しいたけを食べようと思ったら生焼けだったという経験がある方も多いのではないでしょうか。しいたけは特に傘の部分が肉厚なので中まで火が通りにくいです。本記事では生焼けのしいたけを食べたらどうなるのかや、生焼けかどうかの見分け方などを紹介します。
野菜は、トマトやきゅうりなど生食できるものが多いですが、しいたけなどのきのこ類は基本的に生食することはできません。
栄養素を流出させることなく摂取したり、しいたけそのものの風味を楽しむにはさっと加熱する程度に留めたほうが良いのではと思う方もいるかと思いますが、豚肉や鶏肉と同様に生焼けの状態で食べるのもNGです。しかりと火を通して食べる必要があります。
特にフライパンで焼いたり、バーベキューなどでしいたけを焼く場合は、中までしっかりと火を通すことが重要です。焼く際には、しいたけの厚さや大きさに合わせて適切な時間をかけて焼きましょう。
ただし、焼きすぎるとしいたけが焦げてしまったり、乾燥してしまうこともありますので、焼き加減には注意が必要です。
しっかり火が通っているか確認するポイントは後述しますので、そちらを参考にしてください。
出典:生活の中の食品安全−キノコに気をつけよう−その1(食品安全委員会)
生焼けのしいたけを食べてしまうと、どのような危険があるのか解説していきます。
生焼けのしいたけを食べると、下痢や嘔吐といった食中毒の症状が出る可能性があります。
しいたけは清潔な状態で出荷されていますが、非常に鮮度が落ちやすい食材です。収穫したての状態だと生食しても問題ないといわれることがありますが、店頭に並べられて購入し食べる頃には収穫してから時間が経っている状態です。
雑菌が増殖している可能性もあるので、しっかりと加熱し殺菌してから食べるのが安全です。
食中毒といえば下痢や嘔吐の症状が多いですが、しいたけの場合は皮膚炎を起こす可能性もあります。
しいたけを十分に加熱していない状態で食べることによって起こる皮膚炎は「しいたけ皮膚炎」と呼ばれます。食中毒よりも潜伏期間が長く、食べてから1日〜4日後に症状が出ることもあるので注意が必要です。
しいたけ皮膚炎になってしまうと、上半身を中心にかゆみが全身に広がってしまいます。
出典:フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)と共にしいたけを十分加熱して摂取するように再度の注意喚起(食品安全委員会)
しいたけの生焼けを防ぐためには、加熱時間の目安を知っておくことが大切です。しいたけの加熱時間の目安は下記の通りです。
しいたけの大きさや加熱方法によっても加熱時間は変わってくるので、下記の加熱時間を目安に様子を見ながら調節しましょう。
フライパンでしいたけを加熱する場合、加熱時間の目安は4分〜5分です。
丸ごと焼く場合は、傘の内側が上になるようにしてフライパンに並べて焼きます。
フライパンに蓋をして加熱すると、蒸し焼きの状態になるので蓋をせずに加熱するよりもしっかりと火を通すことができます。また、加熱時間も短めで済みます。蓋がある場合は蓋をして加熱すると良いでしょう。
バーベキューをする場合など鉄板や網で加熱する場合は、強火で5〜6分を目安に加熱しましょう。
鉄板や網で焼く場合も傘の内側が上になるように並べて焼いていきます。香りがたってくるまでは触らずに、香りが出てきたら焼き色を確認して火加減などを調節してください。
バーベキューなどでしいたけを焼いて食べる場合に生焼けで食べてしまう人は非常に多いですので、しっかりと火が通っているか確認しながら焼くようにしましょう。
トースターでしいたけを加熱する場合の加熱時間の目安は5分です。
トースターで焼く場合もアルミホイルの上に傘の内側が上になるように並べましょう。
トースターで加熱する場合はフライパンや鉄板などで焼くよりも時間がかかることがあるので、注意してください。しいたけを入れる前に予めトースターを温めておくと時短になりますし、庫内の温度が下がらないので均一にしっかりと加熱することができます。
電子レンジでしいたけを加熱するときの加熱時間の目安は600wの場合、3分〜4分です。
しいたけを耐熱容器に並べてラップをかけて加熱します。ラップをかけて加熱することで、しいたけから出た水蒸気で蒸される状態になるので、しっかりと火を通すことができます。
ただし、加熱のしすぎはフライパンや網、トースターを使って加熱するのと同様に焦げる原因にもなりますし、水分が飛びすぎてパサパサになってしまうので注意しましょう。
加熱をしてもしっかり火が通ってなかったらと思うと怖いですよね。しいたけは特に傘の部分が肉厚なので表面は焼けていても中まで火が通っておらず生焼けだったということがよく起こります。
お肉の場合はお肉の色が変わるまで加熱すれば良いのですが、しいたけの場合は難しいですよね。生焼けか火が通っているか確認するポイントを紹介します。
しいたけは加熱をすると、加熱前と比較して表面や断面が濃い茶色に変わります。
生焼けのしいたけは色が薄いので、表面や断面の色がさほど変わっていないなと感じる場合は生焼けである可能性が高いです。
しっかりと焼きいろがつくまで加熱しましょう。
焼いたしいたけを確認する際には、傘の表面がシワシワとした状態になっていることを確認しましょう。シワがしっかりついていれば、内部まで火が通り、食べることができます。
しいたけが十分に火が通ったかを判断する上で重要です。しいたけは水分を含むため、焼く過程で水分が蒸発して傘にシワが形成されます。シワがしっかりついていることは、しいたけが内部まで十分に加熱されている証拠です。
シワがない状態で食べてしまうと、しいたけの中心部分が生焼けの可能性があるため、食材の安全性に影響を及ぼす可能性があります。シワがつくまでしっかりと加熱しましょう。
しいたけが加熱されると、内部の水分が蒸発するためしいたけのサイズが若干小さくなります。
この現象は一般的であり、焼く前の大きさと比較して、しいたけが少し縮んでいるかを確認することで、適切に加熱されたかを判断することができます。
しかし、大きく縮んでしまった場合は、焼きすぎてしいたけが乾燥してしまい食感や風味が損なわれている可能性があります。しいたけを焼く際には、焼く前の大きさを覚えておき、焼き加減や時間を調整することが重要です。
適切な加熱を行い、しいたけが適度に縮んだ状態で仕上げることで、美味しさと食感を楽しむことができます。
上記で紹介しているように、しいたけは加熱することによって水分が出てきます。
しっかり加熱できていると、傘の裏に水分が出てくるので、水分が出ているかどうかを確認することも大切です。水分が出ていなければ、水分が出てくるまで加熱しましょう。
しいたけの傘の部分を下にして焼くと、確認しやすいですよ。
万が一しいたけを生焼けの状態で食べてしまい、下痢や嘔吐、皮膚炎などの症状が出たら速やかに病院へ。
症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
何も症状が出ない場合は、大丈夫です。次回からはしっかりと加熱してから食べるように注意しましょう。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
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