冷凍したパプリカがまずいと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では冷凍したパプリカがまずくなってしまう原因や、まずくなりにくいパプリカの冷凍のコツを紹介します。
冷凍したパプリカがまずくなってしまう原因には下記の3点があげられます。
パプリカに限らず、冷凍した野菜は水っぽくて美味しくないと感じる方は多いのではないでしょうか。水っぽくべちゃっとしてしまうのは、冷凍する際に野菜に含まれている水分が凍り、解凍するときに水分としてそのまま出てきてしまうためです。
特に洗ったり茹でたりした後に水分を取らずに冷凍するなど、野菜に水分が残った状態で冷凍してしまうと余計に水っぽくなってしまいます。
冷凍する際に野菜に含まれている水分も一緒に凍ってしまうのは避けられませんが、冷凍するときの一工夫や解凍方法を工夫することで水っぽくべちゃっとしてしまうのを防ぐことができます。
生の状態のパプリカは肉厚でジューシーなしっかりとした食感があります、冷凍するとぶよぶよとした柔らかい食感になってしまいます。これも冷凍したパプリカがまずいと感じる原因の一つでしょう。
冷凍することで食感が失われてしまうのは、パプリカを冷凍した際に食感となる繊維が破壊され、さらに解凍することで水分が流出してしまうためです。
しっかりとした食感はなくなってしまいますが、繊維が壊れることで火が通りやすくなるというメリットもあります。
パプリカに限らず冷凍した野菜は風味が悪くなってしまうことが多いです。これは、解凍されたときにの水分と一緒にパプリカの風味となる成分が流出してしまうためです。
また、冷凍庫内にある他の食材や雑菌の臭いが移ってしまって風味が悪くなることもあります。
水っぽくなって全体的にパプリカの味が薄まってしまうのはもちろんのこと、パプリカがもつ風味自体もなくなってしまうとやはり美味しくなくなってしまいます。
冷凍することで食感や風味が悪くなってしまうなら、冷凍しないほうが良いのでは?と思いますよね。パプリカを冷凍するメリットももちろんあります。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気にふれて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
正しく保存すれば冷蔵でも丸ごとの状態で2週間、カットした状態だと2日〜3日しか日持ちしませんが、冷凍保存であれば1ヵ月日持ちします。長期保存したい場合はやはり冷凍がおすすめです。
パプリカにはピーマンと同じく青臭さや苦味となる「ピラジン」が含まれています。ピーマンほど青臭さや苦味が強いわけではありませんが、人によっては青臭さや苦味が気になることもあるでしょう。
冷凍すればパプリカの水分と一緒に苦味となる成分も流出するので、苦味が軽減されます。
それでは、まずくなりにくいパプリカの冷凍のコツを紹介します。
パプリカは丸ごと冷凍することもできますが、カットしてから冷凍したほうが使いやすくて便利です。
カットするときは、繊維を断ち切るようにカットするのがポイントです。繊維を断ち切るようにカットすると冷凍しても食感をある程度保つことができます。
パプリカの切り方はこちらの記事を参考にしてください。
パプリカは生のまま冷凍することもできますが、炒めてから冷凍するのが良いです。
炒めてから冷凍すると、
変色しにくい
味が落ちづらい
食感が損なわれにくい
解凍後の火が通りやすい(調理が楽)
というメリットがあります。
加熱することによって栄養価がやや落ちたり、手間がかかるデメリットもありますが、家庭用の冷凍では急速冷凍ができないので、基本的に火を通してから冷凍がおすすめです。
生のまま冷凍する場合は、パプリカを洗ってカットしたら水分をキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取ってから冷凍することが大切です。
上述したように余計な水分がついていると、解凍したときビチャビチャになってしまいます。
パプリカをラップに包み、冷凍用の保存袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉しましょう。
しっかりと空気を抜いておくことで、パプリカが空気にふれることで色が悪くなってしまうのを防ぐことができます。また、冷凍庫の臭いがついてしまうのを防ぎパプリカ特有の風味を守れます。
パプリカに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍したパプリカを美味しく食べるためには、正しく冷凍するのはもちろんのこと解凍方法も重要です。
冷凍したパプリカを解凍するなら、冷蔵庫に移して自然解凍がおすすめです。低温でゆっくり解凍することで、水分が流出して食感が悪くなったり風味が悪くなってしまうのを最小限に抑えることができます。
時間はかかってしまいますが、前日のうちに冷蔵庫にうつしておくと良いです。
冷凍したパプリカは流水解凍することもできます。
流水解凍とは冷凍した食材を水をためたボウルに入れて、水を流しながら解凍していく方法です。冷凍庫から取り出したら、そのまま水をためたボウルに入れて、水を流すだけです。
自然解凍より早く解凍できるので、サラダに加えたいときなどすぐに使いたいときにおすすめです。
冷凍野菜を直接入れると水っぽくなってしまうので、ジッパー付きポリ袋のまま入れるのがおすすめです。それでも、自然解凍より水が出やすいのでベチャっとしてしまうのを避けたい場合は時間はかかりますが、自然解凍がおすすめです。
冷凍したパプリカを加熱調理するのであれば、凍ったまま使用するのがベストです。
解凍してから使うこともできますが、全解凍してしまうとパプリカの水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいますし、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養も流出してしまいます。
そのため、冷凍したパプリカは解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。
それではどんな料理におすすめなのか、次に紹介していきます。
冷凍したパプリカは、そのままスープに入れるのがおすすめです。汁物であれば、柔らかくなってしまった食感も気になりません。
また、流れ出てしまうビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素もしっかりと摂取することができます。コンソメスープなどにしても良いですが、ミキサーで撹拌してポタージュにしても美味しいです。
冷凍したパプリカは解凍せずに炒めものにするのもおすすめです。炒めものにしても食感の悪さも気になりにくいですし、濃いめの味付けにすれば風味の悪さもカバーすることができます。
さらに、パプリカに含まれているβ−カロテンは油溶性であるため、油を使って炒めることで吸収率が上がるメリットもあります。
冷凍したパプリカは解凍せずにそのままミキサーに入れて撹拌すれば、スムージーを作ることができます。近年はスムージーの作り方も多様化しており、生の状態の野菜や果物をミキサーに入れて作ることも多いですが、本来スムージーは冷凍した野菜や果物をミキサーに入れて作ります。
そのため冷凍パプリカは解凍しなくても、そのままミキサーに入れればスムージーになります。パプリカはピーマンよりも苦味が少なく甘みもあるのでスムージーにしても飲みやすいです。他の野菜や果物も一緒に加えると栄養価が高くなるので、朝ごはんの置き換えにもおすすめです。
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