ハンバーグは肉汁たっぷりが美味しいですよね。この記事では、ハンバーグの肉汁を閉じ込める作り方のコツや、肉汁を増やすことのできる具材などを紹介します。
ハンバーグの肉汁を閉じ込めるには、ハンバーグを崩さずに作る必要があり、作り方や材料にポイントがあります。
ハンバーグの肉汁を閉じ込めるためには、焼き方だけでなく、タネのこね方や成型にもポイントがあります。
タネのこね方が間違っている場合や、タネがこね足りない、またはこねすぎている場合、ハンバーグの肉汁の元である脂肪が溶けてしまうほか、焼いた際に崩れやすくなってしまいます。こね方だけでなく、つなぎを混ぜる順番にも注意が必要です。
ハンバーグが崩れて肉汁が流れ出してしまうのは焼き方に問題があることが多いです。
ハンバーグを焼く際は適切な火加減で焼きすぎないように注意しつつ、食中毒を起こさないためにも中までしっかり火を通す必要があります。
ハンバーグのタネに水分がなければ肉汁が少なくなってしまい、閉じ込める以前の問題です。パン粉などの乾燥した具材と牛乳などをタネに混ぜ、タネが十分に水分を持った状態で焼くことで肉汁がたっぷりのハンバーグに仕上げることができます。
パン粉や牛乳が定番ですが、おからや片栗粉などの他の具材を使うこともできるほか、保水力が高いゼラチンを使う方法もあります。
タネのこね方から焼き方まで、様々なコツがあります。
ひき肉はこねる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。ハンバーグのタネは温度が上がることでひき肉の脂肪が溶けてタネがゆるくなるほか、焼いた時に肉汁が流れ出て固い仕上がりになってしまいます。
また、タネをこねる際に室温が高いとタネの温度が高くなり、タネがゆるくなってしまうこともあります。夏場は冷房をつけ、冬場は暖房を切ってタネをこねるのがおすすめです。
ハンバーグのタネに使われる塩や卵、パン粉、牛乳といったつなぎは、
塩:下味やつなぎとしての重要な役割
卵:焼いた際に凝固し、接着剤として働く
パン粉:水分を吸収するので、焼いた際に肉汁を漏れにくくする
牛乳:お肉の臭みを取り、ハンバーグを柔らかく仕上げる
といった役割があります。つなぎの量が多すぎても少なすぎてもハンバーグを上手く仕上げることができません。適量を混ぜることで美味しいハンバーグを作ることができます。
タネを固める役割として特に重要なのが塩です。最悪つなぎは塩さえあればOKです。次に重要なのは卵です。パン粉と牛乳は接着剤の役割はありませんが、肉汁を吸収して流出を防ぎ成形を助けます。実際、卵、パン粉、牛乳は使わないレシピも見かけますよね。でも、塩がなければハンバーグは作ることはできません。
一方、つなぎが多すぎるとハンバーグが柔らかくなってしまい、崩れてしまうのでお肉の量に合ったつなぎを混ぜるようにしましょう。
標準的なつなぎの量は、ひき肉250〜300g(2~3人前)に対し、
塩:小さじ1/2(肉の量に対して約1%)
卵:1個
パン粉:大さじ4
牛乳:大さじ4〜5
です。
つなぎによく使われる牛乳はハンバーグを柔らかくふわっとした食感に仕上げる効果はありますが、崩れにくくする効果はほとんどなく、逆に入れすぎることでタネがゆるくなってしまい、ハンバーグが崩れる原因となります。入れすぎには注意しましょう。
タネがゆるい場合、ひき肉やパン粉といった水分の少ない材料を加えることでゆるさが解消されます。ただし、加えすぎると今度はタネが固くなってしまうので、様子を見ながら少しずつ加えてみてください。パン粉やひき肉以外にも小麦粉や片栗粉、お麩、おからでも大丈夫です。
ハンバーグのつなぎに使う乾燥パン粉は、牛乳に漬けておいてからタネに混ぜた方がよいとされています。なぜなら、この作業によってパン粉が水分を含み、しっとりすることでハンバーグがふんわり仕上がるためです。
ただし、現代の乾燥パン粉は昔と比べるとある程度の水分量があるので、漬け込む必要はないという意見もあります。なお、生パン粉は水分量を多く含んでおり、元々しっとりしているので、漬ける必要はありません。
ちなみに、パン粉は水分量が14%以下のものを「乾燥パン粉」、14%以上のものを「生パン粉」と区別しています。乾燥パン粉は水分量が少なく粒が細かいので、ハンバーグなどのタネに混ぜることで水分をしっかり含んでお肉とよく馴染みやすくなっています。一方、生パン粉は粒が粗く、水分量が多いので揚げるとサクサクになるため、揚げ物作りでよく使われています。
ひき肉やつなぎ以外にタマネギなどの野菜を入れますが、野菜を入れすぎてしまうとタネの水分量が増えるとともに、タンパク質による結合力が弱くなってしまい、ハンバーグが崩れやすくなってしまうので、野菜の入れすぎに注意です。
ひき肉250〜300g(2~3人前)あたり、タマネギは小さめ1個(200〜250g)が適量とされています。また、切り方はみじん切りが一般的ですが、面倒だと感じる方はフードプロセッサーで細かくしても良いでしょう。
みじん切りにしたタマネギはフライパンできつね色になるまで軽く炒めてタネに混ぜることで、コクと香ばしさをタネに加えることができます。ただし、温かいまま加えるとタネの脂肪が溶けてしまうので、よく冷ましてから混ぜましょう。炒めるのが面倒という方は電子レンジで温めても良いでしょう。電子レンジで温める場合は水をよく切り、粗熱を取ってからタネに混ぜましょう。
玉ねぎは生のまま入れれば焼き上がった後にシャキシャキの食感が楽しめます。焼いている間に出てくる玉ねぎの水分が多いので、肉汁があふれるようなジューシーなハンバーグに仕上げることもできます。炒めるか生のまま入れるかはお好みに合わせて選んでみてください。
玉ねぎはすりおろしてタネに入れることでハンバーグをふわふわに仕上げることもできます。ただし、みじん切りにするよりも水分がたくさん出てタネが水っぽくなりやすいので、牛乳の量を減らすかパン粉やお麩といった水分を吸収する具材を多めに入れるようにしましょう。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいがよいとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。気持ち多めに入れるとよいでしょう。
ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたら、溶いた卵を加えてよく混ぜ、パン粉、牛乳などのつなぎ具材を追加してください。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなり、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねると良いでしょう。手ではなくすりこぎ棒や木べら、割り箸などを使っても良いでしょう。こだわる方は牛乳の代わりに氷を使ったり、タネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねたりしているようです。
タネを混ぜ終わってから空気抜いて成型しますが、この作業が十分でないとハンバーグが割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この空気を抜きすぎてもハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
ハンバーグを成型した後、小麦粉でコーティングすることで焼いた際にカリっとした焼き目が付くので、崩れにくくなり、肉汁が流れにくくなります。
グルテンフリーの人の方は米粉や片栗粉でも代用可能です。
ハンバーグの厚い中央部分は火が通りにくいので、生焼けを防ぎ、調理時間を短くするために真ん中をへこませましょう。
ただし、最近はへこませる必要についての議論もあり、へこんだ部分に焼き目がつけられない、蒸し焼きにすれば中までしっかり火が通るといった理由からへこませる必要がないと言われることもあります。典型的なハンバーグのような形ではなく、薄めに作ることでへこませるのを省く方法もあります。
ハンバーグを焼く際、まずは中火で表面を焼き、しっかり焼き目を付けましょう。焼き目によって肉汁が流れ出しにくくなり、ハンバーグをジューシーに仕上げることができます。
テフロンなどのコーティングが施されたフライパンなら油を使わずに焼くことができますが、きれいな焼き目をつけるのが難しいので、油を使うのがおすすめです。
また、焼く際は小麦粉や片栗粉でコーティングし、多めの油を使って揚げ焼きにすることで焼き目をしっかりつけやすくなります。
ハンバーグを焼く際、しっかり火を通すために弱火で長時間焼いている方が多いのではないでしょうか。長時間焼くことでハンバーグから肉汁が出すぎてしまい、ハンバーグが固くなってしまいます。
ハンバーグ焼き目を漬けたら裏返して弱火にし、中までじっくりと火を通しましょう。強火で焼くと焦げやすく、ハンバーグの外側ばかり焼けてしまって中心部は生焼けになってしまうことが多く、野菜に含まれる栄養素が分解されてしまったり、肉汁の水分と一緒に流れ出てしまったりと、デメリットばかりです。基本的に中火以下で調理しましょう。
ハンバーグをひっくり返した際に崩れてしまう場合、フライ返しを入れる隙間もないくらいフライパンいっぱいにハンバーグを入れて焼いていませんか。フライ返しを使ってひっくり返すためのスペースがあると、上手にひっくり返すことができます。
ひっくり返す際は菜箸などを使ってハンバーグを抑えながら、角度を浅く(10度くらい)してフライ返しを持ちます。フライパンの内側からハンバーグの焼いている面に少ししならせて平行に差し込み、ひっくり返しましょう。菜箸などがなくてもフライパンのフチまでフライ返しを差し込みながら動かして持ち上げ、ひっくり返すと上手くいきます。
中火で焼き目を付けてハンバーグをひっくり返した後、フタをして弱火で加熱することで水分の蒸発を防ぎ、蒸し焼きにすることができるので、焼いている面以外にも熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともに、時短調理となります。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱いのでフライパンに触ってやけどしないように注意しましょう。
アルミホイルを使って包み焼きにするのもおすすめです。熱がハンバーグに均等に伝わり、焼きムラを防ぐことができます。アルミホイルには遠赤外線効果という食材の内側に熱を伝えやすくする効果もあるので、生焼け防止にぴったりの調理方法です。付け合わせのブロッコリーやニンジンなどの野菜も一緒に包んで焼けば時短調理にもなります。
フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることでハンバーグに旨味を加え、ふっくらと仕上げることができます。
豆乳は牛乳の代わりにハンバーグ作りに使われています。牛乳よりも低糖質・低脂質であり、タンパク質を多く含むことから肉汁を逃さず中に留めてくれる効果が高いとされ、豆乳を好んで使う人も多いです。
使う量は牛乳と同量です。
牛乳の代わりに氷を使うことでタネの温度を下げながらこねることができ、肉汁の元になる脂が溶けるのを防ぐことでハンバーグがジューシーに仕上がり、プロの味に近づくと人気です。
焼く際にも氷を入れることでハンバーグを蒸し焼きにでき、しっとりとしながらも肉汁がたっぷりのハンバーグになります。
肉の旨味が感じられるハンバーグに仕上げたいなら、スーパーでも無料でもらうことができる牛脂を隠し味として入れることで、肉汁と旨味がたっぷりのジューシーなハンバーグになります。
使う量は、ハンバーグ1人前(150~200g)あたり牛脂1個(5~10g)です。包丁で細かく刻み、タネをこねる際に混ぜ込みましょう。
少量(ひき肉の5%程度の量)のマヨネーズをタネに混ぜると、タネにまろやかさが加わります。乳化された植物油が加熱によるたんぱく質の結合をソフトにし、ふんわりジューシーに仕上げる効果もあります。
ただし、加えすぎるとハンバーグの風味が変わってしまうので注意しましょう。適量はひき肉の5%程度の量(ハンバーグ2人前あたり大さじ1)です。
保水力の高い粉ゼラチンをタネに混ぜることで、ハンバーグに水分(=肉汁)を閉じ込めるができ、ハンバーグを柔らかくジューシーに仕上げることができます。
ゼラチンの量は、ひき肉200g当たり5g(小さじ1)程度が目安です。
ハンバーグを作る際にパン粉をつなぎに使う人が多いですが、パン粉の代わりにパウダー状にした高野豆腐を使うと、ジューシーに仕上げることが可能です。高野豆腐は吸水性が高い食材なので、肉汁をしっかり吸収し、旨味を残してくれます。
2人分のハンバーグにつき高野豆腐8gが適量で、糖質カットにもつながるのでおすすめです。
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