コーンフラワーはとうもろこしを原料に作られるとうもろこし粉の一種です。本記事ではコーンフラワーの代用品を紹介します。
コーンフラワーは、とうもろこしを原料に作られるとうもろこし粉の一種です。英語で「Cornflower」と表記します。
コーンフラワーは、一般的に食べられているスイートコーン(甘味種)やポップコーンの原料となる爆裂種ではなく、デントコーン(馬歯種)やフリントコーン(硬粒種)という品種のとうもろこしが原料として使われます。
とうもろこし粉にはコーンフラワーの他にもコーングリッツやコーンミールがあり、それぞれ粒子の大きさが異なります。
コーンフラワーの見た目は、クリーム色です。コーンフラワーは、とうもろこし粉の中で最も粒子が細かく小麦粉の質感に似ていますが、小麦粉とは異なるとうもろこしの優しい甘みと風味があります。
コーンフラワーは、小麦粉などの粉物と比較して水を吸いやすいため少量の水でも簡単に溶かすことができます。また、コーンフラワーを水で溶かして作った生地はとてもよく伸びます。
さらに、保水力が少ないため焼き菓子を作るとほろほろっとした独特の食感に仕上げることができます。
コーンフラワーにはグルテンが含まれていません。
グルテンとは、弾力に富むが伸びにくいグルテニンと、弾力は弱いが伸びやすいグリアジンの2種類のたんぱく質が、水分によって結びついたもので、小麦を原料に作られる小麦粉に含まれています。パンなどの「ふわふわ、モチモチ」という食感はこのグルテンによってもたらされます。
グルテンはアレルギーの原因となる他、消化されにくいという性質があり、むくみの原因となったり、疲れやすくなるなどの症状が身体に出ることもあります。近年グルテンを摂取しないグルテンフリーの生活を実践する人も多くいます。
コーンフラワーにはグルテンは含まれていないので、小麦アレルギーの方などグルテンを摂取したくない方も使うことができます。
コーンフラワーはコーンブレッドの原料として使われることが多いです。
コーンブレッドはアメリカで古くから愛されている伝統的なパンで、とうもろこしの優しい甘さが特徴です。アメリカ南部では、砂糖を少なめにして焼いて、チリコンカンなど豆類と合わせて朝食に食べることが多く、アメリカ北部では砂糖と小麦粉を加えてケーキ風に焼き上げることが多いです。
イングリッシュマフィンは、ベーキングパウダーなどで発酵させた丸い生地に、コーンフラワーなどのとうもろこし粉をまぶして焼いたパンです。名前に「マフィン」とついていますが、洋菓子のマフィンとは異なります。洋菓子のマフィンと区別をするために「イングリッシュマフィン」と呼ぶようになったといわれています。イングリッシュマフィンは、目玉焼きやソーセージなどと一緒に朝食に食べられることが多いです。
コーンフラワーは水を吸収する特徴があり、薄く伸ばしやすいためトルティーヤを作るときの材料として使われることも多いです。
トルティーヤとはメキシコの伝統料理で、とうもろこし粉を主原料に作った生地を薄く伸ばして焼いたパンです。近年では小麦粉を主原料に作られることも多いですが、トウモロコシで作ったものをコーントルティーヤ、小麦粉で作ったものをフラワートルティーヤと呼んで区別しています。
トルティーヤは様々な料理に使われます。例えばタコスもトルティーヤを使って作られる料理です。タコスは、コーントルティーヤに具材をのせて二つ折りにしたもののことで、メキシコの国民食とも呼べるメジャーな料理です。タコスの「タコ」はスペイン語で「朝食」という意味があります。
また、トルティーヤをオーブンで焼いたり油で揚げると手軽にトルティーヤチップスを作ることができます。
コーンブレッドやイングリッシュマフィン、トルティーヤの他にも、ベーグルなどそのほかのパンを作ることもできます。
コーンフラワーにはグルテンが含まれていないため、パンを作るときは強力粉や薄力粉と合わせて使う事が多いですが、ベーキングパウダーを使えば強力粉や薄力粉なしでも作ることができます。
コーンフラワーは、クッキーやスコーンなどの焼き菓子を作るときに使うこともできます。
上述したように保水力が少ないためコーンフラワーを使って焼き菓子を作ると小麦粉を使用して作る焼き菓子とは異なり、ほろほろとした食感になるのが特徴です。
コーンフラワーは、ウガリの原材料としても使われます。
ウガリとは、ケニアやタンザニアなどアフリカ東部で主食として食べられている伝統的な料理です。コーンフラワーやコーンミールなどのとうもろこし粉に水を加えて練りあげて作り、お粥状や団子状にして食べます。
コーンフラワーを使って優しいとうもろこしの甘みがあるスープを作ることができます。
また、コーンクリームシチューを作ることもできます。市販のシチューのルーと合わせて使って作ることもできますし、薄力粉と合わせればルーなしでも作ることが可能です。
コーンフラワーは、揚げ物の衣として使うこともできます。
例えば骨付きの鶏肉をコーンフラワーと薄力粉(はくりきこ)を合わせた衣で揚げると、フライドチキンを作ることができます。
コーンフラワーを衣にすると、サクサクとした食感に仕上がるのでおすすめです。
また、天ぷらなの衣にコーンフラワーを使うことも可能です。コーンフラワーには小麦粉とは異なりグルテンが含まれないため水に溶いてもだまになりにくい利点があり、サクっとした食感に仕上げることができます。
コーンフラワーの以外のとうもろこし粉は原料が同じで、粒子の大きさが異なるだけなので代用品にコーンフラワー以外のとうもろこし粉を使えば風味を大きく変わってしまうことがありません。特にイングリッシュマフィンやコーンブレッドと作りたいときにおすすめです。ただし、上述したように粒子の大きさは異なるので注意が必要です。
コーングリッツもとうもろこしを原料に作られ、製造方法も同じです。
見た目は黄色くサラサラとしていて、コーンフラワーの触感とは異なります。また、コーングリッツにはホワイトコーンで作られた白いタイプがあります。ホワイトコーンで作られることもあり、ホワイトコーンで作られるコーングリッツは、黄色いコーングリッツと比較してビタミンBの含有量が少ない他、甘みが少ないです。
コーングリッツはコーンフラワーと比較して粒子が大きいのが特徴です。そのため、コーンフラワーをコーングリッツで代用すると食感が代わります。例えば、イングリッシュマフィンを作るときにコーングリッツを使用するとザラッとした口当たりになります。
コーングリッツを使ってスープを作ることもできます。コーンミールは粒子が粗いのでつぶつぶとした食感を楽しむことができます。
さらに、コーングリッツも唐揚げなどの揚げ物を作るときの衣としても使うことができます。粒子が粗いためザクザクとした食感になり、コーングリッツ独特の香ばしい風味がします。
コーンミールも原料はとうもろこしであり、製造方法も同じです。
コーンミールは、コーングリッツよりも粒子が細かいのが特徴です。粒子の大きい順に並べるとコーングリッツ、コーンミール、コーンフラワーとなります。
例えば、コーンフラワーの代用品としてコーンミールを使ってイングリッシュマフィンを作ったり、揚げ物の衣にするとコーンフラワーよりもカリッとした食感に仕上がりますが、コーングリッツほどカリっとはしません。
コーンミールは「ポレンタ」と呼ばれるイタリアの伝統的な料理であるお粥を作るときにもよく使われます。
米粉はコーンフラワーの代用品としてパンや洋菓子やフレーク、トルティーヤを作ることができる他、揚げ物の衣にすることができます。米粉にもグルテンはふくまれていないので、グルテンを避けたい方にもおすすめです。
ただし、味や食感に違いがでます。米粉は原料がお米であるためコーンフラワーのようにとうもろこしの甘さを出すことはできません。パンや洋菓子を作る場合はコーンフラワーよりもキメが細かくなめらかな食感になります。パンや焼き菓子などふんわりと仕上げたい場合は、小麦粉と合わせて使ったりベーキングパウダーを使うと良いです。
米粉は、米を製粉した白い粉の総称です。
米粉は大別してもち米から作られるものと、うるち米から作られるものがあります。
うるち米は一般的に食べられている半透明のお米のことです。有名な品種にはコシヒカリやあきたこまちなどがあります。もち米は白く不透明で、お餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。
もち米からなる代表的な米粉は白玉粉です。
うるち米からなる代表的な米粉は上新粉です。
スーパーなどで「米粉」や「米の粉」として売られているものには「製菓用米粉」とグルテンを添加した「製パン用米粉」の二種類があり、原料はうるち米なので、上新粉と同じですが上新粉とは製法が異なります。一般的には、うるち米からロール製法で作られた粉が「上新粉」、胴搗き製法で作られた粉がスーパーなどで売られている「米粉」や「米の粉」に分類されます。
玄米粉を使ってパンや洋菓子、トルティーヤを作ることができる他、揚げ物の衣にすることができます。玄米粉もコーンフラワーと同じくグルテンが含まれません。
ただし、コーンフラワーとは原料や粒子の大きさが異なるため味が変わります。玄米粉は、素朴な味わいと独特の風味が特徴で、苦味があります。苦味が気になる場合は小麦粉と合わせて使うと良いでしょう。
玄米粉は玄米を原材料に作られた粉です。
玄米とはもみ殻だけを取り除き、ぬかや胚芽が残っている状態のお米です。もみ殻やぬか、胚芽を取り除くと一般的に食べられている白米になります。 玄米はぬかや胚芽を残しているぶん栄養素が高く、さらに粉状にすることで玄米を炊いて食べるよりも消化されやすく、栄養素をしっかりと取り入れることができます。
小麦粉はコーンフラワーの代用品としてパン、洋菓子やトルティーヤ、フレークを作ることができる他、揚げ物の衣にすることができます。
ただし、味や食感に違いがでます。小麦粉は原料が小麦であるためコーンフラワーのような甘さはありません。また、小麦粉にはグルテンが含まれるため、パンやお菓子はふんわりとした食感に仕上がります。揚げ物の衣にするとサクッとした食感になりますが、油を吸収しやすいので時間が経つとしっとりします。
小麦粉は、小麦を製粉した粉です。
胚芽と外皮を取り除いてから製粉された小麦粉は色が白く、グルテン(麩質)の量によって、薄力粉(はくりきこ)、中力粉(ちゅうりきこ)、強力粉(きょうりきこ)に分けられます。小麦粉の種類は製粉方法ではなく、原料小麦の品種によって決まります。見た目はどれも白い粉で目視では判別できません。
薄力粉は、粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)から製粉された小麦粉を指します。「粒が柔らかい」=「グルテン量が少ない」ことを意味し、薄力粉はグルテンの含有量が6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と最も少ない小麦粉です。薄力粉を玄米粉の代用品として使いパンやクッキー、スポンジケーキなどのお菓子を作ると、ふんわりとした生地に仕上げり、揚げ物の衣にするとカリッとした歯切れのよい食感に仕上がります。
中力粉は、粒の硬さが中くらいの中間質小麦から製粉された小麦粉を指します。中力粉の中には軟質小麦から作られているものもあります。中力粉はグルテンの含有量は8~9%です。中力粉はほどよく弾力が出るのが特徴で、主にうどんに使われます。そのため、中力粉は「うどん粉」「うどん用粉」「うどん用小麦粉」という名称で売られている場合もあります。中力粉を玄米粉の代用品としてパンやクッキー、スポンジケーキなどのお菓子を作ると、弾力があり噛みごたえのある仕上がりになります。
強力粉は、粒が最も硬い硬質小麦から製粉された小麦粉を指します。強力粉のグルテン含有量は11.5~13.5%です。粘りと弾力が最も強いという特徴があります。強力粉を玄米粉の代用品として使いパンやスポンジケーキを作ると、グルテンの含有量が多いため生地がよく伸びモチモチふわふわの食感になります。クッキーなどの焼き菓子はサクサクの食感に仕上がり、揚げ物の衣にするとカリッとした食感に仕上がります。
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