米油は、米糠(こめぬか)を原料に作る植物油の一種で、 米糠由来の成分が豊富に含まれているため健康に良いと注目されています。本記事では米油の使い方を紹介します。
米油は、米糠(こめぬか)を原料に作る植物油の一種です。
「米糠油(こめぬかゆ・こめぬかあぶら)」ともいわれます。
米糠とは玄米を精白したときに出る果皮や種皮、胚芽などの部分で、約18%〜20%の油分が含まれています。米油は米糠に含まれている油分を抽出し精製したものです。
玄米から出る米糠はわずかであり、含まれている油分も18〜20%と少ないため例えば米油1本分(600g)作るには約43kgもの玄米が必要になります。そのため、一般的に使われているサラダ油などの植物油よりも値段が高価になります。
ちなみに油を抽出した米糠は、「脱脂糠(だっしぬか)」として飼料などに有効活用されることが多いです。
米油100gに含まれる栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…0g
脂質…100g
炭水化物…0g
ビタミンE…25.5g
ビタミンK…36μg
カリウム…Trmg
カルシウム…Trmg
リン…Trmg
クロム…1μg
元々玄米はビタミンB群などのビタミン類、カルシウムなどのミネラル、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでおり、白米より栄養価が高いことで知られています。これは栄養素の多くは糠層(ぬかそう)や胚芽(はいが)に含まれているからです。米油は栄養素を多く含んでいる糠層や胚芽から抽出した油であるため栄養価が高くなります。
例えば、米油には不飽和脂肪酸の一種でオメガ9(n-9)系脂肪酸に属するオレイン酸と、オメガ6(n-6)系脂肪酸に属するリノール酸、ビタミンE(トコフェノール・トコトリエノール)、ビタミンKが豊富に含まれている他、こめ油特有の栄養素γ―オリザノール(ガンマオリザノール)も含まれています。
米油100gあたりのカロリーは約921kcal、糖質量は0gです。油脂ですのでカロリーは高くなります。摂取のしすぎは太ってしまう原因になるのでダイエット中の方は注意しましょう。
出典:文部科学省日本食品標準成分表2020年版(八訂)
米油にはオレイン酸やビタミンE(トコフェノール・トコトリエノール)など抗酸化作用をもつ成分が多くふくまれています。特にビタミンEの一種であるトコトリエノールは圧倒的な抗酸化作用をもつ成分として知られており、「スーパービタミンE」ともいわれます。
抗酸化作用により、ストレスなどにより体内に発生した活性酸素が細胞へダメージを与えることを防ぐことができ、生活習慣病などの予防に繋がるといわれています。また、しみやしわを予防するなどのエイジングケア効果も期待できます。実際に米油を配合したクレンジングオイルなども販売されています。
オレイン酸には、血液中の悪玉コレステロールと善玉コレステロールを適正に保つ働きもあります。悪玉コレステロールは動脈硬化や心臓病、高血圧の原因となり、反対に善玉コレステロールには動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。オレイン酸は善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールだけを減らしてくれるため心臓障害予防の効果が期待できます。
米油特有の栄養成分であるγ―オリザノールはポリフェノールの一種です。γ―オリザノールは、ビタミンEなどと同じく抗酸化作用がある他、血行を良くしてコレステロールを低減させる作用があるといわれています。また、脳の機能の劣化防止、更年期障害防止効果が期待できます。
出典:厚生労働省e-ヘルスネット
油といえば、炒めものをするときに使われることが多いですよね。米油ももちろん炒めものをするときに使うことができます。臭いや味にクセがなく食材本来の旨味や風味を味を引き立たせてくれます。
米油はサラダ油などと比較してサラサラとしていて、ベタつきません。
そのため調理をしてもフライパンなどに油がこびりつきませんし、料理を乗せたお皿がベタベタするということもないので、調理をした後の片付けも非常に楽にできます。
米油には揚げ物をするときに感じることが多い油特有の嫌な匂いがありません。油を加熱したときの匂いはアクロレインと呼ばれる成分の発生によるもので、アクロレインは油酔いの原因となることがわかっています。
米油は、加熱をしてもアクロレインの発生量がサラダ油などと比較して少ないため、揚げ物をしても油酔いをして食欲が減退してしまうということがありませんし、部屋中に油の匂いが残ってしまうということもありません。
また、米油は揚げ物をしたときに気泡ができにくい特徴があるので、揚むらができたり油っぽくなってしまうことがないため、揚げ物をするときの揚げ油としても適しています。
オイル蒸しとは、野菜やお肉などの食材を油と一緒に蒸す調理法のことをいいます。
そもそも蒸すという調理法は、茹でるのとは異なりビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素を流出させずに調理をすることができるメリットがあり、油を使ってオイル蒸しにすることで油溶性であるβ−カロテンの栄養素の吸収率をアップさせることができます。
さらっとしていてクセのない米油を使えば、食材そのものの旨味を活かすことができるので、より美味しく野菜を食べることができます。
β−カロテンを豊富に含むズッキーニやにんじん、かぼちゃなどをぜひ米油を使ってオイル蒸しにして食べてみてください。
米油はバターの代用品としてクッキーやケーキ、マフィン、カステラなどの焼き菓子やフォッカチャなどのパンを作ることもできます。
固形で使うときに常温に戻したり溶かす必要があるバターに対して、米油は液体油脂であるため溶かす下準備不要で使いやすいという利点があります。また、生地に混ぜ込むことで口当たりがなめらかになり、まろやかな風味を出すことができます。
米油はバターやマーガリンの代用として、食パンに塗って焼いて食べることもできます。
米油を使うことで、香ばしくトーストを焼き上げることができます。トーストに直接米油を塗って焼くというよりは、フライパンに米油をひいて食パンを焼くのがおすすめです。
米油は原料が米糠ということもあり、お米との相性が非常に良いです。そのため、ご飯を炊く際に米油を入れて炊飯するのがおすすめです。
米油を入れることで、米粒がコーティングされふっくらと粒感のよいご飯が炊きあがる他、米粒がお釜にこびりついてしまうのを防ぐことができます。また、米油によってお米本来の甘味や旨味を引き出すことができ普段より美味しい白米になります。
米油の分量としては、3合で小さじ1杯(5g)程度です。ぜひ試してみてください。
米油は味噌汁や鍋料理の隠し味にもおすすめです。
味噌汁や鍋料理に米油を数滴垂らすだけで、全体的にまろやかな味わいになりますし、風味がよくなります。出来上がりに米油を入れても良いですし、予め食材を米油で炒めても良いです。
ドレッシングを作るときには、温度が低くでも固まることがないサラダ油が使われることが多いですが、サラっとしていて油特有の匂いやクセのない米油を使ってドレッシングを使ってもまろやかで美味しいドレッシングを作ることができます。
特に味や風味がないので和風にも洋風にもよく合います。また、マヨネーズを作ることもできます。米油を使うことでサラダ油を使うよりも栄養価が高くなるのでおすすめです。
マリネとは、肉や魚、野菜などを漬け汁に浸す調理法またはその料理名を指します。フランスではマリナード(marinade)、英語圏ではマリネード(marinade)とよばれます。
基本のマリネ液にはオリーブオイルと酢を使うこと多いですが、米油を使ってマリネを作ることもできます。米油を使うことで酸味をまろやかになり、野菜などの食材本来の味わいや風味を引き立たせます。
また、米油は酸化しにくいためマリネを作り置きしておくことも可能です。時間が経っても美味しく食べることができます。
上述したように米油には米ぬか由来のビタミンEやトコトリエノール(ビタミンE)、γ-オリザノールなど抗酸化作用がある成分が豊富に含まれており、体内の脂質を酸化から守り細胞の健康維持に繋がります。
米油はサラダ油などの油とは異なり、サラサラとしているので手荒れが気になるときなどに、薄く米油を塗ると肌の潤いをキープする効果が期待できます。
ただし、食用の米油はスキンケアをする用には作られていませんので、食用の米油をベタベタ肌に塗ったりするのはおすすめできません。米油を配合したスキンケア商品を購入しましょう。米油を配合したクレンジングオイルや化粧水、乳液の他にもヘアオイルなどもあります。
Tatcha(タッチャ)は2021年9月に日本に上陸したばかりの、アメリカのブランドです。創業者が初めて日本を訪れた際に、京都の舞妓の美容習慣に感銘を受けて作られました。ブランド名は、日本の生花の原型「立花(たてはな)」からインスピレーションを得ているなど、ブランド全体を通して日本を感じられます。
この商品には、米ぬか油と保湿力が高い伊豆大島産のカメリアオイル(椿油)とが配合された油脂系クレンジングオイルです。カメリアオイル(椿油)は、保湿力が高く、ビタミンA、B、C、E、オメガ3、6、9などを豊富に含む植物油として昔から珍重されてきました。また、日本が誇るスーパーフード(米・茶・海藻)を発酵させたタッチャ独自の「HADSEI-3™: ハダセイ-3™」も配合されています。
鉱物油フリー、合成香料フリー、フタル酸フリー、パラベンフリー、動物実験フリーです。また、アレルギーテスト済み*の商品です。
*全ての人にアレルギーが起きないというわけではありません。
マツエク対応、W洗顔不要、濡れた手で使用不可、ウォータープルーフメイク非対応です。
また、Tatchaの洗顔料では、米ぬかと米粉を配合しています。パウダーのなんと3分の1は食用の米粉を使用しているそうです。肌質や肌悩みに合わせて数種類の洗顔パウダーがあります。
鉄製のフライパンは、使用後に水分を飛ばしてから油を塗って保管するのが基本です。これは「油ならし」といって、フライパンに油膜を作っておくことで食材を焦げ付きにくくするためです。
鉄製フライパンの油ならしに使う油は、油なら何でも良いのですが、酸化しにくいこめ油がおすすめです。参加しにくいという理由からオリーブ油を使われることが多いですが、特有の臭いがあるため、臭いが少ない米油を使うと良いです。
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