もやしは日持ちしない野菜ですが、冷凍しておくと長く保存することができます。本記事ではもやしは袋ごと冷凍できるのかどうか解説します。
もやしは購入してすぐの未開封の状態であれば、袋ごと冷凍することができます。
意外に思う方も多いと思いますが、もやしは袋ごと冷凍するメリットもあります。もやしを袋ごと冷凍するメリットについては後述しますので、そちらを参考にしてください。
ただし、未開封であっても購入してから時間がたって鮮度が落ちている場合は袋ごと冷凍するのはNGです。一度腐敗していないか確認する必要があります。
また、そのままではもやし特有の臭いや雑菌臭を強く感じることがあります。鮮度が落ちている場合は一度開封し、腐敗していないようであれば水洗いしてから冷凍保存用ポリ袋などに入れて冷凍しましょう。
一度開封をして使いきれなかったもやしは、袋ごとではなく冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。
開封後のもやしは未開封のもやしと比較して雑菌が増殖しやすいです。冷凍する際は、開封をしたらできるだけ早く冷凍することが長持ちさせるポイントです。
開封してから時間が経ってしまっている場合は、必ず腐敗していないか確認してください。
もやしを袋ごと冷凍するメリットは下記の通りです。
もやしは、土壌で育つトマトなどの野菜とは異なり、水耕栽培されています。品質管理が徹底されており、栽培場所や生産工程で衛生管理が行き届いています。さらに、もやしは出荷前には清潔な水で洗浄されることが一般的です。この洗浄工程によって、もやしの表面についた不純物や異物が除去されているため「水洗い不要」と記載されていることが多いです。
もやしは、購入したばかりの密閉された状態であれば細菌の侵入を防ぐことができますし、空気中の酸素に触れて酸化してしまうのを防ぐことができるので、品質を維持することができます。
もやしはトマトなどその他の野菜と比較して鮮度が落ちやすく傷みやすいので、まとめ買いしてすぐに使わないことがわかっている場合はすぐに袋ごと冷凍庫に入れましょう。
もやしはみずみずしくシャキシャキとした食感が特徴の野菜ですが、冷凍すると食感が損なわれてしまいます。これは、冷凍することでもやしに含まれている水分が凍るのと同時にシャキシャキとした食感を与える繊維を壊してしまうためです。
開封後は雑菌を落とすためにも軽く水洗いをする必要があるのですが、一度洗うと余計な水分まで凍ってしまいます。もともと水分量が多いもやしは特に冷凍したときの食感の変化が著しく、ふにゃっとして美味しくないと感じる方が多いです。
未開封の新鮮な状態のもやしは、袋ごと冷凍すれば余計な水分が凍って食感が損なわれたり、水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。
しかし、やはり冷蔵保存していたもやしより食感は劣りますので、食感を損ないたくない場合は冷蔵保存して鮮度が落ちる前に食べきるのがベストです。
もやしを袋ごと冷凍すると何より、手間がかからないので時短になります。
ただ袋ごとそのまま冷凍庫に入れるだけで、鮮度を保ち、食感も維持できるなんて不思議だと思う方も多いと思いますが、鮮度や食感を保ったまま冷凍するなら一度取り出して洗ったり、茹でてから冷凍するのではなく、そのまま冷凍庫に入れましょう。
もやしを袋ごと冷凍する方法を紹介します。
もやしを袋ごと冷凍するときは、爪楊枝などを使って袋に数か所穴を開けます。
水は凍ると体積が拡大し、凍ったもやしが袋内で膨張することがあります。袋が密封されたままでもやし凍ると、この膨張によって袋が破裂する可能性があります。これは冷凍食品にも起こる現象です。袋が破裂して大きな穴が開いてしまうと空気に触れて鮮度が落ちてしまうため、購入時の密閉された状態のまま冷凍庫にもやしを入れる場合は、小さな穴を開けておくと良いでしょう。
小さな穴を開けておくことで、凍結時の水分の膨張を逃がすことができますし、袋内の圧力が調整されて袋の破裂を防ぐことができます。
また、穴をあけておくと空気が均一に通り、もやし同士がくっついてしまうのを防ぐことができます。もやし同士がくっついてしまうと使いにくいですし、繊維が破壊されて食感が悪くなってしまいます。
穴を開けたら、そのまま冷凍庫に入れて大丈夫です。
このとき、もやしが中心や端に偏ったりしないようできるだけ平らにしましょう。偏った状態で冷凍されてしまうとくっついてしまって細胞が壊れやすくなり、食感が悪くなります。火が通るのに時間がかかってしまいます。
平らにして冷凍すれば、軽く揉みほぐすだけでバラバラになるので使いやすいですし、食感が悪くなったり水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。
もやしに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
開封前の新鮮なもやしを袋ごと冷凍する方法はおわかりいただけたでしょうか。続いて、購入してから時間が経っていたり、一度開封したもやしの冷凍方法を紹介します。
開封して使いきれなかったもやしを冷凍する場合は、洗ってから冷凍しましょう。一度さっと洗っておくことで、雑菌の臭いやもやし特有の臭いを軽減することができます。
そのまま冷凍してしまうと臭いがきつくなってしまうことがあるので、開封後は洗って保存袋に入れて冷凍しましょう。
もやしはザルを使って洗っても良いですし、口を開けたら水を入れて袋ごとゆすり洗いでも大丈夫です。ごしごし洗う必要はありません。
もやしは生のまま冷凍することもできますが、食感や風味を守って冷凍するならブランチングしてからがおすすめです。
冷凍する前に茹でたり蒸気をあてたりと必要最低限の加熱処理を行うことを「ブランチング」といいます。もやし以外の野菜でも使える方法で、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
手間はかかりますが、時間がある場合はブランチングしましょう。ただし、茹でることでビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。そのため、長時間茹ですぎないように注意してください。食感を守るためにもさっと茹でる程度で大丈夫です。
出典:冷凍食品Q&A冷凍食品の基礎知識(日本冷凍食品協会)
生のまま洗ってから冷凍する場合も、ブランチングをして冷凍する場合も水けはしっかりと拭き取りましょう。上述したように余計な水分がついた状態で冷凍すると、解凍されたときにびちゃびちゃになってしまいます。
食感が悪くなるだけではなくもやしの風味も損なわれ味が薄くなってしまうので、キッチンペーパーなどを使って、しっかりと水けを拭き取ってください。
もやしを冷凍用ポリ袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉することが大切です。
しっかりと空気を抜いて密閉しておくことで、空気に触れて鮮度が落ちてしまったり冷凍庫の臭いがついてしまうことを防ぐことができます。
保存袋に入れて空気を抜き、しっかり密閉したら金属トレイを下に置いて冷蔵庫へ。袋ごと冷凍するときと同様に金属トレイを下に置いたほうが急速冷凍と同じ効果が期待できます。
もやしに限らず冷凍した食材を美味しく食べるためには、解凍方法も重要です。
もやしはそもそも生食不可の野菜で、必ず加熱調理をする必要があります。
生のままでも食べられる野菜はレンジなどで一度解凍してから使うことも多いですが、もやしの場合は解凍せずにそのまま加熱調理しましょう。
そのまま加熱調理することで、解凍されたときに水分が出てびちゃびちゃになってしまうのを防ぐことができますし、栄養素の流出も最小限に抑えることができます。
解凍してから加熱する必要はありません。
冷凍したもやしのおすすめの食べ方を紹介します。
冷凍したもやしは、冷凍のまま炒めものにするのがおすすめです。炒め物にすれば悪くなってしまった食感も気になりにくいですし、栄養素の流出も最小限に抑えることができます。
もやしの臭いが気になる場合は、マスキング効果が期待できるネギや生姜、にんにくを使って一緒に炒めると、もやしの特有の臭いが薄れて食欲をそそる一品に。
炒める時にサラダ油ではなくごま油を使って炒めると、より臭いが気にならなくなるのでおすすめです。
冷凍したもやしはさっと湯通ししてサラダにするのもおすすめです。冷凍したもやしは調味料がよく染み込むので、ドレッシングがしっかりと馴染み美味しく食べることができます。
もやし以外の野菜と一緒にサラダにすることで栄養もたくさん取ることができるので、野菜たっぷりのサラダにすると良いでしょう。
冷凍したもやしはそのままスープなどの汁物にするのも◎汁物であれば、茹でることで流出してしまう水溶性の栄養素も汁ごといただけるので、栄養面で大きなメリットがあります。
汁物であれば柔らかくなってしまった食感も気になりにくいので、ぜひ汁物にして食べてみてください。
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