1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. 麻婆豆腐の食べ方のマナー。本場中国と日本では違う?!

麻婆豆腐の食べ方のマナー。本場中国と日本では違う?!

公開日

更新日

麻婆豆腐の食べ方のマナー。本場中国と日本では違う?!

麻婆豆腐を食べるとき、箸だけで食べなければいけないというマナーを聞いたことのある方もいるでしょう。この記事では、麻婆豆腐を食べる際のマナーや、麻婆豆腐を含む中華料理に関するマナーなども紹介します。

麻婆豆腐の食べ方のマナー

ご飯にかけるのは問題ない

麻婆豆腐を食べる際、麻婆豆腐をご飯の上にかけるのはマナー違反だと言われますが、これは誤った情報です。中華料理を食べる際に料理をご飯の上にかけるのは問題なく、ご飯の上に料理をのせてはいけないというのは和食を食べる上でのマナーです。
 
実際、麻婆豆腐を最初に作った中国のお店「陳麻婆豆腐」の日本店のホームページでは、麻婆豆腐の食べ方としてご飯の上に麻婆豆腐をのせることを推奨しています。
 
参考:陳麻婆豆腐が推奨する麻婆豆腐の食べ方

基本的に箸で食べる

どろっとしている麻婆豆腐は箸では食べにくく、レンゲやスプーンで食べるかも多いと思いますが、麻婆豆腐を含む中華料理は箸で食べるのが、中国での正式なマナーとされています。ただし、残り少なくなったものをレンゲやスプーンですくって食べるのは問題ないとされています。
 
ただし、このマナーはあまり知られておらず、麻婆豆腐を箸だけで食べるのは難しいこともあり、日本国内の中華料理店ではレンゲで食べられていることが多いようです。

麻婆豆腐を食べやすくする方法

木綿豆腐を使う

麻婆豆腐を食べやすくするには木綿豆腐を使うとよい

つるっとした食感の絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも崩れやすく、箸でつかみにくいので、食べやすさを重視する方は木綿豆腐を選ぶと良いでしょう。木綿豆腐は食べ応えのある食感や、味の染み込みやすさなどのメリットもあります。

豆腐を大きく切る

豆腐を大きめに切ることで箸でつかみやすくなり、食べやすくなります。ただし、大きく切りすぎてしまうと調理の際に火が通りにくく、味が染み込みにくくなってしまうので注意しましょう。

とろみを多めにつける

水溶き片栗粉を使ったとろみを多めにつけることで食べやすくすることができます。麻婆豆腐に使う基本的な片栗粉の量は、木綿豆腐一丁(4人前)あたり、片栗粉大さじ1/2~1、水大さじ1が基本の量です。好みに合わせて調整してみてください。

中華料理の食べ方のマナー

日本国内では必ずしも正しいというわけではない

中華料理を食べる際のマナーは、日本の文化や価値観とは大きく異なる点が多々あります。気を付けるに越したことはありませんが、日本国内の中華料理店ですべて守られているかと言えばそうではありません。
 
そのお店の雰囲気や、一緒にに食事する相手や周りなどをよく見てその場に合わせた振る舞いをすることがもっとも重要です。

汁物や麺は音を立てて食べない

和食は、そばやうどん、みそ汁などは音を立てて食べることが多いですが、中華料理を食べる場合、音を立てて食べるのはマナー違反とされています。音を立てて食べるという行為は他のマナーよりも特に厳しいため注意しましょう。
 
中華料理として認識されているラーメンは音を立てて食べることが多いですが、ラーメンは中華麺を使っているだけで、中国ではなく日本で誕生・発展した料理です。

お皿に口をつけない、持ち上げるのもNG

中華料理を食べる際、お皿に口をつけるのもマナー違反です。スープはレンゲを使って飲みましょう。また、お皿を持ち上げるのもマナー違反とされており、汁物や麺類を飲む時はお皿を持ち上げないようにしましょう。取り分ける際も大皿を持ち上げるのがNGとなっています。
 
チャーハンなどの残りが食べにくい場合には持ち上げずにお皿を傾け、レンゲですくうのが良いでしょう。ちなみに、左手はテーブルの下の位置になるよう、膝の上に置くことのが良いとされています。

口から出したものはお皿に乗せない 

中華料理では魚やお肉の骨はもちろん、エビやカニを使った料理も多く、余分な骨や殻がでますが、これらはお皿に戻すのはマナー違反です。骨や殻などはお皿ではなくテーブルの上に直接置くことが食事マナーであり、飲食店ではテーブルクロスごとまとめて片付けることが一般的となっています。
 
ちなみに骨や殻を取る場合、無理して箸を使う必要はなく、適宜指を使いましょう。汚れた指は卓上のフィンガーボールやおしぼりなどで拭いてください。

中華料理の食べ方以外のマナー

目上の人を敬い、立てるマナーが多い

中華料理もとい中国におけるマナーには、中国古来の宗教である儒教の「目上の人を敬う」という考えに基づいたマナーが多く存在しています。

日本も儒教の影響を受けているので目上の人を敬う文化はありますが、中国の場合より厳格なので注意しましょう。

円卓の座る位置に気を付ける

和食などのレストランでも上座・下座がありますが、中華料理でおなじみの円卓にも上座・下座があります。基本的にドアから遠い席が上座で、ドアに近いほど下座になります。
 
招かれて行く中華料理のレストランなどでは、主賓が席に着くまで出入口近くで待つようにしましょう。

目上の人から食事を始める

中国では、日本のように食事をする前に「いただきます」と言いません。目上の人が箸をつけたことを確認してから他の人が食べ始めるのがマナーです。家庭内では祖父母→両親→子供のいわゆる年齢順で食べ始めます。

大皿料理を分けて食べる、取り方に注意!

中国の食事は、前菜や主菜といった料理のそれぞれが大皿で提供され、円卓に置かれます。なお、料理は上座の人から取り分けることができるように、目の前に料理が置かれた場合でも、テーブルをまわします。
  
料理を自分が食べたい分だけ小皿に取り分けて食べるのが一般的です。中華料理は美しく盛り付けられていることも特徴的で、料理を取り分ける際は、美しい見た目が崩れないように少なめの量を自分の皿に取りましょう。
 
足りない場合は2周目でもう一度取り分け、大皿に料理が残っていない場合にはおかわりをしましょう。

料理を自分の箸で取り分ける

中国では、自分が使っている箸で家族に料理を取り分けたり、箸で食べさせたりするのが食事マナーです。日本では自分の箸で他の人に料理を取り分ける際のは少しあり得ないことですが、中国では家族だけでなく他人に取り分ける際にも自分が使った箸で料理を取り分けることがあります。
 
ただし、日本における中華料理店の多くは取り分けるための箸やトングが一緒だったり、お店側で分けてくれることも多くなっています。

取り皿は新しいものを使う

中華料理は、いくつかの種類の大皿料理を取り分けて食べるのが一般的なため、複数の取り皿を使用します。新しい料理を取る際には、一度使ったお皿をまた使うのではなく、遠慮なく新しい取り皿を使うようにしましょう。
 
日本人的な感覚では、取り皿をたくさん使うのは迷惑だと考えてしまいがちですが、中華料理の場合にはおかしなマナーとなってしまうので気を付けましょう。

食べ物は残す

日本の食事マナーでは、出された料理を間食することが美徳とされ、料理を作ってくれた人や食材への感謝の意を表わしますが、中国の食事マナーでは、料理を一口分程度残すのがマナーとされています。

一口分程度残すのは「食べきれないほど十分に料理を提供していただき、満足です」という気持ちを表しています。中国以外ではインドなどでも「お皿の料理をすべて食べ切る=おかわりを求めるサイン」と見られることもあるので、きれいに食べ切ることが国外では必ずしも正解にはならないことを知っておきましょう。
 
ただし、このマナーは日本国内ではほとんど行われていません。最近では考え方の変化から現地でも残さないことが多くなっているようです。

食事を終えた後のマナー

中国では、食事を終えた後は箸を横に置くのがマナーです。逆に食事の前や食事中は、箸を縦に置きます。
 
フランス料理でナイフとフォークをハの字に置いて食事中を示し、そろえて置くことで食事が終わったことを表わすのと同じです。