はちみつはケーキシロップで代用できるのか、解説します。
はちみつは、砂糖の代用品としてお菓子作りに使われることがあります。例えば焼き菓子を作るときに液体であるはちみつを入れることで、しっとりとした食感になります。これははちみつの主成分はブドウ糖と果糖で、保水性があるためです。また、メイラード反応が起こりやすいため濃い焼き色がつきます。
お菓子作りをするときのはちみつの代用品としてケーキシロップを使うことはできます。ただし、ケーキシロップは果糖ブドウ糖液糖や水あめ、カラメル色素、香料などを原料として作られており、メープルシロップと似た風味がします。そのため、はちみつを使ったときとは風味が異なります。
また、甘さははちみつよりも控えめなので、はちみつの分量より多めに使用するか、他の甘味料と併用して使用する必要があります。
はちみつは、シロップとしてパンケーキにかけたり、紅茶などの飲み物に入れたりすることも多いですよね。はちみつをかけたり、入れたりすることではちみつ特有の甘みと味が合わさって美味しくなります。
ケーキシロップはメープルシロップの風味がするため、ホットケーキやパンケーキにかけたり、飲み物やトーストなどでも使用されます。はちみつとは違った味わいにはなりますが、ケーキシロップ特有の優しい甘みをプラスすることができます。
はちみつはお菓子作りに使われたり、シロップとしてパンケーキにかけて食べたりすることが多いですが、煮物や照り焼きなどの料理の味付けに使われることも多いです。
料理の味付けに使うときのはちみつ代用品としてケーキシロップを使うことも可能です。ただし、上述したようにはちみつとは風味が異なります。
メープルシロップに似た甘い香りと風味があるため、料理によっては味を損ねてしまうこともあります。例えば、照り焼きチキンや生姜焼きを作るときに使うはちみつの代用にはケーキシロップを使ってもさほど違和感はありません。好みにもよりますが、食材や味付けによってはケーキシロップが合わないと感じる場合もあるので、その場合は別のもので代用しましょう。
はちみつは隠し味として料理に加えることも多いですよね。例えば、カレーを作るときにはちみつを入れるとカレーにコクを出すことができます。
はちみつの代用品としてケーキシロップを隠し味に入れることはできます。ただし、同じような風味をもつメープルシロップには、はちみつよりも旨味を感じさせるミネラル類が多く含まれているためコクを出すことができますが、ケーキシロップの場合は糖ブドウ糖液糖や水あめ、カラメル色素、香料などを原料として作られており旨味となるミネラル類が多く含まれているわけではありません。そのため、甘みを出すことはできてもはちみつのようなコクを出すことは難しいでしょう。
ヴィーガンとは、動物由来の食品や成分などを完全に排除する考え方・それを実践する人のことを指します。英語「vegan」が語源で「ビーガン」と表記される場合もあります。動物はもちろん、ハチミツや乳製品、卵、虫由来の食品を一切摂りません。したがって、蜂が集めたはちみつも、ヴィーガン食品としては認められていません。
ケーキシロップは乳製品、卵、虫由来の食品ではないため、ヴィーガンの方も使うことができます。
はちみつには、ボツリヌス菌が混在している可能性があります。
ボツリヌス菌とは、土壌や海、川などの泥砂中に生息している菌です。1歳未満の乳児がはちみつを摂取することで、乳児ボツリヌス症を発症する可能性があります。乳児ボツリヌス症は、乳児の腸内環境が不安定で、ボツリヌス菌の感染に対する抵抗力が低いために起きると考えられています。数日間便秘の症状を示し、母乳やミルクを吸う力が弱くなったり、泣き声が小さくなったりなどの症状が表れます。
そのため、腸内環境がまだ整っていない1歳未満の乳児にははちみつやはちみつ入りの料理、お菓子、飲料などを与えないようにしましょう。
ケーキシロップの原料は、果糖ブドウ糖液糖や水あめ、カラメル色素、香料であるためボツリヌス菌が混在している可能性はありません。
はちみつには独特の香りと風味があります。はちみつはミツバチが集めてきた花の種類やミツバチの種類によって香りや風味が異なり、香りが特に強い種類のものもあります。
はちみつの香りや風味が苦手な方も多いのではないでしょうか。ケーキシロップにも特有の香りや風味はありますが、メープルシロップに近いです。はちみつと比較してすっきりとしているので、はちみつの味が苦手な方の代用品にもおすすめです。
はちみつは、値段が高いというイメージがある方も多いのではないでしょうか。一般的なセイヨウミツバチのはちみつ(国産)は1gあたりが10円〜30円程度と高価で、スーパーでは一般的なものでも400円〜500円程で販売されています。
一方、ケーキシロップは森永製菓が製造販売しているもので300円程、その他のメーカーが販売している単価なものでは200円程で購入できるものもあります。
はちみつと比較するとケーキシロップのほうが安価で手に入れやすいのでお財布に優しいといえます。
はちみつが自宅にない時は、砂糖で代用することが可能です。砂糖には白砂糖(上白糖)や三温糖、グラニュー糖など様々な種類がありますが、基本的にはどの砂糖でも料理やお菓子の甘味料として使用できます。
はちみつの種類によって糖度が若干異なりますが、はちみつの方が砂糖よりも甘みが強いです。そのため、はちみつの代用として砂糖を使用する場合は、はちみつの分量よりも多めに砂糖を使用します。
砂糖をはちみつの代用品として使用する際の換算方法は、
・はちみつ大さじ1 ≒ 砂糖大さじ3
・はちみつ小さじ1 ≒ 砂糖大さじ1
を目安に使用すると、はちみつと同じくらいの甘さになります。ただし、砂糖の種類によって甘さや風味が若干異なりますので、調整が必要です。
一般的な砂糖の特徴を下記でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
白砂糖(上白糖)
クセがない淡白な甘さが特徴。砂糖の中でも甘みが強め。素材の味を邪魔しにくいため、料理全般や菓子、パンなどに幅広く使われる。加熱すると焦げやすいので注意。
三温糖
コクがありカラメル風味がするのが特徴。はちみつの風味に近い。
てんさい糖
まろやかな甘さと風味、コクが特徴。白砂糖よりも甘さはやや控えめ。
きび砂糖
黒砂糖に似た独特の風味があり、まろやかな甘さが特徴。白砂糖より甘さはやや控えめ。
黒砂糖
独特な風味とコクが特徴。糖度は白砂糖よりも低いものの、黒砂糖に含有されているミネラル分で甘さが強く感じられる。
グラニュー糖
白砂糖と同じようにクセがなく淡白な甘みが特徴。白砂糖や三温糖よりも甘みがやや弱い。結晶が大きいため水などには溶けにくい。
氷砂糖
アクが少なく、まろやかな甘味が特徴。砂糖の中で最も結晶が大きい砂糖。料理やお菓子には適さない
みりん(味醂)は、もち米や米麹、焼酎を原料としたお酒です。一般的にみりんとよばれるのは「本みりん」で、主に調理用として使用されます。糖分38%とエタノール13%を含み、甘みが強いのが特徴です。
みりんはアルコールを含むため、火を通すものの代用として使用します。発酵による複雑なうまみが料理にコクを与えます。また、身を引き締めたりテリを与えるなどの作用があるため、煮物や煮魚、照り焼き、おでん、天つゆなどの和食に使用することが多いです。お酒として飲むこともできます。
みりんの甘さはもち米や米麹によるもので、はちみつの甘さとは異なります。はちみつよりも甘さはかなり控えめなので、砂糖と併用するという使い方もあります。
フルーツピューレやフルーツジュースをはちみつ代わりに使うことで、果物の自然な甘さを料理やお菓子に甘みをプラスすることが可能です。果物の種類によって糖度は異なりますが、例えばバナナの糖度は15〜25%、リンゴの糖度は12〜15%程度です。
バナナのピューレをマフィンに使ったり、りんごのすりおろしをカレーに入れるなどして甘さを加えます。熟している果物であれば充分な甘さが出ますが、はちみつのような甘さを加えるためには他の甘味料との併用がおすすめです。
ジャムもはちみつの代用品として使用することが可能です。煮詰めて作られるジャムは甘さがぎゅっと濃縮されている点と、多くのジャムの原料として砂糖が添加されていることから、料理やお菓子に甘みを加えることが可能です。果物と同様、ジャムの種類や砂糖の配合量などによって糖度が異なります。
ジャムは、肉料理との相性が良いといわれています。例えば、マーマレードジャムやアプリコットジャムは生姜焼きやポークソテー、グリルチキンに、ブルーベリージャムは鶏肉のソテーやローストビーフなどとよく合います。また、肉料理以外にもサラダや和え物に使っても美味しくいただけます。
ジャムははちみつとは違う甘さがある点と、ジャムの種類によって甘さが異なる点から、味を確認しながらお好みの甘みに仕上げましょう。
黒蜜は、黒砂糖に水を加えて煮詰めてつくられます。黒蜜の糖度は約50〜60%前後です。
あんみつやくず餅などにかけて食べるのが一般的ですが、はちみつの代用品として料理や菓子に使うことが可能です。
黒蜜の方がはちみつよりも甘さが強く感じられるため、はちみつの代用品として使用する場合は、はちみつの分量よりも少なめに使用するとよいでしょう。
「オリゴ糖」として市販されている甘味料も、はちみつの代用品として使用することが可能です。白砂糖の甘味度を1とした場合、オリゴ糖は0.5といわれています。つまり、砂糖よりも甘さがマイルドです。
一般的にオリゴ糖は、はちみつよりもカロリーが低く、腸内のビフィズス菌を増殖する作用があるといわれています。オリゴ糖はコーヒーや紅茶などの飲料に入れたり、ヨーグルトにかけたり、加熱料理に使うことも可能です。
オリゴ糖ははちみつよりも甘さが控えめに感じられます。はちみつの分量よりも多めに使用するか、他の甘味料と併用して使用するとよいです。
水あめは、でん粉を酸や酵素で糖化してつくられます。液体のとろみ具合がはちみつと似ている点から、はちみつの代用品として使用することが可能です。白砂糖の甘味度を1とした場合、水あめは0.35〜0.4といわれています。つまり、砂糖よりも甘さがマイルドです。
水あめ自体は、クセがあまりなく素材の味を邪魔しません。あんやジャム佃煮、照り焼きなどに使用されることが多いです。
水あめの甘さは、はちみつよりも控えめなので、はちみつの分量よりも多めに使用したり、他の甘味料と併用して使用しましょう。
アイスコーヒーやアイスティーなどの冷たい飲み物の甘味付けに使用されるガムシロップも、はちみつの代用品として使用することができます。ガムシロップの糖度は約60%といわれています。
はちみつよりもサラサラとして液体状で、溶けやすいです。
甘さははちみつよりも控えめなので、はちみつの分量より多めに使用するか、他の甘味料と併用して使用する必要があります。
フルーツの缶詰には、ガラクトオリゴ糖や砂糖などが配合されています。そのため、缶詰のシロップでも甘みをプラスすることが可能です。
フルーツの缶詰のシロップは甘さが強く感じられることが多いので、量を調整しながらお好みの味に仕上げましょう。
近年、注目を浴びている甘味料の一つにアガベシロップがあります。アガベシロップは、メキシコを中心に分布している多肉植物「アガベ」から作られる甘味料です。アガベはテキーラの原料でもあります。
アガベは、一般的な砂糖(上白糖、白砂糖)の1.3倍の甘さがあるのにもかかわらず、カロリーは75%と低く、またGI値は驚きの21です!血糖値の急激な上昇を抑えたり、アガベシロップに含まれるイヌリンが腸内環境を整えてくれます。健康や美容効果が期待できることから、注目を集めています。
アガベシロップの甘さにはクセがなく、後味がさっぱりとしてしつこくないため、様々な料理に使うことができます。メープルシロップと同様に、アガベシロップもヴィーガンです。シロップの色が濃いものもあります。アガベシロップは、他の甘味料と比較して値段が高価な傾向があります。
アガベシロップははちみつよりも甘さが強く感じられるため、少なめに使用しましょう。
デーツ(なつめやし)は、ヤシ科に属する植物です。デーツシロップは、果実と水のみでつくられます。
デーツには食物繊維やミネラル類、たんぱく質を豊富に含んでおり、他の液体甘味料と比較すると、栄養価が高いです。デーツのフルーティーな風味がありながらも、黒蜜や黒砂糖のような甘さが特徴です。デーツシロップはメープルシロップやアガベシロップと同様にヴィーガンです。
メープルシロップと同じように、パンケーキやワッフル、ヨーグルトにかけたり、醤油との相性が良いため煮物などに使用すると美味しくいただけます。デーツシロップはとろみが強い液体で、はちみつやメープルシロップよりも濃い色をしています。そのため、料理などに使用すると、デーツシロップの色が移ってしまう可能性があります。
デーツシロップははちみつよりも甘みが強く感じられるので、少なめに使用し、味を確認しながら量を調整しましょう。
ヤーコンは、キク科に属する食用いもです。ヤーコンシロップは、食用部分の塊根をジューサーなどで粉砕し得られる液体を煮詰めてつくられます。なお、ヤーコン自体は梨のような歯ごたえと味覚が特徴的で、きんぴらやごま油漬けとして美味しく食べられます。茎や葉はヤーコン茶に利用されます。
ヤーコンにはフラクトオリゴ糖が多量に含まれており、ヤーコンの甘みはこのフラクトオリゴ糖によるものです。フラクトオリゴ糖には、整腸作用や便秘改善などの機能があるといわれています。また、ヤーコンには食物繊維やミネラル類、ビタミン類、ポリフェノールなどの栄養素も含有されています。
ヤーコンシロップははちみつよりもとろみが強く、醤油のように黒い色をなしています。様々な料理やお菓子にご使用いただけますが、ヤーコンシロップの色が仕上がりに影響する可能性もありますので、見た目重視の料理やお菓子には、アガベシロップやメープルシロップなどの方が適しています。ヤーコンシロップもヴィーガンです。
はちみつと比較するとまろやかな甘さが感じられます。はちみつよりも多めに使用するとよいでしょう。
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