薄力粉と薄力粉小麦粉の違いをご存知でしょうか。本記事では薄力粉と薄力小麦粉の違いについて紹介します。
薄力粉と薄力小麦粉は同じものを指します。
小麦を原料に作られる小麦粉は、原料となる小麦の種類によって薄力小麦粉、中力小麦粉、強力小麦粉に分けられ、それぞれグルテンの含有量が異なります。小麦粉のうち最もグルテンの含有量が少ないものが薄力小麦粉で、「薄力小麦粉」を略して生まれたのが「薄力粉」という言葉です。
口頭では「薄力粉」とよばれることが圧倒的に多いですが、「薄力小麦粉」という商品名で販売されていることがあったり、レシピに薄力小麦粉と記載されていることがあるため別のものなのでは?と思う方が多いようです。
ちなみに「中力小麦粉」や「強力粉麦粉」も同様に「中力粉」「強力粉」とよばれることが多いです。
薄力粉の原料は粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)です。米国産のウエスタンホワイトホイートという品種が使われることが多いです。
上述したように「薄力小麦粉」といわれる場合もありますが、全く同じものを指し、違いはありません。「薄力小麦粉」を略して生まれたのが「薄力粉」という言葉です。
薄力粉・中力粉・強力粉の製粉方法は全て同じです。
小麦粉は、多数のロール製粉機とふるいの組み合わせにより、小麦の胚乳組織を粗く砕いて分離し、これを粉砕するという方法で作られています。粉砕する際に数十種類の粉が得られますが、最終的には2〜4種類に仕分けされて、その性状により希望する等級になるようにそれぞれの粉を組み合わせます。
胚乳部分にある灰分の含有量によって特等粉、1等粉、2等粉、3等粉、末分にわけられ、これを等級といいます。灰分含有量が0.3~0.35%のものは特等粉、0.35~0.45%のものが1等粉、0.45~0.65%のものが2等粉、0.7~1.0%のものが3等粉、1.2~2.0%のものが末粉と分類されます。
灰分の含有量が少ない方が白くなり(その分栄養価は少ないですが…)上級粉となります。灰分の含有量が多いと茶褐色になり、下級粉となります。例えば、強力粉の1等粉は高級食パンに、強力粉の3等粉は通常の食パンなどと使い分けされます。
また、仕分けせずに全部を混合したものがあり、これを「ストレート粉」といいます。
灰分は外皮や胚芽部分に多く含まれるミネラルや食物繊維のことです。小麦粉は調理過程で加熱されると、たんぱく質や脂質は燃えてなくなってしまうのですが、一部のミネラルや食物繊維は灰として残るため、このように記載されています。
薄力粉はグルテンの含有量が6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と、最も少ない小麦粉です。
グルテンの含有量が少ないため水でこねたときに粘りが出にくく、ふんわりした生地になり歯切れがよくなります。ただし、混ぜすぎてしまうとグルテンの粘りが出てしまい薄力粉の良さが損なわれてしまうので注意が必要です。
ちなみに、グルテン含有量がさらに少ないものを「超薄力粉」ということがありますが、商品名としては使われていません。
グルテンとは、弾力に富むが伸びにくいグルテニンと、弾力は弱いが伸びやすいグリアジンの2種類のたんぱく質が、水分によって結びついたものです。グルテンの量に生地の硬さが決まります。パンなどの「ふわふわ、モチモチ」という食感はこのグルテンによってもたらされます。
薄力粉の原料である軟質小麦は粒が柔らかいため、製粉すると小麦粉の中で最も粒子が細かくなり触ると手にまとわりつく感覚があります。
粒子が細かいので口当たり滑らかに仕上げることができますが、使用する際は水分を吸いにくくだまになりやすいという点に注意しましょう。
薄力粉は、グルテンの含有量が少ないためクッキーやスポンジケーキなどのお菓子作りに使われることが多いです。薄力粉を使うことで、サクサクとした歯切れの良い食感に仕上がります。
天ぷらや唐揚げの揚げ物にも薄力粉がよく使われます。カリッとした歯切れのよい食感に仕上がります。
薄力粉は、料理のとろみ付けに使用することもできます。ただし、片栗粉ほどしっかりとしたとろみをつけることはできません。また、薄力粉でつけるとろみは透明にはならずにごります。クリームシチューを作るときなどに薄力粉でとろみをつけることが多いです。
とろみ付けをするときは、片栗粉と同じように水で溶いてから使います。
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