうことが懸念されることがあります。

しいたけの場合も水溶性の栄養素の流出は避けられませんが、そもそもそこまで水溶性の栄養素は多く含まれていないので大きく栄養を損なうということはありません。

むしろしいたけは、冷凍することで細胞壁が壊れ、加熱時に栄養素が出てきて体内に吸収しやすくなると言われています。

これは、冷凍することによって細胞壁が破壊されるためです。細胞壁が破壊された冷凍しいたけは、生の状態のしいたけと比較して、栄養が約3倍出てくるといわれています。栄養が出てくる分体内により効率的に吸収することができるのです。

このような効果は、しいたけを冷凍することで得られる特徴的な利点の一つといえます。

旨味も増す

野菜など食材によっては、冷凍することで味が薄くなってしまうことがあります。

しいたけの場合は冷凍することで旨みも増します。上述したように細胞内の水分が膨張し、細胞壁が壊れるため、旨み成分も出てくるのです。生の状態のしいたけを加熱しただけでは、そこまで旨味成分は出ません。しかし、冷凍したしいたけは旨味成分がたっぷり出てくるので料理の味が変わります。

そのため、しいたけをすぐに使う場合でも煮物にしたときや炊き込みご飯の具にするしいたけは、一度冷凍保存してから使うのがおすすめです。

冷凍しいたけはまずい?

食材によっては冷凍することで食感が柔らかくなってしまったりして、冷凍するとまずくなるといわれることがありますが、しいたけなどのきのこ類は冷凍しても基本的に食感は大きく変化しません。

冷凍しいたけがまずいと感じる原因の多くは解凍方法にあることが多いです。例えば、冷凍しいたけをレンジで解凍してから使ってしまうと、水分がたくさんでてきてしまい水っぽくべちゃべちゃの状態になって風味や食感を大きく損なうことがあります。

また、冷凍庫に入っている食材や雑菌の匂いなどが移ってしまって臭みが出てしまい、まずいと感じることも多いです。

しいたけを美味しく冷凍する方法

しいたけを冷凍すると栄養の吸収率が上がるなどメリットが多くある一方で、正しく冷凍できていないとまずくなってしまうことがあるので注意が必要です。

ここからは、しいたけを美味しく冷凍する方法を紹介します。

鮮度が良い状態で冷凍する

しいたけは鮮度が落ちるのが早い食材です。鮮度が落ちて傷んでくると、臭いがきつくなったり食感が悪くなってしまいます。

冷凍保存すれば長期間保存できるとはいっても、冷凍するからといって新鮮な状態に戻るわけではありません。そのため、すでに鮮度が落ちているしいたけを冷凍すると、やはりまずいと感じます。

冷凍保存するときは新鮮な状態のしいたけであることが大切です。

新鮮なしいたけの見分け方は下記の通りです。

  • カサに丸みがあり肉厚で、開いていない

  • カサの表面が茶褐色

  • カサの裏面が白く薄い膜を張っている

  • 柄が太くて短い

  • ひだが細かくて白い

汚れは洗わず拭きとる

しいたけの汚れをキッチンペーパーで優しく拭き取る

しいたけは、一般的に無農薬で菌床栽培(おがくずと栄養剤をあわせたもの)で栽培されるため、土や汚れがほぼついていません。そのため、洗わずに保存や調理をすることができます。

洗ってしまうと旨味成分や水溶性の栄養素が流出してしまいます。また、冷凍したときに余分な水分まで凍ってしまい水っぽくなる原因となるので、水洗いはしないようにしましょう。

汚れが気になる箇所がある場合は、濡らしたキッチンペーパーや布巾で優しく拭き取る程度にとどめてください。

カサと軸にわける

しいたけを冷凍する際はカサと軸を切り分けて冷凍する

しいたけを冷凍するときは、石づきを切り落とし、軸とカサに切り分けます。丸ごと冷凍すると凍ったときに軸が固くなってしまいカットしづらくなるためです。

軸は捨ててしまう方もいらっしゃるかと思いますが、実は一番香りが強い部分で、美味しく食べられます。軸はラップに包んでまとめ、冷凍保存袋にカサと一緒に入れ密封します。

軸の根元を掴み、反対の手でカサを掴んでくるっとひねることでも軸とカサを切り離すことができます。包丁まな板いらずで事前処理が楽に済みます。

ブランチングするのがおすすめ

しいたけを冷凍する際は茹でてから冷凍するのがおすすめ

冷凍する前に茹でたり蒸したりして加熱処理することを「ブランチング」といいます。活性酸素の働きを止めることで変色しづらい、食感や味が悪くなりづらい、解凍後加熱せずに使えるなどのメリットがあります。特に家庭用の冷凍庫では瞬間冷凍ができないので、一度下茹でしてから冷凍するのをおすすめします。

しいたけの栄養成分の流出を最小限に抑えるため、茹で時間は短くします。しっかりと粗熱が取れてから冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。

ただし、茹でることで水溶性の栄養素は流出してしまいます。少しでも栄養を無駄にしたくない場合は、茹でずに生のまま冷凍するのがおすすめです。

下味をつけてから冷凍も◎

しいたけを冷凍する際は下味をつけてから冷凍するのもおすすめ

下味をつけてから冷凍するのも、調理をするときに楽なのでおすすめです。

お好みの大きさにカットししんなりするまで炒めます。しょうゆ・みりん・砂糖をそれぞれ少々加え味付けをします。塩こしょうで味付けをするのも◎。 しっかりと冷ましてから、平らになるように冷凍用保存袋に入れ密封し冷凍室へ。

保存袋の空気を抜いてしっかり密閉

しいたけの冷凍する際は袋の中の空気をしっかり抜く

しいたけを保存袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉することを心がけましょう。

空気は熱伝導率が低く、凍るまでに時間を要してしまいます。また、空気により酸化が進みやすくなり、しいたけが傷んでしまう原因となります。空気が入らないようにしっかりと口を閉じるのがポイントです。

また、しっかりと密閉しておくことでしいたけに冷凍庫の臭いがついてしまって、風味が悪くなってしまうのを防ぐことができます。

金属トレイを下に置く

しいたけを冷凍する際は金属トレイの上にのせて冷凍する

しいたけに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

また、冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。

遅くても1ヶ月以内に食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいますし腐敗してしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

冷凍したしいたけから酸っぱい臭いや味がする場合は腐敗している状態なので、破棄しましょう。

冷凍しいたけの解凍方法

解凍せずにそのまま加熱調理する

冷凍した食材はレンジ加熱などで解凍して使うことが多いかと思いますが、冷凍しいたけは解凍してしまうと水分が出てきてしまい水っぽくなってしまいます。

水っぽくなってしまうとしいたけの食感や風味も悪くなってしまいますし、料理全体の味も薄まってしまいますので、冷凍したしいたけは解凍せずにそのまま加熱調理するのがベストです。

カットしたい場合は1〜2分置く

カサと軸をバラバラにして解凍した場合など、冷凍しいたけをカットしてから使う場合は、そのままではコチコチで包丁を入れることができません。

しかし、カットするために解凍する必要はありません。そのまま常温に1分〜2分置いておいてください。完全に解凍することなく簡単に包丁が入る程度に柔らかくなります。

水分が出てきてしまっていたら、キッチンペーパーなどで軽く拭き取ってから加熱調理しましょう。

冷凍しいたけにおすすめの調理法

冷凍したしいたけを美味しく食べることができるおすすめの調理法を紹介します。

煮物

冷凍しいたけは煮物にするのにおすすめです。

煮物は調理の過程で時間をかけて火を通すことで、しいたけの繊維に含まれる旨味成分や風味がしっかりと引き出されます。冷凍しいたけは凍った状態から加熱するため細胞壁が破壊され、内部の旨味成分がより容易に溶け出す特徴があります。

煮物の場合、しいたけを一緒に煮込むことで、しいたけの旨味が他の具材や出汁と絡み合い、相乗効果で深い味わいが生まれます。しいたけの風味も豊かに広がり柔らかく煮込まれた食感も楽しむことができます。

炒めもの

冷凍しいたけは炒めものにするのもおすすめです。

凍っているしいたけは加熱することで水分が出てきますが、炒めものであれば蒸発するのでしいたけの風味が凝縮されます。また、凍った状態から炒めることでしいたけの食感もしっかり残ります。

例えば、野菜や肉と一緒に炒めて炒め物や炒飯にすると良いでしょう。また、しいたけを主役にした炒めものもおすすめです。調味料や香辛料を適宜加えることで、より一層の美味しさを楽しむことができます。

炒めものは手軽で簡単な調理法ですので、おかずにあと一品何かほしいといった場面にも便利です。

炊き込みご飯

冷凍しいたけは解凍せずに炊き込みご飯を作ることもできます。

冷凍しいたけを使うことで、しいたけの旨味や風味がご飯に広がります。また、凍ったまま炊くことでしいたけの食感もアクセントとなります。

しいたけの炊き込みご飯は、そのまま食べるだけでも美味しく楽しめますし、他の具材と組み合わせてバリエーションを増やすこともできます。例えば、鶏肉や椎茸の他の部位と一緒に炊き込んで、豪華な香りや味わいを楽しむことができます。

汁物

冷凍しいたけはスープなどの汁物にするのもおすすめです。

冷凍しいたけをスープに加えるとしいたけの旨味がスープ全体に広がり、風味豊かな味わいが生まれます。また、しいたけにはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も含まれていますので、スープを通じてその栄養を汁ごと摂取することができます。

しいたけを主役とした濃厚なキノコスープや、しいたけを加えて旨味を引き立てた野菜スープなど、様々なレシピがあるので、お好みの具材、味付けで楽しんでみてください。