わらび粉と白玉粉の違いをご存知でしょうか。本記事ではわらび粉と白玉粉の違いを解説します。
わらび粉は、シダ植物の一種であるわらび(蕨)の根からとれるでんぷんを原料に作られたてんぷん粉の一種です。
わらびの根からとれるでんぷん粉のみを使用しているものは「本わらび粉」、わらび粉にさつま芋やじゃが芋のでんぷん粉を合わあせたものは「わらび粉」または「わらびもち粉」と表記されて販売されています。
わらび粉は原料となるわらびを掘り出すのにも製造にも手間がかかるため、現在はわらび粉にさつまいものでんぷんやじゃがいものでんぷんを配合したわらび餅粉が一般的にスーパーなどで販売されています。
白玉粉はもち米を原料に作られた米粉の一種です。
もち米とは白く不透明で、お餅やお赤飯にする粘性のあるお米のことです。もち米と対になるのは「うるち米」です。うるち米は、一般的に食べられている半透明のお米のことです。有名な品種には「あきたこまち」や「コシヒカリ」などがあります。
わらび粉は、地下に埋まっているわらびの茎を掘り出し、20cm〜25cmほどに切り、臼で粉砕します。粉砕したら水を加えてでんぷんを洗い出し、水洗いします。水洗いしたら、再びでんぷんを沈殿させて洗うの作業を繰り返すという製造方法で作られています。
1kgのわらびから採れるでんぷん粉はわずか7〜8gで、上述したように製造に手間もかかるため、わらび粉にさつまいものでんぷん(甘藷澱粉)やじゃがいものでんぷん(馬鈴薯澱粉)を配合して販売されることが多いです。
白玉粉は、まずもち米を水洗いして12時間程度水に浸して吸水させます。吸水させたら原料に対して1〜2倍の水を加えながら石臼で水びきします。この時に出る乳液をふるいにかけて粗粒を分離して、再び粗粒を水びきしたら、沈殿したもの(でんぷん)を圧搾機で脱水し、脱水したものを賽の目切りにして乾燥させるという製造方法で作られています。
白玉粉は米粉の一種ではありますが、でんぷんを取り出して乾燥させるという点では、でんぷん粉に近いといえます。
わらび粉の色は、甘藷澱粉などわらび粉以外のでんぷん粉の配合量が多ければ多いほど白く、わらび粉の配合量が多いと灰色っぽくなります。わらび粉のみを使用している本わらび粉の場合は灰色をしているので白玉粉との違いは一目瞭然でしょう。
わらび粉は大きな塊がたくさんあり、サラサラというよりはザクザクとした触感です。塊は手でさわると簡単に崩れます。
白玉粉の原料はもち米なので、色は真っ白です。
白玉粉も細かいかたまりがたくさんあり、ザクザクとしています。サラサラとした粉状になっていないのは、製造の過程で一度賽の目に切ってから乾燥させているからだと考えられ、品質が悪いからではありません。白玉粉の細かいかたまりも、触れるとすぐに崩れます。
わらび粉に含まれる栄養素やカロリーは、メーカーによって異なります。
わらび粉に甘藷でん粉や馬鈴薯でん粉を配合しているわらびもち粉100gに含まれている成分は下記の通りです。
たんぱく質…約0.1g
脂質…約0.3g
炭水化物…約84.8g
たんぱく質などの栄養素はほとんど含まれず、わらび粉の多くは炭水化物です。
わらび粉100gあたりのカロリーは343Kcal です。でんぷん粉はカロリーが高いため、甘藷でん粉や馬鈴薯でん粉を配合しているわらび餅粉のほうが本わらび粉よりもカロリーが高くなります。
ちなみに、わらびのでんぷんのみを使用している本わらび粉の栄養素・カロリーは下記の通りです。
たんぱく質…約0.4g
炭水化物…約83.2g
食塩相当量…約0.03g
本わらび粉100gあたりのカロリーは、334kcalです。
白玉粉100gに含まれる成分は、下記の通りです。
炭水化物…80~90g
食物繊維…0.5g
たんぱく質…7g
脂質…1.2g
ビタミンB…0.03㎎
ビタミンB2…0.01mg
ナイアシン…0.4㎎
葉酸…14㎍
カルシウム…5㎎
リン…45㎎
鉄分…1.1㎎
マグネシウム…6mg
カリウム…3㎎
白玉粉のカロリーは、100gあたり347kcalです。また、白玉粉の原料はもち米であるため、もち米と同じくたたんぱく質やビタミンなども含まれます。
わらびもち粉は火にかけると粘りが出てトロリとした状態になる性質があり、その名の通りわらび餅を作るのに使われます。ちなみに本わらび粉で作るわらび餅が黒いのに対して、わらび餅粉で作ったわらび餅は、白〜透明になります。また、本わらび粉で作ったわらび餅ほど伸びず、甘藷澱粉や馬鈴薯澱粉の甘みがでます。
甘藷澱粉などを配合したわらび粉は、わらび餅を作る以外にも料理にとろみをつけたり、揚げ物をするときの衣として使うこともできます。
白玉粉の原料であるもち米のでんぷんは、粘り気を出す働きのあるアミロペクチンできているので、白玉粉にも強い粘り気を出すという特徴があります。また、粒子が細かいためやわらかくなめらかな食感を出すことができる他、冷めても固くならないという特徴があり、白玉団子や大福などの和菓子に使われることが多いです。
和菓子作りだけではなく、料理に白玉粉を使うこともできます。例えば、白玉粉の原料はもち米なので、白玉粉を入れてご飯を炊くことでもちもちとした食感が出て、もち米がなくてもおこわ風の炊き込みご飯を作ることができます。
そのほか、わらび粉と同様に料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣として使うことも可能です。
わらび粉と白玉粉は、同じような性質をもつためお互いに代用することはできますが、それぞれ原料や製法が異なる別の粉であるため、全く同じものができるわけではありません。
例えば、わらび粉で白玉団子を作ろうとしても別物になりますし、白玉粉でわらび餅を作ってもやはり食感や風味は同じにはなりません。
焼き菓子を作る際や料理のとろみ付け、揚げ物の衣の代用品にもなりますが、やはり食感に違いがでます。わらび粉はもち米を使用しているわけではないので、白玉粉のようにモチモチとした食感にはなりません。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典