とうもろこしの芯を捨てていませんか?とうもろこしの芯は料理に活用することができます。本記事ではとうもろこしの芯について詳しく解説します。
とうもろこしは黄色い実を食べて、芯は捨ててしまうことが多いですよね。芯は食べられないのかと疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
とうもろこしの芯には天然毒素などは含まれていないので、食べることができます。
しかし、とても固いのでそのまま食べると消化不良を起こす可能性があります。芯を食べる場合は、圧力鍋でじっくりと加熱した後にミキサーで撹拌してスープにするなどの工夫が必要です。
芯ごととうもろこしを食べるとなると、手間がかかるので、黄色い実のみを食べるのが一般的です。
とうもろこしを芯を実と一緒に食べるのは難しいですが、芯を料理に活用することはできます。とうもろこしの芯を実と一緒に調理すると、実のみを調理したときとは異なる甘み・旨味を楽しむことができます。
芯は捨ててしまいがちですが、ぜひとうもろこしの芯も一緒に調理してみてください。
とうもろこしのひげや皮も、芯と同様に活用可能です。
例えば、とうもろこしのひげには、むくみ解消効果があるといわれるカリウムが豊富に含まれています。最新の研究では花粉症などのアレルギー症状にも効果があるといわれています。ヒゲを乾燥させて煎じてコーン茶として飲むのがおすすめです。
とうもろこしの皮には食物繊維が豊富に含まれていて、ひげと同様にコーン茶にして飲むことができます。
捨ててしまいがちなとうもろこしの芯ですが、芯を料理に活用するメリットがあります。
とうもろこしの芯には、アスパラギン酸やグルタミン酸などの旨味となる成分が含まれています。そのため、とうもろこしの芯を使うことで、料理に深みを出すことができます。
また、とうもろこしの芯には糖アルコールの一種のキシリトールが含まれており、甘みもあります。
天ぷらや唐揚げにする場合は芯を食べることは難しいですが、あえて芯ごと揚げることで旨味や甘みが出てより美味しくなります。
とうもろこしの粒を削ぐ時に芯に残ってしまう粒の付け根は「胚芽」といい、不飽和脂肪酸であるリノール酸や食物繊維、鉄分、亜鉛、ビタミンB群などが一番豊富に含まれています。
そのため、芯を活用することでとうもろこしの栄養素を無駄なく摂取できるメリットがあります。
とうもろこしには、リノール酸が豊富に含まれています。リノール酸は、人の体内で合成できない必須脂肪酸です。オメガ6系脂肪酸のひとつで、ひまわり油やコーン油、ごま油に含まれています。血液中のコレステロールを低下する作用があり、動脈硬化や心臓病の予防に繋がります。
ただし、リノール酸は摂取しすぎると、血液凝集作用や炎症を引き起こす作用を持ったアラキドン酸の生成促進に関与することが分かっています。現代人の食生活ではリノール酸を多く摂取しているので、摂取量は気をつけましょう。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、とうもろこしの食物繊維は大半が不溶性食物繊維です。不溶性とは液体に溶解しない性質を持っており、不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。
とうもろこしに含まれる不溶性食物繊維には代表的なセルロースがあり、体内でほとんど分解されず、腸内で水分を吸収して膨張し腸管壁を刺激するので、便秘改善が期待できます。さらにダイオキシンや重金属などの有害物質や発がん物質を吸着して、体外に排出する働きもあります。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。さらに、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。
鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、ヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。
そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。他にも鉄が欠乏して貧血になると、酸素が不足し細胞の働きが落ちるのでエネルギーの産生が悪くなるので、エネルギーの産生には鉄が大きく関わっています。
またヘモグロビンには筋肉の働きで生じる老廃物を回収する働きがありますが、鉄が不足すると乳酸などの疲労物質が回収できず溜まってしまい、酸素不足と疲労物質のダブルパンチで疲れやすくなります。
鉄は吸収率が低いと言われていますが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率をアップできます。
亜鉛は主に皮膚や骨、肝臓、筋肉、眼球などに含まれています。亜鉛はほとんどがたんぱく質と結合した形で存在しており、酵素の構成成分として重要な役割を果たしています。たとえばたんぱく質やホルモンの合成、さらにはDNAの複製などにも深く関与し、細胞が新しくつくり替えられるときに不可欠のミネラルです。傷の治りを早くしたり、血糖値を下げるインスリンの材料になるなどの働きがあります。亜鉛が不足すると細胞の生成が滞るので、皮膚や骨の発育が遅れ、子供では成長障害を起こすこともあります。
さらに、味覚や嗅覚を正常に保つ役割もあります。さらには生殖機能にも深く関与し、男性ホルモンや女性ホルモンの生成に関わっていて、亜鉛が不足すると妊娠しにくくなると言われています。
また、加工食品には亜鉛の吸収を妨げる添加物が多く含まれているので、気をつけましょう。さらに亜鉛には毒性があり1日2g以上の大量摂取をすると急性中毒を起こすことがあります。
日本人が不足しがちなビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーにする(体を元気にする)ために欠かせないビタミンです。不足すると、体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸の症状が出たり、太りやすくなったりします。また、糖質は脳や神経系のエネルギー源なので、ビタミンB1には精神を安定させる作用があるといわれています。
昔、日本人の主食は精白米ではなく玄米で、その玄米にはビタミンB1が含まれていたために、意識していなくても摂取することができました。しかし、昨今ではビタミンB1が豊富に含まれている米ぬかの部分が、精白米にする段階でほとんど取り除かれてしまいます。他にもお菓子やジュースなどの過剰摂取でビタミンB1は不足するとも言われているため、積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミンB2は動物性食品に多いビタミンですが、植物性食品にもわずかに含まれています。ビタミンB2は脂質とたんぱく質の分解に働きます。ビタミンB1が糖質の代謝に作用するのに対し、ビタミンB2は特に脂質の代謝を助けます。そして細胞の再生を助けて成長を促し、健康な肌や髪つくり、目や口などの粘膜を守ります。「発育のビタミン」とも呼ばれており、発育促進や健康に欠かせない栄養素です。
ビタミンB2が不足すると、脂質が体内に蓄積されやすくなるため、太りやすくなり、ニキビが増える原因のひとつになります。
また、ビタミンB2は「甲状腺ホルモン」が分泌されることで、体内で働けるようになります。甲状腺の機能が低下してしまうと、ビタミンB2を補充しても生かしきれないことがあります。
とうもろこしを使った料理といえば、コーンスープですよ。コーンスープを作るときは実を芯から削ぎ落として使うことが多いですが、芯を一緒に使うことで出汁が出て旨味と甘みを出すことができるので、濃厚な味わいになります。また、茹でることで流出してしまう水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養満点です。
芯を茹でたときに出る出汁のみを使っても良いですし、芯を茹でて柔らかくした後に粒と一緒にミキサーで撹拌して濾しても良いです。
とうもろこしを炊き込みご飯にしても美味しいですよね。とうもろこしを炊き込みご飯にするときも、実を削ぎ落とした芯も一緒に炊き込むと、旨味と甘みがでます。このとき、とうもろこしのひげも一緒に入ると良いです。炊きあがったら、お好みでバターやこしょうで味付けをしても美味しいです。
とうもろこしを天ぷらや唐揚げなどの揚げ物にするときも、芯ごと揚げるのがおすすめです。芯ごと揚げることで旨味や甘みが出るだけではなく、バラバラにならないので揚げやすいです。
厚めにカットして揚げる場合は、芯は食べずに破棄しましょう。薄くカットすれば、芯ごとサクサクと食べることができます。ただし、小さなお子様が食べる場合などは注意してください。
とうもこしの芯が赤や茶色に変色して見えることがあります。一見傷んでいるように見えますが、これはとうもろこしが元々もつ天然色素によるものです。そのため、使って大丈夫です。
野菜にはさまざまな天然の色素が含まれています。例えばぶどうにはアントシアニンと呼ばれる紫色の色素が多く含まれているため紫色をしています。
とうもろこしには、「ゼアキサンチン」と呼ばれるカロチノイド系の黄色や赤色の色素が含まれています。通常は色素が表面に現れることはないのですが、生育環境や加熱することが原因で表面上に現れ赤や茶色に見えることがあります。
ゼアキサンチンは、通常のとうもろこしにも含まれている成分ですので、人体に害はありません。
とうもろこしに含まれているポリフェノールなどが空気中の酸素に触れて酸化したことが原因で変色していることもあります。収穫してから時間が経つとよく起こる現象で、鮮度が落ちている状態です。
購入してから時間が経っているとうもろこしの芯が変色している場合は、腐敗のサインが見られないかチェックしましょう。異臭がしたり、溶け出しているなど腐敗のサインが見られなければ使って大丈夫です。ただし、鮮度が落ちている状態なので無理に使う必要はないでしょう。
腐敗しているとうもろこしの特徴は下記で紹介します。
腐ったとうもろこしの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に茶色く変色している
溶け出している
とうもろこしが腐るとカビが生えることがあります。とうもろこしに白いホコリのようなふわふわしているものがついているときは白カビ、黒い斑点や黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。じゃがいもなどの固い野菜の場合は表面にカビが生えていても中まで侵食していなければカビが生えている部分を取り除けば食べることができるといわれています。しかし、「カビ」と一口にいっても様々な種類があります。とうもろこしに生えるカビの中には死亡事例がある程の毒性をもつ種類もあるので、食べずに破棄しましょう。
また、とうもろこしが全体的に茶色く変色していたり、見るからに溶け出している部分がある場合も腐敗しています。
腐ったとうもろこしの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
とうもろこしに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったとうもろこしの触感の特徴は下記の通りです。
全体的に痩せていて軽い
ぶにょぶにょしていて柔らかい
ねばねばしている
全体的に痩せていて、持ったときに軽い場合は腐敗していて中身がスカスカの状態です。また、指で押すと簡単にへこむぐらい柔らかくなってぶにょぶにょしていたり、ねばりが出てしまっている場合も腐敗しているので破棄しましょう。
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