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わらび粉とわらび餅粉の違い。原料・製法・味・使い方を比較

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わらび粉とわらび餅粉の違い。原料・製法・味・使い方を比較

わらび粉とわらび餅粉の違いをご存知でしょうか。本記事ではわらび粉とわらび餅粉の違いを解説します。

わらび粉・わらび餅粉の違いまとめ

わらび粉とは、わらびの根からとれるでんぷんを原料に作られた粉です。片栗粉と同じくでんぷん粉の一種です。

わらび粉には、わらびの根からとれるでんぷんのみを使用しているものと、わらびの根からとれるでんぷんに甘藷澱粉(かんしょでんぷん)や馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)などわらび粉以外のでんぷん粉を配合しているものがあります。

わらびの根からとれるでんぷん粉のみを使用しているものは「本わらび粉」、わらび粉に甘藷澱粉などを配合したものは「わらび粉」または「わらび餅粉」と表記されて販売されています。

商品名でいうとわらび粉とわらび餅粉は同じものを指します。また、わらび粉は「本わらび粉」と「わらび餅粉」の総称として使われることもあります。

わらび餅粉とは

原料

わらび餅粉は、わらび粉に甘藷澱粉(かんしょでんぷん)や馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)葛澱粉(くずでんぷん)などを合わせたでんぷん粉の一種です。名前に「もち」とついていますが、もち粉の一種ではありません。

わらび粉は、シダ植物の一種であるわらび(蕨)の根からとれるでんぷんを原料にして作られたでんぷん粉です。

甘藷澱粉は、さつま芋のでんぷんを沈殿させ乾燥させたものです。「甘藷」はさつま芋の別名です。普段口にしているさつま芋よりも一回り大きく、でんぷんを多く含んでいるさつま芋を原料にしています。 

馬鈴薯澱粉は、じゃが芋のでんぷんを沈殿させ乾燥させたものです。「馬鈴薯」はじゃが芋の別名です。国内で作られる馬鈴薯澱粉は、北海道で生産されたじゃが芋のみを原料として製造されています。

葛澱粉は、マメ科植物クズの根をつぶしてでんぷんを沈殿させて取り出し、何度も不純物をとりのぞいて乾燥させたものです。「葛粉(くずこ)」ともいわれます。

元々は、わらび粉を使ってわらび餅などが作られていましたが、わらびから採れるでんぷん粉はわずか7〜8gと少なく、さらに製造に手間がかかることから価格が高いため、わらび粉の他に甘藷澱粉などを合わせて作った「わらび餅粉」が数多く出回るようになりました。

見た目・性質

わらび餅粉の見た目は白いです。小さな塊がいくつもあり、サラサラというよりはザクザクしています。わらび餅粉の色は、わらび粉とその他のてんぷん粉の配合量によっても変わってきます。わらび粉の量が多ければ灰色っぽくなり、その他のでんぷん粉の量が多いと白っぽくなります。

わらび餅粉は火にかけると粘りが出てトロリとした状態になる性質があります。また、わらび餅粉はわらび粉以外に甘藷でん粉などのでんぷん粉を配合しているため、冷やしても固くならないという特徴があります。

使い方

和菓子

わらび餅粉はその名の通り、わらび餅を作るときに使われることが多いです。わらび餅粉で作ったわらび餅は、白〜透明になり、甘藷でん粉や馬鈴薯でん粉の甘みがあります。わらび餅にあんこを包んで水まんじゅうを作ることも可能です。

また、わらび餅粉はわらび餅や水まんじゅうだけではなく水羊羹(みずようかん)、ういろうなどの和菓子を作ることもできます。

洋菓子

わらび餅粉を使って、パンケーキやシフォンケーキ、ドーナツ、ポンデケージョなどを作ることもできます。小麦粉とは異なりグルテンが含まれていないのでふっくらとはしませんが、もちもちとした食感に仕上げることができます。

また、わらび餅粉は冷蔵庫に入れて冷やし固めることができるためぷるぷるとした食感のゼリーやプリンを作ることもできます。

揚げ物の衣

わらび餅粉は、唐揚げなどの揚げ物を作るときの衣としても使うことができます。わらび餅粉を衣に使うと、小麦粉を衣にするよりもカリっとした食感になります。

とろみ付け

あんかけを作るときなどのとろみ付けに使われることが多い片栗粉は、じゃが芋のでんぷんを乾燥させたでんぷん粉です。上述したようにわらび餅粉も同じくでんぷん粉なので、片栗粉の代用品としてわらびもち粉を使って料理にとろみを付けることができます。

栄養素・カロリー

わらび餅粉に含まれる栄養やカロリーは、メーカーによって異なります。

わらび粉に甘藷でん粉や馬鈴薯でん粉を配合しているわらび餅粉100gに含まれている成分は下記の通りです。

  • たんぱく質…約0.1g

  • 脂質…約0.3g

  • 炭水化物…約84.8g

わらび餅粉100gあたりのカロリーは343Kcal です。でんぷん粉はカロリーが高いため、甘藷澱粉や馬鈴薯澱粉を配合しているわらび餅粉のほうが本わらび粉よりもカロリーが高くなります。

よくスーパーなどで売られているわらびもち粉で作られているわらび餅は、1パック(一人前)あたり285kcalで、糖質約66gです。透明で涼しげな印象のわらび餅は、カロリーが低いと思われがちですが、実はカロリーが高く糖質量も多いので注意が必要です。ちなみに、原材料にタピオカでん粉が配合されているものはさらにカロリーが高くなるので、ダイエット中の方は、わらび餅を購入する際は原材料を確認して購入することをおすすめします。

本わらび粉とは

原料

本わらび粉の原料は、わらびからとれるでんぷん粉のみです。

わらび粉は、地下に埋まっているわらびの茎を掘り出し、20cm〜25cmほどに切り、臼で粉砕します。粉砕したら水を加えてでんぷんを洗い出し、水洗いします。水洗いしたら、再びでんぷんを沈殿させて洗うの作業を繰り返すという製造方法で作られています。

上述したように1kgのわらびから採れるでんぷん粉はわずかで、製造に手間がかかるため価格が高くなります。

見た目・性質

本わらび粉の色は灰色で、わらび餅粉と同様にさらさらとした粉というよりは、細かい塊がいくつもあります。

本わらび粉は、強い粘性が出るのが特徴で、昔は強い粘性を糊(のり)としても活用されており、和傘や油紙、かっぱなどを作るときに重宝されていました。

使い方

本わらび粉は、風味が良くわらび餅など和菓子に使われます。本わらび粉で作るわらび餅は色が黒くなり、良く伸びます。

本わらび粉で作ったわらび餅は、わらび餅粉で作ったわらび餅よりも柔らかく口溶けが良いのが特徴で、できたて30分以内に食べるのがより美味しく食べるポイントです。

本わらび粉で作られたわらび餅は、時間が経つほど固くなってしまい口溶けが悪くなってしまうので冷蔵庫で粗熱を取る際は冷やしすぎないように注意しましょう。

本わらび粉もういろうなどわらび餅以外の和菓子を作ることができますが、高価なのであまり頻繁にわらび餅を作る以外の用途で使われることはありません。

栄養素・カロリー

本わらび粉100gあたりに含まれる成分は、下記の通りです。

  • たんぱく質…約0.4g

  • 炭水化物…約83.2g

  • 食塩相当量…約0.03g

本わらび粉100gあたりのカロリーは、334kcalです。これはそうめん1人前(100g)を食べたときと同じカロリーです。本わらび粉から作られているわらび餅は、1パック(一人前)あたり314kcalで糖質量(炭水化物から食物繊維を引いたもの)はおよそ60gなので、カロリーだけではなく糖質量も多いです。

わらび餅にきな粉や黒糖をかけると、さらにカロリーは高くなり、糖質量も多くなるので、食べすぎると太る原因になってしまいます。