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きゅうりを一本丸ごと塩もみする方法。そもそもできる?

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きゅうりを一本丸ごと塩もみする方法。そもそもできる?

きゅうりを塩もみする際は、基本的に小口切りなどにカットしてから塩もみします。一本丸ごとのままでも塩もみすることは可能なのでしょうか。本記事では塩もみの目的や一本丸ごとのまま塩もみする方法を解説します。

きゅうりの塩もみの目的

水分を抜いて味の含みをよくする

きゅうりを塩もみする主な目的はきゅうりの水分を抜くことです。塩もみすることできゅうりの水分を抜き、また水が抜けて空いたスペースに味が染み込みやすくなります。また、水分が抜けることでしんなりとした食感を楽しむこともできます。

塩には脱水作用があり、細胞膜の両側で塩濃度に違いがある場合は、濃度が薄いほうから濃いほうへと水が移動する性質があります。この水を動かそうとする圧力を浸透圧と呼びます。塩の高い浸透圧によって、きゅうりの細胞内の水分が塩の方向に移動しようとするため、きゅうりから水が出てくるのです。

青臭さを取って口当たりをよくする

きゅうりを塩もみすることできゅうり特有の青臭さや苦味を取り除くことも可能です。

きゅうりの青臭さや苦味の正体はククルビタシンという成分によるものです。他にもスイカなどのウリ科の植物に多く含まれます。ククルビタシンは水溶性なので、塩もみで水を抜くことで、一緒に流れていきます。ククルビタシンは摂取過剰になると、腹痛や下痢などの食中毒を起こすことでも知られているので注意しましょう。

色合いを鮮やかにする

きゅうりを塩もみすることで、緑色がより鮮やかになり見た目がよくなります。

きゅうりの緑色はクロロフィルという色素によるものです。クロロフィルは酸素や水分と反応しやすく、時間の経過とともに分解される傾向があります。塩もみをすることできゅうり内部の水分が減少し酸素との反応が抑制されるため、クロロフィルが安定し緑色が鮮やかになるのです。

塩もみを行うことで味や食感だけでなく見た目もよくなるので、塩もみをしない手はないといっても過言ではないでしょう。

保存性を高める

きゅうりを塩もみすることで、より長く保存することが可能になります。

野菜が腐る原因の一つに水分があります。塩もみすることできゅうりの水分が抜けることで水分量が少なくなるので保存性が高まります。また、塩の高い浸透圧により腐敗菌の活動を抑えることも期待できます。塩漬けされた漬物の保存性が高いのは、塩の浸透圧の働きによるものです。きゅうりを塩漬けすることで数ヶ月保存することも可能です。

傷みやすいきゅうりを長く保存したい場合は塩もみをすることをおすすめします。

消化を助ける

きゅうりには食物繊維が含まれています(量自体はそこまで多くはありません)が、塩もみすることで食物繊維がやわらかくなり、消化しやすくなるという効果も期待できます。

きゅうりを塩もみすれば、お子様でも食べやすくなりますよ。

きゅうりの塩もみ方法【一本】

きゅうりは本来カットしてから塩もみします。なぜならカットしてから塩もみする方が全体に塩を揉み込むことができるためです。ただし、きゅうりを一本丸ごと食べたい場合は、切らずにそのまま塩もみすることもできます。

しっかり洗う

きゅうりを流水で洗う

きゅうりを塩もみする前に流水で洗います。ボウルなどにためた水の中で洗ってしまうと、落ちた農薬が再び野菜についてしまいます。また、水溶性ではない農薬も単に水の流れる勢いで物理的に取り除かれるということもありますので、流水で洗うようにしましょう。特にきゅうりのイボの部分には汚れが溜まりやすいので指でこすりながら、しっかりと洗ってください。

農薬が気になる方は

きゅうりの農薬が気になる方におすすめなのが、野菜と果物専用の洗浄パウダーです。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にきゅうりを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。

皮を剥く

きゅうりを1本塩もみする前にピーラーで皮を剥く

きゅうりを1本塩もみする前に、きゅうりの皮を等間隔で剥いていきます。

ピーラーを使えば簡単に皮を剥くことができます。皮にも栄養素が含まれているので、全て剥かず縦に4か所ほど皮を剥くと◎。

塩を揉み込む

きゅうりに塩を揉み込む

皮を剥いたきゅうりに塩を揉み込みます。きゅうり1本に対し塩小さじ1/4〜1/2程度が適量です。

板ずりと同じように、まな板でコロコロと転がして塩を揉み込んでもいいですし、洗い物を増やしたくない場合は、きゅうりの表面を手でこするようにして塩もみするのもOKです。

きゅうりの塩もみ方法【カット】

小口切りにする

きゅうりを小口切りにする

きゅうりを切って塩もみする前も、しっかりと流水で洗って農薬や汚れを落とします。洗い方は上記でご紹介していますので参考にしてください。

洗ったきゅうりを小口切りにします。まず、きゅうりの両端を切り落とします。ヘタの箇所には実はククルビタシンという抗酸化作用のある栄養が豊富に含まれるのですが、青臭く硬いので切り落とすことが多いです。青臭さが気になる方はさらにヘタ側の皮を少し剥くとよいでしょう。

その後、小口切りにしていきます。小口切りは斜め切りと比べて切り口の表面積は小さくなりますが、薄く切ればしっかり水分を取り除くことができます。酢の物などでも小口切りで使うことが多いです。包丁ではなくスライサーを使うのも◎。

種を取り除き斜め切りにしてもOK

きゅうりの種を取り除いてから塩もみする方法もあります。きゅうりの種は水っぽいため、そうすることで、水けをさらに取ることが可能です。流水で洗ったきゅうりを縦半分にカットし、小さいスプーンで、きゅうりの種を取り除きます。水分が多く柔らかいので、あまり力を入れずに簡単に取り除けます。きゅうりの両端を切り落とし、斜め切り(笹切り)にしていきます。

塩小さじ1/4をなじませ5分置く

小口切りにしたきゅうりを塩もみする

切ったきゅうりをボウルに入れて、きゅうり1本あたり小さじ1/4の塩をまぶして、かるく揉みます。
塩「もみ」という名称ですが、この工程ではあまり力を入れる必要ありません。塩ときゅうりを「和える」くらいの感覚です。きゅうりがしんなりするまで5分ほど置きます。塩味をしっかりとつけたい場合は10〜15分くらい置くと◎。

水けを絞る

塩もみしたきゅうりの水けを絞る

最後に、水けをしっかり絞ります。めいいっぱい力を入れて、ギュッと絞りましょう。ここで水分が残っていると、料理の味を損ねてしまうので注意しましょう。これで完了です。キッチンペーパーに包んで水けを絞るのもおすすめです。

塩もみしたきゅうりを水洗いする場合は、ボウルにたっぷりの水を入れて2〜3回水を変えながら塩を洗い流します。そのあとに手できゅうりの水けを絞ります。