オクラのガクはなぜ食べられないのか、その取り方を解説していきます。
オクラは調理をするときに下処理としてガクを取るのが一般的です。レシピなどで「オクラのガクを取る」と記載があるのを見て、オクラのガクって何?どこにあるの?と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
オクラのガクは、ヘタと実の境目の部分のことをいいます。
オクラは、実のすぐ上にガクがあり、ガクの上にヘタがついています。収穫前は、ヘタの部分に茎が繋がっていて、収穫するときに茎から切り離されます。
ヘタの下の部分がガクであると覚えて置くと良いでしょう。
オクラに限らず花を咲かせる植物には必ずガクがあります。
ガクは花のつぼみの外側を覆っている部分で、つぼみの時は中身を保護し、花が咲くと花びらを支える役割を果たします。
私達が可食部として食べているオクラの実はオクラの花の一部で、花びらが散って実が成長した後に茎から切り離して収穫しています。
オクラは調理をする際に下処理としてガクを取るのが一般的です。そのため、オクラのガクは食べられないと思っている方も多いのではないでしょうか。
オクラのガクには、天然毒素などは含まれていないため、食べても人体に害のあるものではありません。そのため、オクラのガクを取らずに調理をしてしまったという場合も心配しなくて大丈夫です。
オクラのガクは食べても問題ないのになぜ取る必要があるのかと疑問に思いますよね。オクラのガクを取る理由は下記の通りです。
オクラのガクは上述したように、オクラの花を守っていた部分です。そのため、オクラのガクは固く筋っぽいため、ガクを取らずに食べると口当たりが悪くなるというデメリットがあります。
特にオクラをカットせずに丸ごと調理する場合は、オクラのガクはしっかりと取っておいたほうが良いです。
オクラのガクは固く筋っぽいだけではなく、苦味があります。それほど強い苦味ではありませんが、料理全体の味を損ねてしまうことがあります。また、小さなお子様など苦味が苦手な方にとっても食べにくさを感じる原因になります。
ガクは食べることができますが、やはり取ったほうが美味しく食べられるので、ガクは取って調理することをおすすめします。
「ガクだけ取るなんてめんどくさい」「ヘタごと切り落とせば良いのでは?」と思う方も多いと思いますが、オクラのヘタは加熱すれば食べることができます。
生の状態では固いので、生食する場合はヘタごとカットして破棄するのが一般的ですが、加熱調理する場合はヘタは残しておいたが良い場合もあります。例えば、オクラを茹でるときにはヘタごと切り落としてしまうとオクラの中に水分が入ってしまって水っぽくなってしまったり、ビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまいます。
また、オクラをカットせずに丸ごと調理するのであれば、ヘタがついていたほうが避けてしまったり中の種が出てきてしまうことがないので見た目を綺麗に仕上げることができます。
そのため、加熱料理する場合や丸ごと調理する場合はヘタは残してガクだけを取るのが良いです。
オクラのガクは、包丁を使って取ることができます。
まずオクラを綺麗に洗ったら、オクラのヘタの先端をカットします。
オクラのガクは、ヘタと実の境目に包丁の刃を入れて、皮を剥くようにぐるりと一周回すようにすることで削り取ることができます。
オクラのガクはピーラーを使って取ることもできます。
ピーラーを使ってオクラのガクを取るときは、まず洗ったオクラをまな板の上に寝かせます。まな板の上に寝かせたオクラのガクの部分にピーラーを当てて、オクラをくるりと回すとガクが取れます。
オクラの固さによっては、ピーラーでは剥きづらいこともありますが、包丁を使うのに慣れていない方や、大量にオクラがある場合などにおすすめです。
オクラのガクが黒っぽく変色していることもあります。ガクが変色してしまっているオクラは食べることができるが不安になりますよね。ガクが変色しているオクラは食べることができるのか解説します。
冷凍庫でオクラを保存していると、ガクの部分などオクラの表面が黒く変色することがあります。ぱっと見た感じ腐敗していると思われがちですが、表面のみで中まで変色していない場合は低温障害が原因で変色している可能性が高いです。低温障害は生理障害であり、腐敗しているわけではないので食べることができます。
オクラは暖かい地域で育つ野菜ですので、寒さに弱いという特徴があります。そのため、冷蔵庫に長期間入れているなど冷やしすぎてしまうと低温障害を起こしやすくなります。低温障害とは、冷蔵保存に適さない野菜や果物を冷蔵保存した時に出る障害のことをいいます。
異臭がするなど腐敗のサインが見られなければ食べても問題ありませんが、痛み始めているので早めに食べきりましょう。
オクラのガクや表面に黒い斑点があったり、黒っぽい傷がある場合も腐敗しているわけではないので食べることができます。
黒い斑点や黒っぽい傷があるのは、オクラに含まれている鉄分が空気中の酸素に触れて変色してしまったことが原因であると考えられます。これは、鉄が錆びて変色するのと同じ現象です。
オクラは流通の過程で表面に傷がついてしまい、時間が経つにつれて酸化し黒っぽく変色してしまうことが多いです。
オクラには黒カビが生えることもあります。黒カビの場合は黒い斑点が集まって黒く変色しているように見えます。また、変色している部分が溶け出していたりにふわふわとしたものがついていることも。
黒カビが生えてしまった場合は残念ながら食べることはできません。じゃがいもなどの固い野菜は表面のみで中まで侵食していなければカビが生えている部分を取り除いて食べることもできますが、オクラの場合は目に見えない部分にまで侵食していることもあるので破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすことがあります。カビ毒は加熱すれば大丈夫ということはないので注意しましょう。
また、腐敗が原因で黒く変色することもあります。腐敗している場合は当たり前ですが食べることはできません。腐敗が原因で黒く変色している場合は、異臭がしたり溶け出している部分があるなど腐敗のサインが見られることが多いです。この場合は破棄しましょう。
オクラのガクなど表面が変色している場合は必ずしも腐敗しているとは限りませんが、下記のような特徴があるオクラは腐敗しているので残念ですが破棄してください。
腐ったオクラの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している
茶色い液体が出ている
中身まで茶色く変色している
オクラには白カビが生えることもあります。表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビが生えています。上述したようにオクラの場合は目に見えない部分までカビの胞子が入り込んでいることもあるため、破棄しましょう。
また、見るからに溶け出している部分があったり茶色っぽい液体が出てきてしまっているようであれば腐敗している可能性が高いです。表面だけではなく中身まで全体的に茶色く変色している場合も腐敗が進んでいる状態なので破棄してください。
腐ったオクラの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
オクラに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったオクラの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょしていて柔らかい
表面にぬめりがある
オクラは乾燥などが原因で水分が抜けるとしなしなになってしまうことがあります。水分が抜けてしなしなになっているだけであれば腐敗しているわけではありませんが、完全に水分が抜けている状態や触っただけで指の後が残るぐらい柔らかくなってしまっている場合は腐敗しています。
また、オクラは元々ぬめりがある野菜ですが、カットしてもいないのに表面にまでぬめりが出てしまっている場合は腐敗しているので破棄しましょう。
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