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もやしのシャキシャキ感を残して冷凍する方法。

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もやしのシャキシャキ感を残して冷凍する方法。

冷凍したもやしはシャキシャキとした食感が損なわれていて美味しくないと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではもやしを冷凍すると食感が損なわれてしまう理由やシャキシャキのまま冷凍する方法を紹介します。

冷凍するともやしの食感が損なわれる理由

もやしを冷凍するとシャキシャキとした食感が損なわれてしまう理由は下記の通りです。

もやしの繊維が壊れる

もやしはみずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができる野菜ですが、冷凍するとぐにゃっとした柔らかい食感になってしまいます。

これは、冷凍することでもやしに含まれている水分が凍るのと同時にシャキシャキとした食感を与える繊維を壊してしまうためです。もともと水分量が多いもやしは特に冷凍したときの食感の変化が著しく、ふにゃっとして美味しくないと感じる方が多いです。

冷凍することで食材の水分が凍ってしまうのを防ぐことはできませんが、繊維が壊れることで味が染み込みやすくなるメリットもあります。

水分が出てしまう

もやしに限らず冷凍した野菜は解凍すると、凍っていた食材の水分が出てくるので水っぽくべちゃべちゃとした食感になります。

特に開封後のもやしを洗ってから冷凍する場合、洗ったときについた水分がついたまま冷凍庫に入れてしまうと余計な水分まで凍ってしまうので、解凍されたときに余計にべちゃべちゃになってしまいます。

これももやしに限らず多くの野菜に当てはまることです。

もやしをシャキシャキのまま冷凍する方法

もやしを冷凍するとシャキシャキした食感を損ねてしまう原因はおわかりいただけたでしょうか。もやしに限らず冷凍前の食感や風味をそのままに食材を冷凍するのは難しいですが、冷凍保存は何より食材を長持ちさせることができるメリットがあります。

特にもやしの消費期限は2日〜3日と他の食材と比較しても圧倒的に短いため、まとめ買いした場合や使いきれない場合は冷凍保存がおすすめです。

そうはいっても、やはり冷凍することで食感が損なわれてしまうのは避けたいですよね。ここからは、もやしの食感が損なわれにくい冷凍方法を紹介します。

すぐに使わないならすぐ冷凍

もやしを美味しく冷凍するためには、鮮度が重要です。

上述したように、もやしは傷むのが早いので「そういえば余ってるもやしがあったな」と思い出した頃にはすでに食感が損なわれていたり、雑菌が増殖していたりして臭いがきつくなっていることもあります。

この状態で冷凍しても腐敗するのは止められても、やはり美味しく食べることは難しいです。もやしを冷凍するならできるだけ購入してすぐ、傷み始める前に冷凍しましょう。

未開封なら袋ごと

未開封のもやしなら袋ごと冷凍可能

例えば安売りしていたもやしをまとめ買いして、あきらかにすぐに使い切れないとわかる場合は、未開封のまま袋ごとすぐに冷凍しましょう。

冷蔵保存する場合は一度別の容器に移すか、ビニール袋にいれないと反対に早く傷んでしまうのですが、未開封の場合はそのまま冷凍庫に入れたほうが風味や食感が悪くなるのを防ぐことができます。

袋ごと冷凍するときは爪楊枝で数か所に穴をあけてから、冷凍庫にいれましょう。そうすることで、凍結時の水分の膨張によって袋が破裂してしまうのを防ぐことができます。また、穴をあけておくことでもやしが均一に凍結され、品質の低下を防ぐ効果があります。

開封後はブランチングすると◎

開封後のもやしは茹でてから冷凍するとよい

一度開封した使いかけのもやしは、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。もやしは生のまま冷凍することもできますが、食感や風味を守って冷凍するならブランチングしてからがおすすめです。

冷凍する前に茹でたり蒸気をあてたりと必要最低限の加熱処理を行うことを「ブランチング」といいます。もやし以外の野菜でも使える方法で、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。

手間はかかりますが、時間がある場合はブランチングしましょう。ただし、茹でることでビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。そのため、長時間茹ですぎないように注意してください。食感を守るためにもさっと茹でる程度で大丈夫です。

出典:冷凍食品Q&A冷凍食品の基礎知識(日本冷凍食品協会)

水気をしっかりふきとる

茹でたもやしの水けをキッチンペーパーで取り除く

生のまま洗ってから冷凍する場合も、ブランチングをして冷凍する場合も水気はしっかりと拭き取りましょう。余計な水分がついた状態で冷凍すると、解凍されたときにびちゃびちゃになってしまいます。

食感が悪くなるだけではなくもやしの風味も損なわれ味が薄くなってしまうので、キッチンペーパーなどを使って、しっかりと水気を拭き取ってください。

空気を抜いてしっかり密閉する

もやしを入れた冷凍袋の空気をしっかりと抜く

もやしを冷凍用ポリ袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉することが大切です。

しっかりと空気を抜いて密閉しておくことで、空気に触れて鮮度が落ちてしまったり冷凍庫の臭いがついてしまうことを防ぐことができます。

金属トレイを下に置く

もやしを冷凍する際は、金属トレイの上にのせて冷凍するとよい

もやしに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。

遅くても1ヵ月以内に食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

冷凍もやしの解凍方法

もやしに限らず冷凍した食材を美味しく食べるためには、解凍方法も重要です。

解凍せずに調理するのがベスト

冷凍したもやしは凍ったまま加熱調理するのがおすすめ

もやしはそもそも生食不可の野菜で、必ず加熱調理をする必要があります。

生のままでも食べられる野菜はレンジなどで一度解凍してから使うことも多いですが、もやしの場合は解凍せずにそのまま加熱調理しましょう。

そのまま加熱調理することで、解凍されたときに水分が出てびちゃびちゃになってしまうのを防ぐことができますし、栄養素の流出も最小限に抑えることができます。解凍してから加熱する必要はありません。

霜を落としておくと水っぽくならない

冷凍したもやしはそのまま加熱調理して大丈夫ですが、もやしについた霜によって水っぽくなってしまうことがあります。そのため、気になる方は一度さっと水洗いして霜を落としてから調理をすると良いでしょう。

水洗いによって霜を除去しておくことで、もやしの水分量が調整されるため、よりシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

冷凍もやしのおすすめの調理法

冷凍したもやしのおすすめの食べ方を紹介します。

炒めもの

冷凍したもやしは、冷凍のまま炒めものにするのがおすすめです。炒め物にすれば悪くなってしまった食感も気になりにくいですし、栄養素の流出も最小限に抑えることができます。

もやしの臭いが気になる場合は、マスキング効果が期待できるネギや生姜、にんにくを使って一緒に炒めると、もやしの特有の臭いが薄れて食欲をそそる一品に。

炒める時にサラダ油ではなくごま油を使って炒めると、より臭いが気にならなくなるのでおすすめです。

サラダ

冷凍したもやしはさっと湯通ししてサラダにするのもおすすめです。冷凍したもやしは調味料がよく染み込むので、ドレッシングがしっかりと馴染み美味しく食べることができます。

もやし以外の野菜と一緒にサラダにすることで栄養もたくさん取ることができるので、野菜たっぷりのサラダにすると良いでしょう。

汁物

冷凍したもやしはそのままスープなどの汁物にするのも◎汁物であれば、茹でることで流出してしまう水溶性の栄養素も汁ごといただけるので、栄養面で大きなメリットがあります。

汁物であれば柔らかくなってしまった食感も気になりにくいので、ぜひ汁物にして食べてみてください。

もやしのシャキシャキを保つ冷蔵保存の方法

もやしに限らず食材は冷凍すると、水分が凍ってしまうので冷凍前の食感や風味を保ったまま冷凍することは難しいです。上述したように水分量が多いもやしは、冷凍すると特に食感も変化が顕著に現れるので、シャキシャキした食感を保つなら冷凍以外を早めに食べきりましょう。

冷蔵保存のポイント

もやしをすぐに使う場合は冷蔵保存がおすすめです。生のまま保存する方法が一番手軽ですが、あまり日持ちはしないのですぐに食べる必要があります。
購入後、もやしを袋から取り出し、ポリ袋に入れます。軽く口を閉じてチルド室で保存します。開封して使いかけのもやしもポリ袋に入れて保存しましょう。
ポリ袋に入れて保存すれば、2〜3日ほど保存することが可能です。水洗いをしてから調理しましょう。

お湯をかけてから(1週間)

もやしに熱湯をかけ、粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵で保存すれば1週間ほど日持ちする

熱湯をかけてから冷蔵保存すると、水分が出にくくなるのでシャキシャキとした食感を保つことができます。また、調理時間を短縮することもできます。

水洗いして水けを切ったもやしをザルに入れ、上から熱湯をまわしかけます。もやしが冷めたらキッチンペーパーで水けを切り、保存容器に入れます。蓋をしてチルド室で保存すれば、約1週間ほど保存することができます。

水や熱湯で茹でるという方法よりも、熱湯をかける方が、栄養素の流出を抑えることができます。熱湯を使用するので、やけどには十分注意してください。

水に浸けて(7〜10日)

もやしを水に漬けて冷蔵保存すれば7〜10日ほど日持ちするが、水溶性の栄養素が流出してしまうので注意

水につけて冷蔵保存する方法が、冷蔵保存の中では一番長持ちします。水に浸ければ、シャキシャキ感を保って7〜10日ほど保存することが可能です

保存容器にもやしを入れ、もやしがひたひたに浸かるくらいの水を入れ蓋をし冷蔵庫へ。チルド室では水が凍ってしまう可能性もあるので注意してください。水は2日おきに取り替えるようにしましょう。

長持ちはする一方で、もやしに含まれている水溶性のビタミンやカリウムなどが流出してしまうというデメリットも。もやしの栄養を効率よく摂取したい場合は、水に浸ける以外の方法で保存することをおすすめします。