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オクラの産毛は取らないとダメ?取る理由と取り方は?

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オクラの産毛は取らないとダメ?取る理由と取り方は?

オクラの表面には産毛が生えています。オクラを食べるときには下処理として産毛を取ることが多いです。本記事ではオクラの産毛について詳しく解説します。

オクラの産毛とは

まずはじめに、そもそもオクラの産毛とは何なのか解説します。

オクラの表面に生えている毛

オクラの産毛とは、オクラの表面に生えている毛です。厳密には「毛状突起(もうじょうとっき)」といいます。

オクラは、鮮度が高いほど表面がびっしりと産毛で覆われています。特に鮮度が高いものは手に刺さってしまうほど鋭く、しっかりとしています。そのため、オクラの産毛は鮮度が高いオクラを選ぶときの目印になります。

ちなみにオクラには、可食部となる実だけではなく茎や葉にも細かい産毛が沢山生えています。

何のために生えている?

オクラの実の表面や葉、茎に細かい毛が生えている理由ははっきりとはわかってはいませんが、植物がアブラムシなどの害虫から実を守るためなのではないかといわれています。

そのほかにも、産毛があることで水をはじき、濡れないようにしているのではないかという説もありますが、産毛が生えている植物で育てた虫と、産毛がない植物で育てた虫では産毛が生えている植物で育てた虫の発育が悪くなった実験例もあり、害虫から実を守っているという説が有力なのではないかと考えられます。

出典:おくらの茎と毛(日本植物生理学会)

そのまま食べることもできる

オクラは調理をする際に下処理として産毛を取るのが一般的です。そのため、オクラの産毛は食べられないと思っている方も多いのではないでしょうか。

オクラの産毛には、天然毒素などは含まれていないため、食べても人体に害のあるものではありません。そのため、オクラの産毛と取るのを忘れて調理をしてしまったといった場合も心配しなくて大丈夫です。

オクラの産毛を取る理由

オクラの産毛は食べることができるのに、なぜオクラの産毛は取ってから調理をすることが多いのでしょうか。産毛を取る理由は下記の通りです。

口当たりが悪い

オクラの産毛には天然毒素などは含まれていないものの、産毛を取らずに調理をして食べるとどうしても口当たりが悪くなります。そのため、産毛を取ってから食べることが推奨されています。

上述したように、鮮度が高ければ高いほどオクラの産毛はするどく、時には刺さってしまうほどです。そのため産毛はとってから調理をして食べましょう。

離乳食など小さなお子様が食べる場合も口当たりが悪くて食べにくかったり、刺さってしまうことがあるので産毛は取ってから調理したほうが安心です。

オクラの味が落ちやすい

オクラは食べるときはもちろんのこと、保存する際も産毛をとっておくほうが良いです。これは産毛があることによって、オクラの味が落ちやすくなるためです。

食べるときに産毛をとって口当たりを良くすることがほとんどなので、購入したオクラを保存しておく場合は冷蔵庫や冷凍庫に入れる前にオクラの産毛を取ってから保存すると、味を落としてしまうことなく保存ができますし、調理をするときも便利です。

カビが生えやすい

オクラを保存するときも産毛はとったほうが良いと上記で紹介しましたが、オクラは産毛を取らずに保存すると味が落ちてしまうだけではなく、カビが生えやすいというデメリットもあります。

オクラの産毛には水分が溜まりやすいためです。オクラには白カビや黒カビが生えてしまうことがあり、カビが生えると食べられなくなってしまうので産毛を取ってから保存することをおすすめします。

産毛をとっても栄養価は落ちない

オクラの産毛を取ることで栄養価が下がってしまうのでは?と思う方もいるかと思いますが、皮とは異なり産毛に特別栄養素や成分が含まれているわけではないので、産毛をとったからといって栄養価が下がってしまうということはありません。

ひと手間かかりますが、口当たりを良くして食べやすくするためにも、産毛はとりましょう。

オクラの産毛の取り方

続いて、産毛の取り方を紹介します。

板ずり

オクラを板ずりすることで産毛を取ることができる

オクラの産毛は板ずりをすることで取ることができます。板ずりとは、食材に塩を振りまな板の上で転がすことをいいます。

オクラを板ずりをするときは、まずオクラのガクとヘタの先端部分を取ります。切り取ったら、オクラをまな板に横になるように並べて、塩を適量ふり、手のひらでゴロゴロ転がします。

オクラを生食する場合は、塩を洗い流します。茹でて食べる場合は、塩がついたまま熱湯に入れて茹でます。

ネットに入れたままこすり合わせる

オクラをネットに入れたままこすり合わせる

上述したように、新鮮なオクラの産毛は鋭く、板ずりをすると手に刺さってしまうことがあります。そういった場合は、ネットを使うのがおすすめです。

オクラはネットに入れて販売されていることが多いですよね。ネットから取り出さずにそのまま流水を流しながら、両手でネットに入れたオクラを挟むようにして持ち、そのままこすり合わせるようにして洗います。

これだけでも、オクラの産毛を取ることが可能です。

オクラの産毛が手に刺さってしまったときの対処法

オクラの産毛が手に刺さってしまった経験がある方は意外と多くいます。そこで、オクラの産毛が手に刺さってしまったときの対処法を紹介します。

皮膚をお湯で温める

オクラの産毛に限らず、植物のトゲなどが手に刺さってしまったときは、まず皮膚をお湯で温めると良いといわれています。

お湯で温めることで皮膚がふやけて柔らかくなるのと同時に、血流の流れがよくなるので、ピンセットですっと抜けるようになります。そのままではピンセントで抜けない場合に試してみてください。

はちみつを塗る

トゲが刺さってしまった部分にはちみつを塗るという方法もあります。はちみつを塗ってしばらく置いておくだけで、トゲが浮き上がってくるので取りやすくなります。

また、はちみつに含まれている成分には抗菌作用があるため、トゲを抜くだけではなく消毒にもなります。肌にも優しいのでおすすめです。

梅肉を塗る

梅肉を塗るのも効果があるといわれています。梅肉をトゲが刺さった部分に当てたら、絆創膏などで固定ししばらく時間を置きます。

こうすることで、梅肉の塩分によって皮膚の水分が吸い出されしっかりと埋まってしまっているトゲをすっと抜くことができます。これは、野菜を塩もみすることで野菜から水分が出るのと同じ原理です。

梅干しにも抗菌作用があるため、消毒にもなります。

硬貨を使う

トゲが奥に入ってしまって抜けにくいという場合は、50円玉や5円玉など穴の空いた硬貨を使ってみると良いでしょう。

トゲが刺さってしまっている部分に硬貨の穴の真ん中が来るようにセットします。そのまま強く押し当てると、穴の部分にある皮膚が盛り上がるためトゲが押し出されて抜きやすい状態になります。

はちみつや梅肉がないという時におすすめです。

テープを使う

セロテープやガムテープなどのテープをトゲが刺さっている部分に貼り付けて、ベリっと剥がす方法もあります。粘着力がある程度強いテープであれば、トゲが貼り付いて一緒にとれます。

ただし、皮膚が一緒に剥がれてしまうこともあるので注意が必要ですし、肌が弱い方にはおすすめできません。